鬼蜘蛛の網の片隅から › 原子力発電 › バンダジェフスキー博士が語るセシウムの危険性
2012年03月20日
バンダジェフスキー博士が語るセシウムの危険性
バンダジェフスキー博士が来日して各地で講演会を行っているが、講演会の報告をされている方が何人かいる。以下にいくつかを紹介したい。
仙台バンダジェフスキー氏講演会まとめ
ポンド円今週のシナリオ&「食の問題から考える放射能被害について〜北海道の在り方と今後〜」
18日の医療関係者向け講演会のまとめ
20120319バンダジェフスキー博士院内講演会まとめ
以下は紀藤正樹弁護士による19日の院内講演会の報告。
2012/03/19「衆議院議員会館内 元ベラルーシ・ゴメリ医科大学学長・現ウクライナ在住のバンダジェフスキー博士来日講演」報告
これらのまとめから、とりわけ重要だと思われることを指摘しておきたい。
ベラルーシの死亡率で最も高い(50%以上)のは、癌ではなく心臓血管系の病気。とりわけ子供の場合はセシウムの量がわずか(0~30ベクレル)であっても心臓のリズムを壊し、30ベクレル以上になると心筋に影響を及ぼし代謝機能を破壊、50ベクレルでは突然死の危険性がある。45ベクレル検出された事例では心臓のミトコンドリアが破壊されていた。子供の臓器は大人の3~4倍のセシウムが蓄積する。
ベラルーシ、ベトカ地区での調査では子どもたちに白内障が増加。体内汚染が50ベクレル/キログラムの子供の30%が白内障になり、この子供たちで現在生きている子はほとんどいない。白内障が発症する要因は、被ばくによって栄養の摂取が阻害され老化が進むため。
セシウムは心臓だけでなくすべての臓器に影響を与え、免疫系も破壊し、脳にも悪影響を与える。長期間セシウムを取り込むと必ず腎臓に障害がでる。つまり、生命維持に支障が生じる。また、セシウムとヨウ素の両方が取り込まれることで甲状腺癌となる。ベラルーシではチェルノブイリ原発事故以前からセシウム汚染があり、それに事故によるヨウ素が加わったために甲状腺癌が生じた。
もうひとつの大きな影響は、遺伝子の突然変異が生じ、世代を通じて受け継がれていくということ。先天的に遺伝子に異常がある場合、放射性セシウムはそれを発症させる誘引物質となる。
放射性セシウムを取り込むと1カ月半で排出されるが、一部は体内で崩壊して蓄積し臓器を破壊していく。それが有害な安定バリウムで、いちど蓄積してしまうと排出されない。また一部は筋肉にも蓄積される。
尿検査による体重1キロあたりの汚染値は、尿検査の値×150÷体重でおおよそ分かる。岩手で尿検査6~7ベクレル出た子供がいるが、チェルノブイリの研究では健康被害が目に見えて出てくる程度の汚染。
リンゴペクチンはセシウムを排出する効果があるが、ペクチンは体内の必須栄養素も排出する作用があるので長期間使用できない。つまり、基本的には放射性物質を体内に取り込まないようにするしかない。
放射能で汚染されたがれきの移動や焼却は汚染を拡散させることになり非常に危険である。一カ所に集めて閉じこめるべき。
東北地方南部や関東に住み続けるには、神経質なほどの対策をとって生活していく覚悟が必要だということになる。
これらのことから、高濃度の汚染地域の居住者はまず避難させるべきだろう。そして、どうしても汚染地域から避難できない人は、内部被曝を防ぐために汚染された食品を食べないことが大切だ。
もうひとつは、汚染地域に住む人の被ばく量を定期的に検査し、適切な健康管理をするということだ。
そして瓦礫の拡散を中止すべきだ。
今の日本はバンダジェフスキー氏の指摘をないがしろにしているとしか思えない。またマスコミもほとんどバンダジェフスキー氏の講演内容について報じていないのではなかろうか。この国はかなり末期的というしかない。
なお、以下はバンダジェフスキー博士の発言を裏付ける記事だ。
原発事故 健康影響に長期間注意を(NHK)
小児がん科医として、フクシマの子どもたちの命を思いやる (swissinfo.ch)
