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2011年11月12日

警察官らの戸籍不正取得で司法書士らが逮捕、私の告訴は不起訴

 今日、戸籍の不正取得で司法書士らが逮捕されたというニュースがあった。一番詳しく報じているネット記事は中日新聞だ。

戸籍不正取得1万件か 司法書士ら5人逮捕

 この記事がいつまで閲覧できるか分からないので、以下に内容を張っておく。

 司法書士の特権を悪用して警官らの戸籍謄本などを不正取得したとして、愛知県警捜査4課などは11日、偽造有印私文書行使、戸籍法違反(不正請求)などの疑いで、東京都千代田区にあるプライム総合法務事務所の代表奈須賢二(51)=東京都中野区、司法書士佐藤隆(50)=東京都練馬区=の両容疑者ら5人を逮捕した。
 5人は、全国で3年前から少なくとも約1万件の個人情報を違法入手していたとみられ、暴力団捜査を担当する県警幹部も含まれていた。資金のやりとりに暴力団周辺企業も浮上、暴力団の資金源や犯罪の温床になっていた可能性がある。県警は総務、法務両省に被害調査を要請する。
 ほかに逮捕されたのは、探偵会社「ガルエージェンシー東名横浜」代表粟野貞和(62)=横浜市青葉区、元弁護士長谷川豊司(48)=東京都世田谷区、グラフィックデザイナー杉山雅典(54)=京都府八幡市=の3容疑者。
 容疑では、5人は昨年3~7月、司法書士の職権で認められている「職務上請求書」を偽造し、虚偽の申請内容で、名古屋市内の女性=当時(47)=ら7人の戸籍謄本などを取得したとされる。
 司法書士は請求書を自治体に郵送すれば、本人が知らないまま戸籍謄本や住民票を取得できる。粟野容疑者が個人情報を求める依頼者を集めて奈須容疑者に持ち込み、司法書士の佐藤容疑者名で申請していたとみられる。佐藤容疑者は一部を否認、4人は認めている。
 県警によると女性が被害を受けた脅迫事件の捜査過程で、プライムが女性や親族らの戸籍謄本などを取り、この情報が別の探偵会社を通じて加害者の男=当時(61)=に伝わっていたことが分かり、不正取得が発覚した。
 捜査関係者によると、被害者の7人中、2人は愛知県警の警官で、このうち1人は指定暴力団山口組弘道会などを捜査する捜査幹部。弘道会幹部と親しい風俗グループ代表佐藤義徳被告(54)=詐欺罪などで公判中=の周辺を内偵中、家族に危害を加えるような内容の電話が自宅にあり、個人情報が漏れた疑いが持たれていた。佐藤被告は今年4月、弘道会ナンバー2の竹内照明被告(51)=詐欺罪で公判中=とともに逮捕された。


 私自身が同じ戸籍の不正取得被害者であるため、この記事に関心を持たざるを得ない。私の場合は司法書士ではなく行政書士なのだが、虚偽の「職務上請求書」を使って戸籍を取得したという方法は変わらない。戸籍の取得に探偵会社が関わっているところも私の事例と同じだ。こうした不正取得は以前から知られているのに、一向になくなる気配がない。

 この記事を読んで私が注目したのは、警察が刑事事件として捜査に乗り出したということだ。もちろん、違法行為の疑惑があるのだから警察が捜査するのは当然だ。なぜ注目したのかというと、私の場合は被害者の私が刑事告訴したにも関わらず、警察も検察もまったく動こうとしなかったということだ。何と対照的であり不公平なのだろう。

 この愛知県の事例は、警察が脅迫事件の捜査過程で発覚したという。そして被害者7人のうち2人が警察官だった。警察官が被害者であったこと、そして暴力団が絡んでいることからすぐに警察が捜査に動いたということなのではなかろうか。

