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鬼蜘蛛の網の片隅から › 2018年08月22日

2018年08月22日

晩夏の浮島湿原

 数日前、久しぶりに浮島湿原に出かけた。浮島湿原は上川町の標高860メートルほどのところにある高層湿原だ。アカエゾマツに囲まれ池塘が点在する光景は森林限界の上にある大雪山の「沼の原」や「沼の平」などとはちょっと趣を異にする。

 湿原への歩道入口には立派な看板とトイレを備えた駐車場がある。ここから1.6キロ歩くと浮島湿原の入口だ。浮島湿原はこれまでも4回ほど行っているのだが、入口の階段は浸食されてだいぶ傷んでいる。ウッドチップが敷かれて整備されていた歩道も、今は草がかなり入り込んでいて、ところどころぬかるんでいる。




 のんびりと30分ほど歩いて湿原に到着。ここが湿原の入口。木道が整備されているが、老朽化が進んで一部は立ち入り禁止になっていた。




 8月も下旬にさしかかるこの季節は湿原に花の彩りはなく、晩夏というより初秋に近い印象を受ける。タチギボウシも花は終わっている。リンドウの季節だと思っていたのだが、花が見当たらない。が、よく見るとリンドウはちゃんとある。ただし、花のつく頂部がシカに食べられているのだ。やっと見つけたのがこれ。低地にあるエゾリンドウより青色が濃いエゾオヤマリンドウだ。




 リンドウはシカの好物らしく、十勝三股ではシカが増えてからリンドウが姿を消してしまった。浮島湿原の場合は食べられているのは上の方だけだから株自体は残っているのだが、花が見られないのはちょっと残念。

 木道を歩いていくと、こんな光景が展開する。






 花がほとんどない中で、白いウメバチソウの花が目立つ。




 ヒツジグサも1輪だけ咲いていた。




 林野庁は近いうち歩道や木道の整備をする予定はあるのだろうか? ここ数年の大雨であちこちの林道が流されたりしたので災害復旧等で忙しいのか、それとも予算がないのか・・・。このまま木道の補修がされなければ、じきに湿原の散策もできなくなるだろう。

 そう言えば、かつて大雪山の沼の平から松仙園を経て愛山渓に通じる道があり、学生時代に永山岳に登った帰路に歩いたことがあるが、今は沼の平から松仙園の道は廃道になってしまったようだ。人が歩かなければ登山道はすぐに草木が生い茂り消えてしまう。3年前に行った原始が原の五反沼への道も廃道状態だった。

 整備を止めたり人が歩かなければ登山道が消えるのは自然の摂理だが、メインの登山道がオーバーユースで荒廃する一方で、消えていく道があるのはちょっと寂しい気もする。
  

Posted by 松田まゆみ at 21:56Comments(2)自然・文化