ナミスジフユナミシャクの大発生

松田まゆみ

2015年06月18日 11:49

 6月の初旬頃だったと思うが、道路脇のヤマモミジの並木の中に葉がほとんどついていない木があるのが目についた。どうも虫による食害らしい。何年か前にマイマイガが大発生して丸坊主にされた木があったが、マイマイガではなさそうだ。

 そういえば、わが家の庭のイタヤカエデに緑色の尺取り虫がついていたが、丸坊主にした犯人はあれと同じだろうかとふと頭をよぎった。

 今月中旬のこと、道北に向かう道中でダケカンバもかなり食害にあっていることに気がついた。




 中には8割から9割くらいの葉を食べられてしまっている木もあり、注意をしていれば遠目にもよく分かる。ダケカンバだけではなくナナカマドも食べられている。食害されている木に近寄ってよく見ると、やはりイタヤカエデを食べていたのと同じ尺取り虫だ。小さな幼虫なのに高木を丸坊主にしてしまうくらい葉を食べるのだから、大発生しているのだろう。




 これほどの食害をするのは何の幼虫なのかと調べてみると、ナミスジフユナミシャクというフユシャクの一種らしい。フユシャクというのは他の昆虫がほとんど見られなくなる初冬に成虫が出現するシャクガの仲間で、雌は翅が退化していて飛べない。初冬の夜に車で外出したときに、ヒラヒラと薄茶色の蛾がライトに映し出されることがしばしばあるが、あれがフユシャクの雄だ。

 以下のブログによると、どうやら北海道では昨年からフユシャク類の密度が高かったらしい。

フユシャク類の"大発生" (原 拓史blog)

 ナミスジフユナミシャクもマイマイガと同様にいろいろな木を食害するようだが、特に被害が酷いのはダケカンバのようで、シラカンバはほとんど食べられていない。今年の初冬はフユシャクの成虫も例年より多いだろう。成虫は以下を参照していただきたい。

ナミスジフユナミシャク(こんちゅう探偵団)

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