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鬼蜘蛛の網の片隅から › 雑記帳 › 校正って大変!

2009年01月27日

校正って大変!

 実はここ2週間ほど、とある原稿の校正とそれに関連する作業で忙しくしていたのですが、ようやく一段落しました。それにしても、校正ってなかなか大変な作業です。

 文章だけの校正であれば、それほど大変ではありません。でも、今回のものは図を多用した専門書なので図やその解説などのチェックもしなければなりません。もっとも図版のレイアウトをしたのは出版社なのですが、では図版に誤りがないかということまでは編集者にはわからないのです。そこで図の一つ一つをこちらでチェックしなければならないということになります。これがなかなか大変な作業でした。細かい字なので目はしょぼしょぼしてくるし…。

 で、直さなければならないところが実にいろいろありました。図の天地が逆だったり、番号が違っていたり、同じ図が複数あったり…。このまま印刷されてしまったら大変!というレベルのものがいろいろ。これはかなり冷や汗ものです。また2回読んでも気づかなかった重大な欠落が、パラパラと見直しをしていて気づいたというのもあります。人間の注意力というのはあまり当てになりませんね。初校は返送したものの、まだ見落としがあるのでは、とちょっと気がかりです。

 商業出版の本でもときどき誤字や脱字を見つけますから、校正というのはプロの編集者であってもなかなか完璧にはいかないのでしょう。とりわけ一人で編集をしているような零細出版社は大変神経をつかう作業ではないでしょうか。一人だと見落としも多いものです。

 それとは別のことですが、今月のはじめからブログで父の遺稿集「山の挽歌」の掲載をはじめました。本として出版した内容とほぼ同じなのですが、実は全く同じではありません。この本の編集は私がやり、知人にDTPによる版下作成を依頼したのですが、やはり後から読み返すとしっくりこないところがあるのですね。そこはやはり素人編集者の欠陥なのでしょう。

 このために、ブログ版では句読点などを若干変えています。また、ブログではルビが使えないためにふりがなを括弧書きにしました。出版後に何箇所か誤字や脱字が判明したのですが、何とブログに掲載する段階になって新たな誤変換を見つけたのです。本当に、何度読んでいても気づかないことがあるんですね。そんなこともあって、今月は校正の大変さを身をもって感じさせられました。

 このブログ版に関しては、在庫の残りが少なくなってきたこと、読者を意識して書かれた作品が多いということもあり公表しようと思ったのですが、このようなアマチュアの作品がネット上でどの位読まれるのかを知るための試みという側面もあります。ブログでの公表であれば、訪問元のアドレスや検索キーワードなどを知ることができます。

 今のところ、このブログからの訪問者が大半です。文学作品をネット上で不特定多数の人に読んでもらうのがいかに大変であるかということでしょう。検索で訪問される方もありますが、「出会い」とか「混浴」などというキーワードで検索されてきた方は、予想が外れたことでしょうね。


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Posted by 松田まゆみ at 16:58│Comments(4)雑記帳
この記事へのコメント
松田さん、こんばんは私等は自分のblog記事でさえ 確認ミスの山ですから松田のように本格的に校正するとなると 更に!! 目にもコタエそうですね!

まったくその"読み返すとしっくりこないところ"というのがありますよね.
ずっと後になって読むと なんでこうしなかったんだろ?ってふうに
簡単にできてしまうのに、その時は余裕がなくなっていたようです^^.

私は作品集の中でトベラの島が好きです. というより、ボンスキーと違う
雰囲気でちょっと驚きました. 私は ヌーベルバーグの映画やコクトーのシュールレアリズムが好みですので テンポと情景が逢うのだと思います.
前作にもあった素朴な純情と傷心が底辺に静かに脈づいているのが
魅力です. 続編楽しみにしていますね^^. 
Posted by こるとれーんtone at 2009年01月27日 20:09
こるとれーんtone様

作品集の方もお読みいただいているとのこと、ありがとうございます。

私は、はじめは販売することはまったく考えていなかったのです。ところが、「トベラの島」を読んだとき、正直言って知人・友人に配るだけではなくもっと多くの人に読んで欲しいと思うようになったのです。そんな時に目に入ったのが文芸社の新聞広告でした。それが文芸社とのトラブルのきっかけになり、共同出版や自費出版問題と関わることになってしまったのですが・・・。新聞広告の力というのは、すごいものです。

もちろん、今はアマチュアの本が売れるなどという幻想は抱いていませんので、こうして関心を持っていただいた方にタダで読んでいただくことにしたのです。

私はポール・ギャリコの作品がとても好きなのですが、中でも大人の童話といわれた「スノー グース」が大好きです。この「トベラの島」には、どことなくそれと共通するような哀愁が漂っているように感じました。
Posted by 松田まゆみ at 2009年01月27日 22:44
松田さん、こんばんはポール・ギャリコのスノー グース..温かい!
私も好きです! 傷ついた水鳥を抱いた少女とルックスの良くない男の
間に純粋な愛が芽生えていく .. というだけでは計れない、
そう大人の童話でした.  確かに共通するような哀愁感あります.あります!
私にはトベラの島はさらに
静寂なモノトーンの霞に包まれているムードに浸れました.

新聞広告だったんですか. 悲しいことですが、こうした出版物を扱いながらも良い物を発掘する才や世に広めようという意欲は持ち合わせていないのかもしれませんね.  
そうしたいきさつとは知らずトベラの 島を読ませていただいた訳ですが
それは川辺で美しいアカショウビンと出会えたような
姿の見えないナキウサギの声に誘われてわくわくとひきつけられて行くような
トベラの 島は そんな気持ちになれるさくひんでした^^.
Posted by こるとれーんtone at 2009年01月28日 19:42
こるとれーんtone様

ギャリコのスノーグースをご存知だったのですか。

「トベラの島」の男のようなSさんと父の間には、スノーグースの少女と男との心と心の触れ合い、愛情に共通するものを感じました。自然を見つめる視線にも共通性があるように思います。

今の子供たちは、まわりの人の目を気にし、携帯電話でいつも連絡を取り合っていなければ安心できないようですが、一昔まえにはこんな人と人の関わり合いが当たり前だったこと、人を信じられる世界があったことを知ってほしいなと思います。
Posted by 松田まゆみ at 2009年01月28日 21:39
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