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鬼蜘蛛の網の片隅から › 共同出版・自費出版 › 本末転倒のNHK「家計診断」

2008年11月22日

本末転倒のNHK「家計診断」

 今日放送されたNHKの家計診断「自費出版・方法と費用」には、ただただ呆れてしまいました。

 自費出版のトラブルといえば、そもそも共同出版社による悪質な商法が広まったことに端を発しているのです。ところが、しょっぱなから文芸社のB型の本とか出版説明会の様子。そしてなんと満足している人の事例が幻冬舎ルネッサンス。いくら丁寧な編集をしているからといっても、一冊あたりの単価から計算したなら300万円という費用は不当な請求でしょうに! まったく、問題の出版商法を行っている会社ばかりです。

 そして、相談機関として登場したのがリタイアメント情報センターと尾崎浩一氏。疑惑真っ只中の団体と人物をそのまま出すとは、「何だこの番組!?」というありさまでした。

 リタイアメントが制作した冊子のことで気になったことを指摘しておきます。

 番組のなかでもこの冊子を紹介し、とりわけ「合意のうえで契約すること」を強調していました。契約をする際に合意のうえで契約するなどということは常識中の常識です。では、なぜそんなことをわざわざ取り上げて強調したのでしょうか?

 費用でトラブルになったとき、出版社側が「この金額で合意した」と主張したいからではないでしょうか。「おいおいちょっと待って!」といいたいですね。そもそも著者を募集するための新聞広告費とか営業費などの費用まで上乗せした不当な請求をしていることが問題なのです。出版社の方で不当な請求をしておきながら、「合意した金額だ」などと主張されたら著者はたまりません。なんだかすごく意図的だと感じてしまいました。

 それに尾崎氏の「電話ですませた著者にも落ち度があり、面談が大切」というコメントも「ええっ?」ですね。返済能力を確認もせずに高齢者にクレジットを提案したのは業者ではありませんか? 費用についても具体的な内訳や出版社の負担などの説明があったのでしょうか?

 面談で騙されてしまった人は山ほどいます。面談では記録が残らないので「言った、言わない」のトラブルになりやすいのです。しかも、出版についての知識のない著者をたくみに騙すのも面談の特徴でしょう。とりわけトラブルになったときは個人的な面談は禁物。

 解説者として登場した喜田りえ子さんは、本来の請負契約をする自費出版の立場で話を進めているのに、NHKが紹介した事例は共同出版かそれと同類のものばかり。なんともちぐはぐ! このために共同出版の問題点がまったくわからないのです。そして結局は悪質商法の宣伝みたいになっていました。問題の本質を理解しないで番組をつくった制作者側の問題でしょう。

 この番組の感想は「本末転倒」の一言です。


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Posted by 松田まゆみ at 17:24│Comments(17)共同出版・自費出版
この記事へのコメント
世の中、腐ってますね(笑)

弁護士云々といい、お金の臭いがぷんぷんします。でも、逆にそのくらいのことをしないと、この金融不安の時期を乗り切ることはできないんでしょう。厳しい年末(狙いはボーナスでしょうか?)契約してくれた著者の信頼に報いるため(であることを願いますが)会社側も必死なんですね。金銭的な面も大きいけど、何より会社の名前に傷がつけば、著者に申し訳が立ちません。大事な原稿、生涯に一度の出版の銘柄が、閻魔も鼻をつまむような極悪非道のヤクザ以下組織じゃ、著者の方々だってまっとうな神経の人なら、犯罪の片棒を担がされた気持ちになってしまうでしょう。それだと可哀想だもの。
でも、本当に世間で流れるドス黒い疑惑を解消したいなら、大金積んで番組組むよりも、素直に質問状等に答える方が、ずっと安く済むと思うんですけどね~。お偉いさんの思考回路はよく分かりません。

願わくば、この問題において、これ以上、誰一人としてつらい思いをせずに済みますように。
Posted by M at 2008年11月22日 19:16
M様

まったく、笑えてしまいましたよ。昨日は悪夢でも見てしまったような気分でした。

出版社がお金を積んで番組をつくってもらったわけではないと思うのですが、要するに番組制作者がトラブルが増えた原因や契約形態のことをまったくわかっていないのです。そんな頭で注意喚起の番組をつくること自体が間違っています。

