鬼蜘蛛の網の片隅から
2021年01月21日
2021年01月17日
2021年01月15日
リンゴヒゲボソゾウムシとトゲアシヒゲボソゾウムシ
散歩をしているとしばしば見かける緑色のゾウムシ。1種類だと思っていたが、写真を撮るようになってから2種いることが分かった。リンゴヒゲボソゾウムシ(リンゴヒゲナガゾウムシとアオヒゲボソゾウムシが同種とされ、リンゴヒゲボソゾウムシという名になった)と、トゲアシヒゲボソゾウムシ(旧ミヤマヒゲボソゾウムシ)。なんだかややこしい。
リンゴヒゲボソゾウムシは脚が褐色だが、トゲアシヒゲボソゾウムシは黒っぽい。どちらも体長は6~8mmほど。

リンゴヒゲボソゾウムシ 2019年5月30日 北海道十勝地方

トゲアシヒゲボソゾウムシ 2020年6月23日 北海道十勝地方
リンゴヒゲボソゾウムシは脚が褐色だが、トゲアシヒゲボソゾウムシは黒っぽい。どちらも体長は6~8mmほど。
リンゴヒゲボソゾウムシ 2019年5月30日 北海道十勝地方
トゲアシヒゲボソゾウムシ 2020年6月23日 北海道十勝地方
2021年01月13日
ムネビロイネゾウモドキ
昨年は何度か橋の欄干でムネビロイネゾウモドキを見かけた。ドロノキを食べるので、河畔のドロノキ周辺に多いのだと思う。体長7mm前後。

2020年6月24日撮影 北海道十勝地方

2020年10月10日撮影 北海道十勝地方
2020年6月24日撮影 北海道十勝地方
2020年10月10日撮影 北海道十勝地方
タグ :ムネビロイネゾウモドキ
2021年01月11日
2021年01月09日
クワヒョウタンゾウムシ
クワヒョウタンゾウムシは体長7mm前後の茶色いゾウムシ。上翅の間室が隆起しているのが特徴。さまざまな植物の根を食べるので害虫として知られている。「札幌の昆虫」(木野田君公著 北海道大学出版会)によると北海道では単為生殖とのこと。

2011年11月3日撮影 北海道十勝地方
2011年11月3日撮影 北海道十勝地方
タグ :クワヒョウタンゾウムシ
2021年01月07日
2021年01月05日
アイノシギゾウムシ
これまでに撮った動植物の写真を少しずつ紹介していきたいと思う。まずは甲虫から。
アイノシギゾウムシは体長3.5~4mmほど(口吻を除く)の小さなゾウムシ。ハンノキの雄花に産卵するとのこと。昨年は散歩で何回かであった。

2020年10月8日撮影

2020年10月8日撮影

2020年10月28日撮影
アイノシギゾウムシは体長3.5~4mmほど(口吻を除く)の小さなゾウムシ。ハンノキの雄花に産卵するとのこと。昨年は散歩で何回かであった。

