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鬼蜘蛛の網の片隅から › 植物 › エゾエンゴサクの葉の形

2007年06月02日

エゾエンゴサクの葉の形

エゾエンゴサクの葉の形 
先日は、エゾエンゴサクの花色の変異について書きましたが、エゾエンゴサクは葉の形もとても変異が大きいのです。

 上の写真と下の写真を比べてみてください。葉の形がまるで違います。下の写真の葉はとても細くて「ホソバエンゴサク」と呼びたくなるほどです。ほかにも、小葉に切れ込みが入っているものもあります。なんだか葉っぱだけ見たら別種みたいですよね。同じ場所にいろいろな形の葉のエゾエンゴサクが混じって生えています。こんなふうに葉の形に大きな変異がある植物も少ないのではないでしょうか。

 カタクリやエゾエンゴサクなどの「春植物」は、広葉樹が葉を広げて林床に木陰をつくるまでの短い間に花をつけて繁殖します。そして夏には地上部は枯れてしまうのです。葉の寿命が短いのなら、光合成をする葉はなるべく面積が広いほうがよさそうなものです。ところが、円い葉だけではなく細い葉の個体もけっこうあるところを見ると、葉の面積が広い方がいいというわけではなさそうです。

エゾエンゴサクの葉の形
 生物の形態にはふつう意味があるものです。そして、不利な形態は存続することが難しくなります。エゾエンゴサクの葉にいろいろな形があり、それらが共存しているということは、特定の形だけが有利だということではないのかもしれません。でも、なぜいろいろな形があるのか、というと???です。

 なんだかエゾエンゴサクというのは謎が多い植物です。


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Posted by 松田まゆみ at 21:00│Comments(2)植物
この記事へのコメント
松田様

 面白いですね。
 むかし、非進化論信奉者の知り合いが、
「現に目の前で変異や進化が起きないではないか。すべて仮説だ。信じない」
と言ってましたが、彼は植物にはあまり目を向けてなかったのでしょうね。
 それにしても、ここまで多様な姿を同じ種から見せられると感動に近い思いがします。
 多様性じたいが、強さなのかもしれませんね。
 だとすると、私たちも「いろいろな環境」や「いろいろな生き方」を保っておかなければならない、ということになります。

冬野
Posted by 冬野由記 at 2007年06月03日 11:50
冬野様

 多様性が高いと、環境が大きく変わったときにも全滅せずに、一部は生き残れるといわれています。

 人間も同じで、いろいろな生き方や考え方があるのが自然なのでしょう。日本では、考え方まで強制するようなことが起こりつつあるようで、危機感が募ります。
Posted by 松田まゆみ at 2007年06月03日 15:40
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