尾崎氏のコメントも最低! 年金生活の高齢者にクレジットを勧める会社の姿勢を問わないし、詩のような販売の困難な本に販売を勧めたんじゃないでしょうか。制作だけならそんなにお金はかかりません。会社が悪いんです。そういう指摘ができず、著者にも落ち度があるとか、面談が大切だなんて、無責任きわまりない発言です。

あの番組を見たがために、悪質な出版社に騙されてしまう人が出るのではないかと心配です。
Posted by 松田まゆみ at 2008年11月23日 05:47
返答がないので再度、質問します。

文芸社代表取締役社長 瓜谷綱延様

このブログを文芸社の人が全く見ていないとは常識的に考えられません。

この場を借りて質問させていただきます。

公募ガイドの貴社の広告から、以前あった「本はあなたのもの」という大きな文字の言葉が今はなくなりました。

消した理由をこのブログで述べてください。

述べない場合、貴社は計画的に新風舎を潰し、その言葉を一時的に消した理由は、新風舎を潰すため、新風舎を破産させる間だけの一時的な見せかけだけの軌道修正をしたのだと断定いたします。

そして、これからは、そのように断定的に発言いたします。
Posted by α at 2008年11月23日 13:34
私は見てませんがNHKが企画してつくった番組というより文芸社やリタイアメント情報センターがNHKにもちかけて、つくらせた番組だと思います。
Posted by α at 2008年11月23日 15:53
α様

NHKに、文芸社やリタイアメント情報センターの持ち込み企画なのかどうか聞いてみたのですが、それは否定していました。

それにしても、なぜ満足している例として幻冬舎ルネッサンスの著者を取り上げたのでしょうか。丁寧な編集作業をしていることを強調したかったのでしょうか? でも、編集の丁寧さを伝えたいなら、本来の請負契約の自費出版を行なっている会社でもっと適切なところがあったはずです。

それに、書名や著者名を出し、調べれば出版社がわかるような取り上げ方にしたのは不可解ですね。まるで出版社の宣伝のように感じてしました。

幻冬舎ルネッサンスは、新風舎なきあと、文芸社のライバルとなっている会社だと思うのですが・・・。
Posted by 松田まゆみ at 2008年11月23日 17:30
電話で聞いただけでNHKが否定したからといって、口だけでは証明できませんね。

極めて不自然なものを感じます。

私はリタイアメント情報センターが計画的にNHKにもちかけて、つくられた番組だと思っています。

第一、NHKがなぜ知名度の少ないリタイアメント情報センターを見つけて選んだのか、きわめて不自然なものを感じます。
Posted by α at 2008年11月23日 18:35
尾崎浩一氏は以前、NHKのクローズアップ現代に出て、悪質な出版社として新風舎を批判したらしいですね。

それによって尾崎氏はNHKとコネをつくりました。

NHKは彼を悪を糾弾する正義感のあるジャーナリストと見ているのでしょう。

NHKはネットの一市民記者の批判など見てないでしょう。
Posted by α at 2008年11月23日 19:30
アンケートにはかなり詳しく描いたのですが、番組を見そびれてしまいました。
アンケートが自費出版とうたっていたのですが、多くの著者は、共同出版しましょうと言われて、自費出版とは思っていません。
ということと、販売計画が全くなかったことをかなり強く指摘したのですが、そんな内容はなかったのでしょうね。多分。

見なくて良かったかもしれない。
Posted by そりゃないよ獣医さん at 2008年11月23日 23:23
文芸社および文芸社関係の団体はきわめて大きいです。大手新聞社、全社さえ文芸社を批判するどころか、恩恵をうけていることから黙認しています。文芸社は、とにかく組織力があまりにも大きいです。

