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鬼蜘蛛の網の片隅から › 環境問題 › 温暖化論への異論は信用できるのか?

2008年07月03日

温暖化論への異論は信用できるのか?

 先日札幌の本屋さんに行ったら、温暖化論に異論を唱える人の本が新刊コーナーに並んでいました。そういう本がブームになっていることは知っていましたが、その手の本ばかりが数冊新刊コーナーにデーンと並べられていたのには???でした。こんな風に置かれていると、いかにも「温暖化論はウソ」だと受け取ってしまう人も多いのではないでしょうか。

 圧倒的に温暖化を認めて問題提起している立場の本が多いなかで、G8サミット前ににわかに現れた温暖化論への反論本はあまりにも対照的です。これでは誰だって混乱してしまいますよね。私自身は「温暖化論の批判本」に対して疑問をもっていたので、温暖化に関する本が置いてある棚にいって立ち読みをはじめたのです。

 パラパラと本をめくっていて、たまげてしまったのは永久凍土のことについてある方が書いていた説。アラスカなどの永久凍土地帯の上に建てられていた住宅が、温暖化による凍土の融解によって歪んで壊れてしまったなどと説明されているのはウソで、壊れた原因は暖房の熱によって地下の凍土が融けたため、というのです。融けたのは家の下の凍土だけ?! それでは以前は暖房していなかったのでしょうか?

 先日、実際に永久凍土地帯で凍土の研究をしている知人から直接お話しを聞いたのですが、永久凍土が融けて住宅が沈みこんでいる例もあるそうです。シベリアやアラスカは地球上でも気温上昇の最も大きいところで、現地での研究からも永久凍土に変化が起きているとのこと。このままだとシベリアやアラスカの永久凍土地帯は縮小し、100年後にはシベリア南部には永久凍土はなくなり、アラスカでは内陸部にしか永久凍土が残らないと予測されるそうです。

 永久凍土が融解するとメタンなどの温室効果ガスが放出されて温暖化を加速します。気温が上昇すると森林火災が頻発してさらに凍土が融けてしまいます。また北極海の氷が融けると蒸散が活発化して積雪が増加し、雪の断熱効果によって冷気が地下に伝わらなくなるために凍土の融解が進むというのです。そして、このような凍土の融解による影響は、IPCCの4次報告には入っていないとのこと。これを加えるとさらに予測温度が上昇することになります。

 「海水面が上昇しない」という説も書かれていました。確かに北極海の氷が解けてもそれだけでは海水面は上昇しません。でも大陸の氷河が融けたり、海水温の上昇によって海水の体積が増えることで海面は上昇するのです。現に、その影響は出てきていますね。

 IPCCの予測は当てにならないという説もあります。シュミレーションというのはあくまでも予測ですし、データの扱いによって変化するものでしょう。でもだからといって予測はいい加減だとしてはじめから否定してしまうのではなく、新しい知見に基づいて常に修正していくべきものではないでしょうか。永久凍土の融解については考慮していないのですから、必ずしも過大な予測とはいえないでしょう。

 人為的影響というより地球規模の温度変化にすぎない、という説もあるようです。確かに第三紀には北極圏も緑で覆われるほど温暖でしたし、今は間氷期ともいえるでしょう。地球は大きな温度変化を経験してきたのです。でも、だからといって現在起こっている気温上昇が人為的なものではないという理由にはならないのではないでしょうか。

 とにかくこれまで体験したことのない速さで気温が上昇していることは確かですし、人為的な影響が大きく関与しているということも確かでしょう。そうした事実に基づいて、早急にやれるべきことをやっていかなければならないのではないでしょうか? もちろん無駄と思えるような対策やバイオ燃料の問題などについては再考していく必要はあるでしょうけれど、むやみに温暖化論を否定して安心感を与えてしまうのはどうかと思います。

 温暖化論への異論が、事実や研究に基づいて多面的な検討をしたうえでの論理なのか? 予測できないからといって放置していいのか? 何冊かの本を見ながら、このような本が話題になることの影響を考えさせられてしまいました。


