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鬼蜘蛛の網の片隅から › 植物 › スズダケとウグイス

2009年05月09日

スズダケとウグイス

 北海道で普通に見られるササは、チシマザサ、クマイザサ、ミヤコザサの3種ですが、これらは積雪深によっておおよそ分布が決まっています。雪の多いところはチシマザサ、少ないところはミヤコザサで、その中間がクマイザサです。

 十勝地方はウグイスがとても少ないところなのですが、これは分布しているササの種類に関係しています。積雪の少ない十勝地方の平野部ではミヤコザサが普通です。ウグイスはふつう笹薮に巣をつくるのですが、ミヤコザサは茎の途中で枝分かれをしないので、ウグイスが巣をつくることができないのです。

 ところで、上記の3種のササとは別にスズダケというササがあります。竹という名がついていますが笹の仲間で、本州では俗にシノダケともよばれる丈の高いササです。北海道では本州のように丈は高くならないのですが、太平洋岸に点々と分布しており、ミヤコザサと混生していることもあります。

 先日でかけた釧路地方の太平洋沿岸にも、スズダケとミヤコザサがモザイク状に分布していました。スズダケ(写真)は真上にすっと伸び、葉の色も濃いので、遠くからでもそれとわかります。そして、スズダケのあるところには必ずといっていいくらいウグイスが鳴いているのです。ミヤコザサの群落が広がるところに行くと、ウグイスの声は聞かれません。

スズダケとウグイス


 北海道の積雪がそれほど多くないところでウグイスが鳴いていたなら、スズダケがあるかもしれません。ススダケがどうして太平洋側だけに点々と分布しているのかは謎ですが、雪の多いところには分布できないようです。


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Posted by 松田まゆみ at 15:44│Comments(3)植物
この記事へのコメント
1983年に林業試験場北海道支場が刊行した「北海道ササ分布図」では釧路東部にスズダケは分布していないことになっていますので、「新発見」ですね。
スズダケは苫小牧から根室にいたる太平洋岸に分布していますが、なぜか渡島半島にはないようです。
このような分布はスズダケが最終氷期(およそ2万年前)以降、北上ないし東進したであろうという一般的な考えに不都合です。
スズダケは最終氷期にも北海道東部に残存していたということでしょう。ほかの多くの植物もそうであったろうと思います。
Posted by ミユビゲラ at 2009年05月09日 21:33
先のコメント中、「最終氷期(およそ2万年前)以降」を「後氷期以降(最後の氷河期が終わってからの意です)」に訂正します。
Posted by ミユビゲラ at 2009年05月09日 22:53
ミユビゲラ様

ご教示ありがとうございます。
確かに、そのように考えるのが理にかなっているかもしれませんね。
Posted by 松田まゆみ at 2009年05月11日 11:38
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