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鬼蜘蛛の網の片隅から › 原子力発電 › 原発に反対する理由

2011年03月21日

原発に反対する理由

 以下の小出裕章さんの講演の記事をぜひ多くの人に読んでいただきたい。2007年当時のものなので若干いまとは異なっている部分もあるが、それほど大きな違いはないと思う。

これ以上のエネルギー消費拡大は犯罪 原発がすべて止まっても決して停電は起きない

 チェルノブイリの原発事故では、広島原爆の約800発分の「死の灰」が放出されたとのこと。今回の福島第一発電所の事故は、最悪の事態となった場合、チェルノブイリの何倍もの汚染になる。それだけでも、どんなに恐ろしい事故であるかが分かる。

 使用済み核燃料の再処理工場は、たとえ事故が起きなくても膨大な放射能を環境に放出しているのだ。日本の原発は「トイレのないマンション」と言われているが、そんな生易しいものではない。放射能発生装置であり、それを貯め続けているのが実態だ。

 そして、小出氏は「すべての原発が停止しても電力供給には何の問題もありません」という。日本の原発をすべて停止して火力発電で代替しても、火力発電の稼働率は7割にしかならないそうだ。もちろん火力発電は化石燃料を消費し二酸化炭素を排出するという問題はあるが、これは徐々に自然エネルギーやバイオマスに変えていくしかない。

 原発が海水をかなり温めていることは知っていたが、100万キロワットの原発1基で、1秒間に70トンもの海水を7度温めるというのだから、大変な環境破壊装置だ。

 小出氏は、贅沢をしなければ1970年代よりはるかに豊かな生活が可能だという。これは恐らく物質的に豊かとか便利というだけではなく、精神的にも豊かで健康的な生活だろう。エネルギーをふんだんに使っている今の社会は一見豊かに感じられるが、それはたぶん錯覚というものだ。生物である人間にとっての真の豊かさとは、私たちを取り囲む自然が健全であってのものだ。自然を破壊し搾取しつづける人間のありようは「豊か」とは正反対のものだ。自然に逆らうことを続けていたら、自滅が待ち受けているだけだろう。

 小出さんの話は、私たちが目指すべきものを教えてくれる。


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Posted by 松田まゆみ at 10:32│Comments(3)原子力発電
この記事へのコメント
直ちに人体に影響がないなどという
きまり文句で国民を騙し続ける民主党、最悪だ。
福島の皆さん、近隣県の皆さん内部被爆に気をつけてください。
燃料棒の損傷は確実です。
以下引用です。
福島第一原発、基準6倍のヨウ素検出 核燃料の損傷確実
東京電力福島第一原発で、基準濃度の6倍のヨウ素131が検出された。セシウムも見つかった。東京電力が21日発表した。いずれも核分裂によってできる代表的な物質で、原子炉や使用済み燃料プール内の核燃料が損傷していることが確実になった。

 東電が、1号機の北西約200メートルの空気中から採取した物質を19日、事故後初めて調べた。

 その結果、ヨウ素131の濃度は1ccあたり5.9ミリベクレルだった。1年吸い続けると、300ミリシーベルト被曝(ひばく)する濃度だ。作業員は、体内に入らないようにマスクをして作業している。このほか見つかったのはヨウ素132が2.2ミリベクレル、133が0.04ミリベクレル、セシウム134と137がいずれも0.02ミリベクレルだった。
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103210066.html
Posted by 詐欺師のような政府 at 2011年03月21日 15:23
松田 様

関連で「詐欺師のような政府」様のコメントで書かせていただきます。「詐欺師のような政府」様、すみません。

「その結果、ヨウ素131の濃度は1ccあたり5.9ミリベクレルだった。“1年吸い続けると”300ミリシーベルト被曝(ひばく)する濃度だ。」

「1年吸い続けると」と「たら・れば」が出てきます。上記の文章(内容はこの際否定しません)は以下のようにも言い換えられます。

「ヨウ素131の濃度は1ccあたり5.9マイクロベクレルだった。1000年吸い続けると300ミリシーベルト被曝(ひばく)する濃度だ。」

今は「1年吸い続ける」ことにならないように、皆で努力しているのです。このような論理を使って不安を煽り立ててはいけないという事です。
Posted by イワン雲帝 at 2011年03月21日 18:10
んー?
上のコメントの方は ? 言論統制派ですかね?

私ども国民はですね...
絶対に安全、崩壊しないといわれた原発の危機に直面しています
パニック回避の為の過小な評価論は、もはや一ミリも必要ない.

不安を煽り立てる論理だ等とか論調に怒りを感じるという
次元ではない. 

大惨事は既に起きている、遅々とした国家組織の対応もみた.
我々国民は自己防衛のために世界一危険となった原発が
崖っぷちの危険であっても真実を知らずには対処しようがない.
ヨウ素131を1年吸い続けることにならないように、
努力しているのは組織として当たり前の対処、
吸い続けるとどうなるかを
知っていることも国民にとって対処以前に必要な情報です.

これは不安を煽り立てる論理などではないです.
Posted by 被to者ne at 2011年03月21日 23:41
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