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2015年10月25日
マイナンバー通知カードは受け取り拒否が賢明(追記あり)
マイナンバーの通知カードの発送が始まったようだ。この通知カードは住民票のある住所宛てに簡易書留で届けることになっている。
ということで、国民はこの通知カードを受け取るか、それとも受け取り拒否にするかの判断を迫られることになる。マスコミなどではマイナンバーの利便性ばかりが報じられ、デメリットはほとんど報じていないようだが、本当にデメリットはないのだろうか? これが分からないと受け取ったほうがいいのかどうか判断できない。
で、これについて判断するには法的な知識が必要なのだが、岩月浩二弁護士が詳しく説明して下さっている。
まず、こちらの記事。
マイナンバー 通知カードを受け取ると義務が発生します(街の弁護士日記 SINCE 1992 at 名古屋)
この記事によると通知カードを受け取ってしまうと以下のような義務が生じてしまう。
行政が勝手に番号をつけて、その管理は個人の責任だというのだから、なんと虫のいい話しだろう。しかも、個人番号制であちこちに巨大な利権が生まれるという。
将来、何らかの手続きで個人番号が必要になったときは、個人番号が記入された住民票を取ればいいだけであり、通知カードそのものは必要ではない。本人確認についても住民票で事足りる。だから、受け取らないに越したことはない。
この記事をツイッターで紹介したら、会社員の方から「マイナンバーを会社に伝えなければならない」という意見がきた。これについても岩月弁護士はきちんと説明している。
マイナンバー 事業者も従業員の個人番号を取得すると過大な義務を負うことになる
たしかに事業者には従業員の源泉徴収票や給与の支払い調書等に氏名、住所のほか個人を識別する番号を加えることが義務付けられてはいる。しかし、記入していなくても国税当局は受けつけることを明言しているし、罰則規定もない。そして大事なのは、「源泉徴収票や支払調書に記入する場合でも、従業員が雇用主に対して、個人番号を提供すべき義務はまったくない」ということだ。
会社がマイナンバーの管理を適切に行わず個人情報の漏えいなどが起きれば会社には大きな責任が生じる。一方、従業員も個人情報の漏えいを防ぎたいのなら、義務づけられてもいないナンバーの提供などする必要はない。
さらに退職しても個人番号が7年も保存される可能性がある。
マイナンバー 退職しても7年残る?マイナンバー
非正規雇用、アルバイト、パートなどで職場を頻繁に変える人などは、個人番号がいつどこで流出するか分からない。事業者が廃業したり倒産した場合、従業員の個人番号が厳正に管理されるなどということは考えられない。となると、義務でもない事業者への個人番号の提供などしない方がいいのは言うまでもない。
そしてもう一つの記事。
マイナンバー 自ら法律違反を勧めるマイナンバー担当大臣補佐官
ここで重要なことが語られている。マイナンバーというのは、たとえ本人といえども、個人番号利用事務等実施者に対して提供する場合を除いて、提供してはならない、ということだ。自分の個人番号を他者に公開してはならないのだ。
岩月弁護士は「おそらく政府とグローバル企業の醜悪な結合体が、国民本人も自由にできない個人情報を保有し、管理するということになるのだろう」と書いているが、このマイナンバーはまさに政府が国民を監視・管理するということに他ならない。
こんな制度はおかしいと意志表示するには、まず通知カードの受け取りを拒否するという方法がある。仮に受け取ってしまっても、事業者に個人番号を知らせる義務はない。そして次の手続きであるマイナンバーカードの交付を受けないこと。もちろんそうしても番号は勝手に割り振られて制度自体は動きはじめるのだが、意志表示もせずに受け入れてしまうのは自ら政府に隷属することを選択したことになると私は思う。
なお、ツイッターで「受取拒否の動きがあることぐらい向こうは知っています。載せられてリストに入れられる可能性の方が情報漏洩より怖いんです」と呟いていた方がいて、思わず嗤ってしまった。
「受け取り拒否リスト」に入れられたからといって何だというのか。受け取り拒否したところで罰則規定も何もない。そんなことのいったい何が怖いのか? この程度のささやかな意思表示や抵抗ですら自主規制をしてしまう人たちは、政府とって都合のいい人たちでしかない。
「受け取り拒否リスト」程度のことで怯える人たちは、SEALDsのメンバーのように名前も顔も出して政府を批判する発言をする勇気などとてもないのだろうし、そもそも公安に写真を撮られるのが怖くてデモにも行かないのだろう。情けない限りである。
秘密保護法、戦争法、マイナンバー、どれをとっても日本がどんどん全体主義に傾いていることは明確だ。思想・良心の自由、表現の自由ですら怪しくなってきている。そんなときに必要なのは反対の声であり毅然とした抵抗であり勇気だ。匿名で気に入らない人を叩いているだけの人にはそんな勇気などないのだろう。
【10月29日追記】
マイナンバー制の問題点については以下のサイトが詳しい。マイナンバー通知カードを受け取るのはともかくとして、マイナンバー(個人番号)カードを申請するのは非常に危険だと警告している。
共通番号いらないネット
http://www.bango-iranai.net/
またIWJでもマイナンバーに関する特集を組んでいる。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/269247
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/268813
ということで、国民はこの通知カードを受け取るか、それとも受け取り拒否にするかの判断を迫られることになる。マスコミなどではマイナンバーの利便性ばかりが報じられ、デメリットはほとんど報じていないようだが、本当にデメリットはないのだろうか? これが分からないと受け取ったほうがいいのかどうか判断できない。
