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2017年08月12日

菅野完氏の民事訴訟について思うこと

 8月8日に菅野完氏が被告となって争っていた裁判の判決があり、菅野氏の弁護士がこの裁判に関しての記事を公開した。以下がその記事である。

菅野完氏の民事訴訟について(弁護士三浦義隆のブログ)

 裁判になっていることは菅野氏もツイッターで認めていたが、詳細については沈黙を貫いていたので分からないままだった。このブログ記事によってだいぶ状況が分かってきたので感想を記しておきたい。

 最初に断っておくが、私は性暴力は重大な人権侵害であり、加害者を擁護する気は毛頭ないという立場だ。菅野氏の件に関しても、紛争の原因をつくったのは彼にあるし、そのことで菅野氏を擁護する気はまったくない。彼は自分の行為に対して責任をとらねばならないし、社会的制裁を受けることも甘受せねばならないだろう。

 ところで何らかの被害が生じて紛争になった場合、問題解決(責任の取り方)としては賠償金や謝罪を求める方法と、刑事罰や行政処分など法に基づいた処罰を求める方法がある。被害者は片方だけ行う場合もあるし、両方行う場合もある。

 前者は話し合い、あるいは調停や裁判によって進められ賠償金で償うことになる。被害の回復といっても起きてしまったことをそれ以前の状態に戻すことは不可能なので、謝罪と賠償金で解決するしかない。

 後者に関しては、加害者の行為が違法行為に該当する場合、被害者が告訴して刑事罰を求めたり行政処分を求めることもできる。

 また、法律に基づかなくても懲戒処分の対象になる場合は処分を求めるということもあるだろう。社会的制裁である。公益目的にマスコミなどが事実を公開することも加害者にとっては社会的制裁になる。これらも加害者としては甘んじて受けなければならない。

 さて、三浦弁護士の説明によると、X氏は代理人弁護士を通じて内容証明郵便で菅野氏に200万円の慰謝料を請求したという。いきなり調停や裁判に出たわけではなく、話し合いによる解決を求めたと理解できる。今回の件に関しては菅野氏本人も事実であると認めていて争いがないし、菅野氏も被害者に謝罪し賠償金を支払うことで和解による解決を望んでいた。そして、X氏の要求してきた200万円の慰謝料も受け入れた。

 謝罪をし、被害者が求めた慰謝料の全額を払うというのだから、ここで和解が成立するのが通常の経過だ。ところが、X氏は菅野氏のツイッターアカウントの削除や女性の権利問題に関する言論活動の制限に拘って和解を蹴り、裁判に打って出た。

 常識的に考えて、事件と全く関係のない要求が裁判で通るとは思えない。しかも裁判になればさらなる弁護士費用がかかることになるし、賠償金額も要求額より減る可能性が高い(実際、判決では要求額の半額の110万円だった)。自分に不利になるとしか思えない裁判を選択するというのは、極めて異様で不可解な対応だ。三浦弁護士も「菅野氏に社会的制裁を加えること自体がX氏の目的なのではないか」と書いているが、第三者の目からもそうとしか思えない。

 賠償金での解決を図る民事訴訟で制裁をすることにはならない。したがってX氏が民事での解決だけでは気が済まないのなら、菅野氏を告訴して刑事事件にするか、事実の公表をするなど民事訴訟以外の方法をとる必要がある。ただし、刑事事件にはなっていないようだ。刑事事件にするほどの違法行為があったわけではないのだろう。そんな中でX氏がとったのは週刊金曜日での公表という社会的制裁だ。

 週刊金曜日は記事を書くにあたり、取材によってX氏の可解な訴訟での対応を把握できたはずだし、X氏が菅野氏の私的制裁に強い拘りを持っていることを察知できただろう。であれば、性被害の事実だけではなくX氏側の不可解な対応も報道しなければ公平性を欠く。

 被害者が報道機関を利用して事実を公表するなら、それはあくまでも公益目的で行うのが筋だと思うし、報道機関側もX氏の言い分だけを垂れ流して個人的恨みによる報復に加担するようなことがないよう十分に配慮する必要があると思う。菅野氏の裁判をめぐって私が疑問に思うのは、まさにこの点だ。

