さぽろぐ

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2024年03月11日

クモの絵を描く楽しみ(原始的クモ類編)

 今日は、少しずつ描いているクモの標本画(ケント紙に色鉛筆)のうち、原始的なクモ類の絵を紹介したい。といっても北海道在住の私はエゾトタテグモの他はキシノウエトタテグモとジグモしか標本を持ち合わせていないので、この3種のみ。いずれも地面に穴を掘って潜む。

【エゾトタテグモ】


 上が雌、下が雄。カネコトタテグモ科。北海道の固有種。両開きの扉を持つ穴を地面に掘って日中は中に潜んでいるために人目につくことは少ないが、森林地帯を中心に低地から高山まで広く分布している。ピットフォールトラップには雄がよくかかるので、雄は夜間にかなり徘徊しているものと思われる。体長は雌が12~18mm、雄が10~14mm。


【キシノウエトタテグモ】

 トタテグモ科。本州、四国、九州に分布。崖地などに片開きの扉をつけた横穴を掘り、中に潜む。腹部に淡色の縞模様があるのが特徴。体長は雌が10~15mm、雄が9~15mm。


【ジグモ】

 ジグモ科。本州、四国、九州に分布。北海道では道南で記録があるが、人為的分布の可能性がある。樹木の根元などに穴を掘って糸で裏打ちした袋状の住居をつくるが、袋状の住居の上部は地上に出ており木の根元や塀などに付着させている。餌となる昆虫や小動物が袋部分に触れると、クモは袋越しに獲物に噛みつき住居の中に引きずり込んで食べる。体長は雌が12~20mm、雄が10~17mm。

  


Posted by 松田まゆみ at 20:41Comments(0)クモ

2023年12月30日

クモの絵を描く楽しみ(エビグモ編)

 今日は、今まで描いてきたクモの標本画の中からエビグモ科のクモを紹介しようと思う。

 エビグモ科のクモは網を張らない徘徊性のクモで、歩脚が長く側方に伸びている。草本や樹木の枝葉、幹などに生息し扁平な体をしているものが多い。

【ブチエビグモ】

色彩・斑紋には変異があり、灰白色と黒のブチ模様が鮮明なものの他、全体的に灰褐色の個体や腹部に二つの淡色斑がある個体などがいる。


【ハモンエビグモ】

淡い灰褐色をしたエビグモで、河川敷などで見ることが多い。


【コガネエビグモ】

茶褐色の体色をしたエビグモで、北海道ではよく見かける。


【キタエビグモ】

私の居住地周辺ではよく見かける小型のエビグモ。


【キエビグモ】

腹部は濃灰褐色で、淡色の小斑が並ぶ。


【キハダエビグモ】

主に樹木の幹に生息しているエビグモ。



【ヤマトヤドカリグモ】

草地など開けた環境に生息し、地表近くの草間などで見かける。


【スジシャコグモ】

近縁のシャコグモに良く似るが、北海道にはスジシャコグモしか生息していない。第1、第2歩脚を揃えて植物の葉や茎などに静止していることが多い。
  

Posted by 松田まゆみ at 16:54Comments(0)クモ

2023年12月09日

クモの絵を描く楽しみ(カニグモ編)

 以前、「クモの絵を描く楽しみ」という記事で、コガネグモ科のクモの標本画を少し紹介した。その後も時間があるときにクモの標本画を少しずつ描いている。今回もまたリクエストがあったので、その後に描いたカニグモ科のクモからいくつかを選んでアップしたい(フノジグモ以外は寒冷地に多い種)。いずれもB6サイズのケント紙に色鉛筆で描いている。

 カニグモ科のクモは網を張らない徘徊性のクモで、長くてがっちりした第一歩脚と第二歩脚で獲物を捕らえる。花や葉などの植物上で獲物を待ち伏せるもの、木の幹などを徘徊しているもの、落葉の下などに棲んでいるものなどがいる。



