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2008年08月14日
虫に食べられる樹木
先月のはじめに三笠市を通ったとき、山肌のシラカンバの葉がほとんどなくなって枯れ木のようになっているのに気付きました。今年はマイマイガが大発生しているようですので、マイマイガの幼虫に食べられたのでしょう。
マイマイガの幼虫は食性が広く、カンバのほかにカラマツやハルニレ、ミズナラ、ハンノキ、ヤナギなどいろいろな植物を食べます。10年ほどの周期で大発生するといわれていますが、今年はどうやら大発生の年に当ったようです。
先週、朱鞠内湖に行ったときには、写真にようにダケカンバの葉が虫の食害にあっていました。もう虫の姿はありませんでしたので、食べた虫が何かはちょっと分かりません。
こちらはケヤマハンノキですが、虫の食害のために枯れ木のように見えます。今年はこんなケヤマハンノキがあちこちで見られます。
落ちている葉っぱはこんな感じ。葉脈など硬いところは食べないので、葉は茶色に枯れています。虫の姿はもうありませんが、食害したのはハンノキハムシでしょうか?
普段は木の葉が虫に食べられていてもあまり気付かないものですが、大発生すると一本の木の葉のほとんどが食べつくされてしまうことがあります。こんなに食べられてしまったら木が枯れてしまうのではないかと心配になりますが、普通は枯れてしまうことはありません。
山口博昭氏の「森林昆虫の生活史」(創文)によると、常緑針葉樹では全ての葉の70パーセントが、カラマツや落葉性広葉樹では100パーセントが食害で失われても枯死はしないそうです。また、失葉率が30パーセント以下なら、生長にもほとんど影響がないとのこと。
樹木にとっては葉を食べる虫がいるのは当たり前で、少し食べられるくらいなら全く問題がないのです。ときとして虫が大発生してすべての葉が食べられても、生存には支障のないようになっているのですね。こうして森林の生態系が保たれているのです。
虫が大発生して植物の葉を食い荒らすと人間は害虫が大発生したといって大騒ぎをしますが、アメリカシロヒトリのような外来種を除けば、虫はもともと生態系の一員なのです。それがひとたび人間に被害を与えたら「害虫」として扱われ駆除の対象になってしまうのです。雑草などもそうですね。なんとも勝手なものです。
マイマイガの幼虫は食性が広く、カンバのほかにカラマツやハルニレ、ミズナラ、ハンノキ、ヤナギなどいろいろな植物を食べます。10年ほどの周期で大発生するといわれていますが、今年はどうやら大発生の年に当ったようです。
先週、朱鞠内湖に行ったときには、写真にようにダケカンバの葉が虫の食害にあっていました。もう虫の姿はありませんでしたので、食べた虫が何かはちょっと分かりません。
こちらはケヤマハンノキですが、虫の食害のために枯れ木のように見えます。今年はこんなケヤマハンノキがあちこちで見られます。
落ちている葉っぱはこんな感じ。葉脈など硬いところは食べないので、葉は茶色に枯れています。虫の姿はもうありませんが、食害したのはハンノキハムシでしょうか?
普段は木の葉が虫に食べられていてもあまり気付かないものですが、大発生すると一本の木の葉のほとんどが食べつくされてしまうことがあります。こんなに食べられてしまったら木が枯れてしまうのではないかと心配になりますが、普通は枯れてしまうことはありません。
山口博昭氏の「森林昆虫の生活史」(創文)によると、常緑針葉樹では全ての葉の70パーセントが、カラマツや落葉性広葉樹では100パーセントが食害で失われても枯死はしないそうです。また、失葉率が30パーセント以下なら、生長にもほとんど影響がないとのこと。
樹木にとっては葉を食べる虫がいるのは当たり前で、少し食べられるくらいなら全く問題がないのです。ときとして虫が大発生してすべての葉が食べられても、生存には支障のないようになっているのですね。こうして森林の生態系が保たれているのです。
虫が大発生して植物の葉を食い荒らすと人間は害虫が大発生したといって大騒ぎをしますが、アメリカシロヒトリのような外来種を除けば、虫はもともと生態系の一員なのです。それがひとたび人間に被害を与えたら「害虫」として扱われ駆除の対象になってしまうのです。雑草などもそうですね。なんとも勝手なものです。
Posted by 松田まゆみ at 11:23│Comments(2)
│昆虫
この記事へのコメント
松田様
あまりインターネットをする時間がないので、タイムリーにコメントが書けませんが、今後ともよろしくお願いします。
マイマイガが大発生しているようですね。
