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2012年06月06日
基準値以下の食品なら安全なのか?
昨年の食品の暫定基準値は恐るべきものだったが、今年の4月から導入された新たな基準値はどうなのだろうか? 一般食品が500Bq/kgから100Bq/kgとなり、かなり厳しくなったように感じられるものの「基準値以下だから安全」などということはないのではないかと思っていたら、この問題について詳細な検討をしている方がいた。染された食品を食べ続けることの危険性について考えるために参考になる。
セシウム137の体内放射能(1) (膵臓がんサバイバーへの挑戦)
セシウム137の体内放射能(2) (膵臓がんサバイバーへの挑戦)
ここでの仮定がほぼ正しいとしたなら、1日あたり10Bq/kgのセシウム(食品の汚染度にすると6.25Bq/kg)を摂り続けることはかなり危険だということになる。また、一日の食事に含まれていた放射性セシウムについて朝日新聞と京都大学が共同で調査した結果によると、関東と福島の42家族中3家族(7%)が10Bq/kgを超えたという。調査している家族数が少ないので、この7%という値がどれほど実態を反映しているかは分からないが、決して楽観視できる状況ではないと思う。
とりわけ初期に多くのセシウムを取り込んでしまった人は、できる限り食品からのセシウムの摂取を減らす努力をしたほうがよさそうだ。
この記事で危険としている10Bq/kgという1日のセシウム摂取量が妥当な数値なのか過大なのか、私には明確な判断がつかない。しかし、たとえ過大であったとしても、現在の日本の基準値が安全だということにはならないだろう。
食品からの内部被ばくのリスクを減らすためには、できる限り汚染が低い地域で栽培された農作物を選ぶしかない。
私は、原発事故から約1カ月後の2011年4月15日に「耕作放棄地の活用を」という記事を書き、あまり放射能汚染されていない地域の耕作放棄地の復活を急ぐべきだと主張してきた。矢ヶ崎克馬さんも同様の主張をされている。ところが、1年経ったいまでも耕作放棄地を農地に戻すという取り組みは進んでいるように思えない。
昨年は福島をはじめとした汚染地域で農作物が作られ、全国に流通されてしまった。暫定基準値を超えた一部の農作物は出荷が停止になったとはいえ、検査をすり抜けて出荷された汚染作物もそれなりにあったのではなかろうか。
ツイッターなどでは産地偽装の話もかなり飛び交っていた。政府が、汚染がひどい地域での農業を禁止し農家を補償するという政策をとらない以上、汚染作物が出回るのは当然だし、産地偽装もなくならないだろう。汚染農地での農業は今年も続いている。小出裕章さんは、原発を認めてきた私たち国民は年齢に応じて汚染された作物を食べるべきだと主張しているが、それ以前に耕作放棄地の活用を図り危険性の少ない食べ物を確保するべきだ。
農家の人たちが故郷で農業を続けたいという気持ちは分かるが、その気持ちにつけこんでだらだらと汚染地で農作物を作らせるべきではないだろう。汚染作物で日本人すべてを被ばくさせ、高汚染地域の健康被害を目立たなくさせるつもりなのだろうか?