【ヒメハナグモ】

全身白色あるいは黄色で、腹部の肩に赤褐色の斑紋を持つ個体もある。


【ギョウジャグモ】

本州の高標高地と北海道で記録があるクモで、採集例は少ない。


【フノジグモ】

腹部は赤に黒い斑紋の個体のほか、黄色に黒い斑紋の個体もいる。


【タカネエビスグモ】

北海道と本州の山地に生息する。腹部の色彩斑紋は変異が大きい。


【チクニエビスグモ】

本州以南は山地に生息するが、北海道では平地から山地まで広く分布。


【ノラオチバカニグモ】

 草地などに生息するが、個体数は少ない。


【アトムオチバカニグモ】

北方系の種で、採集例は多くない。


【ダイセツカニグモ】

大雪山の高山帯に生息する固有種。


【シギカニグモ】

日本では北海道にのみ分布。


【カニグモ】

カニグモ属の基準種のため「カニグモ」という和名がつけられた。
  


Posted by 松田まゆみ at 16:08Comments(2)クモ

2023年10月20日

キハダカニグモ

 散歩から帰ったら家の壁に小型の黒っぽいカニグモの雄がいるのを見つけた。キハダカニグモだった。キハダカニグモは北海道ではあまり多くないようで、これまで居住地周辺で見たことはなかった。和名の通り、樹幹に生息し、樹皮に似た体色をしている。体長は雌が4~8mm、雄が4~6mm。カニグモ科。


雄 2023年10月7日 北海道十勝地方
  


Posted by 松田まゆみ at 16:31Comments(0)クモ

2023年10月19日

チビサラグモ

 森林に生息するサラグモで、地表近くの低い場所にシート網を張るために、自然状態では背面からの写真がどうしても撮れない。写真の個体は倒木の脇に網を張っていたもの。体長は4~5mm。サラグモ科。


雌 2023年6月10日 北海道十勝地方
  


Posted by 松田まゆみ at 16:19Comments(0)クモ

2023年10月18日

オオハエトリ

 種名の通り大型のハエトリグモで、壁や塀などの人工物や樹木の幹などで見られる。色彩は地味だが、樹皮によく似ており隠蔽色なのだろう。体長は雌が10~13mm、雄が8~10mm。ハエトリグモ科。


雌 2020年5月26日 北海道十勝地方


雄 2017年5月18日 北海道十勝地方
  


Posted by 松田まゆみ at 21:50Comments(0)クモ

2023年10月17日

マガネアサヒハエトリ

 当地では良く見るハエトリグモで、草本や樹木の枝葉上を徘徊している。図鑑では色彩変異が大きいとされているが、当地で見かけるのは写真のようなタイプばかり。体長は雌が5mm前後、雄が4mm前後。ハエトリグモ科。


雌 2015年5月26日 北海道十勝地方


雄 2020年6月6日 北海道十勝地方
  


Posted by 松田まゆみ at 16:20Comments(0)クモ

2023年10月15日

マダラスジハエトリ

 マダラスジハエトリは散歩コースの渓流にかかる橋の欄干でよく見かけるのだが、何故か雌や幼体ばかりで、ここで雄の成体を見た記憶がない。やや大型のハエトリグモで、腹部の斑紋が特徴的。雌雄で色彩・斑紋が異なり、雄の腹部は中央に黒条があり側方は灰白色のコントラストが鮮やかな色彩。体長は雌が9~10mm、雄が8~9mm。ハエトリグモ科。


雌 2020年10月8日 北海道十勝地方
  


Posted by 松田まゆみ at 17:19Comments(0)クモ

2023年10月12日

ホオジロハエトリ

 草原や林縁などの開けた環境に生息する。私は長野県の霧ヶ峰でしばしば見かけており、本州では高原のクモという印象が強い。北海道では個体数は多くない。雄は頭胸部に一対の白斑がある。体長は雌が6~7mm、雄が5~6mm。ハエトリグモ科。


雌 2009年7月4日 北海道釧路地方
  


Posted by 松田まゆみ at 21:07Comments(0)クモ

2023年10月10日

ネコハエトリ

 普通種と言われるが、北海道ではそれほど多いという印象はない。私の居住地ではウススジハエトリやイナズマハエトリの方が遥かに普通。色彩や斑紋には変異があるが、雄はかなり黒っぽい。雄同士を戦わせる「ホンチ」という遊びで知られる。体長は7~8mm。ハエトリグモ科。


雌 2022年6月17日 北海道十勝地方


雄 2020年6月1日 北海道十勝地方
  


Posted by 松田まゆみ at 21:31Comments(0)クモ