鬼蜘蛛の網の片隅から › 表現の自由
2022年10月06日
ツイッターのアカウント凍結について思うこと
*今日のツイートから(一部修正あり)
私は意見が合うとか合わないとかに関わらず、他人のアカウント凍結を喜ぶ気にはなれない。多様な意見があることを尊重することこそ民主主義だから。もし、「不快」というような理由でどうしても特定のアカウントの意見を目にしたくないのなら、ミュートやブロックで対処すればいいだけだ。
もちろん誹謗中傷や侮辱、差別的なツイートはするべきではないしルールも必要だろう。誹謗中傷や侮辱、差別的な表現を用いなくても自分の意見を伝えることはいくらでもできるのだから。しかし、ルール違反をする人は必ず出てくるし、ルールがある以上、違反者への対処は必要だ。
では、ルール違反のアカウントへの対処をどうするのが適切なのだろう? 私は「誰もが通報できる」というやり方に疑問を持っている。ときどき「この人を通報して」と呼びかけているツイートを目にすることがある。しかし私自身は、自分が誹謗中傷や侮辱をされたりしない限り、安易に通報はしない。
公の場で誹謗中傷や侮辱をされても「自分の社会的評価を低下させた」などとは考えない人もいるだろうし、「言論には言論で対抗すべき」として反論や議論を望む人もいるだろう。全く気に留めない人もいると思う。だから、少なくとも親告罪に該当するものは他人がとやかく言うことではないと思う。
名誉棄損や侮辱などの親告罪に当たるものは、被害を受けた当事者が削除要請などの対処をすべきことだと思っている。また、ある発言が名誉棄損に当たるかどうかなどというのは仮に裁判になっても判断が難しいこともあるだろう。ツイッター社も含め第三者が安易に判断することではない。
ある発言がルール違反に当たるかどうかの基準はどうなっているのだろう? 最終的に誰の判断でルール違反だと決定するのだろう? 通報の数は関係するのだろうか? 場合によってはツイッター社が恣意的に決めることだって可能ではなかろうか? そんなことを考えると安易に通報する気にはなれない。
ルールがあるとはいえ、表現の自由も尊重されねばならない。ルールを盾にプロバイダーが勝手に削除したり凍結するということがどこまで許されるのだろうか? 私が利用しているniftyの「ココログ」の場合、規約違反の通報があればお知らせはくるが、プロバイダーが勝手に削除はしない。
私はコロナワクチンを推進する医師などは全く信用に値しないし無責任だと思っているが、だからといって彼らが凍結されたとしても喜ぶ気にはなれない。誰であろうと、もし自分が間違っていたならそれを認めるということでしか、前に進めないからだ。凍結させて言論封じをすればいいというものではない。
多くの人が自分の意見が正しいと考えて発言していると思う。しかし、何が正しくて何が間違っているかなどということは、そんなに簡単に結論づけられることではない。自分が間違っていることだって大いにあり得る。だから、自分と異なる意見の人が凍結されて喜ぶ人の気がしれないし、寒気がする。
私は意見が合うとか合わないとかに関わらず、他人のアカウント凍結を喜ぶ気にはなれない。多様な意見があることを尊重することこそ民主主義だから。もし、「不快」というような理由でどうしても特定のアカウントの意見を目にしたくないのなら、ミュートやブロックで対処すればいいだけだ。
もちろん誹謗中傷や侮辱、差別的なツイートはするべきではないしルールも必要だろう。誹謗中傷や侮辱、差別的な表現を用いなくても自分の意見を伝えることはいくらでもできるのだから。しかし、ルール違反をする人は必ず出てくるし、ルールがある以上、違反者への対処は必要だ。
では、ルール違反のアカウントへの対処をどうするのが適切なのだろう? 私は「誰もが通報できる」というやり方に疑問を持っている。ときどき「この人を通報して」と呼びかけているツイートを目にすることがある。しかし私自身は、自分が誹謗中傷や侮辱をされたりしない限り、安易に通報はしない。
