さぽろぐ

  日記・一般  |  その他北海道

ログインヘルプ


鬼蜘蛛おばさんの疑問箱 › 河川・ダム › コンクリートで固める治水事業への疑問

2009年09月13日

コンクリートで固める治水事業への疑問

 北海道開発局帯広開発建設部が開いた治水事業説明会では、資料も配布せずにスライドをつかって通り一遍の説明をしただけでした(「開発建設部の治水説明会をめぐる怪」参照)。

 国の管理する河川の治水計画は北海道開発局が立てますが、北海道が管理する河川では道の出先機関である土木現業所が治水計画を立てます。帯広土木現業所が6月に開催した治水事業説明会では、「平成21年度治水事業概要書」という72ページの資料を配布しました。このような資料を配布する姿勢は、開発局よりはるかに評価できます。

 ところで、土木現業所が配布した資料をみると、十勝地方だけでもかなりの数の改修工事や砂防工事が計画されていることがわかります。地図に示された事業の数だけでも37箇所あります。近年、氾濫被害を受けた河川の改修工事のほか、地域の街づくりと連携した整備、子どもたちの自然体験の場となる水辺づくり、魚道など。果たして、そのすべてが本当に必要な工事なのでしょうか?

 この写真は、芽室川です。護岸や河床のコンクリートブロックの形や色から、幾度にもわたって河川改修が行われた様子が伺えます。こうやって増水などのたびに川は直線化され、河畔林は伐られてどんどんコンクリートで固められてきたのです。この原因はどこにあったのでしょうか?


コンクリートで固める治水事業への疑問


 この一帯の河川はかつて深い河畔林に覆われていたそうですが、上流にダムが造られるようになってから河床低下が進み、川の様子がすっかり変わってしまったといいます。治山ダムなどが造られると砂礫などが下流に運ばれなくなり河床低下を起こします。柔らかい火山灰地では、河床低下が著しくなります。河床低下によって古い護岸が河床に落下すると新たな護岸工事が必要になったり、河床低下を防ぐために床固工を施したり・・・と悪循環に陥り、次々と工事が必要になってしまうのです。こういう工事を繰り返すことで、河川はどんどんコンクリート化されてしまいますが、これが河川改修の実態でしょう。

 子どもたちや市民が水とふれあう場を整備するとの名目で、護岸の部分に階段を造る工事などもありますが、このような施設はほとんど利用されていないといってもいいでしょう。工事が必要になった原因を考え、その反省のもとに、河畔林の茂る自然の河川をいかに残すかという視点にたった河川管理が求められます。


あなたにおススメの記事


同じカテゴリー(河川・ダム)の記事画像
居辺川の現状(その2)
居辺川の現状(その1)
業界関係者も公述した十勝川水系河川整備計画公聴会
思いつきのような河畔林伐採は中止すべき
十勝川の河畔林伐採は意味があるのか?
これが音更川の堤防洗掘現場だ!
同じカテゴリー(河川・ダム)の記事
 集中豪雨による人的被害は防げる (2018-07-11 23:03)
 札内川「礫河原」再生事業を受け売りで正当化する報道への疑問 (2015-12-21 15:14)
 異常気象で危険が増大している首都圏 (2014-09-17 22:15)
 居辺川の現状(その2) (2013-06-10 21:41)
 居辺川の現状(その1) (2013-06-09 22:27)
 川を荒らす農地の排水事業 (2013-05-29 16:17)

この記事へのコメント
そもそもの河川工事は地元から声が上がり関係機関に陳情して
予算が付くのでしょうか・・・。それとも開発局や道建設局が
過去のデータから必要と決めて行なうのでしょうか。山間部の
山奥に真新しい砂防ダム工事現場を見るにつけ何故このような
場所に必要なのか、疑問ばかりがふくらんでくる事があります。
遠目ではきれいでも、直線化したコンクリートの川底では魚は
住み難く、産卵場所も限られてしまいます。また増水した時に
鉄砲水となって勢いを増し、被害を大きくしてしまいますね。
安全のため・・は関係部局の存在理由付けに摺り替えられたり
予算を使い切って消化するためなのかと疑ってしまいます・・。
民主党が政権を担う訳ですが、環境保全の提案を注視したいと
思っています。
Posted by 北の旅烏 at 2009年09月15日 14:56
北の旅鳥様

洪水によって地域住民に直接被害が出たような場合は地元からの要望もあるのでしょうけれど、説明会の資料を見る限りでは大多数の事業は河川管理者の判断によるものだと思います。

つまり、ちょっとしたことでいくらでも事業をつくることができるのです。ここの樹木が流れを妨げているとか、河床が低下してきたから固めようとか、水とふれあう場があったほうがいいとか・・・。土木事業の仕事づくりをしているともいえますね。

民主党がどこまで無駄な公共事業をストップさせることができるのか、注目されます。
Posted by 松田まゆみ at 2009年09月15日 15:55
 川に限った事ではありませんが、コンクリートやアスファルトなどで固める事業は早急に止める必要がありますね。生態系に非常に悪影響があるでしょう。・・これによって著しく生物が減っています。

川の改修工事や砂防工事は、無意味どころか、逆効果の結果になる事は目に見える事が多いですね。・・・工事推進は工事のプラス面だけを宣伝して、負の面に殆ど触れていない現状です。プラスマイナスでかなりのマイナスになるんですけどね。


>子どもたちの自然体験の場となる水辺づくり

も最低ですね。
「川の学校」なんて命名して、作るだけ作って、出来ても殆ど利用されないし、使うにしても人工的なものが出来上がって、自然体験学習には程遠いと思います。

>河畔林の茂る自然の河川をいかに残すかという視点にたった河川管理が求められます。

同感です。河川はあまりいじらないほうがいい場合がほとんどです。
Posted by 雑草Z at 2009年09月19日 20:43
雑草Z様

河川改修の繰り返しで、どんどんコンクリート化していく川を見ていると、虚しくなります。一箇所で護岸工事をすれば、その影響で下流で工事が必要になる・・・そんな悪循環があります。

「親水」のための施設も使われないものばかり。誰も望んでいないのに勝手に造っているのでしょう。
Posted by 松田まゆみ at 2009年09月24日 10:58
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
コンクリートで固める治水事業への疑問
    コメント(4)