 ところが、記事では裁判の不可解な経緯についてまったく触れられておらず一方的に菅野氏を糾弾する内容になっているし、事実をねじ曲げた部分もあるようだ。しかも記事が掲載されたのは菅野氏や裁判所が和解による解決を模索している裁判の最中だ。

 菅野氏は反省文の公表をX氏から拒否された。さらに性トラブルの加害者であるがゆえに、二次加害を避けなければならない立場だ。また係争中の事案であることもあり週刊金曜日の記事に対して反論も釈明も行わなかった。言いかえるなら、X氏は菅野氏の弱みにつけこんで彼の謝罪や釈明を事実上封じた上で、週刊金曜日に自分の主張だけを流したと言えよう。係争中だから記事にしてはならないという決まりはないが、こうした経過を知ってしまうとX氏のやり方に卑劣さを感じざるを得ない。こうしたやり方は、社会的制裁を通り越した個人的な報復感情による仕返し、嫌がらせとしか感じられない。

 週刊金曜日としてはこうした経緯を把握したうえで、もっと慎重に対応すべきだったと思う。事実に争いはないのだから、裁判が終わってからの公表でもよかったのではないか。被害者が報復のために週刊金曜日を利用したとも捉えられるし、週刊金曜日が被害者の報復に加担したとも捉えられるが、両方だったのではないかと感じる。

 X氏が週刊金曜日の記事の拡散を自ら画策したことについては、某ブロガーの告発記事からも明らかだ。私はX氏に利用された某ブロガー(菅野氏とは関わりのない性被害者)が、非公開前提のツイッターのグループメッセージでのやりとりを公開し、X氏のツイッター名まで公開したのは行き過ぎた行為だと思っているので、ここでは某ブロガーの記事をリンクさせることはしない。しかし某ブロガーが公開したやりとりを読んで、X氏は私的制裁のために他者を利用する人物であると感じた。X氏の発言や第三者を利用した拡散工作にもX氏の強い報復意識を感じる。

 しかも、週刊金曜日の記事のゲラのPDFファイルに週刊金曜日側が「うんこ」という名称をつけたことや、X氏が菅野氏を「うんこ」と称していたことも明らかになっている。いくら非公開でのやりとりであっても、第三者である報道人が被害者に同調して加害者を侮蔑する感覚に驚きを禁じ得ない。

 この件では、週刊金曜日のステマ疑惑を主張している人もいるが、私はその意見には与しない。ステマというより被害者の報復行為への加担であり、嫌がらせに近いと思う。

 私はどのようなトラブルにおいても報復行為には賛同できない。第三者である報道機関が個人の感情に基づいた報復、すなわち仕返し行為に加担することもあってはならないと考えている。報道機関が批判記事を書くのであれば公益性こそ重視すべきだ。報復行為は憎しみの連鎖を生むだけで決して建設的な問題解決にはつながらないし、場合によっては墓穴を掘ることにもなる。

 とは言うものの、被害者自身が違法行為や不法行為を伴わないやり方で報復するならそれは自由だろう。もしX氏が菅野氏に仕返しをしたいならば、ブログなどを利用して被害者自身が発信者となって責任を負うのが筋ではなかろうか。公表時期に関しても、菅野氏側に釈明や反論の場を与えるために裁判が終わってからにするのが公平なやり方だと思う。

 私的制裁のために民事訴訟を利用したり、自分自身で矢面に立とうとせずに報道機関を利用したり、その記事の拡散に菅野氏とは何の関わりもない性被害者の女性を利用するというX氏のやり方は、嫌悪感しか抱かせない。一方で、X氏との闘争を避け沈黙を貫いた菅野氏の態度は評価できる。

 何度も書いていることだが、私は自分の利益(あるいは復讐)のために他人を利用する人が大嫌いだし、たとえ被害者であってもそのようなことをやっていいとは思わない。




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タグ :菅野完

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