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2008年09月09日
森に暮らすザトウムシ
夏の終わりから秋にかけて、森の中にでかけるとザトウムシがとてもよく目に付くようになります。子どものころ、脚をもぎとって遊んだという方(主として男性)も多いようですね。もぎ取られた脚が動くのです。
長い脚が8本あるので、一見クモのように見えます。そのせいか、クモと間違えている方も少なくありません。昆虫マニアの方でも、クモだと思ってクモの標本と一緒に送ってくることがあるのですから、一般の方がクモと間違えるのも仕方ありませんね。
ザトウムシは、クモと同じクモ形綱に分類されていますが、クモとはそれほど近い類縁関係にあるわけではありません。
クモの場合は体が頭胸部と腹部に分かれていますが、ザトウムシの場合はくびれがなくてずん胴ですから、よく見れば簡単に区別できます。それに、クモではお尻の先から糸を出しますが、ザトウムシは糸を出しません。
ザトウムシは森の中の落葉の下(リター層)を生活の基盤としているのですが、大型になる種では成長すると木の幹や草の上を歩きまわるのです。北海道に生息するものの多くは夏の終わりから秋にかけて成体になるので、今頃の季節はとてもよく目に付くようになります。私などは、ザトウムシが目に付くようになると、「ああ、もう秋だなあ」と思ってしまいます。
基本的には肉食で、節足動物やその新鮮な死体などを食べています。乾燥にとても弱いために、森の中でひっそりと暮らしているのです。そして、移動性が小さいために、地理的変異が大きい動物です。
今の子どもたちは、ザトウムシの脚をもぎとるなどという遊びはしなくなってしまったのでしょうか? そんなことをしたら残酷だといって非難されるのでしょうか? それとも、虫には触れないとか…。
外で虫取りをする子どもたちの姿をめっきり見かけなくなりました。子どもたちの周辺から、森や小さな生き物たちが遠ざかっているようです。いえいえ、大人が遠ざけてしまっているのかもしれませんね。
Posted by 松田まゆみ at 11:15│Comments(4)
│無脊椎動物
この記事へのコメント
大人が遠ざけてしまっている・・・。
そうですね、子供はなんでも大人の真似をしたがります。
がその大人が鼻っから見せない、触らせない....と遠ざけ
過ぎていますね。危険から守るのは当然としても自分の
目で見て触ってその感触を肌で感じることが大切ですね。
私はいつか森の中に手作りのツリーハウスを作りたい夢
があります。でもその前に大きな木と土地が必要なので
夢のまた夢ですが・・・。(^^;)
ザトウムシ・・・クモではなかったのですね。
子供の頃、足を引っこ抜いた事ありますよ。(^^;)
そうですね、子供はなんでも大人の真似をしたがります。
がその大人が鼻っから見せない、触らせない....と遠ざけ
過ぎていますね。危険から守るのは当然としても自分の
目で見て触ってその感触を肌で感じることが大切ですね。
私はいつか森の中に手作りのツリーハウスを作りたい夢
があります。でもその前に大きな木と土地が必要なので
夢のまた夢ですが・・・。(^^;)
ザトウムシ・・・クモではなかったのですね。
子供の頃、足を引っこ抜いた事ありますよ。(^^;)
Posted by 北の旅烏 at 2008年09月10日 14:22
旅鳥さん、こんにちは。
ツリーハウスですか。秘密基地みたいでいいですね。
自然と戯れる体験は、子どもでも大人でも大切ですよね。
旅鳥さんも、ザトウムシで遊んだのですね!
ツリーハウスですか。秘密基地みたいでいいですね。
自然と戯れる体験は、子どもでも大人でも大切ですよね。
旅鳥さんも、ザトウムシで遊んだのですね!
Posted by 松田まゆみ at 2008年09月10日 17:38
子どものころは、アシナガグモ、と呼んでいました。母がそう呼んでいたのですけれども。
自分の娘にはきちんと「ザトウムシ」と教えています。
もっとも「ザトウ」が分からなかったので補足説明が必要でしたが。
(^^;
子どものころ、ザトウムシの胴体はもっと丸い、球形に感じていました。
それに巨大なイメージがあったのです。
ピンポン球くらいの体に針金のような細い脚で素早く走り寄ってくるイメージでした。実態はまるで違うのに。
恐怖感がそう見せていたのですねー。
自分の娘にはきちんと「ザトウムシ」と教えています。
もっとも「ザトウ」が分からなかったので補足説明が必要でしたが。
(^^;
子どものころ、ザトウムシの胴体はもっと丸い、球形に感じていました。
それに巨大なイメージがあったのです。
ピンポン球くらいの体に針金のような細い脚で素早く走り寄ってくるイメージでした。実態はまるで違うのに。
恐怖感がそう見せていたのですねー。
Posted by おなら出ちゃっ太 at 2012年02月03日 16:46
アシナガグモと呼んでいる子どもは多いと思いますよ。見た目はまさに足長ですので。
子どもは体も小さいし、大人より大きく感じるかもしれませんね。あるいは、怖いものはとりわけ大きく感じられるのでしょう。そういうことって、確かにあると思います。
子どもは体も小さいし、大人より大きく感じるかもしれませんね。あるいは、怖いものはとりわけ大きく感じられるのでしょう。そういうことって、確かにあると思います。
Posted by 松田まゆみ at 2012年02月03日 22:16
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