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鬼蜘蛛の網の片隅から › 原子力発電 › 脱原発運動ではインターネットを活用すべき

2013年10月02日

脱原発運動ではインターネットを活用すべき

 小出裕章氏が9月14日に札幌で、翌15日に新得で講演をされた。私は参加できなかったのだが、14日の講演会が岩上安身さんのIWJで期間限定で公開されていることを知った。

2013/09/14小出裕章さん講演会「私たちの未来と原発」

 私のように僻地に住んでいると、講演会に行くのもなかなか大変だ。こうしてインターネットで見られるというのはとてもありがたい。泊原発廃炉訴訟の提訴時の記念講演もインターネットの中継で見ることができた。芽室町で開催された西尾正道氏の講演会は聞きに行ったが、これは後に動画がアップされたようだ。

 原発や被曝関係の講演会は、できる限り多くの人に聞いてもらいたいというのが演者や講演会を企画する主催者の願いだろう。講演会自体は会場費や講師の交通費・謝金などの関係でどうしても有料になることが多いが、有料の講演会を後日無料でネット公開したところで文句を言う人などほとんどいないと思う。私自身も、自分がお金を払った講演会が無料公開されたとしても、文句を言うつもりはさららない。生で聞く講演とインターネットによる録画公開は臨場感も違うし、インターネットでは質問もできない。お金を払ってでも生の講演を聞きたいという人はそれなりにいる。

 アベノミクスに押され、脱原発運動はなかなか広まらないように思えてならない。原発事故から時間が経つにつれ、過去のこととして忘れさってしまう人も多いのではなかろうか。だからこそ、多くの人に原子力の恐ろしさや被ばく(特に低線量内部被曝の危険性)の問題を伝えていかねばならないし、そのためにはインターネットを大いに活用すべきだろう。

 ところが木下黄太氏は自分たちの主催したバンダジェフスキー講演会のネットでの無料公開を頑なに否定した。有料で行った講演会を無料で公開するのはあり得ない、というのが木下氏の主張のようだ。そして、2013年のバンダジェフスキー講演会に関してはDVDを作成して販売をしている。講演会のDVDを作成すること自体を否定はしないが、木下氏がネットでの無料公開を頑なに拒否してDVDの販売に精を出す姿勢に私は疑問を抱かずにはいられない。

 DVDには字幕も入れていないとのことなので、おそらく編集に時間をかけたものではないだろう。台湾でプレスをしているとのことなので、制作原価はかなり安価なのではなかろうか。今回のDVDは1枚2000円(送料別)とのことだが、1000部販売したら200万円の売り上げになる。

 DVDの販売に当たっては事前予約しながら入金しない人がある程度いたようだが、1000部以上の事前予約があり、その後300部の追加注文も受け付けているので、かなりの利益があると推察される。予約数からも1000部以上はプレスしたはずだし、図書館などへの納入も呼び掛けていることから2000部くらいプレスしたのかもしれない。残部は講演会で売り歩くつもりだろうか。

 その数百万と推測される販売利益が脱原発活動や被災者の支援活動に使われるのであればまだ分かるが、使途は闇の中である。DVDの販売に当たっては、当然バンダジェフスキー氏の了解も得ているのだろうが、バンダジェフスキー氏は販売利益の使途について何も注文をつけていないのだろうか?

 講演会のネットでの無料公開を頑なに拒んでDVD販売に力を入れることからも、講演会そのもので儲け、DVD販売でも儲けるという木下氏の講演会ビジネスが浮かび上がってくる。

 バンダジェフスキー氏の講演会とは別に、木下氏自身も全国で講演会を行っているが、彼は原発の専門家でも被ばくの専門家でもなければ、以前から原発事故や被曝問題に取り組んできたジャーナリストでもない。事故前から原発の危険性を主張してきた小出裕章氏や広瀬隆氏、放射線医療の専門家である西尾正道氏などとはまったく立場が異なる。

 木下氏は、ネットで情報提供を呼びかけて得られた健康被害(もちろん被曝との因果関係は証明できない)をブログで拡散して東京からの避難を主張するが、伝聞情報を広めているだけでありおよそジャーナリストの仕事とは思えない。ジャーナリストが被ばくの危険性を指摘するのであれば、死亡率や疾病の増加など客観的なデータを示して因果関係に言及したり、原発作業員などを取材するなどして被ばくの実態について報道するべきではなかろうか。取材に基づいて記事を書くのがジャーナリストである。

 フリージャーナリストの中には寄付を募っている人もいるが、彼らはきちんと取材記事を書いてジャーナリストとして活動している。また、田中龍作氏は会計報告もしている。しかし、木下氏の活動はジャーナリズムではない。

会計報告(田中龍作ジャーナル)

 また、木下黄太氏は異なる意見を主張する者や批判者を罵倒し、批判者の個人情報をネット上で晒して嫌がらせをする。被害にあっている人は何人もいるようだ。およそジャーナリストのとるべき態度ではない。木下黄太氏を信用している人は未だに多いようだが、非営利組織を名乗りながら多額の収益の使途について一切答えようとしない姿勢からも、私は注意・警戒すべき人物だと思っている。脱原発派の批判はあまりしたくはないが、木下氏のように理解不能な人物がいることも事実だ。もし不純な動機で動いているのであれば、看過すべきではないだろう。私には、木下氏は脱原発の市民運動を歪めている似非ジャーナリストとしか思えない。

 以下の林さんの記事は、木下氏の実態を如実に示していると思う。

「木下黄太」放射能ビジネスモデルの情報操作と人格問題(「木下黄太のネットカルト」を考えます)



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Posted by 松田まゆみ at 17:09│Comments(0)原子力発電
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