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鬼蜘蛛の網の片隅から › 原子力発電 › 極めて深刻な甲状腺がんの発症率

2013年06月06日

極めて深刻な甲状腺がんの発症率

 6月5日に、福島県民健康管理調査の検討委員会が開かれ、甲状腺がんと確定した18歳以下の者が12人に、また甲状腺がんの疑いが15人になったとの報告があった。

甲状腺がん「確定」12人に 福島18歳以下、疑いは15人(47ニュース)

 原発事故の影響による健康被害に関して、マスコミが報じるのは甲状腺がんのみだ。チェルノブイリの原発事故でも甲状腺がんだけは原発事故による被ばくの影響と認めざるを得なかったからだろう。

 具体的な数値に関しては以下に示されている。

県民健康管理調査「甲状腺検査」の実施状況について

 記者会見の様子は以下。

甲状腺がん12人・悪性疑い15人~福島県調査(Our Planet-TV)

 一次検査結果確定者は2011年が40,302人、2012年が134,074人で計174,376人。二次検査の対象者(B判定およびC判定)は2011年が205人、2012年が935人で計1,140人。このうち二次検査を終了した者は2011年が160人、2012年が223人で計383人。5月27日までに細胞診を実施した者が227人で、28人が悪性または悪性の疑いと診断され、13人が手術を終え、12人が甲状腺がんか確定したとのこと。

 注意しなければならないのは、二次検査対象者1,140人のうち二次検査が終了したのは383人だけということ。つまり33.6%しか検査が終了していない段階での発表だということ。すべての検査が終了して甲状腺がんが12人、悪性疑いが15人だったということではない。ということは、実際にはこの3倍くらいの数字になる可能性が高い。仮に3倍とすると、疑いも含め81人となる。一時検査の結果が確定した174,376人あたり81人としたら、1万人あたり4.6人というとんでもない数になる。

 2011年と2012年のデータを比べると、A2判定は35.8%から44.6%、B判定は1.5から0.7%、C判定は0.0%から0.001%へと増えていることから、今後も増えていくことが予測される。極めて深刻な事態というほかない。

 さらに呆れたのは、甲状腺検査を実施している福島県立医科大が「必ず誤診が起こる」として賠償責任保険に加入していたということだ。

「必ず誤診」~福島甲状腺検査・医療訴訟恐れ保険10億円(とある原発の溶融貫通)

 上記記事で紹介されている動画は15分ほどなのだが、是非見ていただきたい。

 福島の県民検査では異常が見つからなかったのに他の医療機関を受診したら異常が見つかったなどの事例が複数あり、福島の甲状腺検査そのものがかなり杜撰である可能性がある。しかも県民調査では誤診を恐れて保険に入っていたとなれば、杜撰検査は確信犯ではなかろうか。保険金支払い限度額は10億円もの高額であり、その保険料は税金なのだというから空いた口が塞がらない。

 これは大変な事態と言わざるを得ないのだが、北海道新聞では今日の夕刊で小さく報じただけだ。いったいこの国はどうなっているのだろう。



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Posted by 松田まゆみ at 22:00│Comments(0)原子力発電
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