公の場で誹謗中傷や侮辱をされても「自分の社会的評価を低下させた」などとは考えない人もいるだろうし、「言論には言論で対抗すべき」として反論や議論を望む人もいるだろう。全く気に留めない人もいると思う。だから、少なくとも親告罪に該当するものは他人がとやかく言うことではないと思う。
名誉棄損や侮辱などの親告罪に当たるものは、被害を受けた当事者が削除要請などの対処をすべきことだと思っている。また、ある発言が名誉棄損に当たるかどうかなどというのは仮に裁判になっても判断が難しいこともあるだろう。ツイッター社も含め第三者が安易に判断することではない。
ある発言がルール違反に当たるかどうかの基準はどうなっているのだろう? 最終的に誰の判断でルール違反だと決定するのだろう? 通報の数は関係するのだろうか? 場合によってはツイッター社が恣意的に決めることだって可能ではなかろうか? そんなことを考えると安易に通報する気にはなれない。
ルールがあるとはいえ、表現の自由も尊重されねばならない。ルールを盾にプロバイダーが勝手に削除したり凍結するということがどこまで許されるのだろうか? 私が利用しているniftyの「ココログ」の場合、規約違反の通報があればお知らせはくるが、プロバイダーが勝手に削除はしない。
私はコロナワクチンを推進する医師などは全く信用に値しないし無責任だと思っているが、だからといって彼らが凍結されたとしても喜ぶ気にはなれない。誰であろうと、もし自分が間違っていたならそれを認めるということでしか、前に進めないからだ。凍結させて言論封じをすればいいというものではない。
多くの人が自分の意見が正しいと考えて発言していると思う。しかし、何が正しくて何が間違っているかなどということは、そんなに簡単に結論づけられることではない。自分が間違っていることだって大いにあり得る。だから、自分と異なる意見の人が凍結されて喜ぶ人の気がしれないし、寒気がする。
2016年12月13日
ブログ記事の削除要請を受けたらどうすべきか
先日「植田忠司弁護士からの削除要請は正当か?」という記事で、ブログ運営会社への回答書を公開したが、これに対しさぽろぐ運営事務局から以下の返事があった。
私の回答書を受け、さぽろぐ運営事務局(ジェイ・ライン株式会社)は名誉毀損に当たらないという判断をしたということだ。至極まっとうな判断だと思う。この判断を受け、依頼人がジェイ・ライン株式会社に理由を示した上で「発信者情報(氏名、住所その他の侵害情報の発信者の特定に資する情報であって総務省令で定めるもの)を開示せよ」と求めた場合、ジェイ・ライン株式会社は「開示するかどうか」について私に意見を聴かなければならない(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 第四条)。
かつては名誉毀損、プライバシー侵害、肖像権侵害、著作権侵害などといった権利侵害は書籍や雑誌、新聞などのメディアの世界でのことであり、一般の人にはほとんど関係のない話しだった。ところがインターネットの普及によって、誰もがこのような権利侵害の被害者、あるいは加害者になりうる時代になった。だから、ブログや掲示板などで発信する場合は常に権利侵害のことを頭に入れておく必要があるし、「知らなかった」では済まされない。
もし、ブログ運営会社等から権利侵害の通告を受けたなら、まず、それが正当なものであるかどうか十分に検討する必要がある。正当なものであれば記事の修正や削除に応じるべきで、突っ張って放置したなら強制削除とか民事訴訟になりかねないし、場合によっては刑事告訴されることもあり得る。
プライバシー侵害、肖像権侵害、著作権侵害については分かりやすいが、名誉毀損は判断が難しい場合も少なくない。誹謗中傷などをしておらず事実を書いただけであっても、その事実が特定の人の社会的評価を低下させるものであれば、名誉毀損になり得る。