2020年10月8日撮影

2020年10月8日撮影

2020年10月28日撮影
タグ :アイノシギゾウムシ
2021年01月02日
ブログタイトルの変更
新年ということもあり、ブログのタイトルとプロフィール画像を変えてみた。プロフィール画像は亜寒帯針葉樹林に棲むキタグニオニグモ。ブログ開設が2007年5月なので、今年の5月で14年になる。最近は更新ものんびりだが、マイペースで更新したいと思っている。
昨年はマクロ撮影のできるコンパクトデジカメ(オリンパスTough TG-6)を購入したこともあり、散歩がてら昆虫やクモの写真を撮るようになった。なかなか良い写真が撮れないが、今年も気長に続けていきたい。気を付けていなければ見過ごしてしまうような小さな昆虫やクモたちの世界は奥深く興味がつきない。そんな昆虫やクモの写真も少しずつ紹介していきたいと思う。
それにしても、生き物たちの減少が著しい。この数十年でどれほどの生物多様性が失われてしまったのかと思うと言葉がない。人類は富と利便性のためにかけがえのない自然環境を壊し収奪してきた。資本主義を終わらせないと地球環境は持たないし人類も終わる。その前に人々は方向転換ができるのだろうか? そんなことをどうしても考えてしまう今日この頃だ。
昨年はマクロ撮影のできるコンパクトデジカメ(オリンパスTough TG-6)を購入したこともあり、散歩がてら昆虫やクモの写真を撮るようになった。なかなか良い写真が撮れないが、今年も気長に続けていきたい。気を付けていなければ見過ごしてしまうような小さな昆虫やクモたちの世界は奥深く興味がつきない。そんな昆虫やクモの写真も少しずつ紹介していきたいと思う。
それにしても、生き物たちの減少が著しい。この数十年でどれほどの生物多様性が失われてしまったのかと思うと言葉がない。人類は富と利便性のためにかけがえのない自然環境を壊し収奪してきた。資本主義を終わらせないと地球環境は持たないし人類も終わる。その前に人々は方向転換ができるのだろうか? そんなことをどうしても考えてしまう今日この頃だ。
2020年12月25日
雌阿寒岳の麓に新たな道路は必要か?
雌阿寒岳と阿寒富士の西側山麓にはカエゾマツを主体とする針葉樹林が広がり、堰止湖であるオンネトーは景勝地として知られている。
オンネトーには国道241号から道道949号(オンネトー線)が通じており、大半の観光客はこの道路を往復してオンネトー観光を楽しむ。オンネトー湖岸の道路は舗装されているものの国立公園の第1種特別地域に含まれることから道幅が狭くなっている。湖の南端からは道道664号(道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線)が螺湾川沿いに足寄方面に通じているのだが、4.4キロほどの区間は一車線の未舗装道路となっている。下の写真は未舗装の現道。

北海道は、雌阿寒岳の噴火に備えて車両の迅速な通行を確保するという目的で、この未舗装区間に平行するように幅員5.5メートルの完全2車線舗装道路を開削する計画を進めている。事業費約15億円をかけて広大な面積の森林を伐採し道路を建設しようとしているのだが、多くの道民には知られていない。

計画されている道路は、カーブを避け起伏も少なくするためにほぼ全線にわたって切土・盛土がなされ、幅30~40メートルもの法面が形成されることになる。この工事によって雌阿寒岳の麓に広がるアカエゾマツを主体とした天然林約9万平方メートルが破壊される。これは東京ドーム約2個分に相当する。森林が壊されるだけではなく、希少な動植物の生息地も壊されることになる。切り開かれた広大な法面には外来種も侵入してくるだろう。下の写真は開削予定地。