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Posted by 松田まゆみ at 10:15│Comments(20)環境問題
この記事へのコメント
 気温が変化した後に二酸化炭素が増大しているというグラフはごらんになりましたか? 自然界の放出が年 1400億トン 人為的な放出が年 60億トン 大気に含まれる二酸化炭素が 7500億トンという数字があります。 つまりかなり複雑なメカニズムを想定しないと人為的な二酸化炭素放出が現在の二酸化炭素濃度増加の原因に、そして温暖化の原因にはなりえません。IPCCの報告書でも時間軸に関して明瞭に説明されていません。 また気象学会では温暖化が二酸化炭素により引き起こされたというのは定説になってもおらず、様々に研究されている最中のようです。 私も単純に考えて二酸化炭素の分圧が多少変動しても 40兆トン二酸化炭素を含む海水との平衡で一定化されると思います、この平衡は温度で変化しますから気温が変化し、二酸化炭素の分圧が変化したというほうが当たり前に思えます。 
 問題はまだ明瞭でないこの説に従い多額の資金が動き、権益も発生しさらにマスメディアがお祭り騒ぎをしていることです。 マスメディアが本気で心配しているならピーク電力を下げるため今年のオリンピック放映は夜間に行うと表明すべきでしょう。
Posted by セレステ at 2008年07月03日 10:44
セレステ 様

そのグラフも見ましたし、そういう見方も否定はしません。ただ、それだけが正しいと信じることもできません。なぜ急激に温度が上昇したのかという説明も明確にされているとは思えませんし。

専門的ことはわかりませんが、温暖化論を否定する論説の中には頭を抱えてしまうものもあります。多面的に捉えなければならない問題だと思っていますが、現状では必ずしもそうではないように感じました。確かに権益は発生しているでしょうね。

いずれにしても、黒か白かのように決めてしまえるようなことではないと思っています。
Posted by 松田まゆみ at 2008年07月03日 11:07
ならば、どちらの意見もある現状はとりあえずOKでしょう。

片側の意見だけ発信し続けるのは危ない事です。

以前は、危ない危ないと言う一方の意見ばっかりだったので、

今危なくないと言う意見が多少勢いがあっても、いずれバランスとれて行くんじゃないですかね。

いずれは、本当に正しい方向へ行くと良いですね。
Posted by rrr at 2008年07月03日 21:29
> 「海水面が上昇しない」という説も書かれていました。確かに北極海の氷が解けてもそれだけでは海水面は上昇しません。

これらの本がたくさん出ている以前は、

だませる、もしくは無知である事から、平気で温暖化の影響はこうなるぞと信じさせていた人、信じていた人もいたのです。

嘘はいけません。

だから、いろんな意見がある方が良いのです。

私も黒か白と単純に決めてしまうもんだいではないと思っています。
Posted by rrr at 2008年07月03日 21:33
>IPCCの予測は当てにならないという説もあります。

自分がアメリカにいた頃読んだ本で指摘されていたのは、このシュミレーションモデルに過去のデータを当てはめた場合に全く現実と違う答え(数値)が出てきてしまった、と言うものでした。当然か粉r羽ある程度正確なデータがそろっているので変動値をそのモデルに入力すればその頃の実際の温度と近い数値が出るはず・・・なのが出なかった、と言うわけです。

自分は気候関係の専門家ではないですし、実際そのモデルをいじったことがあるわけじゃないんでその本の受け売りになってしまいますが、確かに過去のデータを正しく反映させられないモデルに未来のデータが本当に予測できるのか?と言う問題はあるともいます。また、大学でそういう事を専門で研究されてる方のコメントとして「機構を予測するには変動地が多すぎるので今使ってるような単純なモデルが本当に役に立つはずがない」と言うのも紹介されてました。