ただし、名誉毀損の場合は免責要件というのがある。簡単に説明すると、1事実の公共性(公共の利害に関する事実であること)、2目的の公益性(事実を適示した目的が主に公益をはかるためであること)、3真実性・真実相当性(適示した事実が真実であると証明できる、または真実であると信じた相当の理由があること)、の三つだ。この三つが満たされている場合は名誉毀損の不法行為は成立しない。したがって、これについて十分な検討が必要になる。
プロバイダ責任制限法による削除要請の場合、ブログ運営会社から連絡を受けて7日以内に削除に応じるか否かについて回答をしないと、強制削除される可能性が高い。ただし、削除要請をする人の中には名誉毀損に該当しないのに「名誉毀損だ」と主張する人もいるので注意が必要だ。恐怖にかられて安易に自分から削除してしまえば、表現の自由の権利を自ら放棄してしまうことにもなりかねない。
削除要請を受けた人に、前回と今回の記事が参考になれば幸いである。
現時点で、名誉棄損にあたるという判断ができませんので、
弊社としましても記事の削除には応じない考えです。
改めて依頼人側からの連絡があった場合は、
必要に応じて、またご連絡させて頂きます。
私の回答書を受け、さぽろぐ運営事務局(ジェイ・ライン株式会社)は名誉毀損に当たらないという判断をしたということだ。至極まっとうな判断だと思う。この判断を受け、依頼人がジェイ・ライン株式会社に理由を示した上で「発信者情報(氏名、住所その他の侵害情報の発信者の特定に資する情報であって総務省令で定めるもの)を開示せよ」と求めた場合、ジェイ・ライン株式会社は「開示するかどうか」について私に意見を聴かなければならない(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 第四条)。
かつては名誉毀損、プライバシー侵害、肖像権侵害、著作権侵害などといった権利侵害は書籍や雑誌、新聞などのメディアの世界でのことであり、一般の人にはほとんど関係のない話しだった。ところがインターネットの普及によって、誰もがこのような権利侵害の被害者、あるいは加害者になりうる時代になった。だから、ブログや掲示板などで発信する場合は常に権利侵害のことを頭に入れておく必要があるし、「知らなかった」では済まされない。
もし、ブログ運営会社等から権利侵害の通告を受けたなら、まず、それが正当なものであるかどうか十分に検討する必要がある。正当なものであれば記事の修正や削除に応じるべきで、突っ張って放置したなら強制削除とか民事訴訟になりかねないし、場合によっては刑事告訴されることもあり得る。
プライバシー侵害、肖像権侵害、著作権侵害については分かりやすいが、名誉毀損は判断が難しい場合も少なくない。誹謗中傷などをしておらず事実を書いただけであっても、その事実が特定の人の社会的評価を低下させるものであれば、名誉毀損になり得る。
ただし、名誉毀損の場合は免責要件というのがある。簡単に説明すると、1事実の公共性(公共の利害に関する事実であること)、2目的の公益性(事実を適示した目的が主に公益をはかるためであること)、3真実性・真実相当性(適示した事実が真実であると証明できる、または真実であると信じた相当の理由があること)、の三つだ。この三つが満たされている場合は名誉毀損の不法行為は成立しない。したがって、これについて十分な検討が必要になる。
プロバイダ責任制限法による削除要請の場合、ブログ運営会社から連絡を受けて7日以内に削除に応じるか否かについて回答をしないと、強制削除される可能性が高い。ただし、削除要請をする人の中には名誉毀損に該当しないのに「名誉毀損だ」と主張する人もいるので注意が必要だ。恐怖にかられて安易に自分から削除してしまえば、表現の自由の権利を自ら放棄してしまうことにもなりかねない。
削除要請を受けた人に、前回と今回の記事が参考になれば幸いである。
2016年12月09日
植田忠司弁護士からの削除要請は正当か?
