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鬼蜘蛛おばさんの疑問箱 › 政治・社会 › トランプの実像と恐怖

2016年11月14日

トランプの実像と恐怖

 アメリカの次期大統領がドナルド・トランプに決まって一週間が経とうとしている。選挙前までは、平然と差別発言を繰り返し明らかに品のないトランプを選択する人がどれほどいるのだろうかと思っていたが、蓋を開けてみればまさかの当選。安倍首相に心底嫌気がさしている中で、トランプの当選報道を聞いて否応なしに襲ってきたのは不気味な不安であり恐怖だ。

 ネットではトランプ大統領誕生にさまざまな意見がある。TPPはとん挫しアメリカ追従から脱却するチャンスで日本には追い風という前向きな意見もあれば、何も変わらないだろうという意見もある。しかし、私にはどうしてもそんな前向きな捉え方ができないでいた。こんなことを考えたってしょうがないと思いつつ・・・。

 もとよりヒラリー・クリントンが大統領としてふさわしいとは思っていない。しかし、クリントンであったならこれほどの嫌な感触は持たなかっただろう。いったいこの得体の知れない不安や恐怖は何に起因するのか? トランプの強烈な差別発言だけとは言い難い何かをずっと感じていた。

 そんなときにツイッターを通じて目にしたのが以下の記事。1987年に出版された「トランプ自伝」を執筆したゴーストライターによる良心の告白だ。なんとこの本はベストセラーになってトランプの名声を高めたという。しかし、トランプ自伝を書くためにトランプと行動を共にして彼のことを知りつくす著者のシュウォルツは、大統領選の前に本では隠していたトランプの実像について告白したのだ。

トランプのゴーストライター、良心の告白(WIRED)

 長い記事だが、これを読んで私がトランプに対して感じた嫌悪感の源が何であったのかが、霧が晴れるように理解できた。この記事からトランプの性格を箇条書きにしてみると以下のようになる。

・自己顕示欲が強く、有名になることにとりつかれ、自分を大物に見せようとする。
・トランプがとる態度は、相手を罵倒するかおだてるかの二つしかない。
・金儲けのためにはどんな冷酷な手段もいとわない。
・集中力がない。
・読書に関心がなく、情報源は主にテレビ。
・計算づくで人を操る。
・計算づくで嘘をつき、メディア操作もする。
・人を騙すことに何の良心の呵責も感じない。
・金がすべてだと考えている。
・損得勘定でしか物事を考えず、自分の利益になるかどうかしか眼中にない。

 この記事から浮かびあがってくるのは、肥大した自己顕示欲をもつナルシストであり、自分の利益のために他者を支配・操作する独裁者だ。しかも、良心のかけらもないというのだから、サイコパスといっていいだろう。世の中にはこのような人物は少数ながら一定程度はいるし、単に実業家でいるだけなら無視することもできる。しかし、アメリカという超大国のリーダーということを考えるならもっとも恐るべき資質ではないか。

 資産家で貧困を知らず金のことしか頭にないトランプが、格差社会であえいでいる庶民の声に真摯に耳を傾けて救済するとはとても思えない。もしそのように見える言動をとっていたとしたなら、そこには「自分の利益」を考えての目的があるのだろう。トランプに投票した人たちが裏切られたと知る日はそう遠くないように思えてくる。

 トランプが大統領選に立候補した最大の理由が「注目されたい」という自己顕示欲にあるのなら、選挙演説で言っていたことは当選するために(国民を騙すために)彼が考えた作り話かもしれない。あの具体性のない思いつきのような主張は、そう考えると辻褄があう。現に、トランプは選挙戦のときの主張を軟化させはじめている。ただしあの醜悪な差別発言や罵倒は、彼の本心といえるものだろう。まともな人間は人を操作するために差別発言や罵倒を利用したりはしない。

 シュウォルツが言うとおり、人を騙すことに良心の呵責を感じない人であれば、政治家としてうまくいかずに国民の怒りや反発を招いたとき、あるいは世界の国々から非難されたり孤立したとき、いったいどんな行動をとるのだろう? 想像を絶するような大金が動く取引を、サーカスの芸人のように次から次への積み重ね「生きたブラックホールだよ」とシュウォルツに言わせた人物である。考えれば考えるほど恐ろしい。

 改めて思うのだが、トランプのこれらの性格の数々は、平然と嘘をついて国民を騙し、次々と強行採決をして日本を軍事国家にしたいと切望している安倍首相とほぼ重なるのではなかろうか。その安倍首相が内心もっとも怖れているのはトランプのように思える。トランプが自分の写し鏡であるなら、状況次第で日本は簡単にアメリカから見放される。安倍首相の拠り所がなくなるのである。拠り所を失った安倍暴走政権は自衛隊の軍隊化に必死になり核武装すら厭わないかもしれない。

 そして何よりも恐ろしいのは、トランプのような人物が核のボタンの権限を握ってしまったということだ。トランプが万一他国に対して敵対意識をむき出しにしたなら、何をするのか想像がつかない。

 トランプに関してはハワイ大学でアメリカの研究をしている吉原真里さんによる以下の記事が興味深い。吉原さんは、「選挙翌日のホノルルの様子は、2011.3.11の東日本大震災の翌日の東京と少し似ていました」と言う。それほどまでにショックなできごとだったようだ。

ブログ再開のご挨拶(Dot Com Lovers)

 トランプが当選したあと、全米各地で反トランプデモが繰り広げられた。民主的な選挙で決まったことに関して、なぜアメリカ人はこんな行動を起こすのだろうかといささかいぶかしく思ったのだが、彼らこそトランプに恐怖感や危機感を抱き、声を出さずにいられないのだと気づいた。恐らくあの選挙結果は奈落の底に落とされたような不安を抱かせるものだったのだろう。

 私がトランプにずっと抱いていた嫌悪感は、単に差別主義者とか政治経験がないことからくる不安だけではない。彼の言動からにじみ出る人間性に係るものだ。もちろん多くの米国人もそれを感じているのだろう。

 とりあえず当面の間、トランプは周りの人たちに理解を示すような穏当な態度をとるだろう。もちろん計算づくで。しかし、彼の性格や実像はそう遠からぬうちに取りまきや国民の思い知るところになり、彼に従う人と敵対する人に分かれるだろう。そうなったとき、間違いなく権力闘争がはじまる。格差が拡大してぎすぎすした米国で、果たして穏やかに解決することができるのか・・・。

 自分の利益しか頭にない傲慢で支配的な人間が米国のリーダーになった時点で、世界は更なる危機に立たされたと思えてならない。もちろん、悲観的なことばかり言っていてもどうしようもないし、事実に向き合っていくしかないのだけれど。




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