「防災のために避難道路が必要」と言われたら、多くの人が疑問を持たないかもしれない。しかし、雌阿寒岳が噴火した場合、本当にこの道路が防災・減災に役立つのだろうか?
雌阿寒岳火山防災計画(令和2年6月)によると、避難には「事前避難」と「緊急避難」がある。「事前避難」は噴火警戒レベルが3に上がったときに雌阿寒岳温泉・オンネトー周辺の観光客に、噴火警戒レベルが2に上がり火口周辺の危険性が上がったときに登山者に適用される。つまり事前避難であればあわてずに順次避難すればいいのであり、立派な避難道路が必要とは思えない。とすると、避難道路が必要となるのは突発的噴火が発生して「緊急避難」が必要になったときだ。
雌阿寒岳が突発的に噴火したときのことを考えてみよう。火砕流や山体崩壊がオンネトー方面に向かって発生したら避難する時間はない。雌阿寒岳の西側で融雪型泥流が発生したら螺湾川沿いに流れ下るので、モアショロ原野螺湾足寄停車場線は避難道路としては使えない。噴石が飛んできた場合も逃げる時間的猶予はないので、建物や岩陰などに身を隠したりリュックサックなどで頭を守る行動をとるのが原則だ。道路に噴石が落ちれば車両が通行できなくなることもある。つまり、このような噴火現象が起きた場合は避難道路を利用して逃げるということにはならない。溶岩流の場合は歩く程度の速さなので、迅速に避難するための道路は必要ない。
では、火山灰はどうだろうか。火山灰が降ってきた場合は視界不良になり、道路に火山灰が積もれば滑りやすくなる。また前方の車両が火山灰を巻き上げると視界不良になる。つまり火山灰が降下したら安全に走れないので、2車線の舗装道路があったところでゆっくり走行するしかない。噴火はしたけれど火山灰も降らず避難路に大きな影響がないような場合は1分1秒を争って避難する必要はないので、現道で十分避難は可能だ。
しかし、事業者は緊急車両などとのすれ違いがありうるので二車線道路が必要だという。これは言い訳にしか聞こえない。救急車やパトカーなどの緊急車両とて現場の安全が確認されない限り現場に入ることにはならない。噴石や火山灰が降り注ぐようなときに現場に向かったら二次被害になりかねない。
現道は砂利道で狭く対向車が来たらすれ違いが困難だというのなら、舗装にして待避場を多く設けたり、拡幅可能な場所は拡幅するなど改良すれば、何ら問題はないだろう。私も現地に行ってみたが、このような改修を行えば、ほとんど自然に手を付けずに今よりスムーズに走行できるようになる。
雌阿寒岳は気象庁が地震計や監視カメラなどの観測機器を設置し常時監視している火山だ。道路のゲートや登山口、駐車場などに電光掲示板などで異変や噴火の兆候を速やかに知らせ、避難を促したり立ち入りを規制することで、噴火による被害を減らすことができる。また、噴石に対してはシェルターが有効だ。
こうした火山噴火の状況を踏まえたなら、立派な道路を造れば噴火の際の被害を軽減できるという考えにはならないだろう。
私は個人的には活火山に登ったり近づくこと自体が自己責任だと思っている。頻繁に噴火している火山を除き、火山噴火に遭遇する確率は非常に小さいが、いつ噴火するか分からないという側面もある。火山に近づくという行為には常にリスクがあることを自覚すべきだろう。
火山のつくりだす自然の光景は厳しくも美しく、ゆえに多くの人々を魅了する。しかし、爆裂火口や巨大なカルデラ、分厚く堆積した火山灰などを目の当たりにしたら、そのエネルギーの大きさに圧倒される。自然の前では人々は謙虚になるしかない。この神秘的な光景を見るためにはリスクがつきものであることを忘れてはならない。
ほんの数分早く通過できる立派な道路を造れば防災・減災ができるという考えは、噴火の脅威を無視した人間の驕りとしか思えない。
オンネトーには国道241号から道道949号(オンネトー線)が通じており、大半の観光客はこの道路を往復してオンネトー観光を楽しむ。オンネトー湖岸の道路は舗装されているものの国立公園の第1種特別地域に含まれることから道幅が狭くなっている。湖の南端からは道道664号(道道モアショロ原野螺湾足寄停車場線)が螺湾川沿いに足寄方面に通じているのだが、4.4キロほどの区間は一車線の未舗装道路となっている。下の写真は未舗装の現道。

北海道は、雌阿寒岳の噴火に備えて車両の迅速な通行を確保するという目的で、この未舗装区間に平行するように幅員5.5メートルの完全2車線舗装道路を開削する計画を進めている。事業費約15億円をかけて広大な面積の森林を伐採し道路を建設しようとしているのだが、多くの道民には知られていない。

計画されている道路は、カーブを避け起伏も少なくするためにほぼ全線にわたって切土・盛土がなされ、幅30~40メートルもの法面が形成されることになる。この工事によって雌阿寒岳の麓に広がるアカエゾマツを主体とした天然林約9万平方メートルが破壊される。これは東京ドーム約2個分に相当する。森林が壊されるだけではなく、希少な動植物の生息地も壊されることになる。切り開かれた広大な法面には外来種も侵入してくるだろう。下の写真は開削予定地。