12月2日、「さぽろぐ運営事務局」(ジェイ・ライン株式会社)から「女性弁護士に暴力をふるった植田忠司弁護士とは・・・」という記事の削除要請があったとの通知がきた。削除要請の依頼人は植田忠司弁護士で、依頼人代理人は野澤健次弁護士である。それにしても、4年以上も前に書いた記事に「何で今ごろ?」と思う。
インターネットが庶民の生活に深く浸透した現在、ネット上では誹謗中傷やプライバシー侵害、著作権侵害などの権利侵害が溢れている。ゆえに、プロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者損害賠償責任制限及び発信者情報開示 に関する法律)によって、権利侵害があった場合にプロバイダやサーバの管理・運営者が記事の削除ができることになっている。今回の削除要請はこれに基づいている。
私が本当に権利を侵害しているのなら、記事の修正や削除をしなければならない。ところが、送られてきた「侵害情報の通知書兼送信防止措置に関する照会書」を読んでも、どのような記述が名誉毀損なのか書いておらず、何が問題なのかさっぱりわからない。「あずかり知らぬ情報を記載」したと書かれているが、私が記事に書いたことはすべて公開されている。「あずかり知らぬ情報」とは意味不明だ。
記事全体が名誉毀損になるとは到底考えられないので、修正で対応したいとさぽろぐ運営事務局に伝えたのだが、記事全体が削除要請の対象だという。まったく訳がわからない。
権利侵害が誰の目からみても明らかな場合は、プロバイダ責任制限法で記事が削除されても文句は言えない。しかし、権利侵害であるか否かの判断が難しい場合もあるだろう。中には、権利侵害などないにも関わらず、都合の悪い記事を削除させることを目的にこの法律を利用して削除要請する人もいる。そして、権利侵害という言葉に驚いて、あまり深く考えもせずに自ら記事を削除してしまう人もいるかもしれない。
しかし、もし不当な削除要請であるにも関わらず記事の削除が実行されるようなことになれば言論の自由の侵害になりかねず、由々しきことだ。
だから、削除要請がきた場合は、正当な削除要請であるかどうかを十分検討する必要があるし、不当な削除要請であれば削除に同意することにはならない。
今回の削除要請については、さぽろぐ運営事務局に疑問点を問い合わせた上で検討したが、権利侵害があるとは考えられないものだった。私は、不当な削除要請ではないかと考えている。私は過去にも数回削除要請を受けたことがあるが、正当な削除要請だったためしがない。
以下が、私がジェイ・ライン株式会社に送信した回答書である。
ジェイ・ライン株式会社
代表取締役 野上尚繁 様
貴社から照会のあった次の侵害情報の取り扱いについて、下記の通り回答します。
【侵害情報の表示】
掲載されている場所 「女性弁護士に暴力をふるった植田忠司弁護士とは…」の記事全文 http://onigumo.sapolog.com/e340026.html
掲載されている情報 女性弁護士に暴力をふるった植田忠司弁護士とは…との表題にて、あずかり知らぬ情報を記載した。
侵害されたとする権利 依頼人の社会的評価を低下させる事実を公然と発信(名誉毀損)し、依頼人の業務を妨害した。
【回答内容】
記事を書く動機になった「弁護士自治を考える会」の記事「植田忠司弁護士【埼玉】懲戒処分の要旨」 http://blogs.yahoo.co.jp/nb_ichii/33374421.html が削除されれば、送信防止措置(記事の削除)に同意する考えです。
【回答の理由】
1.弁護士の懲戒処分の公表について
弁護士の懲戒処分は日弁連広報誌「自由と正義」に公告として掲載されているものであり、国民に広く知らしめる公益性の高い情報です。依頼人の暴力や業務停止の処分については現在もマスコミを含めた複数のサイトで公表されております。
発信人が記事中でリンクさせているサイトの管理人である「弁護士自治を考える会」は、公益目的に活動をしている任意団体で、公告として公表されている弁護士の懲戒処分を継続して公開しています。公告の掲載が名誉毀損に当たるのであればこのサイトに掲載することはできません。しかし、このサイトは2007年に開設され、継続して懲戒処分の情報を掲載しています。したがって、「弁護士自治を考える会」の記事をリンクさせて懲戒処分の事実を記載したことは名誉毀損には該当しないと考えます。