で、これについて判断するには法的な知識が必要なのだが、岩月浩二弁護士が詳しく説明して下さっている。
まず、こちらの記事。
マイナンバー 通知カードを受け取ると義務が発生します(街の弁護士日記 SINCE 1992 at 名古屋)
この記事によると通知カードを受け取ってしまうと以下のような義務が生じてしまう。
紛失したときは、直ちに役場に届け出をしなければならない。(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律7条6項)
移転転入手続には、個人番号通知カードを提示しなければならない。(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律7条4項)
通知カードに記載された事項に変更がある場合は、14日以内に役場に届け出なければならない。(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律
7条5項)
行政が勝手に番号をつけて、その管理は個人の責任だというのだから、なんと虫のいい話しだろう。しかも、個人番号制であちこちに巨大な利権が生まれるという。
将来、何らかの手続きで個人番号が必要になったときは、個人番号が記入された住民票を取ればいいだけであり、通知カードそのものは必要ではない。本人確認についても住民票で事足りる。だから、受け取らないに越したことはない。
この記事をツイッターで紹介したら、会社員の方から「マイナンバーを会社に伝えなければならない」という意見がきた。これについても岩月弁護士はきちんと説明している。
マイナンバー 事業者も従業員の個人番号を取得すると過大な義務を負うことになる
たしかに事業者には従業員の源泉徴収票や給与の支払い調書等に氏名、住所のほか個人を識別する番号を加えることが義務付けられてはいる。しかし、記入していなくても国税当局は受けつけることを明言しているし、罰則規定もない。そして大事なのは、「源泉徴収票や支払調書に記入する場合でも、従業員が雇用主に対して、個人番号を提供すべき義務はまったくない」ということだ。
会社がマイナンバーの管理を適切に行わず個人情報の漏えいなどが起きれば会社には大きな責任が生じる。一方、従業員も個人情報の漏えいを防ぎたいのなら、義務づけられてもいないナンバーの提供などする必要はない。
さらに退職しても個人番号が7年も保存される可能性がある。
マイナンバー 退職しても7年残る?マイナンバー
非正規雇用、アルバイト、パートなどで職場を頻繁に変える人などは、個人番号がいつどこで流出するか分からない。事業者が廃業したり倒産した場合、従業員の個人番号が厳正に管理されるなどということは考えられない。となると、義務でもない事業者への個人番号の提供などしない方がいいのは言うまでもない。
そしてもう一つの記事。
マイナンバー 自ら法律違反を勧めるマイナンバー担当大臣補佐官
ここで重要なことが語られている。マイナンバーというのは、たとえ本人といえども、個人番号利用事務等実施者に対して提供する場合を除いて、提供してはならない、ということだ。自分の個人番号を他者に公開してはならないのだ。
岩月弁護士は「おそらく政府とグローバル企業の醜悪な結合体が、国民本人も自由にできない個人情報を保有し、管理するということになるのだろう」と書いているが、このマイナンバーはまさに政府が国民を監視・管理するということに他ならない。
こんな制度はおかしいと意志表示するには、まず通知カードの受け取りを拒否するという方法がある。仮に受け取ってしまっても、事業者に個人番号を知らせる義務はない。そして次の手続きであるマイナンバーカードの交付を受けないこと。もちろんそうしても番号は勝手に割り振られて制度自体は動きはじめるのだが、意志表示もせずに受け入れてしまうのは自ら政府に隷属することを選択したことになると私は思う。
なお、ツイッターで「受取拒否の動きがあることぐらい向こうは知っています。載せられてリストに入れられる可能性の方が情報漏洩より怖いんです」と呟いていた方がいて、思わず嗤ってしまった。
「受け取り拒否リスト」に入れられたからといって何だというのか。受け取り拒否したところで罰則規定も何もない。そんなことのいったい何が怖いのか? この程度のささやかな意思表示や抵抗ですら自主規制をしてしまう人たちは、政府とって都合のいい人たちでしかない。
「受け取り拒否リスト」程度のことで怯える人たちは、SEALDsのメンバーのように名前も顔も出して政府を批判する発言をする勇気などとてもないのだろうし、そもそも公安に写真を撮られるのが怖くてデモにも行かないのだろう。情けない限りである。
秘密保護法、戦争法、マイナンバー、どれをとっても日本がどんどん全体主義に傾いていることは明確だ。思想・良心の自由、表現の自由ですら怪しくなってきている。そんなときに必要なのは反対の声であり毅然とした抵抗であり勇気だ。匿名で気に入らない人を叩いているだけの人にはそんな勇気などないのだろう。
【10月29日追記】
マイナンバー制の問題点については以下のサイトが詳しい。マイナンバー通知カードを受け取るのはともかくとして、マイナンバー(個人番号)カードを申請するのは非常に危険だと警告している。
共通番号いらないネット
http://www.bango-iranai.net/
またIWJでもマイナンバーに関する特集を組んでいる。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/269247
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/268813
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Posted by 松田まゆみ at 14:04│Comments(0)
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