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鬼蜘蛛おばさんの疑問箱 › 植物 › 十勝海岸のガンコウラン

2009年05月30日

十勝海岸のガンコウラン

 ガンコウランは高山植物とされていますが、高山以外にも分布しています。たとえば、硫黄山(アトサヌプリ)ではハイマツやイソツツジとともにガンコウランの群落が見られます。というのはこれらの植物は火山地帯の酸性土壌にも適応できるからです。道南の恵山の賽の河原にはカーペット上の大群落がありますが、これも同様です。

 標高がそれほど高くない然別湖などの岩塊地にもハイマツやイソツツジ、ガンコウランがありますし、根室地方では平地にガンコウランが分布していることが知られています。他の植物が入りこめないような厳しい環境でも生育できるのでしょう。決して高山にしか生育できないというわけではありません。

 十勝地方の海岸部にもガンコウランがあるのですが、先日のイソコモリグモの調査でそのガンコウランの不思議な群落を見ることができました。はじめに見たのは、ホロカヤントウ沼の砂洲です。台地状に少し高くなっているところにありました。高波などの影響を受けないところなのでしょう。ハマナスや海浜植物と隣り合わせにガンコウランが茂っている光景は、ちょっと不思議です。ここは根室地方のガンコウラン生育地と同じような環境なのかも知れません。

十勝海岸のガンコウラン


 それ以上に不思議な光景は、海岸の断崖上に、芝桜のようにカーペット状に広がるガンコウランの群落です。いったいどうしてこんなところにガンコウランの群落があるのでしょうか? かつてはホロカヤントウのように湿地の近くに分布していたものが、海岸の浸食などで内陸に後退し、今では断崖上にとり残されたのでしょうか? 植物の分布には、時として頭を悩ませるものがありますが、それがまた自然の面白さです。


十勝海岸のガンコウラン



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Posted by 松田まゆみ at 05:39│Comments(4)植物
この記事へのコメント
植物は時として生態的進化を遂げて土壌変化の境界から少しずつ適応ラインを
広げているのではないかと思うことがあります. それが在来の種であれば
このような興味深く感じられますね. 不要な開発がされなければ
北の自然には以前のガラパゴスのように動植物の進化を見届けられる地域が
残されていたのではないかと .. なんて思うことがあります.
Posted by こるとれーんtone at 2009年05月31日 23:14
こるとれーんtone様

そうですね。「この植物は、どうしてここにしか分布していないのか?」とか、「どうしてこんなところに分布しているのか?」など、不思議な分布にときどき出会います。

不要な開発によって失われてしまった貴重な植物もたくさんあるのでしょうね。
Posted by 松田まゆみ at 2009年06月02日 11:08
ガンコウランのような広義のツツジ科の植物の根はエリコイド菌根といって、チャワンタケ類の腐生菌を根に呼び込んで消化吸収して食ってしまう菌根を持っているため、無機窒素化合物塩を著しく欠乏した痩せた土壌でも植物や菌類、細菌の遺体に微量に残されている窒素化合物を菌類が強力な分解能力で回収しているのを騙して手に入れていく事が出来るんですよね。そういう環境で強力な競争者が入り込めない所で繁栄しているのが広義のツツジ科の植物なのですが、狭義のツツジ科の植物でもドウダンツツジ亜科の植物は殆どの植物と同じ絶対共生系でリン酸と光合成産物をやり取りしているアーバスキュラー菌根の持ち主なのですよね。つまり、ドウダンツツジ亜科の植物は地上部はツツジ科ですが地下は普通の植物なんですよね。
Posted by 村山茂樹 at 2013年03月13日 12:37
なるほど、厳しい環境に生育できるのは菌根が関係しているのですか。高山や湿原にツツジ科の植物が多いのも、そういうことなのですね。
Posted by 松田まゆみ at 2013年03月13日 21:46
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