なお、「弁護士自治を考える会」には現時点では植田弁護士からの削除要請はきておらず、削除要請があっても業務停止の場合は応じないとのことでした。リンク元である「弁護士自治を考える会」のオリジナル記事において名誉毀損云々の問題がなんら生じていない現況で、二次的著作物である発信人の記事を名誉毀損と判断し削除することは本末転倒かつ不当です。
2.依頼人が文芸社から本を出版している事実について
文芸社は新聞広告などで一般の人たちに自費出版(依頼人が本を出版した頃は共同出資を謳った協力出版)を呼び掛け、悪質な勧誘・商法を行っていた出版社です。このような出版社から弁護士が悪質商法に注意喚起し被害から抜け出すことを謳った本を出版しているという事実は、悪質出版社の信用性を高めるだけではなく、事情を知らない一般の人たちを悪質出版社に誘導することに繋がりかねません。弁護士や著名人の本の刊行は著作者が認識していなくても悪質自費出版社の広告塔となり得ます。したがって、弁護士が悪質な自費(協力)出版商法をしていた出版社から本を出したという事実は公益性があります。
3.依頼人が検事を辞めて弁護士になった事実について
依頼人が検事を辞めて弁護士になった事実は、依頼人が運営する植田労務管理事務所のホームページ http://ueda-consul.jp/profile.html で公表されており、名誉毀損には該当しません。
4.貴社から示された「懲戒処分については事実ですが、改めて公にされたり、掲載され続ける必要はない」という論拠の法的根拠について
A判例①平成25年9月6日東京高裁の判決 記事の転載者が名誉棄損にあたるかが争われた裁判で、オリジナルの記事(中傷記事)を転載した者に対しても名誉棄損を肯定した事案について。
この事案は中傷による名誉毀損です。リンク元の「弁護士自治を考える会」の記事は中傷記事ではありません。また、今回の削除要請にあたり依頼人が「侵害情報の通知書 兼 送信防止措置に関する照会書」に記載しているのは中傷による名誉毀損ではなく、事実の記載を理由とした名誉毀損です。したがって、発信人の事例と同一に論じられる事案ではありません。
B判例②平成6年2月8日最高裁判決 ノンフィクション小説の中で過去の犯罪事実が明らかにされたとして権利侵害と認められた事案について。
この事案については、もはや知る人もいなくなっていた犯罪事実が当該著作物で再び知れ渡ったというものですから、現在でも複数のサイトで公開されている発信人の事例とは全く異なります。
C「懲戒処分は行政処分であって刑事処分のような犯罪に対する刑罰ではないことや、懲戒処分がされたのは2011年12月のことで、その内容である暴力行為に至っては2008年のことであり、また業務停止期間は1か月で、それらから数年を経ており、現在弁護士をしていることがおかしいことではないことも考えれば、今なお掲載し続けることに公共利害性は乏しく、権利侵害にあたる可能性は十分にあると考えられます」との見解について。
弁護士の懲戒処分による業務停止は短期間であってもその期間は顧客との契約ができなくなりますし、顧問契約や法テラスは3年間の契約解除になりますので、弁護士業の存続にも影響しかねない重い処分です。また、弁護士が信頼関係のもとに依頼人と契約し法律の専門家として職務を遂行する立場であることからも、過去の非行事実の公表は公益性があり、一般人の犯罪の事例と同列に扱うことはできません。
なお、「現在弁護士をしていることがおかしいことではないことも考えれば」との文面から、貴社は依頼人が現在も弁護士業務を継続しているとの認識と読みとれますが、依頼人が運営する植田労務管理事務所のホームページ http://ueda-consul.jp/profile.html には、平成24年(2011年)5月に弁護士業務を引退したと記されています。現在も弁護士登録されているのは事実ですが、弁護士としての業務は行っていないことを自ら明らかにしています。懲戒処分を受けて半年足らずで引退していますが、引退は懲戒処分に起因している可能性が高いと推察されます。
