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2012年08月31日
原発作業員ハッピーさんについての訂正とお詫び
私は以前「原発作業員ハッピーさんの疑問」という記事を書いた。彼のツイートがとても不自然に感じられたため、本当に原発の作業員であるかどうかに疑問を呈したのである。
ところで、最近になって辻仁成氏が以下の記事を書いていることを知った。
愛情路線 2012年8月7日
また、原発作業員TS氏も最近になってハッピー氏に会ったそうだ。
http://twitter.com/sunnysunnynismo/status/240062461938651137
このようなことから判断して、彼が福島第一原発で働いている方であることは間違いなさそうだ。辻氏によると、熟練の技術者とのこと。だからもちろん募集によって来ている一般の下請け労働者とは違うし、それなりに責任ある立場の方なのだろう。
TS氏については以前から「おしどりマコ」氏と面識があるとのことだったので本物の作業員であると思っていたが、ハッピー氏については会った人がいるという情報が得られず、かなり謎であった。
ということで推測による疑惑は取り下げ、ハッピーさんにはお詫びしたい。また、作業員の方たちが大変な被ばくをしながら作業を続けてくださっていることには感謝したい。
ただし、私がハッピー氏に疑問を持ったのは事実であるし、「原発作業員ハッピーさんの疑問」に書いた疑問がすべて氷解したわけではない。ハッピーさんの原発の状況についてのツイートはすでに報道されていることが基本で、いわゆる内部告発的なものとは違う。守秘義務によって語れないこともあるのだろうが、守秘義務を守っているからこそ第三者から見て彼のツイーにト疑問が生じたり、楽観的に感じることもあるだろう。希望的な雰囲気が濃い書き方にしているために、お咎めがないのかもしれない。
TSさんにしてもそうだが、彼らは守秘義務によって隠していることがあるに違いない。マスコミ報道と同じで、彼らのツイートの陰には「知っていても表に出さない事実」がいろいろある。現場の状況を知るために作業員のツイートを参考にするのはいいが、意図的に隠していることがあるということも常に念頭において読むべきだ。
そして何よりも疑問に思うのが、彼らの線量管理だ。彼らは原発事故当初から福一で働いており、トータルでは相当な被ばく線量になると思われる。辻さんの記事にも「被ばく量が多すぎ、原発を去らなければならない時が近づいていて、彼は悩んでいます」とある。当然のことだろう。
もちろん事故処理のためには熟練の技術者が必要だ。また、作業員自身が定められた被ばく線量を超えていることを承知のうえで、使命感のもとに長期間作業に従事しているという側面もあるだろう。
しかし、だからといって定められた被ばく限度を超えている作業員をそのまま従事させていていいわけがない。雇用する側も「強い使命感で作業に携わっている人なら、将来被ばくによる健康被害が生じても損害賠償を求めないだろう」などという思惑のもとに作業に従事させていたり、あるいは将来健康被害が生じても賠償は求めない、などという誓約書をとっているとしたなら、それはあってはならないことだ。
原発事故から1年半が経ち、技術者不足という問題が現実化してきている。先の見えない原発の苛酷事故処理とはこういうことなのだ。福一の処理だけでも作業員不足で大変な状況になりつつあるのに、もし同じような事故が再び他の原発で起きたなら、とても手に負えないのがこの国の現実だ。こうしたリスクを考えれば、再稼働など絶対にすべきではない。
ハッピー氏は「石棺しかないでしょう」とのことだが、私もそう思う。ただ、プールに燃料棒がある状態では石棺にはできない。すぐに石棺にしたチェルノブイリとは状況が違うのだ。福一は、いったいいつになったら石棺ができる状態になるのだろう。
現場の声を真摯に受け止めるなら、国も電力会社も再稼働などという危険きわまりないことに血道を上げるのではなく、福一4号機の倒壊防止と、各地の原発の燃料プールの燃料撤去こそ急ぐべきだ。日本列島はいつ大地震や大津波に襲われるか分からない。できる限り早急に燃料をドライキャスクに移すことこそやらねばならないだろう。
ところで、最近になって辻仁成氏が以下の記事を書いていることを知った。
