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鬼蜘蛛おばさんの疑問箱 › 自然保護 › 富士山山頂に自販機を置く恥ずかしい国

2013年10月07日

富士山山頂に自販機を置く恥ずかしい国

 週刊金曜日の10月4日号(962号)の「満腹の情景」というシリーズ記事の写真を見て、目を疑った。早朝から富士山山頂でご来光を待ち構える人々の横に飲み物の自動販売機が2台写っている写真だ(実際には3台あるとのこと)。記事のタイトルは「富士のご来光をあびる自動販売機」。

 この写真を見た瞬間、何かの冗談じゃあないかと思ったのだが、解説を読んでいくうちに本当に富士山山頂に自販機があるのだと知って心底びっくりした。この自販機は1997年ごろに設置されたそうだ。日本の最高峰で3776メートルを誇る富士山の山頂は、永久凍土があることでも知られている。富士山の山頂は植物も生育できない砂礫地のはずだ。

 山頂に気象観測所があることは知っていたが、まさか自販機があるとは思ってもいなかった。それで、グーグルで「富士山 自動販売機」と検索したら、以下の動画が出てきた。



 これをみて、さらにびっくり仰天。8合目にも山小屋があり、山頂には自販機だけではなくお店も・・・。

 学生の頃、グループで富士山に行ったことがある。5合目から登り始めたのだが、私ともう一人は頭が痛くなり8合目でリタイアした。おそらく高山病だったのだろう。皆が山頂まで往復する間、登山道脇の斜面で昼寝をしていた。その時の記憶は鮮明ではないのだが、あちこちにある石に囲まれた山小屋には異様なものを感じた。ただし8合目にまで山小屋があっただろうか? 記憶にない。

 富士山にこれほどまで山小屋が林立し、自販機まであるのはブル道があるからだ。週刊金曜日の記事によると、登山道とは別に物資を運ぶブル道が整備されているという。私はてっきり山頂の気象観測所のためにブル道があると思ったのだが、以下の記事によると山小屋や山頂の売店、郵便局で使う資材や商品を運ぶために使っているのだという。しかもブル道は4本もあるというのだから、仰天する事ばかりだ。

富士山は「車」で登れる! 混雑対策の切り札に(日本経済新聞)

 こんなところにまでブル道をつけ観光に利用してしまうというこの国の節操のなさは、つくづく恥ずかしいと思う。世界遺産なども同じで、地元自治体が積極的に登録を目指すのは保護が目的ではなく、利用をしてもらってお金を落としてもらいたいという不純な動機が見え見えだ。

 富士山は富士箱根伊豆国立公園だ。地種区分図を確認したら、5合目あたりから上は開発行為が厳しく規制される特別保護地区に指定されている。

 しかし、いったい環境省はなぜ特別保護地区内にブル道や自動販売機の設置を許可したのだろう? 植物がほとんど生えていないガレ場だから、ブル道をつけても植生を痛めることがないので問題ないとでも思ったのだろうか? 山小屋だって、こんなにたくさん必要なのか? 首をかしげたくなることばかりだ。入山料をとることを否定はしないが、入山規制こそ取り組むべきではなかろうか。


    


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Posted by 松田まゆみ at 21:55│Comments(8)自然保護
この記事へのコメント
もう10年経つだろうか、私が登った時には、田舎者の私が見ると自分のいる市街より人が多いと思った。
とても賑やかな所であった。
2ヵ月間だけ開く店屋の店員の半分は、外人だった。
富士山が、コニーデ(円錐)になるのはガレキノ山だからです。ボタ山の論理でしょうか、阿寒富士も瓦礫でつくられた山です。
足場が悪く、唯一ブルドーザーだけが活躍できる。
Posted by そりゃないよ獣医さん at 2013年10月07日 22:20
獣医さん

私の学生時代の記憶でも、一歩登ると半歩さがるような砂礫の道でした。それにしても、砂礫だからといってブル道を何本もつけてしまうという神経は驚きです。商魂のたくましさのなせる技でしょうか。

