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鬼蜘蛛の網の片隅から › 原子力発電 › 原発を続けるのは狂気の沙汰

2011年04月18日

原発を続けるのは狂気の沙汰

 まず、以下の小出さんの対談と地球温暖化問題に関する論考、平井憲夫さんの文章を読んでいただきたい。そして、多くの人に広めてもらいたい。

原発は日本の「疫病神」だ

地球温暖化問題の本質

原発がどんなものか知ってほしい

 小出さんの対談では、原発に反対している研究者をテレビに出したら、電力会社がテレビ局に圧力をかけたという話が紹介されている。また、原発に反対している小出さんや今中さんなど「熊取6人衆」は、教授にしてもらえないという露骨な嫌がらせについても語られている。

 さて、小出さんは原発の廃止について「私は一気に止めるべきだと思っています」と答えている。私も同感だ。平井さんの文章を読んだなら、原発がどれほど恐ろしいものなのか、子どもでも理解できる。原発を維持しようとやっきになっている人たちは、お金のことしか頭にない。お金に目がくらんだ一部の人によって日本国民は騙され、これほどまでに危険な原発を54基も抱えてしまったのだ。また、小出さんの「地球温暖化問題の本質」を読んでも、原発がいかに温暖化を促進し環境破壊をしているのかがわかる。もはや原発を続けるなどというのは狂気の沙汰でしかない。

 「すぐに全部止めるべき」というと、必ず「今の生活水準を維持するためには、すぐに原発を止めるわけにはいかない」という人がいる。また、震災の復興のために経済の活性化が必要だという人も多い。しかし、私は決してそうは思わない。

 小出さんの言われるように、ちょっと工夫して我慢すれば、今の生活水準をそれほど下げないでも原子力なしでやっていけるはずだ。たとえばクーラーの温度設定を低くしたり、契約しているアンペア数を下げるなど、節電を心がけるだけでも相当違うだろう。私は本州の夏はとにかくカーディガンがないと過ごせない。冷房のない空間と冷房している空間を行き来するだけで体調を崩してしまう。あの温度差は異常だ。それほど冷房が効きすぎのところが多い。

 現代人はエネルギーをガンガン使って便利な生活を築き上げてきたが、そうした生活で失われたものはあまりに多い。中高年の人たちは口をそろえて「昔は自然がいっぱいあって良かった」と言うが、日本の豊かな自然はこの数十年で激減し自然はもうボロボロだ。森林は伐採で痛めつけられ里山も荒んでいる。自然の海岸線は端から消えてコンクリートの堤防やテトラポットに取って代わった。沼や湿地、干潟も埋め立てられて消えた。あれほど群れていた水鳥たちはどこに行ったのだろうか。かつて普通に見られた生物が絶滅危惧種になっている。

 利便性の陰でうつ病や自殺者が急増し、失業者が溢れている。その一方で信じがたいほどの富を蓄えている人もいる。人と人との絆が薄れて無縁社会が広がっている。なんにでも迅速さが求められ、ゆったりとした時間を過ごすことがなくなり、追い立てられるような生活が当たり前になった。

 流行遅れという理由だけでまだまだ着られる洋服を惜しげもなく捨てたり、毎日お風呂に入らなければ気のすまない人もいる。必需品でもない商品を大量につくって、すぐにゴミにしてしまう。食べ物は添加物だらけ。私の子どもの頃は決してこんなことをしていなかった。たった数十年で人々の意識は恐ろしいまでに変わってしまった。人々をそうさせたのは「経済成長」だ。そして、こんな無駄な生活が「豊か」だと勘違いしている人が実に多い。「経済成長」は利便性と同時に多くの負の産物を生みだした。経済成長こそが今の自然破壊と格差社会、心の貧困を生みだしたのだ。それを「豊か」だと錯覚している人間の何と愚かなことか・・・。こうした人間の意識を変えない限り、人類は自滅の道をたどるしかないだろう。

 あえて言いたい。今の生活水準を維持することがそんなに大事なのか? エネルギーを使い放題にした大量生産・大量消費の社会が、原発事故という取り返しのつかない惨事を招いたのではないか? 災害復興のために消費に励み経済を活性化させるなどという発想は、原発事故を引き起こした背景を理解していないとしか思えない。エネルギーを使い放題にしてきたことを反省し、過剰な消費を控え、地球の生態系を大きく乱すことなくつつましやかに暮らすことが生物としての在り方だろう。原発事故をそれを教えてくれている。

 経済成長も原発も、自然の摂理に逆行する最たるものだ。地球上の生物の中で、人間ほど傲慢で愚かな生き物はない。原発は今すぐにでも全廃すべきだ。


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Posted by 松田まゆみ at 11:50│Comments(0)原子力発電
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