【6月10日追記】
この記事を書いたあと、以下の記事が掲載された。被ばくによる健康被害を癌に限っている人がいるが、バンダジェフスキーの研究からそれは明らかに間違いだろう。セシウムが心筋などに蓄積することの危険性を考えなければならない。
セシウム137の体内放射能(3)
セシウム137の体内放射能(4)
(4)の記事にまとめが掲載されている。重要なことなので、この部分を以下に引用しておきたい。
・内部被曝をシーベルトで表して「100Bq/kg以下だから安心です」との報道、政府の発表を鵜呑みにしてはならない。ICRPは「がん死」のリスクしか考えていない。
・新基準値 100Bq/kgは突然死を招きかねない汚染度である。(原子炉等規制法では、この物質はドラム缶に入れて厳重管理する汚染度である)
・流通している食品には検査をすり抜けたものがあると覚悟すべきである。
・食品は、10Bq/kg以下の物を選ぶようにする。
・特に妊婦と18歳以下の子供にはND若しくは未検出の物を食べさせるべきである。
・NDと表示されているときでも、検出限界値を確認する。
・福島を応援するために福島産を食べる行為は、命がけだと覚悟のうえで行え。
セシウム137の体内放射能(1) (膵臓がんサバイバーへの挑戦)
セシウム137の体内放射能(2) (膵臓がんサバイバーへの挑戦)
ここでの仮定がほぼ正しいとしたなら、1日あたり10Bq/kgのセシウム(食品の汚染度にすると6.25Bq/kg)を摂り続けることはかなり危険だということになる。また、一日の食事に含まれていた放射性セシウムについて朝日新聞と京都大学が共同で調査した結果によると、関東と福島の42家族中3家族(7%)が10Bq/kgを超えたという。調査している家族数が少ないので、この7%という値がどれほど実態を反映しているかは分からないが、決して楽観視できる状況ではないと思う。
とりわけ初期に多くのセシウムを取り込んでしまった人は、できる限り食品からのセシウムの摂取を減らす努力をしたほうがよさそうだ。
この記事で危険としている10Bq/kgという1日のセシウム摂取量が妥当な数値なのか過大なのか、私には明確な判断がつかない。しかし、たとえ過大であったとしても、現在の日本の基準値が安全だということにはならないだろう。
食品からの内部被ばくのリスクを減らすためには、できる限り汚染が低い地域で栽培された農作物を選ぶしかない。
私は、原発事故から約1カ月後の2011年4月15日に「耕作放棄地の活用を」という記事を書き、あまり放射能汚染されていない地域の耕作放棄地の復活を急ぐべきだと主張してきた。矢ヶ崎克馬さんも同様の主張をされている。ところが、1年経ったいまでも耕作放棄地を農地に戻すという取り組みは進んでいるように思えない。
昨年は福島をはじめとした汚染地域で農作物が作られ、全国に流通されてしまった。暫定基準値を超えた一部の農作物は出荷が停止になったとはいえ、検査をすり抜けて出荷された汚染作物もそれなりにあったのではなかろうか。
ツイッターなどでは産地偽装の話もかなり飛び交っていた。政府が、汚染がひどい地域での農業を禁止し農家を補償するという政策をとらない以上、汚染作物が出回るのは当然だし、産地偽装もなくならないだろう。汚染農地での農業は今年も続いている。小出裕章さんは、原発を認めてきた私たち国民は年齢に応じて汚染された作物を食べるべきだと主張しているが、それ以前に耕作放棄地の活用を図り危険性の少ない食べ物を確保するべきだ。
農家の人たちが故郷で農業を続けたいという気持ちは分かるが、その気持ちにつけこんでだらだらと汚染地で農作物を作らせるべきではないだろう。汚染作物で日本人すべてを被ばくさせ、高汚染地域の健康被害を目立たなくさせるつもりなのだろうか?
【6月10日追記】
この記事を書いたあと、以下の記事が掲載された。被ばくによる健康被害を癌に限っている人がいるが、バンダジェフスキーの研究からそれは明らかに間違いだろう。セシウムが心筋などに蓄積することの危険性を考えなければならない。
セシウム137の体内放射能(3)
セシウム137の体内放射能(4)
(4)の記事にまとめが掲載されている。重要なことなので、この部分を以下に引用しておきたい。
・内部被曝をシーベルトで表して「100Bq/kg以下だから安心です」との報道、政府の発表を鵜呑みにしてはならない。ICRPは「がん死」のリスクしか考えていない。
・新基準値 100Bq/kgは突然死を招きかねない汚染度である。(原子炉等規制法では、この物質はドラム缶に入れて厳重管理する汚染度である)
・流通している食品には検査をすり抜けたものがあると覚悟すべきである。
・食品は、10Bq/kg以下の物を選ぶようにする。
・特に妊婦と18歳以下の子供にはND若しくは未検出の物を食べさせるべきである。
・NDと表示されているときでも、検出限界値を確認する。
・福島を応援するために福島産を食べる行為は、命がけだと覚悟のうえで行え。
Posted by 松田まゆみ at 11:26│Comments(0)
│原子力発電
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