愛情路線 2012年8月7日
また、原発作業員TS氏も最近になってハッピー氏に会ったそうだ。
http://twitter.com/sunnysunnynismo/status/240062461938651137
ただいま(^o^)今日はすごい人に会ったでし。オイラの尊敬するハッピーさんにいよいよ会えたでし!オイラは今日も忙しかったんだけど、オイラたちにいつもハートのイラストを送ってくれている茶畑さんの展覧会がいわきでやってるので行ったんでし。
このようなことから判断して、彼が福島第一原発で働いている方であることは間違いなさそうだ。辻氏によると、熟練の技術者とのこと。だからもちろん募集によって来ている一般の下請け労働者とは違うし、それなりに責任ある立場の方なのだろう。
TS氏については以前から「おしどりマコ」氏と面識があるとのことだったので本物の作業員であると思っていたが、ハッピー氏については会った人がいるという情報が得られず、かなり謎であった。
ということで推測による疑惑は取り下げ、ハッピーさんにはお詫びしたい。また、作業員の方たちが大変な被ばくをしながら作業を続けてくださっていることには感謝したい。
ただし、私がハッピー氏に疑問を持ったのは事実であるし、「原発作業員ハッピーさんの疑問」に書いた疑問がすべて氷解したわけではない。ハッピーさんの原発の状況についてのツイートはすでに報道されていることが基本で、いわゆる内部告発的なものとは違う。守秘義務によって語れないこともあるのだろうが、守秘義務を守っているからこそ第三者から見て彼のツイーにト疑問が生じたり、楽観的に感じることもあるだろう。希望的な雰囲気が濃い書き方にしているために、お咎めがないのかもしれない。
TSさんにしてもそうだが、彼らは守秘義務によって隠していることがあるに違いない。マスコミ報道と同じで、彼らのツイートの陰には「知っていても表に出さない事実」がいろいろある。現場の状況を知るために作業員のツイートを参考にするのはいいが、意図的に隠していることがあるということも常に念頭において読むべきだ。
そして何よりも疑問に思うのが、彼らの線量管理だ。彼らは原発事故当初から福一で働いており、トータルでは相当な被ばく線量になると思われる。辻さんの記事にも「被ばく量が多すぎ、原発を去らなければならない時が近づいていて、彼は悩んでいます」とある。当然のことだろう。
もちろん事故処理のためには熟練の技術者が必要だ。また、作業員自身が定められた被ばく線量を超えていることを承知のうえで、使命感のもとに長期間作業に従事しているという側面もあるだろう。
しかし、だからといって定められた被ばく限度を超えている作業員をそのまま従事させていていいわけがない。雇用する側も「強い使命感で作業に携わっている人なら、将来被ばくによる健康被害が生じても損害賠償を求めないだろう」などという思惑のもとに作業に従事させていたり、あるいは将来健康被害が生じても賠償は求めない、などという誓約書をとっているとしたなら、それはあってはならないことだ。
原発事故から1年半が経ち、技術者不足という問題が現実化してきている。先の見えない原発の苛酷事故処理とはこういうことなのだ。福一の処理だけでも作業員不足で大変な状況になりつつあるのに、もし同じような事故が再び他の原発で起きたなら、とても手に負えないのがこの国の現実だ。こうしたリスクを考えれば、再稼働など絶対にすべきではない。
ハッピー氏は「石棺しかないでしょう」とのことだが、私もそう思う。ただ、プールに燃料棒がある状態では石棺にはできない。すぐに石棺にしたチェルノブイリとは状況が違うのだ。福一は、いったいいつになったら石棺ができる状態になるのだろう。
現場の声を真摯に受け止めるなら、国も電力会社も再稼働などという危険きわまりないことに血道を上げるのではなく、福一4号機の倒壊防止と、各地の原発の燃料プールの燃料撤去こそ急ぐべきだ。日本列島はいつ大地震や大津波に襲われるか分からない。できる限り早急に燃料をドライキャスクに移すことこそやらねばならないだろう。
Posted by 松田まゆみ at 14:55│Comments(0)
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