自分は絶対に「ない」と思っているほうではありませんが、地球温暖化が一部の人々の言う様なドラスティックなものになるのかどうかも正直懐疑的です。特に否定しようとしている人物が米国政府に関係のある人ならそれはそれで裏(政治的意図)がありそうですし、EUでも同じなので。一番の問題はこの温暖化問題が不必要に政治化されてしまった事かも知れませんが。
Posted by Veritas at 2008年07月04日 16:35
rrr 様
Veritas 様

「人間の活動による二酸化炭素の増加によって温暖化がもたらされているのか、気温が上昇したことによって二酸化炭素が増えたのか」という議論と、「急激な温暖化が生じていて危機的な状況になりつつつあるのか否か」という問題は別々に考える必要があると思います。

前者については、現時点では明確にどちらが正しいとはいえないということでしょう。ただし、私個人の考えとしては、人間の活動が温暖化に大きく関っているのではないかと思っています。また、後者についても、かなり深刻な事態になりつつあるのではないかと思っています(シュミレーションが正確か否かは別にしても)。

そして、人間活動による二酸化炭素の放出が原因で気温が急激に上昇している可能性がある以上、それに対応した対策は必須だと思います。つまり、最悪の事態を想定しながら対策を立てていかなければならないでしょう。原因がわからないから、何もしないで様子を見ましょうというのでは、あまりにも無防備すぎます。

ただし、温暖化の危機を利用して利益を得ようとしている人たちがいることも確かだと思いますので、それには騙されないようにしなくてはなりません。本当に必要な対策と、そうではない対策を見分ける目が必要だと思います。とりわけバイオ燃料の奨励などは要注意だと感じています。
Posted by 松田まゆみ at 2008年07月05日 00:22
危機感に対するウエイトが少し違うだけで、ほぼ同意です(^^
Posted by rrr at 2008年07月05日 01:38
 御無沙汰しております。
 ちょっと話がずれますが、そもそも温暖化って本当にマイナスなんでしょうか?
 日本を含めた先進国にとってはマイナスだと思いますが、人類全体ではどうなんでしょうね?
 仮に人類全体から見てもマイナスだとしてもそれはそれで単なる人類のエゴという見方もできますし
 世の中諸行無常ですな
Posted by 柴田晴廣 at 2008年07月07日 12:20
柴田晴廣 様

確かに寒冷地では温暖化によって耕作面積が増大したり暖房費が少なくて済むということもあるかもしれませんが、それはごく一部の地域に限られることです。

干ばつや大型ハリケーンなどの異常気象の原因が温暖化にあるといわれていますが、それが事実であるならやはり人類にとっては大きなマイナスといえるでしょう。氷河湖の決壊は下流の人々の人命にかかわりますし、海面上昇も低地に住む人々にとっては生存にかかわる重大な問題です。

温暖化がゆっくりの速度ならこれまでの地球も体験してきたことであり、それほど問題はないのかもしれません。縄文時代は今よりもはるかに温暖な気候で海面も上昇しましたが、そのときの温度変化は今とくらべるとはるかにゆっくりとしていたと考えられます。

でも、急激に変化すると生物が生理的に追いついていけなくなる可能性があります。植物の開花時期や、昆虫の成長や休眠のタイミングには温度が大きく関っています。また移動速度の遅い生物(とりわけ植物)は気象の変化にともなってスムースに適地に移動できないでしょう。生態系にひずみが生じバランスが崩れる可能性がありますし、絶滅を加速させることにもなるでしょう。

急激な温暖化は人類にとっても、また人類の生存基盤となっている自然にとってもマイナスだと思います。
Posted by 松田まゆみ at 2008年07月07日 14:15
松田まゆみ様

