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鬼蜘蛛の網の片隅から › メディア › NHKの未契約者への姑息な提訴予告

2010年12月03日

NHKの未契約者への姑息な提訴予告

 昨日のニュースによると、NHKは東京都内の2世帯に対し、テレビを設置しているのに受信契約を結んでいないとして契約締結と受信料不払い分の支払いを求める訴訟を起こすとの通知を郵送したそうです。NHKはこれまで受信契約を結んでいるのに支払い督促に応じない人を提訴するなどしてきました。しかし、今回は受信契約を結んでいない人に対する提訴予告ですから、これまでとは話が違います。

 このニュースを聞いて、とても疑問に思ったことがあります。そのひとつは、なぜ2世帯だけに通知するのか、ということ。テレビを設置していながらNHKと契約をしていない世帯はいったいどのくらいいるのでしょうか。以下のサイトによると平成18年時点で未契約件数は1086万件にのぼるそうです。

NHKの受信料問題

 未契約の件数を把握しているのなら、すべての世帯に提訴予告通知をするというのが公平というもの。ところで1086万件という未契約数は、そもそもどうやってはじきだしているのでしょうか。そしてどうやってその中から2件を選びだしたのでしょうか。なぜ2件だけなのでしょうか。1000万件以上の未契約者がいるなら、たまたま通知の対象にされた人はたまらないでしょう。これまでの裁判もそうですが、公平性がまったくないやり方です。

 もっともすべての未契約者を相手にしたなら、裁判費用だけでもとんでもない金額になり大変な手間になりますから、そんなことはできないでしょうね。そもそも裁判費用だって受信料から支払われるのでしょうし、未契約者を端から提訴することなど費用対効果からいっても不可能でしょう。通知された人は、なかば見せしめのようなものであり、NHKのやり方は姑息としかいいようがありません。

 通知をした人の名前が分かりませんが、私が非常に関心を抱いたのは、NHKの受信契約を拒否しつづけ「NHK受信料拒否の論理」という本まで書いている本多勝一氏には提訴の予告をしないのか?ということです。本多氏のこの本の刊行部数は、朝日新聞社出版局からの文庫本を含めると、「10万の桁にはなっているはずだ」と、「NHK受信料を拒否して四〇年」(本多勝一著、金曜日刊)に書かれています。それだけ多くの人に読まれ、影響を与えているのです。私の知人にも、集金人がくるとこの本を見せて拒否しているという方がいます。

 ですから、NHKが未契約者に提訴予告をするなら、堂々と拒否を公言している本多氏こそ対象とすべきではないでしょうか。NHKが本多氏を無視しているのであれば、なぜ本多氏を対象としないのか聞きたいところです。

 もうひとつは、裁判を起こした場合、いったいNHKは放送を受信できるテレビを持っているかどうかをどうやって証明するのか、あるいは不払い期間をどうやって特定するのか、ということです。裁判を起こしたら、これらのことについてはNHK側に立証責任があるでしょう。しかし、NHK職員が勝手に家に上がり込んでテレビのスイッチを入れるわけにはいかないはずです。こんな状態で、未契約者に対する裁判は本当にできるのかという疑問が湧いてきます。

 なぜ、こんな不公平で姑息なことをするのでしょう。私はこんなふうに考えています。番組改編問題や不祥事をきっかけにNHKは大きな批判を浴び、不払いや解約をする人が急増しました。その対策として、NHKはこれまで受信契約を結んでいるが不払いになっていて督促にも応じない人を提訴してきました。それらの裁判はことごとくNHKが勝訴しています。NHKは、これらの裁判によって不払いの人に対しては強硬な態度がとれるようになったといえます。しかし、そんな姿勢を貫いていたなら、いっそのこと解約をしてしまおうという人が増えます。つまり、解約者を増やさないために、なかば脅しで提訴予告をしたのではないかと思えてなりません。

 私が非常に姑息と思うのは、NHK自身が放送法の第1章第1条の「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」を守っていないのに、それを棚にあげ、放送法の第2章第32条を持ち出して強制的に契約を結ばせようとすることです。放送法を盾に契約を強要するのなら、まずは自ら放送法を遵守するというのが筋というものです。

 さて、NHKから受信契約をしなければ訴えると言われたなら参考になるサイトがあります。

NHK受信契約の検証(論泉)

 つまり、契約を求められたなら「契約をする意思を示した上で、視聴者側の条件を突き付ける」ということです。たとえば、「NHKの受信料の金額には納得がいかない。NHKの放送内容は月額1円程度の価値しかない」などと言って交渉することができます。これは「契約の自由」の原則によって主張できることです。NHKの横暴と対峙するためにも、私たちは賢くふるまわなければならないと思います。

 なお、NHKの受信料裁判の問題については、以下の創出版のサイトが参考になります。

NHK受信料督促裁判を考える 
   


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