原発事故「最も憂慮すべきは遺伝子異変」(swissinfo.ch)
仙台バンダジェフスキー氏講演会まとめ
ポンド円今週のシナリオ&「食の問題から考える放射能被害について〜北海道の在り方と今後〜」
18日の医療関係者向け講演会のまとめ
20120319バンダジェフスキー博士院内講演会まとめ
以下は紀藤正樹弁護士による19日の院内講演会の報告。
2012/03/19「衆議院議員会館内 元ベラルーシ・ゴメリ医科大学学長・現ウクライナ在住のバンダジェフスキー博士来日講演」報告
これらのまとめから、とりわけ重要だと思われることを指摘しておきたい。
ベラルーシの死亡率で最も高い(50%以上)のは、癌ではなく心臓血管系の病気。とりわけ子供の場合はセシウムの量がわずか(0~30ベクレル)であっても心臓のリズムを壊し、30ベクレル以上になると心筋に影響を及ぼし代謝機能を破壊、50ベクレルでは突然死の危険性がある。45ベクレル検出された事例では心臓のミトコンドリアが破壊されていた。子供の臓器は大人の3~4倍のセシウムが蓄積する。
ベラルーシ、ベトカ地区での調査では子どもたちに白内障が増加。体内汚染が50ベクレル/キログラムの子供の30%が白内障になり、この子供たちで現在生きている子はほとんどいない。白内障が発症する要因は、被ばくによって栄養の摂取が阻害され老化が進むため。
セシウムは心臓だけでなくすべての臓器に影響を与え、免疫系も破壊し、脳にも悪影響を与える。長期間セシウムを取り込むと必ず腎臓に障害がでる。つまり、生命維持に支障が生じる。また、セシウムとヨウ素の両方が取り込まれることで甲状腺癌となる。ベラルーシではチェルノブイリ原発事故以前からセシウム汚染があり、それに事故によるヨウ素が加わったために甲状腺癌が生じた。
もうひとつの大きな影響は、遺伝子の突然変異が生じ、世代を通じて受け継がれていくということ。先天的に遺伝子に異常がある場合、放射性セシウムはそれを発症させる誘引物質となる。
放射性セシウムを取り込むと1カ月半で排出されるが、一部は体内で崩壊して蓄積し臓器を破壊していく。それが有害な安定バリウムで、いちど蓄積してしまうと排出されない。また一部は筋肉にも蓄積される。
尿検査による体重1キロあたりの汚染値は、尿検査の値×150÷体重でおおよそ分かる。岩手で尿検査6~7ベクレル出た子供がいるが、チェルノブイリの研究では健康被害が目に見えて出てくる程度の汚染。
リンゴペクチンはセシウムを排出する効果があるが、ペクチンは体内の必須栄養素も排出する作用があるので長期間使用できない。つまり、基本的には放射性物質を体内に取り込まないようにするしかない。
放射能で汚染されたがれきの移動や焼却は汚染を拡散させることになり非常に危険である。一カ所に集めて閉じこめるべき。
東北地方南部や関東に住み続けるには、神経質なほどの対策をとって生活していく覚悟が必要だということになる。
これらのことから、高濃度の汚染地域の居住者はまず避難させるべきだろう。そして、どうしても汚染地域から避難できない人は、内部被曝を防ぐために汚染された食品を食べないことが大切だ。
もうひとつは、汚染地域に住む人の被ばく量を定期的に検査し、適切な健康管理をするということだ。
そして瓦礫の拡散を中止すべきだ。
今の日本はバンダジェフスキー氏の指摘をないがしろにしているとしか思えない。またマスコミもほとんどバンダジェフスキー氏の講演内容について報じていないのではなかろうか。この国はかなり末期的というしかない。
なお、以下はバンダジェフスキー博士の発言を裏付ける記事だ。
原発事故 健康影響に長期間注意を(NHK)
小児がん科医として、フクシマの子どもたちの命を思いやる (swissinfo.ch)
原発事故「最も憂慮すべきは遺伝子異変」(swissinfo.ch)
Posted by 松田まゆみ at 17:17│Comments(0)
│原子力発電
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。