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2010年02月26日

自費出版図書館とリタイアメント情報センターの不可解な関係

 図書館といえばその多くは自治体などが運営する公共施設ですが、東京には自費出版の本を集めた自費出版図書館があります。この自費出版図書館は1994年に開設されたのですが、2002年にはNPO法人自費出版ライブラリーとなりました。運営の中心になっていたのは伊藤晋さんです。

 しかし、2009年になってこの自費出版図書館の運営体制が変わりました。NPO法人リタイアメント情報センターと提携したのです。

自費出版図書館

 リタイアメント情報センターについては、このブログのカテゴリー「共同出版・自費出版」で何回か話題にしていますが、簡単に説明すると以下のような不可解なことがいろいろある団体です。

 副理事長である尾崎浩一氏は、ご自身が編集長をされていた「リタイアメント・ビジネス・ジャーナル」で新風舎を批判する連載記事を書きました(今はサイトがリニューアルされ、記事は削除されています)。尾崎氏は、ジャーナリストとして他にも雑誌などに新風舎を批判する記事を書き、テレビにも出演していました。また、「危ない!共同出版」という新風舎のみを批判した本も書いています。「新風舎商法を考える会」の設立や新風舎の集団提訴にも深く関わりました。ところが非常に不可解なことに、ほぼ同じ商法を行っている文芸社を批判することはありません。NPO法人リタイアメント情報センターでは「自費出版部会」を設置していますが、この部会では販売する自費出版のガイドラインを作成しました。その内容は文芸社がクリアできるものでした。そして、後に文芸社と日本文学館がそのガイドラインの賛同業者となりました。自費出版図書館を主宰していた伊藤晋さんは、その「自費出版部会」のメンバーです。

 要するに、メディアを利用して大々的に新風舎批判を展開した尾崎浩一氏は、新風舎を辛辣に批判し大騒ぎをしながら、文芸社の問題は取り上げようとしません。

 それでは、尾崎氏が批判しない文芸社が問題のない会社であるかといえば、とんでもありません。私がかねてからJANJANやブログで指摘している悪質商法をいまも続けています。そして、2008年7月にはJANJANに対し、私の記事が名誉棄損にあたるので削除するよう通知し、削除しなければ法的手段に訴えると脅しました。JANJANは記事を削除しませんでしたが、文芸社は訴えませんでした。都合の悪い記事を削除せよと、市民メディアを恫喝したのです。こういう会社をまったく批判しないのが尾崎浩一氏であり、自分たちのつくったガイドラインの賛同業者として認定しているのがリタイアメント情報センターです。

 自費出版図書館のホームページでは「自費出版相談室」を設けているのですが、そこをクリックするとなぜか「リタイアメント情報センター」に繋がります。また「ガイドライン」と書かれたところをクリックすると、これもまた「リタイアメント情報センター」に繋がります。

 以上のことから、自費出版図書館の運営にリタイアメント情報センターが乗り出したということが何を意味するのか、推して知るべしでしょう。NPO法人だからといって、頭から信用してしまうのは禁物です。

【リタイアメント情報センターの関連記事】
文芸社・新風舎の盛衰と自費出版(21)ガイドラインへの疑問
文芸社・新風舎の盛衰と自費出版(22)ガイドラインの社会的責任
文芸社・新風舎の盛衰と自費出版(24)新風舎倒産の疑惑と批判できないマスコミの不甲斐なさ
   


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Posted by 松田まゆみ at 15:38│Comments(6)共同出版・自費出版
この記事へのコメント
JANJANが赤字のため閉鎖となるのは残念です。ネットサービスも今後は「背に腹は変えられない」ということで自費出版社や宗教団体の広告を掲載するところが増えるのではないかと危惧しています。
Posted by はなゆー at 2010年03月03日 02:43
はなゆー様

市民の目線から情報発信をしてきたJANJANの休業は残念です。なんとか継続の道を模索してほしいと思います。ご指摘のように、これからは悪質商法やカルト団体などのネット広告も増えてくるでしょう。市民が騙されないためにも、やはり権力者や企業の影響を受けない市民メディアがあることが望まれます。
Posted by 松田まゆみ at 2010年03月03日 14:48
シーサーブログの管理画面が昨日から文芸社の広告を配信開始。記事を更新するたびに文芸社のカラー広告が表示されます(苦笑)。
Posted by はなゆー at 2010年04月06日 20:58
はなゆー様

お知らせありがとうございます。広告収入を得たいブログ運営会社と、ブログを利用して広告を出したい会社の意向が一致したのでしょうか。それにしても、広告を載せるのであれば会社の評判などをきちんと調べてほしいものですね。
Posted by 松田まゆみ at 2010年04月06日 22:02
「あなたのブログを書籍化したい」という内容の大規模キャンペーンのようです。


>広告を載せるのであれば会社の評判などをきちんと調べてほしいものですね。

ブログ会社も過当競争気味で広告が取りにくい状況。背に腹は代えられないのだと思います。
Posted by はなゆー at 2010年04月07日 09:14
はなゆー様

自費出版したい人は無尽蔵にいるわけではありませんし、多額の費用をかけて何回も自費出版する人は少ないでしょう。新聞や雑誌へ莫大な広告費をかけても、以前より応募者が減っているのかもしれませんね。ブログ運営会社に広告を出すことで、ブログの書籍化を狙っているのでしょう。
Posted by 松田まゆみ at 2010年04月07日 15:54
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