5.「あずかり知らぬ情報を記載」との記述について
「侵害情報の表示」の「掲載されている情報」の欄に「あずかり知らぬ情報を記載」と書かれております。しかし、懲戒処分の事実が依頼人にとって「あずかり知らぬ情報」ではないことは言うまでもありません。また文芸社から本を出版した事実および検事を辞めた事実についても「一般社団法人 環アジア地域戦没者慰霊協会」の植田弁護士のプロフィールのページ http://www011.upp.so-net.ne.jp/senbotsu-irei/goaisatsu-ueda-c.htm で公表されており、「あずかり知らぬ情報」ではありません。
したがって、「あずかり知らぬ情報」など存在せず、照会書の記述は事実ではないことを指摘させていただきます。
以上の理由により、不当な削除要請と考えています。ジェイ・ライン株式会社が、賢明な判断をされることを望みます。
なお、この件に関しては、クンちゃんも記事にして紹介してくださっている。
植田忠司弁護士、鬼蜘蛛ブログの古い過去記事削除を要求!! 詳細は追記
植田忠司弁護士、鬼蜘蛛ブログの古い過去記事削除を要求!! その2
植田忠司弁護士、鬼蜘蛛ブログの古い過去記事削除を要求!! その3
植田忠司弁護士、鬼蜘蛛ブログの古い過去記事削除を要求!! その4
【12月10日追記】
クンちゃんの新しい記事
植田忠司弁護士、鬼蜘蛛ブログの古い過去記事削除を要求!! その5
【12月13日追記】
12日にさぽろぐ運営事務局から「現時点で、名誉棄損にあたるという判断ができませんので、弊社としましても記事の削除には応じない考えです」との回答があった。
この回答を受けての、クンちゃんの新しい記事は以下。
至急報、鬼蜘蛛の勝ち~! 植田忠司弁護士、鬼蜘蛛ブログの古~い過去記事削除を要求!! その6
なお、関連記事をアップした。
ブログ記事の削除要請を受けたらどうすべきか
【12月16日追記】
植田忠司弁護士、鬼蜘蛛ブログの古~い過去記事削除を要求!! その7(おわり)
インターネットが庶民の生活に深く浸透した現在、ネット上では誹謗中傷やプライバシー侵害、著作権侵害などの権利侵害が溢れている。ゆえに、プロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者損害賠償責任制限及び発信者情報開示 に関する法律)によって、権利侵害があった場合にプロバイダやサーバの管理・運営者が記事の削除ができることになっている。今回の削除要請はこれに基づいている。
私が本当に権利を侵害しているのなら、記事の修正や削除をしなければならない。ところが、送られてきた「侵害情報の通知書兼送信防止措置に関する照会書」を読んでも、どのような記述が名誉毀損なのか書いておらず、何が問題なのかさっぱりわからない。「あずかり知らぬ情報を記載」したと書かれているが、私が記事に書いたことはすべて公開されている。「あずかり知らぬ情報」とは意味不明だ。
記事全体が名誉毀損になるとは到底考えられないので、修正で対応したいとさぽろぐ運営事務局に伝えたのだが、記事全体が削除要請の対象だという。まったく訳がわからない。
権利侵害が誰の目からみても明らかな場合は、プロバイダ責任制限法で記事が削除されても文句は言えない。しかし、権利侵害であるか否かの判断が難しい場合もあるだろう。中には、権利侵害などないにも関わらず、都合の悪い記事を削除させることを目的にこの法律を利用して削除要請する人もいる。そして、権利侵害という言葉に驚いて、あまり深く考えもせずに自ら記事を削除してしまう人もいるかもしれない。
しかし、もし不当な削除要請であるにも関わらず記事の削除が実行されるようなことになれば言論の自由の侵害になりかねず、由々しきことだ。
だから、削除要請がきた場合は、正当な削除要請であるかどうかを十分検討する必要があるし、不当な削除要請であれば削除に同意することにはならない。
