福一から20キロ圏の被曝遺体は何を意味するのか?

松田まゆみ

2011年09月01日 23:00

 福島第一原発から約20キロの圏内に東日本大震災で亡くなった人の遺体が数百から千体あると推定されているというニュースがあった。詳しくは以下の大沼安史さんの記事をご覧いただきたい。

20キロ圏に「数百から千の被曝遺体」

 この記事では遺体の見つかっている場所が詳しくは分からないが、大熊町で見つかった遺体が10万cpmまで計れる線量計の針が振り切れたというのだから、相当な被曝量だ。

 そこでグーグル・アースで福一から大熊町のあたりを見てみたのだが、このあたりでは海岸近くの住宅も健在で、津波による大きな被害は受けていそうにない。ちなみに、津波で大きな被害を受けたところは、グーグル・アースの画像ではっきりと分かる。

 もちろん地震そのものによって数百人から千人もの方が亡くなるということは考えられない。ならば、この方たちの死因はあまりにも不可解ではないか。

 原発事故のことを知らずに屋外にいた人たちが大量の放射能を浴びたことも否定できない。大沼さんも指摘しているが、急性障害で被曝死した可能性はないのだろうか。遺体の放射線量が高すぎて収容も困難というが、それを理由に死因の究明を闇に葬ることになる可能性もある。そもそもこれらの遺体はすでにそうとう傷んでいるに違いない。

 津波被害のないところになぜこれほどの遺体があり、なぜそれが今まで放置されていたのか? そしてなぜ今頃になって報道されるのだろうか? 不可解なことばかりだ。

【9月4日追記】
この記事は大沼安史さんの9月1日の記事を元に書いたのですが、大沼さんが紹介している共同通信の記事は3月31日のものでした。それをきちんと確認しないままつい最近のニュースだと思って書いてしまいました。お詫びして訂正します。したがって整合性のとれていない部分に取り消し線を入れました。詳しくはコメントのやりとりをご覧ください。

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