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鬼蜘蛛の網の片隅から › 昆虫 › 温泉と昆虫

2008年08月29日

温泉と昆虫

温泉と昆虫



 写真はオオシオカラトンボです。北海道ではシオカラトンボはどこでもよく見かけますが、オオシオカラトンボは少ないようですね。

 「蝦夷の蜻蛉」(広瀬良宏・伊藤 智著、自費出版)によると、「道東では温泉地に限られる傾向がある」とのこと。確かに、オオシオカラトンボが見られるのは、温泉の排水が流れ込んでいる水溜りなどのようです。ヤゴの生育には一定以上の水温が必要なのかも知れません。

 屈斜路湖の和琴半島にはミンミンゼミが隔離分布していて、北限の生息地として知られています。ミンミンゼミは温暖な時代に北海道に広く分布していたものの、その後の寒冷化にともなって姿を消していき、地温の高い和琴半島に生残ったといわれています。この一帯は火山地帯で温泉があり、地温が高いのです。

 クモにも、もしかしたら温泉と関係があるのではないかと思われる種がいます。ヒノマルコモリグモというクモです。札幌の近くにある野幌森林公園で記録されているのですが、全道的に記録があるわけではありません。野幌森林公園以外では、2箇所だけですが道東の山地で記録されていて、その両方が温泉地です。

 コモリグモは地上を歩き回っている徘徊性のクモです。越冬もおそらく地中でしょう。寒冷な地域では分布と地温が関係している可能性がなきにしもあらずです。

 ところが、同じコモリグモでも高山性といわれるタカネコモリグモは、地温が高くて標高の低い硫黄山(アトサヌプリ)にも生息しているのです。こちらは地温との関係ではなく、他のクモが入り込めないような厳しい環境条件がこのクモの生息と関っているのではないかと考えられます。

 そういえば、温泉地にはヘビが多いなんていいますね。最近はヘビもあまり見かけない気がしますが・・・。


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Posted by 松田まゆみ at 14:09│Comments(3)昆虫
この記事へのコメント
松田まゆみ様

ご無沙汰しております。
御免なさい、松田様のお名前を確認せずに書き込んでしまいました。
お名前を間違えてしまいました、お赦し下さい。前に書いたコメントを
削除して下さい。

22歳まで北海道に住み、就職で東京へ、私が子供の頃はミンミンゼミの
鳴き声を、実際に聞いたことがありませんでした。
ところが北海道伊達市に帰郷した処、昨年、ミンミンゼミが沢山鳴いている
のに、吃驚させられました。一匹メスのミンミンゼミを運よく捕まえる事が出
来、東京で、度々捕まえたミンミンゼミと確認しました。

北海道が温暖な時期にミンミンゼミがいたということがわかり納得しましたが、
私が子供の頃には、見かけることの無かったミンミンゼミが伊達市の方には、
いつごろどのようにして、広がってきたのか、興味があります。
子供時代にはツクツクホーシが、度々鳴いていて、追っかけまわしましたが
捕まえる事が出来ませんでした。子供の頃の思い出です。
Posted by 邯鄲のゆめ at 2008年09月04日 19:12
邯鄲のゆめ、とは人生がはかないことの意味ですね。雨月物語かと思いました。
Posted by α at 2008年09月04日 20:51
邯鄲のゆめ 様

北海道ではミンミンゼミは道南と和琴半島にしか分布していないようですが、道南では分布を拡大してきているようです。温暖化の影響なのでしょうか・・・。

何年か前、東京に行ったときに都心でずいぶんミンミンゼミが鳴いていました。それに、一度だけですけど、東京でクマゼミの声も聞いたことがあります。セミも分布が変化してきているようですね。
Posted by 松田まゆみ at 2008年09月04日 20:57
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