「防災のために避難道路が必要」と言われたら、多くの人が疑問を持たないかもしれない。しかし、雌阿寒岳が噴火した場合、本当にこの道路が防災・減災に役立つのだろうか?
雌阿寒岳火山防災計画(令和2年6月)によると、避難には「事前避難」と「緊急避難」がある。「事前避難」は噴火警戒レベルが3に上がったときに雌阿寒岳温泉・オンネトー周辺の観光客に、噴火警戒レベルが2に上がり火口周辺の危険性が上がったときに登山者に適用される。つまり事前避難であればあわてずに順次避難すればいいのであり、立派な避難道路が必要とは思えない。とすると、避難道路が必要となるのは突発的噴火が発生して「緊急避難」が必要になったときだ。
雌阿寒岳が突発的に噴火したときのことを考えてみよう。火砕流や山体崩壊がオンネトー方面に向かって発生したら避難する時間はない。雌阿寒岳の西側で融雪型泥流が発生したら螺湾川沿いに流れ下るので、モアショロ原野螺湾足寄停車場線は避難道路としては使えない。噴石が飛んできた場合も逃げる時間的猶予はないので、建物や岩陰などに身を隠したりリュックサックなどで頭を守る行動をとるのが原則だ。道路に噴石が落ちれば車両が通行できなくなることもある。つまり、このような噴火現象が起きた場合は避難道路を利用して逃げるということにはならない。溶岩流の場合は歩く程度の速さなので、迅速に避難するための道路は必要ない。
では、火山灰はどうだろうか。火山灰が降ってきた場合は視界不良になり、道路に火山灰が積もれば滑りやすくなる。また前方の車両が火山灰を巻き上げると視界不良になる。つまり火山灰が降下したら安全に走れないので、2車線の舗装道路があったところでゆっくり走行するしかない。噴火はしたけれど火山灰も降らず避難路に大きな影響がないような場合は1分1秒を争って避難する必要はないので、現道で十分避難は可能だ。
しかし、事業者は緊急車両などとのすれ違いがありうるので二車線道路が必要だという。これは言い訳にしか聞こえない。救急車やパトカーなどの緊急車両とて現場の安全が確認されない限り現場に入ることにはならない。噴石や火山灰が降り注ぐようなときに現場に向かったら二次被害になりかねない。
現道は砂利道で狭く対向車が来たらすれ違いが困難だというのなら、舗装にして待避場を多く設けたり、拡幅可能な場所は拡幅するなど改良すれば、何ら問題はないだろう。私も現地に行ってみたが、このような改修を行えば、ほとんど自然に手を付けずに今よりスムーズに走行できるようになる。
雌阿寒岳は気象庁が地震計や監視カメラなどの観測機器を設置し常時監視している火山だ。道路のゲートや登山口、駐車場などに電光掲示板などで異変や噴火の兆候を速やかに知らせ、避難を促したり立ち入りを規制することで、噴火による被害を減らすことができる。また、噴石に対してはシェルターが有効だ。
こうした火山噴火の状況を踏まえたなら、立派な道路を造れば噴火の際の被害を軽減できるという考えにはならないだろう。
私は個人的には活火山に登ったり近づくこと自体が自己責任だと思っている。頻繁に噴火している火山を除き、火山噴火に遭遇する確率は非常に小さいが、いつ噴火するか分からないという側面もある。火山に近づくという行為には常にリスクがあることを自覚すべきだろう。
火山のつくりだす自然の光景は厳しくも美しく、ゆえに多くの人々を魅了する。しかし、爆裂火口や巨大なカルデラ、分厚く堆積した火山灰などを目の当たりにしたら、そのエネルギーの大きさに圧倒される。自然の前では人々は謙虚になるしかない。この神秘的な光景を見るためにはリスクがつきものであることを忘れてはならない。
ほんの数分早く通過できる立派な道路を造れば防災・減災ができるという考えは、噴火の脅威を無視した人間の驕りとしか思えない。