今回の削除要請については、さぽろぐ運営事務局に疑問点を問い合わせた上で検討したが、権利侵害があるとは考えられないものだった。私は、不当な削除要請ではないかと考えている。私は過去にも数回削除要請を受けたことがあるが、正当な削除要請だったためしがない。
以下が、私がジェイ・ライン株式会社に送信した回答書である。
********************
回答書
2016年12月9日
ジェイ・ライン株式会社
代表取締役 野上尚繁 様
松田まゆみ
貴社から照会のあった次の侵害情報の取り扱いについて、下記の通り回答します。
【侵害情報の表示】
掲載されている場所 「女性弁護士に暴力をふるった植田忠司弁護士とは…」の記事全文 http://onigumo.sapolog.com/e340026.html
掲載されている情報 女性弁護士に暴力をふるった植田忠司弁護士とは…との表題にて、あずかり知らぬ情報を記載した。
侵害されたとする権利 依頼人の社会的評価を低下させる事実を公然と発信(名誉毀損)し、依頼人の業務を妨害した。
【回答内容】
記事を書く動機になった「弁護士自治を考える会」の記事「植田忠司弁護士【埼玉】懲戒処分の要旨」 http://blogs.yahoo.co.jp/nb_ichii/33374421.html が削除されれば、送信防止措置(記事の削除)に同意する考えです。
【回答の理由】
1.弁護士の懲戒処分の公表について
弁護士の懲戒処分は日弁連広報誌「自由と正義」に公告として掲載されているものであり、国民に広く知らしめる公益性の高い情報です。依頼人の暴力や業務停止の処分については現在もマスコミを含めた複数のサイトで公表されております。
発信人が記事中でリンクさせているサイトの管理人である「弁護士自治を考える会」は、公益目的に活動をしている任意団体で、公告として公表されている弁護士の懲戒処分を継続して公開しています。公告の掲載が名誉毀損に当たるのであればこのサイトに掲載することはできません。しかし、このサイトは2007年に開設され、継続して懲戒処分の情報を掲載しています。したがって、「弁護士自治を考える会」の記事をリンクさせて懲戒処分の事実を記載したことは名誉毀損には該当しないと考えます。
なお、「弁護士自治を考える会」には現時点では植田弁護士からの削除要請はきておらず、削除要請があっても業務停止の場合は応じないとのことでした。リンク元である「弁護士自治を考える会」のオリジナル記事において名誉毀損云々の問題がなんら生じていない現況で、二次的著作物である発信人の記事を名誉毀損と判断し削除することは本末転倒かつ不当です。
2.依頼人が文芸社から本を出版している事実について
文芸社は新聞広告などで一般の人たちに自費出版(依頼人が本を出版した頃は共同出資を謳った協力出版)を呼び掛け、悪質な勧誘・商法を行っていた出版社です。このような出版社から弁護士が悪質商法に注意喚起し被害から抜け出すことを謳った本を出版しているという事実は、悪質出版社の信用性を高めるだけではなく、事情を知らない一般の人たちを悪質出版社に誘導することに繋がりかねません。弁護士や著名人の本の刊行は著作者が認識していなくても悪質自費出版社の広告塔となり得ます。したがって、弁護士が悪質な自費(協力)出版商法をしていた出版社から本を出したという事実は公益性があります。
3.依頼人が検事を辞めて弁護士になった事実について
依頼人が検事を辞めて弁護士になった事実は、依頼人が運営する植田労務管理事務所のホームページ http://ueda-consul.jp/profile.html で公表されており、名誉毀損には該当しません。
4.貴社から示された「懲戒処分については事実ですが、改めて公にされたり、掲載され続ける必要はない」という論拠の法的根拠について
A判例①平成25年9月6日東京高裁の判決 記事の転載者が名誉棄損にあたるかが争われた裁判で、オリジナルの記事(中傷記事)を転載した者に対しても名誉棄損を肯定した事案について。
この事案は中傷による名誉毀損です。リンク元の「弁護士自治を考える会」の記事は中傷記事ではありません。また、今回の削除要請にあたり依頼人が「侵害情報の通知書 兼 送信防止措置に関する照会書」に記載しているのは中傷による名誉毀損ではなく、事実の記載を理由とした名誉毀損です。したがって、発信人の事例と同一に論じられる事案ではありません。