 気候ががらっと変わるわけですから耕作面積の増大とか暖房費の減少とかだけではないと思います。
 仮にマイナス面がそれほどわずかなものであるならば、プラス面についてもごくわずかでしょう。
 「海面上昇も低地に住む人々にとっては生存にかかわる重大な問題」、とくにベネルクス三国などは、国そのものの喪失につながりますね。しかしここなんですよ。ベネルクス三国のように国そのものの存亡に直面しないまでも先進国の多くはマイナスになると思います。この点については既に先の投稿で書きましたが
 私はソビエトの崩壊も温暖化と因果関係があるように思っております。地図で観ればわかるようにソビエトは海岸線の長い海洋国家の様相を示しています。しかし、その海岸線の大部分は氷に閉ざされ、実質的には大陸国家の途をとらざるを得ず全体国家-統制経済の途を歩んできました。私はこのソビエトの崩壊時期と温暖化時期とが重なっていると認識しています。これなども地政学的意味でわが国にとってはプラスとして働いたと考えます。

 さてわれわれ人類が誕生する以前から数々の生物が生まれまた絶滅してきました。こうした絶滅の原因も急激な変化にあったのでしょう。しかし、いっときは崩れた生態系のバランスも新たな種の誕生とともに新たな秩序が形成されました。

 温暖化とは離れますが、中国の四川地震や中越地震で地震湖の決壊などが話題に登りましたが、ほんの数十年前までは地震などの地殻変動に伴い河川の流路も幾度となく変わっておりました。
 自然、つまり、あるがままという点から見れば、地震湖も決壊するに任せるべきではないのでしょうか?
 松田さんはこの辺りどう思いますか?
 地震湖の水抜きなど自然への冒涜であり言語道断だと
 言い切れるでしょうか?

 人類が滅亡するのも諸行無常からいえば当然のなりゆき
 それほど目くじら立てることじゃないように私は思いますけど
Posted by 柴田晴廣 at 2008年07月07日 17:53
柴田晴廣 様

恐竜が絶滅したのは確かに天変地異ともいえる大きな要因があったのでしょう。第三紀の温暖な時期が終わり、大陸氷河に覆われたヨーロッパや北アメリカでは多くの種が絶滅しました。しかし、氷河の影響を免れた日本などでは第三紀由来の多数の動植物が生残って生物多様性が維持されたのです。それが可能だったのは、やはりこれまでの気温の変化が緩やかだったからだろうと私は考えています。

すべて「あるがまま」にすべきという考えもあるかもしれませんが、私はそこまで達観できませんし、達観すべきだとも思いません。地震によるダム湖の決壊も、それによって被災者が出ることがわかっているなら当然「あるがまま」にすべきではないでしょう。

現在の温暖化が人間の経済活動によってもたらされ、それが人類を含む地球環境全体に大きな変化をもたらしているのであれば、やはり今を生きる人類には大きな責任があると思いますし、できる限りのことをやるべきだと思います。温暖化が人間のエゴによってもたらされているとしても「人間は所詮エゴイスト」「人類の滅亡もなりゆき」として割りきれるものでしょうか? すくなくとも私はそうは思いません。
Posted by 松田まゆみ at 2008年07月08日 10:44
松田まゆみ様

 生とし生けるもののみならず、森羅万象すべてのものは変化します。
 経済活動に直接結びつくか否かはともかく、環境保全団体などもようはこうした時間の流れ=自然に掉さす「保守主義者」との見方もできます。
 経済=利得に直接結びつくか、そうでないかの違いはあっても所詮環境保全団体などといわれるものも既得権にしがみついてるんですよ。
 前に文芸社等の問題でやり取りしたときにも感じたことですが、松田さんは、広義の既得権を肯定しているものの、その既得権の中の経済的なもの(利権)に結びつくもの(狭義の既得権)のみを問題にする傾向があるように思います。
 捕鯨問題についての松田さんの意見(少なくとも広義の既得権(間接的には利権にも結びついているだろうが)を肯定し、経済的な側面が直接結びつくような既得権のみを問題とする松田さんの立場)への批判的なコメントもそうした違和感への無意識の反発だと思いますよ。
Posted by 柴田晴廣 at 2008年07月08日 12:51
柴田晴廣 様

