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鬼蜘蛛おばさんの疑問箱 › 河川・ダム › これが音更川の堤防洗掘現場だ!

2011年09月19日

これが音更川の堤防洗掘現場だ!


 「音更川の堤防洗掘の原因は何か?」で書いた、音更川の堤防洗掘現場を16日に見てきた。写真は上流側から撮影したものだ。




 堤防は思っていたより大きく削られており、堤防上の舗装道路もすっぽりと無くなっていて、あと一歩で完全に決壊してしまうような状況だ。テトラポットでなんとかそれ以上の浸食を防いでいる。この日は糠平ダムの放流は止められていた。だから、洗掘されたときより水量は少ないだろう。

 洗掘現場の外側(農地のある側。正確には堤内側)にはブロックが積まれ、ブルーシートで覆われた仮の堤防が造られている。決壊の危機を前に雨の中を急ごしらえで造ったのだろう。




 写真から分かるように、ここは川が蛇行しており、川の水が堤防にぶつかる格好になっている。しかし、高水敷にまで水が流れたかといえば、そうではない。下の写真のように、テトラポットの手前の高水敷の部分には青々と草が茂っており、水に浸かった形跡がない(右の裸地状の部分はテトラポットを入れる際に重機を入れたので草がないのだろう)。




 こちらはやや上流なのだが、高水敷は一部が水に浸かっただけだ。水に浸かった部分が土嚢で囲まれているが、川岸のケショウヤナギは無事だ。ここでも堤防の下部まで水は達していないことが分かる。




 ということは、洗掘時には水位はそれほど高くはなかったということだ。通常の雨なら水位が徐々に増えていくので、この程度の水位で堤防が洗掘されることは考えられない。水位がさほど高くはないのに洗掘されたということは、ダムからの放流水が鉄砲水となって一気に流れ下り、蛇行部の堤防に大きな水圧がかかったことによって洗掘されたとしか考えられない。つまり、急激に押し寄せた放流水で堤防の下部が洗掘されて削られ、そこからどんどん浸食が広がったのだろう。

 今回の台風12号では和歌山県でも大きな被害が出たが、熊野川水系にある電源開発のダムが、事前放流していなかったために空き容量がなく、台風時に放流したことが洪水被害を拡大させたのではないかという声がある。糠平ダムの放流と似たような構図だ。

 発電用のダムの場合、できるだけ貯水量を減らしたくないというのがダム管理者の本音なのだろう。しかし、台風シーズンの夏から秋にかけてはダム湖の満水と大雨が重なりやすいのだ。今回の音更川の事例も、熊野川の事例も、空き容量の確保、放流の量やタイミングなどの妥当性が問われる問題だ。


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この記事へのコメント
こんにちは。
電源開発のダム放流の件はニュースで見ましたが、音更川の洗掘でもダムの放流が絡んでいるとは全く知りませんでした。
あれだけ雨量に対して警戒を呼びかけているのに、ダム管理者はそれを信用していないのか、放流の影響を考えていないのかということでしょうかね。
電源開発の記者会見でもこのような時の対応は特に決められていないようなことを話していましたが、発電用のダムとは言え放流によって下流に甚大な被害を及ぼす可能性もあるのですから、監督官庁はしっかりした対策をしていなければなりませんね。
Posted by BEM at 2011年09月21日 11:21
BEM様

治水目的のダムの場合は、夏には水位を落として大雨に備えるのですが、発電目的のダムの場合はそうしていないんですね。ですので、満水に近い水位のときに大雨が降れば、放流しなければなりません。とりわけ糠平ダムのように発電のために取水した水を他の水系に持っていってしまうダムで放流したなら、下流では鉄砲水になるのです。

だから、たとえ発電用のダムといえど、大雨に備えて水位を落とすとか、大雨になる前から少しずつ放流するなどの対応をすべきなのです。放流の仕方がまずいと、二時被害を招きかねません。

今回の台風15号は各地に被害をもたらしているようですが、ダムによる治水も限界があり、ダムが満水になった場合は放流によって被害を大きくすることもあり得るのです。

津波の防波堤が役に立たなかったように、人間が建造物で自然に立ち向かうのは無理がありますね。
Posted by 松田まゆみ at 2011年09月21日 16:52
なるほど、津波の防波堤同様、大雨に対するダム、砂防ダムなども結局自然の大きな力には押さえ込むことは無理だと分るべきですね。
ありがとうございます。
Posted by BEM at 2011年09月21日 23:18
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