校正って大変!

松田まゆみ

2009年01月27日 16:58

 実はここ2週間ほど、とある原稿の校正とそれに関連する作業で忙しくしていたのですが、ようやく一段落しました。それにしても、校正ってなかなか大変な作業です。

 文章だけの校正であれば、それほど大変ではありません。でも、今回のものは図を多用した専門書なので図やその解説などのチェックもしなければなりません。もっとも図版のレイアウトをしたのは出版社なのですが、では図版に誤りがないかということまでは編集者にはわからないのです。そこで図の一つ一つをこちらでチェックしなければならないということになります。これがなかなか大変な作業でした。細かい字なので目はしょぼしょぼしてくるし…。

 で、直さなければならないところが実にいろいろありました。図の天地が逆だったり、番号が違っていたり、同じ図が複数あったり…。このまま印刷されてしまったら大変!というレベルのものがいろいろ。これはかなり冷や汗ものです。また2回読んでも気づかなかった重大な欠落が、パラパラと見直しをしていて気づいたというのもあります。人間の注意力というのはあまり当てになりませんね。初校は返送したものの、まだ見落としがあるのでは、とちょっと気がかりです。

 商業出版の本でもときどき誤字や脱字を見つけますから、校正というのはプロの編集者であってもなかなか完璧にはいかないのでしょう。とりわけ一人で編集をしているような零細出版社は大変神経をつかう作業ではないでしょうか。一人だと見落としも多いものです。

 それとは別のことですが、今月のはじめからブログで父の遺稿集「山の挽歌」の掲載をはじめました。本として出版した内容とほぼ同じなのですが、実は全く同じではありません。この本の編集は私がやり、知人にDTPによる版下作成を依頼したのですが、やはり後から読み返すとしっくりこないところがあるのですね。そこはやはり素人編集者の欠陥なのでしょう。

 このために、ブログ版では句読点などを若干変えています。また、ブログではルビが使えないためにふりがなを括弧書きにしました。出版後に何箇所か誤字や脱字が判明したのですが、何とブログに掲載する段階になって新たな誤変換を見つけたのです。本当に、何度読んでいても気づかないことがあるんですね。そんなこともあって、今月は校正の大変さを身をもって感じさせられました。

 このブログ版に関しては、在庫の残りが少なくなってきたこと、読者を意識して書かれた作品が多いということもあり公表しようと思ったのですが、このようなアマチュアの作品がネット上でどの位読まれるのかを知るための試みという側面もあります。ブログでの公表であれば、訪問元のアドレスや検索キーワードなどを知ることができます。

 今のところ、このブログからの訪問者が大半です。文学作品をネット上で不特定多数の人に読んでもらうのがいかに大変であるかということでしょう。検索で訪問される方もありますが、「出会い」とか「混浴」などというキーワードで検索されてきた方は、予想が外れたことでしょうね。

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