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鬼蜘蛛の網の片隅から › 環境問題 › 不可解なデング熱対策

2014年09月13日

不可解なデング熱対策

 マスコミでは、代々木公園やその周辺で蚊に刺されたことによるデング熱の発症が報じられている。そして、代々木公園では大々的に薬剤散布が行われた。もしかしたら、病気を媒介する蚊を殺虫剤で殺すのは当たり前だと思っている人も少なくないのかもしれない。

 しかし、殺虫剤という化学物質をそんなに安易に散布することに驚いてしまう。薬剤散布は蚊だけを殺すわけではない。ほかの昆虫やクモなども殺してしまうだろうし、食物連鎖を通じて野鳥などにも影響を与えるだろう。あまりに安直な行為だ。

 そう思っていたら、松田道生さんのこんな記事を見つけた。

『朝の小鳥』10月放送分、スタジオ収録-話しはデング熱(syrinxブログ編)

 松田さんによると、NHKの職員だけでも千人単位の人が代々木公園を往復しているそうだ。それで発症したのはたった2人。1日、万単位の通行人がある代々木公園でも、デング熱を発症する人はごくごく少数ということだ。ところがマスコミはそういうことは全く報じない。

 さらに、最近では代々木公園以外で蚊に刺されてデング熱を発症した事例が出てきた。ことの経過を見ていれば、代々木公園以外でもウイルスを持った蚊が出現するのは当然予測できる。マスコミがこうして騒ぎ立てれば、代々木公園だけに薬剤散布するだけでは済まなくなる。疑いのある場所で薬剤散布ということになれば、街中に大量の殺虫剤をばら撒くことになる。果たしてそういう対策が最善なのだろうか?

 土砂災害が発生すれば、すぐに砂防ダム整備が必要だといい、堤防から水が溢れれば、ダムによる治水が必要だといい、津波で被害が出れば、防潮堤を造る必要があるという。この国では、なんでもこうした土木工事による対策が叫ばれる。しかし、自然は災害は土木工事だけでコントロールできるものではない。

 そして、その陰にあるのは、土木工事で利益を得る人たち。必ず、利権が絡んでいる。デング熱に関しても似たようなことが言えるのではないかと思っていたら、山本節子さんがやはり医療産業や化学工業ビジネスの思惑があるのではないかと指摘していた。

代々木公園が閉鎖されたわけ(WONDERFUL WORLD)
デング熱騒動でウハウハ? 農薬業界(WONDERFUL WORLD)

 私は陰謀論者ではない。しかし建設業界と同じように医療業界や農薬業界にも利権があることは間違いない。だから、こうした疑問が出されるのは当然だとも思う。

 医薬品を全否定するつもりはないが、医療業界は薬品業界と密接に繋がっており、そこに大きな利権構造があるのは明らかだ。だから、医者はがん患者に抗がん剤を当たり前のように処方するが、医者の大半は自分ががんになっても抗がん剤は使わないという。効果がほとんどなく副作用が大きいことを十分に知っているからだ。

医療のタブー!なぜ“寿命を縮める”抗がん剤は使われるのか? (Business Journal)

 こんな矛盾したことをやっている裏には、製薬会社が抗がん剤を大きな収益源にしているという実態がある。もちろん病院などの医療機関も製薬会社とべったりの関係になっている。

 そもそもデング熱は熱帯地域ではありふれた感染症で、重症化することはそれほど多くはないし、2回目以降の感染で重症化しやすいという。また、人から人へは感染しない。ならば過剰に神経質になったり、広範囲に殺虫剤を散布して蚊の退治をしなければならないような恐ろしい病気とは言えないだろう。以下参照。

【インタビュー】デング熱について総合感染症科の具先生に聞きました(東北大学病院)

 それにも関わらず、デング熱が危険だと煽り農薬を大量散布する。背景に何があるのだろうかと疑ってかかることも必要だろう。


 


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Posted by 松田まゆみ at 09:31│Comments(2)環境問題
この記事へのコメント
 身辺から蚊を減らす取り組みが大切である,かのようにNHK「クローズアップ現代」は言っていました.松食い虫対策の頃と発想が全く変ってない,と思いました.
Posted by Ladybird at 2014年09月15日 00:29
Ladybirdさん、コメントありがとうございます。

松くい虫もそうですが、殺鼠剤なども相変わらずですね。薬剤だけではどうにもならないことは分かっているのに、いつまでも続けているのには呆れてしまいます。

デング熱はそれほど恐ろしい病気というわけではありません。それなのに大騒ぎして多くの人が集う都会の公園に安易に殺虫剤をばら撒くという感覚を疑います。
Posted by 松田まゆみ松田まゆみ at 2014年09月15日 07:16
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