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鬼蜘蛛の網の片隅から › 自然・文化 › 登山者あれこれ

2010年08月16日

登山者あれこれ

 14日、トムラウシ山に行ってきました。といっても頂上までは行かず途中で帰ってきましたが。お盆休みと束の間の好天のためか、山はとても賑わっていました。写真は通称「トムラウシ公園」と呼ばれているところです。雄大なトムラウシ山を背に、高山植生と岩塊地、池塘の織りなす特有の光景の美しさは、言葉では言い表せません。

登山者あれこれ


 それにしても、登山者はさまざまですね。この日一番驚いたのは、トムラウシ山まで走って往復していた人がいたことです。歩いて登るだけでも大変なコースなのに、すごい脚力と心臓の持ち主がいるものです。これまで自転車で山に登っている人を見たことが二回ほどありますが、走って登り降る人ははじめて出会いました。

 この日は単独で登山をしている男性が目立ちました。健脚向きの山ということもあるのでしょう。他の山に比べて女性はちょっと少なめのように感じました。

 そんな中で驚いたのが、帰りにすれ違った中高年(高齢者の方が多いか?)の女性を主体としたパーティーです。10人ほどで、1人だけ高齢の男性が混じっていたようです。出会った時間や荷物の多さから考えるなら、日帰りではありません。南沼のキャンプ場まで行く予定なのでしょう。

 かつて(私が学生の頃ですから30年以上も前でしょうか)は、大きな荷物を背負って縦走をしている女性パーティーといえば、女子のワンダーフォーゲル部くらいでした。女性の高齢者主体のこのようなパーティーは見たことがありませんでした。今の女性の中高年登山者はほんとうに元気で逞しい! それにしても天気予報では翌日は下り坂。何事もなければいいのですが。

 それから、意外だったのが若い人の姿が目立ったこと。近年の中高年の登山ブームで、最近はどこの山に行っても中高年登山者が圧倒的だったのですが、若い男性の単独あるいは数人のパーティーのほか、子ども連れも二組見かけました。

 トムラウシは岩塊地があちこちにある山ですが、ナキウサギの絶好の生息地になっています。コマドリ沢の岩塊地で休んでいたら、ナキウサギが人おじもせずに岩の上にちょこんと姿を見せ、かわいらしい姿をじっくり見ることができました。ひとまわり小さい、今年生まれの子どものナキウサギも出てきましたし、雌の成獣も瞑想ポーズを存分に見せてくれました。雄の鳴き声も聞こえてきます。登山者の大半は山頂を踏むのが目的なのか、もくもくと頂上を目指していましたが、どれくらいの登山者がナキウサギを見たのでしょうか。登山道のすぐ横でこんな光景が見られるのに、ほとんどの人が足早に通りすぎていました。

 トムラウシ山は日本百名山ともあって登山者が多いのですが、とにかく行程が長いので日帰りでゆっくりと自然を楽しむことが困難です。でも、多くの人が「日本百名山」の登頂を目指し、頂上を踏むことを目的にしているようでした。私はピークハンターではないので頂上に行かなくてもちっとも気にならないのですが、登頂だけを目的とした登山というのはなんとも味気なく、また勿体ないように思えて仕方ありません。


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Posted by 松田まゆみ at 07:44│Comments(6)自然・文化
この記事へのコメント
写真のトムラウシ山、素敵な山ですね。
私も若い頃、山が好きで登山に良く出かけました。
今はすっかり山にご無沙汰ですが、目的の山の
頂上にたどり着いた時の気分爽快さは忘れられ
ません。最近は中高年のハイカーや登山者が
多いですね。ただ最近耳にすることは、中高年の
方の事故が多いことです。健康志向で登山愛好も
結構ですが、やはり無理せず綿密な計画を立てて
行動してほしいものです。
最近は山を遠方から眺めるだけですが、それでも
気分転換になりますね。
山の写真を見せて頂き有難う御座いました。
Posted by なっちゃん at 2010年08月16日 21:25
なっちゃん様

コメントありがとうございました。

山は気持ちがいいですよね。私も若いころのほうがよく登りました。
時間があれば、のんびりとお花を見たり、野鳥を見たり、昼寝をしたり・・・。下界とは別世界です。大雪山の高山帯をアイヌの人たちはカムイミンタラといいましたが、「神々が遊ぶ庭」という意味なんです。そんな名前がぴったりなところですよね。

でも、事故だけは気をつけたいものです。
Posted by 松田まゆみ at 2010年08月17日 12:10
トムラウシには何度登ったかと考えてみると、多分4回登山しています。新得側からは一度だけですが、東大雪荘の温泉が好きです。新しくなってちょっと不満ですが、これも良い。
府県からの登山者の多くは、ツアーで来られますが、お互いがツアーで所見の方たちばかりで連帯感がなく、スケジュールを心配したり、登った山の数を自慢し合っています。元気なのは良いけれど、昨年の事故のように、いくら元気でも年は年です。体力には自らの知らない衰えがあるはずです。こうしたことが事故につながったのだと思います。
それにしても、山頂に行かなかったのはちょっと残念な気がします。
いずれ、ひさご沼で1週間ほど過ごしてみたいと思ってます。
Posted by そりゃないよ獣医さん at 2010年08月17日 19:04
獣医様

4回も登っていらっしゃるのですか。ヒサゴ沼でのキャンプもいいでしょうね。

東大雪荘がとても立派になってしまい、昔のひなびた温泉宿の雰囲気がなくなってしまったのはちょっと残念でした。

今回は、前トム平のあたりから腰痛が出てきたことと、帰りの体力が気になったこともあり、トムラウシ公園を見渡すところまで行って引き返しました。今年はじめての登山ですし、2年前の捻挫の後遺症もあるので、無理は禁物です。

山頂に行くためには、もう少し体力を強化する必要がありそうです。もっとも、山はいつも動植物などを見ながらゆっくり歩いて自然や景観を楽しむ方なので、山頂まで行ければそれに越したことはないという程度なのですが。
Posted by 松田まゆみ at 2010年08月17日 21:26
昨日も急激に増水した川で東京の学生が流されました・・・。
なんともやり切れない暗いニュース。逃げ場が無い場所での
宿泊は、登山を知らない私でも不安で出来ません。ましてや
雨が降り続いていたのですからなおさらです。北海道の山は
甘くありません。果たしてこの山岳パーティーの登山計画に
無理がなかったのでしょうか。万が一を想定して余裕のある
スケジュールを組んだのでしょうか・・・。
Posted by 北の旅烏 at 2010年08月18日 07:24
北の旅烏様

また、日高で沢に流されるという遭難がありましたね。登山をするような心意気のある元気な若者が減っている中で、学生の登山者は頼もしい存在なのですが、こんな悲惨な事故が起きてしまうと、なんとも暗澹たる気持ちになります。まだこれからという青年なのに、ほんとうに残念です。山はあなどれませんね。

今朝のNHKのニュースで知ったのですが、自力で下山した学生さんを保護したという男性は、私の知り合いの方でした。
Posted by 松田まゆみ at 2010年08月18日 14:49
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