リタイアメント情報センターでは、胡散臭い共同出版社のかなりと手を結んでいると思います。

文芸社はえげつない事はなんでもやります。

文芸社の本で民放のテレビ局でテレビ化されたものもありますが、NHKではあったかどうだか。なくても今後テレビ化される可能性はNHKも理解しているでしょう。つまり文芸社はテレビ局もおさえてしまっています。

そもそもNHKは政治的にも多くの問題のあるテレビ局です。いわば公務員のようなもので、他局と競争する必要などありません。国家権力の不正を知りながら他局が批判しているのに、批判しなかったこともあります。
Posted by α at 2008年11月24日 00:27
私はリタイアメント情報センターか文芸社と利益関係あるの団体が、NHKに提案したしたのだと思っています。

NHKは番組制作に、民放に求められるような真剣さは必要なく、のほほんとしてられます。

文芸社と利益関係のある団体はあまりにも多すぎます。

そうすると、リタイアメント情報センターのような主旨の団体は日本で、RBJしかないでしょう。他にも小規模のものがあるかもしれませんがRBJが一番、規模が大きいでしょう。渡辺勝利氏まで加わっているくらいですから。

そして、そういう状況を意図的につくりあげたのが文芸社です。

本がテレビ化されたものもありますが、それは百か千の著書に対し一つくらいでしょう。しかしテレビ局としてはその恩恵はありがたいわけです。ですから批判はしにくい心境でしょう。

つまり文芸社は新聞社にせよ、テレビ局にせよ、権力的なものをおさえてしまっているのです。

ですから世間で文芸社批判が起こらないわけです。

またNHKが頭が悪い、というより、RBJはNHKまで錯誤した、NHKも多忙ですから、くわしく調べなかった、RBJに関する情報が世間に知られていない、などと言った方が適切だと思います。

文芸社はこれからさらに権力をとりこんでいくでしょう。

つくづく卑劣な会社だと思います。

これも文芸社商法の大きな特徴の一つです。
Posted by α at 2008年11月24日 02:52
そりゃないよ獣医さん様

NHKは、HPでアンケートをとっていましたが、NHKにとって都合のいい情報しか番組には反映しなかったのではないかと感じました。

そもそも著者が費用の一部を負担する共同出版が広まってきてトラブルが増えたのに、番組では共同出版のことは一言も触れなかったのです。トラブルにあったという出演者の中には、新風舎と関わったと考えられる方もいたのですが、その方も共同出版という呼称はまったく使っていませんでした。

まるで示し合わせたように、共同出版という呼称をつかっておらず、とても不自然でした。

文芸社のヒット本、大手の出版説明会、幻冬舎ルネッサンスを取り上げる構成だったのですから、共同出版問題をまっこうから取り上げる気など、はじめからなかったのではないでしょうか。
Posted by 松田まゆみ at 2008年11月24日 09:52
α様

NHKは出版説明会(文芸社か?)の様子を流していました。幻冬舎ルネッサンスの社内も映していました。またリタイアメント情報センターも映していました。ということは、これらの会社や団体を取材していろいろ話しを聞いているはずです。

共同出版の批判をしなかったのは、まさにこういう会社や団体に取材したうえで番組をつくったからではないでしょうか。

NHKが、どうしてこのような会社や団体を選んで取材したのかということが疑問ですね。NHKになんらかの働きかけがあった可能性は否定できないと思います。

いずれにしても、NHKは自社として共同出版問題について情報を収集・分析したうえで、番組の内容や構成を考えるということをしなかったのではないでしょうか。取材先の情報を鵜呑みにして受け入れたとしか思えません。

文芸社の本をドラマ化して放送しているテレビ朝日は、文芸社のコマーシャルをすることで批判できない状況になっています。共同出版社やその同類会社は、こうやって新聞やテレビで批判されないよう頭を使っているのでしょう。
Posted by 松田まゆみ at 2008年11月24日 10:07
ネット社会でなかったら、その目論見は九分九厘、達成したでしょうね。
テレビで放送されてることは正しいという先入観から逃れてる人は極めて少ないでしょうから。

