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2020年05月02日

人口あたりの死者数が極めて少ないという事実に向き合わない政府

 安倍首相は5月6日を期限としていたインフル特措法に基づく緊急事態宣言を延長する見通しを示した。緊急事態宣言の発令に際してあれほど及び腰だったのに、延長に関しては早々決断したようだ。しかも1、2週間様子を見ながら解除や緩和を見定めるというのならまだしも、1か月も延長するという。

 私には政府も専門家会議の見解も理解しがたい。この1か月の外出制限が効果がなかったとは思わない。しかし、安倍首相が一日2万人に増やすと言っていたPCR検査は相変わらず絞っている。感染者が多い都道府県では、相談窓口に電話をしてもほぼ繋がらないという状況は変わっていない。相談窓口業務が破綻している。新型コロナではないかと疑われる症状があっても放置されている人が大勢いるのだから、大都市などを中心に3月から4月には感染爆発が起きていたと考えるのが自然だろう。ただし、あまりに検査を絞っているので陽性者数から実際の感染者数を推測することもできないし、ピークに達したのかどうかも分からないという状態だと思う。あまりにお粗末だ。

 私は前回の記事の最後に「日本が西欧諸国や米国のような大変な状況になるか、それとも台湾のように比較的低い死亡率に留まるかはあと数週間もすれば分かるだろう」と書いた。それから3週間ほどたったが、日本の人口あたりの死亡者数は非常に少ない状態のままだ。現時点で100万人あたりの死亡者数は3.9人ほど。200~500人レベルの欧米諸国と比べるとけた違いに少ない。日本の場合はおそらく軽症者や無症状者の割合が非常に高く(このような人達は感染しても抗体ができていない可能性が高い)、こうした人達が気づかないうちに感染を拡大させて都市部では感染爆発が生じているが、重症者や死亡者の割合は非常に少ないというこではないかと思う。

 この要因はBCG効果によるものだろうと私は考えているが、BCG仮説を措いておいても、重症者や死亡者の割合が非常に少ないというのが事実だ。そして同じように死亡者が少ない台湾や韓国では、検査を充実させ陽性者の隔離を徹底するなどの政策だけで、都市封鎖や厳しい外出規制をせずとも何とかなっている。人口当たりの死亡者数が少ない日本も、厳しい外出規制なしでも経済活動を続けられるのではなかろうか。

 こう言うと、「医療崩壊が・・・」と言う声が聞こえてきそうだ。しかし、日本の医療崩壊は多くの病院が新型コロナ患者の受け入れを拒否しているために、受け入れをしている一部の病院の負担が大きくなりすぎているという事情がある。受け入れをしていない医療機関は閑散としているという。新型コロナ患者を受け入れる病院に対して資金援助をするなどして病床を確保することができれば、何とかなるレベルではないかと思う。

 これほど死亡者数が少ないのに政府も専門者会議もその事実をほぼスルーするのは何故なのだろう? 「緊急事態宣言を解除してもし感染者数が増加したら批判にさらされる」という自己保身から継続を主張しているだけなのではなかろうか? しかし、十分な休業補償もせずに今の規制を続けたなら、中小企業の倒産が相次ぐだろうし失業者があふれることになる。廃業したり生活が困窮する個人事業主も急増するだろう。こんな時期だから、失業してもすんなりと仕事が見つかるとは思えない。家賃が払えない、食費すらない、住まいを失うという人達がどんどん増えてしまう。十分な補償がないままではおそらく自死や飢餓で亡くなる人も続出するだろう。政府はそのことをどう考えているのだろうか?

 もちろん新型コロナによる死亡者を抑えるという努力は大切だ。西欧や米国で経済を犠牲にしてでも厳しい制限をしているのは、死者があまりに多いからだ。しかし、日本は明らかに西欧や米国とは違う。3月まではほとんど対策らしい対策をせずにきたにも関わらず今も死者数は非常に少ない状態を保っているのだ。緊急事態宣言の延長で新型コロナによる死者を減らすことばかりに拘り、別の死者を増やすということはあってはならない。死者数が少ないという幸運を生かし、そろそろ経済活動を再開させる方向に舵を切るべきではないか。5月に入っても死者数は少ないままなのだから、「これから西欧や米国みたいな悲惨なことになる」などという思考はリセットする必要がある。

 日本は他の先進国と異なり、流行早期に徹底すべきだった検査と隔離をせず、今でも検査を抑制しているゆえに実際の感染拡大の状況もピークもわからない状態になってしまった。さらに感染拡大が相当進んでから緊急事態宣言に踏み切ったために、早期の感染拡大防止に失敗。そして感染者が急増している割には人口当たり死亡者数が非常に少ないことが判明したのに、経済活動の再開よりも緊急事態宣言の延長という選択。2か月もの猶予がありながらマスクや防護服の増産体制すら整備しなかった。また、漏洩率100%の粗悪品布マスクに多額の税金をかけるという無駄。日本政府のやることは失敗と愚策に終始している。

 安倍政権は、今回の延長に関しても論理的な判断というより「延長すべきだ」という専門家や国民の声の大きさで判断しているように思えてならない。つまり国民の命や生活を守ることよりも、自身の支持率を落とさないための延長判断だろうと私は捉えている。自分の利益しか考えていない政権は、まともな対策を講じることも適切な判断もできない。

 最後に、「雲ノ平山荘」の記事を紹介しておきたい。私の言いたいことが的確に凝縮されている。「感染症が社会の主役なのではなく、あらゆる人々の生命や生活が社会の主役なのです」という筆者の言葉に深く同意する。

コロナ禍の風景① 混乱と向き合う
  

Posted by 松田まゆみ at 20:48Comments(0)新型コロナウイルス