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鬼蜘蛛の網の片隅から › 自然保護 › 呆れた森林環境リアライズというコンサルタント会社

2010年06月12日

呆れた森林環境リアライズというコンサルタント会社

 森林環境リアライズというコンサルタント会社のことについては、美蔓貯水池(旧美蔓ダム)のナキウサギ調査で矛盾した報告書を書いているとして問題にしましたが、加森観光によるサホロスキー場の拡張事業においてもとんでもない隠ぺいをしていたことが分かりました。

 私は出席できなかったのですが、加森観光が実施した住民説明会で、環境調査を行った森林環境リアライズの職員が、北斜面にナキウサギの生息地があることを知っていながら調査報告書にそのことを書かなかったと話したというのです。これは明らかな情報の隠ぺいです。この問題について十勝自然保護協会が再調査を申し入れました。以下の記事をお読みください。

サホロスキー場北斜面開発で再調査を申し入れ

 この事例は、森林環境リアライズというコンサルタント会社が、発注者の意に沿うように事実の隠ぺいも平気でしてしまうということを物語っています。スキーコースにナキウサギの生息情報があるのは困りますからね。恐らくこのようなことはこの会社に限ったことではないでしょう。逆の見方をするなら、このような隠ぺいをしなければ、コンサルタント会社に仕事が来ないとも言えるかもしれません。まともな調査をやって、まともな報告書を書いていたのでは、会社が成り立たない世界なのでしょうか。

 このナキウサギ生息地の隠ぺいについて、もし十勝自然保護協会が指摘していなければおそらく誰も気がつかなかったでしょう。そうやって、公共事業や開発事業の犠牲になり、闇に葬られてしまった希少動植物も少なくないのではないでしょうか。

 サホロリゾート開発問題協議会が北海道に対し、情報公開で非開示となった部分について異議申し立てをしていましたが、北海道知事から非開示の理由説明書が届いたそうです。それによると、希少野生動植物が非公開になったことについて「希少野生動植物保護条例や種の保存法が制定されたことにより、希少野生動植物の盗掘等から保護を図る観点に立ち、希少種の名称や位置等について非開示としたものです。」と説明しています。

 「盗掘等からの保護」とは何と便利な方便でしょう。盗掘等を目的に情報開示をしたとでも思っているのでしょうか。希少動物を脅かすようなことをするために情報開示したとでも思っているのでしょうか。ここまで黒塗りにしてしまったら、コンサルタント会社が不適切な報告書を書いていても見抜くこともできないのです。市民による検証の妨害です。結果的に、地方自治体が「保護」という名の下に希少動植物の生息地破壊に加担しているということにもなりかねません。


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Posted by 松田まゆみ at 14:28│Comments(2)自然保護
この記事へのコメント
1.上記森林環境リアライズの役員名簿が入手していれば、役員の経歴をお調べ下さい。某官庁のOBが名をがあるはずです。その方(S・H)がセールスをしています。

2.山を管理している某官庁は土地の貸付けが重要な収入源であり、法令等に照らし合わせて問題が無い場合、貸付けを認めなければならない、そのような法令等の体系となっております。問題が無いのに貸付けを断り、断り先が行政監察局に申し立てると、観察局は「不適切な行為」とみなし、改善措置を山を管理している某官庁に対して行います。各省庁とも、行政監察に関して非常に敏感で、改善措置を回避したいと考えています。上記リアライズが、環境上も問題なし、との報告書が提出すれば、いよいよ貸付けを認めざるを得ないことになります。

3.H・S・Dコンサルタント(十勝にも出先があります。)にも注意が必要です。ご存知かも知れませんが、この会社は森林開発公団の不祥事により某所管官庁から事実上の解散命令が出された会社ですが、名前を変えて、事実上存続をしております。役員名簿があれば、その幹部の経歴を調べることをお勧め致します。これも某官庁のいわゆる天下り先の一つです。

4.国家公務員の倫理規程が厳しくなり、現在ではこのような旧御用会社が煙たい会社になりつつあるようです。それは上記2で触れたとおり、「問題なし」の報告書が提出されれば貸付の手続きに入らざるを得なくなり、環境問題に巻き込まれることになるからです(訴訟の被告になるなど)。

5.山を管理している某官庁が頭を悩ませている問題の一つに、スキー場の経営破たんがあります。スキー場の閉鎖に伴い跡地の緑化を契約上義務付けている訳ですが、破たんした場合、自前予算で緑化事業を行わなければならず、莫大な予算が必要となります。つまり、スキー場経営会社には破綻されては跡地緑化に関することは不良債権として焦げ付き、会計検査からの厳しい追及を受け、非常に困る訳です。そこで経営破たんをしたスキー場の経営を引き継ぎ、徹底的な合理化で経営を軌道に乗せるノウハウを蓄えているK観光が安全パイとして頼みの綱になる訳です。スキー人口の減少に各スキー場は頭を悩ませている訳ですが、K観光にはこれまで非常にお世話になり、サホロの北面開発にはおそらく疑問を感じていながらも、土地の貸付についてはこれまでの恩義から断れないという裏事情があると考えます。
Posted by 匿名A生 at 2014年11月21日 00:15
匿名A生さん

情報ありがとうございました。
Posted by 松田まゆみ松田まゆみ at 2014年11月21日 10:48
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