学生のときは頂上まで行けませんでしたが、また登ってみたいとはまったく思いません。山頂が黒山の人だかりになるとか、自販機があると知ってしまったら、なおさら行く気になれません。
Posted by 松田まゆみ松田まゆみ at 2013年10月07日 23:06
世界遺産云々よりも、純粋な自然保護の観点から、一日の入山者を限定し、入山料を取って、整備を進めるのが大切だったと思います。
しかし、実際はお金優先でしたね。
世界遺産登録で入山者を増やすことしか頭になかったように思います。
なんでも儲けを優先させて自然を軽視してきた日本社会の構図がここにも現れているようです。
Posted by hiroki at 2013年10月08日 09:00
hirokiさん

世界遺産のほかジオパークなどの認定制度があります。また、北海道には北海道遺産なるものもあります。地元自治体は認定のために動きますが、ほとんどが経済効果目的としか思えません。卑しいというか、見苦しいですね。

富士山に関しては、環境省が毅然とした対応をしないのも大いに問題です。環境省はいつも「保護と利用の両立」と言い訳しますが、環境省が保護を優先しなければいったいどこが保護をするのでしょう。保護を前提として利用を制限するのが環境省の役割だと思いますが、日本の環境省はそれができません。
Posted by 松田まゆみ松田まゆみ at 2013年10月08日 09:50
 地元の人間としては、「自然の富士山」ではなく、
「観光地の富士山」と、感じています。

 富士山の麓には、50回程は行きましたが。その
「観光地としての麓」が「観光地としての5合目」となり
「観光地としての山頂」に成っていると感じます。

 実際、「5合目に日の出を見に行き」その乗りで、
8合目まで行く方(特に親子)は、多いですね。

 8合目からは酸素が足りなくなるので、辛いです。

 私的には、山頂に水があるのは有り難いし、電話や
ポストがあるのも、何か嬉しかった思い出があります。

 こうゆう記事は、気楽にコメントできて楽です。

追伸:木下氏の「ブログのコメント欄」復活のための
  条件(?)を、私は悲しく感じます。また、
「ブログは、木下氏の勝手でしょ」と言う表現も、
元(現?)報道関係者の言葉として信じられません。
Posted by ひで at 2013年10月10日 20:20
ひでさん

富士山の麓に50回も行っているのですか!
日本一の山ともなると、それだけで登りたいと思う人はいるのでしょうし、登りたいという人が多ければ観光地になってしまうというのが何とも悲しいところです。

私は動植物が好きなので、富士山のような砂礫ばかりの道をただひたすら登るという登山は、あまり興味が持てません。その上、山頂があのようになっていると思ったら、それだけで拒絶反応になってしまいます。まあ、そのあたりの感覚は人それぞれなのでしょうけれど。

木下氏の「コメント欄復活の条件」に関しては、正直いって呆れました。たしかにコメント欄を開くか閉じるかはブログ主の自由ですが、開くためにあんな条件をつけなければならないとは、悲しいというか、情けないというか・・・。

結局、木下氏にとっては自分に賛同したり、感謝したり、あるいは健康被害のコメントだけが有益だということなのでしょうか。自分の意に沿わないコメントは掲載しないし、書き込むなという姿勢はとても報道に関わっていた方のものとは思えません。あのような条件を見せつけられて嫌気がさし、離れていく人もそれなりにいるのではないかと思います。なんだか墓穴を掘っているように思えてなりません。
Posted by 松田まゆみ松田まゆみ at 2013年10月10日 23:11
別に問題ないと思いますよ。
老人の多くは最後の思い出作りみたいな感じで登ってますから、緊急時のサポートが出来るし、酸素吸入器もある。

こういう施設は、富士山に限らず観光地にはつきものです。
マッターホルンとかユングフラウヨッホに行きましたが、レストランや郵便局は当然のようにあるし、なんと岩盤をくり抜いて鉄道が走っていて、アイガー北壁には内部から外を見る窓まであるんですよ。
スイスにしても国策の一大プロジェクトだったそうです。
Posted by スイス at 2013年10月22日 01:10
スイスさん

観光のためなら、あるいは利便性のためなら自然破壊も景観破壊も問題ないというご意見のようですね。そのような考えによって日本のかけがえのない自然がどれだけ失われたり損なわれたでしょう。

あるがままの自然を守るという観点を失ってしまうことはとても恐ろしいことだと私は思います。観光を否定はしませんが、自然景観あっての観光です。少なくとも保全の姿勢や節度というものが必要ではないでしょうか。
Posted by 松田まゆみ松田まゆみ at 2013年10月22日 11:38
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