でも、真実を知ってる人が・疑惑に疑問を持ってる人がいる限り、その商法は砂上の楼閣です。(使い方、これで良かったっけ??)
大体、根本的な部分! 共同出版会社を支えていくのは、テレビ局じゃなくて、会社を信用してお金を出す著者なのです! その著者の心に僅かでも「?」を抱かせれば、明日の経営も危ないのがこの商売! 
どーせ天下(笑)のNHKの懐に潜り込んだんなら、もーちょっとマトモな内容にすれば良かったんです‥‥‥私は見てないけど、ブログを読む感じ、こじつけと言い訳とお為ごかしの垂れ流しな気がするもの。あと、血液型本の宣伝でもしたのかしら。
単純に視聴率取るだけなら、新風舎の被害者のその後を追った方がよっぽど話題性がありませんか? 一夜あけたら、夢は壊れて、莫大な借財だけが残ってしまった被害者がン千人ですよ。その時には、是非ともO崎氏にコメントをお願いしたいですね(笑)

何だか、NHKの受信料、払いたくなくなっちゃったな~‥‥‥
Posted by M at 2008年11月24日 23:38
M様

私の発言はM様に影響をおよぼしたと思っています。

私は自分の思うところを述べただけです。

私はどうしょょょょょょもない馬鹿ですが、

たしか砂上の楼閣ではなく、空中楼閣だったのではないかと思います。
Posted by α at 2008年11月25日 00:18
M様

文芸社の血液型の本は、はじめのところで書店に並べられている様子を取り上げていて、ヒットした本だが自費出版であるというような説明をしていました。

私には、NHKがどういう意図で文芸社の本を取り上げたのか、理解できませんでした。ただ単に「素人の本がヒットした例」を出したかったとしても、何も文芸社の本でなくていいはずです。

制作者が文芸社の評判を知っていたなら、普通の感覚では文芸社は取り上げないと思うのです。一般の聴視者にとっては、テレビで紹介されただけで「安心」と思ってしまう効果がありますから。

制作者側にそういう感覚がないのだとしたら、かなり問題ではないでしょうか。
Posted by 松田まゆみ at 2008年11月25日 10:06
a様

ぎぃ~やぁ~! 恥ずかしいぃぃぃ~!!
ご指摘、ありがとうございます。一つ、賢くなりました。

a様の書き込みは面白いし、元気が出ますよ。
仰るとおり、楽しませていただいて、影響も受けました。契約を断ったのは私自身の判断です。だから、それで痛い目を見たとしても、それは私の責任!
後悔なんかしませんや。


松田様

制作サイドの死角だったんだとしたら、制作側にはいい勉強になったでしょうね。苦情の電話を取って、焦ったかもしれませんよ(笑) 

話は変わりますけど、私、大好きな本があったんです。
でも、その本が文芸社発行の本で、事件以来、私はその本を開けなくなりました。作品にも著者にも罪はないことは分かっているけど、どうしても表紙に触われなくて、結局は捨ててしまったのです。今でも本屋さんでも文芸社系列の出版物には近寄れません。トラウマ‥‥‥ってほど大袈裟なものじゃないけど、影響は小さくなかった! 本当に大好きな本だったから、こんなにステキな本を出してる会社が、あんなえげつない真似をしたかもしれないなんて! 更に世間には今尚、益なき借財の返済に苦しんでる人がいる。ジレンマだったんです。
今は、何としてでも本当のことが知りたい! それが一番です。
ホントに頼むよ、NHK!(笑) 


 
Posted by M at 2008年11月25日 21:18
M様

あらあら捨ててしまったのですか。ちょっと本と著者がかわいそうな・・・。

私も、新風舎や文芸社の著者の方からいただいた本がありますが、本や著者に罪はないし、それぞれ著者の熱い思いのこもった本ですから、大切にしていますよ。

でも、たしかにどうしても買いたい内容の本でない限り、自分では買う気にはなれないですね。たとえいい本であっても、著者にはほとんど見返りがなく、出版社の資金源になってしまうと思うと・・・。

Mさんが本当のことを知りたいというのはよくわかりますし、私もそうです。疑惑を解明しようとする果敢なジャーナリストが出てきてほしいですね。
Posted by 松田まゆみ at 2008年11月25日 21:55
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