自然保護活動の今昔

松田まゆみ

2008年10月06日 11:25

 「もうダムは造らないで!」で紹介した以下のページを見ていて、「時代は変わったな…」と思ったことがあります。

http://www7b.biglobe.ne.jp/~yakkun/suigenren/manifesuto.htm

 団体の代表者に実に女性が多いのです。私は学生時代に自然保護団体の全国集会などに参加したことがありますが、その頃は代表者といえばほとんど男性でした。

 でもこの30年ほどの間に、状況がどんどん変わってきたのですね。登山者などでも女性がすごく多いですし、趣味でいろいろな活動をしている人にも女性が目立ちます。自然保護活動のような地道な市民運動も女性が積極的に関るようになりNGOの代表として活躍する人も増えたことに、時代の変化を感じます。

 もっとも、自然保護団体で中心的に動いている人たちはまだまだ男性が多く若者が少ないというのが全国的な傾向なのではないでしょうか。北海道の自然保護団体を見ていると、中心になっているのはいわゆる団塊の世代の人たちが多いのです。

 団塊の世代の人たちといえば、私が学生の頃に自然保護に関っていた人たちでもあります。あの頃は中高年の方たちもいましたが、20代や30代の若い人たちが積極的に自然保護運動に関っていたのです。

 つまり、今でも同じ世代の人たちが中心メンバーとして頑張っているのです。裏を返せば次世代の人たちが育っていないともいえます。「おやまあ…」ですね! 自然保護団体のメンバーの平均年齢は毎年一歳ずつ上がっていくのではないかと心配してしまうくらいです。

 でも、学生さんなどが入ってくることもあるのですよ。それも誰かに誘われたということではなく、自分で調べて問合せてくるのです。若い人たちでもやはり意識をもっている人は必ずいるものなのですね。自分の親より年上のような人たちの中に入ってきて活動してくれるのはとても嬉しいですし、会も明るくなります。平均年齢が一気に下がりますし(笑)。

 自然保護団体は、これからいかに若者に裾野を広げていくかが問われているといえるでしょう。

 環境問題に関心を寄せる若者は決して少ないとは思わないのですが、なかなか自然保護活動のような行動に結びつかないというのが日本の現状なのかもしれません。それ以前の問題として、多くの若者が貧困であえいでいますから、まず自分の生活を考えねばならず、それどころではないのかもしれません。

 この社会状況を改善しない限りダメなのでしょう。もっとも貧困をなくすためにも若者が意識をもって立ち上がらなければならないのですけれどね…。

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