 同じように戸籍を不正取得された私にとって、こうした立場や背景の違いだけで捜査が行われないというのは不当としか言いようがない。背景がどうであろうと被害者にとっては被害の重さは変わらないのだから。それに私の戸籍の不正取得をした行政書士が、他にも不正取得をしている可能性だってあるではないか。私の事例一件しか関わっていないと考えるほうがむしろ不自然だ。

 私の戸籍当方不正取得については以下の記事に書いたが、刑事告訴がその後どう扱われたのかまで報じていなかった。今回の逮捕のニュースをきっかけに、いかに警察や検察がいい加減で怠慢かを説明しておきたい。

行政書士が私の個人情報を不正に取得していたことが判明!
告訴状を送った警察署の速やかなる対応
行政書士による個人情報不正取得事件の中間報告

 私の戸籍を不正に取得したのは金坂滋という東京都行政書士会所属の行政書士だ。この行政書士は私の母の生年月日なども知っており、母の住民票の不正取得の疑惑もある。またこの不正取得に関しては興信所も共犯といえる。そこで7月28日付で金坂行政書士の事務所所在地の管轄警察署である城東警察署に告訴状を送付した。しかし「告訴状を送った警察署の速やかなる対応」に書いたように、城東警察署は訳のわからない理由をつけて受理を拒否したのだ。そこで私は告訴状の宛先を東京地検特捜部に変更して7月30日に速達で発送した。

 東京地検はもちろんそれを受理した。つまり城東警察署の受理の拒否は不適切であったことがはっきりした。しかし、地検はなんと8月10日付で不起訴の処分通知書を送付してきたのだ。その処分通知書の内容は以下。

**********

                         東京地方検察庁
                          検察官 検事 森 裕樹

貴殿から平成23年7月30日付けで告訴のあった次の被疑事件は、下記のとおり処分したので通知します。

              記

1被疑者 金坂滋、不詳
2罪名 戸籍法違反、住民基本台帳法違反、戸籍法違反教唆、住民基本台帳法違反教唆
3事件番号 平成23年検第24215、24216号
4処分年月日 平成23年8月10日
5処分区分 不起訴

**********

 証拠も添付しているのになぜ不起訴なのか? これでは不起訴の理由がまったく分からない。公訴を提起しない処分の場合は刑事訴訟法第261条に基づいて理由の説明を求めることができる。そこで14日付で森裕樹検察官に理由説明を求める請求書を送付した(告訴状は東京地検直告班に送付したが、通知書は検察官の個人名で来る)。以下がその文面(被疑者名や事件番号等は省略)。

**********

 私が平成23年7月30日付で告訴した下記の告訴事件について、貴職から8月10日付、刑事訴訟法第260条前段に基づく処分通知書を受け取りました。
 あれだけ明白な証拠物を添付しているにもかかわらず、まったく不公正なご処分と受け止めています。
 さて、処分通知書によりますと、処分内容は不起訴とのみ記載されておりますが、処分理由にはまったく言及されておりません。そこで私は、刑訴法第261条に基づき、被告訴人それぞれにつき、起訴猶予等いかなる種類の不起訴であるか、また、「起訴猶予」の場合は具体的理由を、「嫌疑不十分」あるいは「嫌疑なし」の場合は、どのような捜査の結果そのような結論になったのかを詳細に説明して下さいますよう求めます。書面にて速やかにご回答ください。

**********

 森検察官からは8月16日付で不起訴処分理由告知書(東地特捜第624号)が送られてきた。内容は以下。

**********

 貴殿の請求による下記のとおり告知します。

              記

 貴殿から平成23年7月30日付けで告訴のあった金坂滋、不詳に対する戸籍法違反、住民基本台帳法違反、戸籍法違反教唆、住民基本台帳法教唆被疑事件の不起訴処分の理由は、次のとおりです。

