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鬼蜘蛛の網の片隅から › 2019年04月19日

2019年04月19日

被ばくによる健康被害を「風評」にしてしまう人たちを信じてよいのか

 漫画「美味しんぼ」の作者である雁屋哲さんの4月15日のブログ記事が話題になっている。雁屋さんが、「美味しんぼ」で主人公が福島の取材から帰ってきた直後に鼻血を出すという描写をしたところ、風評だと言われて非難されたことを記憶している人は多いと思う。その後、雁屋さんの周辺で奇怪なことがいくつも起きているという。ツイッターなどをやっていない人は知らない人も多いと思うので、紹介しておきたい。

奇怪なこと(雁屋哲の今日もまた)

 福島の原発事故が起きてから鼻血が出たという話はあちこちで聞かれたし、被ばくとの関係が指摘されていた。被ばく問題に関心を持っている人なら、放射性微粒子が鼻血の原因になることは知っていると思う。

 取材のために福島に行った雁屋さん自身も、福島から帰った直後に突然鼻血を出すようになり、疲労感を覚えるようになった。しかも、福島取材に行った取材班の4人の中の3人が鼻血を出し、その中のお一人は体調が回復せずに歯茎からも出血するようになり、脳梗塞で亡くなられたという。井戸川前町長も「私も鼻血が出ます。今度の町長選の立候補を取りやめたのは、疲労感が耐え難いまでになったからです」、「私が知るだけでも同じ症状の人が大勢いますよ。ただ、言わないだけです」と発言している。これらの個々の症状は被ばくだと断言できないとしても、複数の人に同時に生じていることから、「被ばく」を抜きにして説明できないのではなかろうか。

 ところが、安倍首相はこうした事実を「風評」だといってマスコミを利用して非難した。一国の首相が事実を風評だと決めつけ、事実を語る人を非難することで、被ばくによる健康被害の否定に躍起になっている。狂っているとしか言いようがない。しかし、こうしたことは雁屋さんに限らない。被ばくによる健康被害について言及したり懸念する人たちの多くが、デマ呼ばわりされてきた。さらに汚染地域在住で安心情報にすがりたい人たちがそれに同調してバッシングを繰り広げている。

 福島の小児甲状腺がん多発に関しても、いまだに過剰診断説を唱える科学者や医師やジャーナリストがいる。そして、被災者に寄り添い情報を発信している「おしどりマコ」さんを「放射能デマ屋」だと言って攻撃している科学者もいる。「事実」を否定して嘘デタラメを拡散させ、被災者のために尽力している人を貶めている人はどっちなのだろう?

 残念なことに、こうしたことを知らずにマスコミの垂れ流す情報を信じてしまっている人たちも少なからずいる。若い人たちには安倍政権の支持者が多いというが、雁屋さんの記事を読んで何が正しいのか、こんな状態を黙認していていいのか、もう一度考えてほしい。以下に雁屋さんのブログから最後の部分を引用しておきたい。

一つの国が滅びるときには必ずおなじことが起こります。
支配階級の腐敗と傲慢。
政治道徳の退廃。
社会全体の無気力。
社会全体の支配階級の不正をただす勇気の喪失。
同時に、不正と知りながら支配階級に対する社会全体の隷従、媚び、へつらい。
経済の破綻による社会全体の自信喪失。

これは、今の日本にぴったりと当てはまります。
私は社会は良い方向に進んでいくものだと思っていました。
まさか、日本と言う国が駄目になっていくのを自分の目で見ることになるとは思いませんでした。
一番悲しいのは、腐敗した支配者を糾弾することはせず、逆に支配者にとっては不都合な真実を語る人間を、つまはじきする日本の社会の姿です。


【参考記事】
放射性PM2.5としての原発フォールアウト(セシウムボール)を考える(赤の女王とお茶を)


  
タグ :雁屋哲


Posted by 松田まゆみ at 09:57Comments(4)原子力発電政治・社会