 もちろん既得権や経済活動は肯定していますよ。人間社会の一員ですから。環境保護団体は経済活動を否定するのではなく、そのあり方を問題にしているのです。
 環境問題で私がいいたいのは、人が自然(生態系)の一員である以上、自然に対してもっと謙虚であるべきだということです。過度の自然破壊や環境汚染、人為的要因による温暖化などは、自分たちの生存基盤までをも破壊することになります。それは時間の流れとか自然のなりゆきということではなく人間の思考・選択の問題ではないでしょうか。
Posted by 松田まゆみ at 2008年07月09日 09:16
松田まゆみ様

 「自然に対してもっと謙虚であるべき」、これは難しいことです。
 たとえば、われわれ人類は、数々の疫病を克服してきました。いくつかの細菌を絶滅に追い込んだ結果です。
 鯨はダメで細菌はOK、これなどまさしく「人間の思考・選択の問題」ですね。

 話は変りますが、数年前の皇室典範の改正議論、私にはこれと佐渡島だったかのトキの繁殖とが同じようにみえました。
Posted by 柴田晴廣 at 2008年07月10日 17:16
柴田晴廣様

病原菌を滅ぼしてきたり医療が進歩することによって人間の死亡率は大変低くなりました。人口がどんどん増えると食糧問題や環境問題にもつながっていきます。人口の増加を抑制するような施策が求められることになると思います。
Posted by 松田まゆみ at 2008年07月12日 14:49
松田まゆみ様

 「人口の増加を抑制するような施策」、地球温暖化なんて最高の施策じゃないですか?
Posted by 柴田晴廣 at 2008年07月12日 15:00
柴田晴廣 様

それは施策とはいわないのでは?

子どもを産むのを控えて人口を抑制することと、増えてしまった人を減らすことは違います。
Posted by 松田まゆみ at 2008年07月13日 14:16
松田まゆみ様

 親記事からだいぶ離れてきました。また、最初の私の質問からも離れてしまいました。
 もう一度、話を戻しますが、やはり、地球温暖化=悪いことっていうのはたいした根拠はないようですね。
Posted by 柴田晴廣 at 2008年07月14日 07:17
柴田晴廣様

地球温暖化の影響についてはいろいろな人がいろいろなことを言っています。どれが正しいかははっきりとは分かりませんが、危機感を感じている人が多いことは確かです。
Posted by 松田まゆみ at 2008年07月15日 09:47
松田まゆみ様

 つまり変化を嫌っている人が多いという点のみが事実で、ほんとうのところその影響がプラスなのかマイナスなのかわからないにもかかわらず「変化は悪だ」との前提で話が進んでいるのが「地球温暖化問題」の実体なんですね。
 繰り返しになりますが、変化を嫌うという点で環境保護団体なんていうのも一種の保守主義者の集団です。
 政治体制か環境問題かの違いだけで、鯨の問題なんかも政治体制の保守主義者と環境問題の保守主義者の「思考・選択」の相違に過ぎないように私には思えます。
 つまり社会科学に価値観をおくか、自然科学に価値観をおくかの違いです。
 とはいっても実際には、もう少し問題は複雑になります。
 「社会科学に価値観をおくか、自然科学に価値観をおくか」の前に「自身が属する文化」あるいは「自身が属する環境」がついて判断している者がおそらくほとんどだからです。
 自然科学に価値観をおく連中だけでなく、鯨を食する文化をもっていない国民など(たとえばオーストラリア人やニュージーランド人)も反対にまわりますし、地球温暖化の問題についても実害が予想される先進国あるいは地域(わが国でいえば、海進により大半が水没する東京都。一極集中の解消になってよいことだと思うが)の声にリードされ、現在劣悪の環境の地域(本当に地球温暖化による影響が大きいのであればこうした劣悪の自然環境の地域は住みよい環境に変ることも大いにあるだろう)からの声は聞こえません。
 「持てる者の既得権の保護」、私には「地球温暖化問題」もそれ以上のものにはみえませんね。
Posted by 柴田晴廣 at 2008年07月15日 11:52
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