(不起訴処分の理由)
 嫌疑不十分

     平成23年検第24215,24516号

**********

 私は『被告訴人それぞれにつき、起訴猶予等いかなる種類の不起訴であるか、また、「起訴猶予」の場合は具体的理由を、「嫌疑不十分」あるいは「嫌疑なし」の場合は、どのような捜査の結果そのような結論になったのかを詳細に説明して下さいますよう求めます。』としていた。これには理由がある。単に「不起訴の理由を説明してください」としただけでは「起訴猶予」または「嫌疑不十分」、「嫌疑なし」のいずれかしか書かれないだろうことは過去の経験から容易に予測できたからだ。しかし、具体的な説明を求めても「嫌疑不十分」の一言のみというお粗末な回答だった。「嫌疑不十分」だけでは、どう考えても「理由の説明」とは程遠い。理由というからには、なぜ嫌疑不十分なのかまで書くべきだ。

 そもそも本人が証拠を添付して不正取得だとしているのに、「嫌疑不十分による不起訴」などというのは常識的に考えても無茶苦茶な話だ。しかも告訴状が届いてから時効まで25日ほどあったのに、たったの10日で不起訴処分にしてしまったのだ。まともな捜査をしたとは到底思えない。たとえば軽微な犯罪だから、あるいは被疑者が反省しているから「起訴猶予」という判断ならまだ分からなくもない。だから起訴猶予になる可能性はあると思っていた。しかし、いくらなんでも嫌疑不十分はないだろう。これではまるで私が虚偽の告訴をしたと言っているに等しい。

 誰がどう考えても刑法に違反することをしているのに、捜査機関がこんないい加減な対応をするというのはもはや法治国家とは言えない。

 ところが同じ違法行為であっても被害者が警察官であり、背景に暴力団が関与している疑いが浮上したなら逮捕して全国ニュースにもなるというのだから、著しく公平性に欠くではないか。しかし、これがこの国の実態なのだ。そして、こんないい加減なことがまかり通っているから、いつまでも類似した違法行為が後を絶たないのだ。

 ところで行政書士の懲戒処分(行政処分)を求めた東京都からは、10月下旬にようやく「これから調査をします」との電話があった。私が東京都所定の懲戒処分請求書を送付したのが8月3日なのだが、調査の開始まで3カ月近くもかかるとは・・・。とにかく東京都はしっかり調査してほしい。

 なお、検察の不起訴処分の理由説明については以下のサイトでも類似した事例が紹介されており、改善を求める意見が書かれている。しごく当然のことだ。この上脇さんの記事にある検察の通知書と私への通知書は文面がほぼ同じであり、検察の書面が型にはまったものであることがよく分かる。

刑事告発の不起訴処分の不十分な理由説明は改善されるべきだ!(上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場)


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Posted by 松田まゆみ at 15:53│Comments(2)共同出版・自費出版
この記事へのコメント
 同じ捜査機関で、こうも違っちゃうんじゃ、説明のしようがありませんね!東京都と愛知県は、外国じゃないんですから。わっちことクンちゃんも頭にきて、クンちゃんブログに転載させていただきました。http://blog.goo.ne.jp/92freeedition44/e/0cc6fcaabefe62cd356e0c5787f81a28
Posted by いやあひでえな警視庁、東京地検 at 2011年11月12日 23:14
転載ありがとうございます。

この東京地検の不当な不起訴に関しては、東京都の行政処分や東京都行政書士会の懲戒処分の結果が出てから記事にしようかと思っていたのですが、今回の司法書士の逮捕のニュースを知って、あまりに不公平なので公表することにしました。

結局、こういう個人情報の不正取得の陰にはいかがわしいことが隠されているわけですから、捜査機関というのは共犯という視点からもしっかりと捜査すべきなのです。それにきちんと捜査すれば余罪なども出てくる可能性が大です。

今回の司法書士の事例を踏まえ、東京都や東京都行政書士会はしっかりとした調査をし、厳しい処分を下してほしいと思います。
Posted by 松田まゆみ at 2011年11月13日 10:42
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