B判例②平成6年2月8日最高裁判決 ノンフィクション小説の中で過去の犯罪事実が明らかにされたとして権利侵害と認められた事案について。
この事案については、もはや知る人もいなくなっていた犯罪事実が当該著作物で再び知れ渡ったというものですから、現在でも複数のサイトで公開されている発信人の事例とは全く異なります。
C「懲戒処分は行政処分であって刑事処分のような犯罪に対する刑罰ではないことや、懲戒処分がされたのは2011年12月のことで、その内容である暴力行為に至っては2008年のことであり、また業務停止期間は1か月で、それらから数年を経ており、現在弁護士をしていることがおかしいことではないことも考えれば、今なお掲載し続けることに公共利害性は乏しく、権利侵害にあたる可能性は十分にあると考えられます」との見解について。
弁護士の懲戒処分による業務停止は短期間であってもその期間は顧客との契約ができなくなりますし、顧問契約や法テラスは3年間の契約解除になりますので、弁護士業の存続にも影響しかねない重い処分です。また、弁護士が信頼関係のもとに依頼人と契約し法律の専門家として職務を遂行する立場であることからも、過去の非行事実の公表は公益性があり、一般人の犯罪の事例と同列に扱うことはできません。
なお、「現在弁護士をしていることがおかしいことではないことも考えれば」との文面から、貴社は依頼人が現在も弁護士業務を継続しているとの認識と読みとれますが、依頼人が運営する植田労務管理事務所のホームページ http://ueda-consul.jp/profile.html には、平成24年(2011年)5月に弁護士業務を引退したと記されています。現在も弁護士登録されているのは事実ですが、弁護士としての業務は行っていないことを自ら明らかにしています。懲戒処分を受けて半年足らずで引退していますが、引退は懲戒処分に起因している可能性が高いと推察されます。
5.「あずかり知らぬ情報を記載」との記述について
「侵害情報の表示」の「掲載されている情報」の欄に「あずかり知らぬ情報を記載」と書かれております。しかし、懲戒処分の事実が依頼人にとって「あずかり知らぬ情報」ではないことは言うまでもありません。また文芸社から本を出版した事実および検事を辞めた事実についても「一般社団法人 環アジア地域戦没者慰霊協会」の植田弁護士のプロフィールのページ http://www011.upp.so-net.ne.jp/senbotsu-irei/goaisatsu-ueda-c.htm で公表されており、「あずかり知らぬ情報」ではありません。
したがって、「あずかり知らぬ情報」など存在せず、照会書の記述は事実ではないことを指摘させていただきます。
以上の理由により、不当な削除要請と考えています。ジェイ・ライン株式会社が、賢明な判断をされることを望みます。
********************
なお、この件に関しては、クンちゃんも記事にして紹介してくださっている。
植田忠司弁護士、鬼蜘蛛ブログの古い過去記事削除を要求!! 詳細は追記
植田忠司弁護士、鬼蜘蛛ブログの古い過去記事削除を要求!! その2
植田忠司弁護士、鬼蜘蛛ブログの古い過去記事削除を要求!! その3
植田忠司弁護士、鬼蜘蛛ブログの古い過去記事削除を要求!! その4
【12月10日追記】
クンちゃんの新しい記事
植田忠司弁護士、鬼蜘蛛ブログの古い過去記事削除を要求!! その5
【12月13日追記】
12日にさぽろぐ運営事務局から「現時点で、名誉棄損にあたるという判断ができませんので、弊社としましても記事の削除には応じない考えです」との回答があった。
この回答を受けての、クンちゃんの新しい記事は以下。
至急報、鬼蜘蛛の勝ち~! 植田忠司弁護士、鬼蜘蛛ブログの古~い過去記事削除を要求!! その6
なお、関連記事をアップした。
ブログ記事の削除要請を受けたらどうすべきか
【12月16日追記】
植田忠司弁護士、鬼蜘蛛ブログの古~い過去記事削除を要求!! その7(おわり)
タグ :植田忠司