私は昆虫については詳しくないのですが、シラカバやケヤマハンノキであれば、葉を次々に生産しますので問題はないでしょうね。
春先にケヤマハンノキがハンノキハムシの食害にあっているのをよく見かけます。
幼木などは丸坊主になるのではないかと思うほどですが、夏にもう一度見ると大体の個体は青々とした葉を茂らせていますね。
「虫」は何かと嫌われがちですよね。
先日も親戚がエゾオオマルハナバチ一匹にきゃーきゃー騒いでおりました。
私にしたら、こんなに可愛い昆虫は他にいないと思いますが・・・
前回の話に戻って申し訳ございませんが、住民の要望について、「財界さっぽろ」を読んで少し考えることがありました。
北海道新幹線の延伸について、大規模な集会が行われた記事です。
私は北海道新幹線の札幌までの延伸は、大反対ですが、こんなにも期待している人たちがいるのに驚きました。
議員の先生方もいましたので、要望書でも作れば、北海道民は新幹線の延伸を強く望んでいるとすることができるのではないかと不安になります。
川の工事にしても同じです。
川のそばに住んでいる人が土建屋、首長などと一緒に要望を出せば、地元からの要望により改修を行うことになります。(要望書を出す手順はよく知りません)
私が仕事で携わった川で「地元からの要望書」がない川はありません。
ただ、これは住民の一部の意見ではないのかと疑問を持っています。
改修計画を立てる前に一応「地元からの要望」があるわけです。
蛇足ですが、関正和著の「大地の川」という本があります。
国交省もひどい人ばかりじゃないなと感じ始めたきっかけの本です。
読了されておられるかもしれませんが、ご興味がありましたら是非手にとって見てください。
あまりインターネットをする時間がないので、タイムリーにコメントが書けませんが、今後ともよろしくお願いします。
マイマイガが大発生しているようですね。
私は昆虫については詳しくないのですが、シラカバやケヤマハンノキであれば、葉を次々に生産しますので問題はないでしょうね。
春先にケヤマハンノキがハンノキハムシの食害にあっているのをよく見かけます。
幼木などは丸坊主になるのではないかと思うほどですが、夏にもう一度見ると大体の個体は青々とした葉を茂らせていますね。
「虫」は何かと嫌われがちですよね。
先日も親戚がエゾオオマルハナバチ一匹にきゃーきゃー騒いでおりました。
私にしたら、こんなに可愛い昆虫は他にいないと思いますが・・・
前回の話に戻って申し訳ございませんが、住民の要望について、「財界さっぽろ」を読んで少し考えることがありました。
北海道新幹線の延伸について、大規模な集会が行われた記事です。
私は北海道新幹線の札幌までの延伸は、大反対ですが、こんなにも期待している人たちがいるのに驚きました。
議員の先生方もいましたので、要望書でも作れば、北海道民は新幹線の延伸を強く望んでいるとすることができるのではないかと不安になります。
川の工事にしても同じです。
川のそばに住んでいる人が土建屋、首長などと一緒に要望を出せば、地元からの要望により改修を行うことになります。(要望書を出す手順はよく知りません)
私が仕事で携わった川で「地元からの要望書」がない川はありません。
ただ、これは住民の一部の意見ではないのかと疑問を持っています。
改修計画を立てる前に一応「地元からの要望」があるわけです。
蛇足ですが、関正和著の「大地の川」という本があります。
国交省もひどい人ばかりじゃないなと感じ始めたきっかけの本です。
読了されておられるかもしれませんが、ご興味がありましたら是非手にとって見てください。
Posted by オーバーワーク at 2008年08月20日 19:42
オーバーワーク様
シラカバ、ハンノキ、ヤナギなど、確かに次々と葉を生産しますから、枯れてしまうようなことはほとんどないでしょうね。
私も虫は好きなのですが、どうも一般的には嫌われ者のようです。
「地元の要望」というのも、どのような立場の人の要望なのかが問題かと思います。要望だけで動くのは問題で、さまざまな立場の人の意見を聞く必要があるでしょう。
シラカバ、ハンノキ、ヤナギなど、確かに次々と葉を生産しますから、枯れてしまうようなことはほとんどないでしょうね。
私も虫は好きなのですが、どうも一般的には嫌われ者のようです。
「地元の要望」というのも、どのような立場の人の要望なのかが問題かと思います。要望だけで動くのは問題で、さまざまな立場の人の意見を聞く必要があるでしょう。
Posted by 松田まゆみ at 2008年08月20日 21:22
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