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鬼蜘蛛おばさんの疑問箱 › 原子力発電

2015年12月11日

大津波は想定外ではなかった―「原発と大津波 警告を葬った人々」

 福島の原発事故から4年9カ月が経った。あの大地震と大津波は言葉を失うほど衝撃的だったけれど、それ以上に震撼とさせたのはやはり原発事故だった。

 以前から、日本の原発には底知れぬ怖さをうすうすと感じていた。チェルノブイリのような大事故がいつか起きるのではないかと。そして、東北地方太平洋沖地震という巨大地震の発生でとうとうそれが現実となってしまったが、さらに驚いたのはメルトダウンの隠蔽や事故の過小評価、被ばく隠し・・・。この国の根っこにある体質が、あっけなく露呈した。

 日本の原発は「五重の壁」で守られているから大事故は起きないとあれだけ喧伝されていたのは一体なんだったのだろう? 「想定外」とはなんと便利な言い訳の言葉だろう。そんな思いで添田孝史氏著「原発と大津波 警告を葬った人々」(岩波新書)を読んだ。

 この本は、津波に焦点を絞り、福島第一原発が事故前になんども大津波の警告を受けながら津波への対策を怠っていたことを、関係者へのインタビューや資料に基づいて詳細に検証しており、一読の価値がある。

 同じ太平洋側にありながら、女川原発は海水ポンプも含め標高14.8メートルのところにあり、東北地方太平洋沖地震の大津波による被害をかろうじて免れた。ところが福島第一原発の場合、非常用海水ポンプはたった4メートル、原子炉建屋は10メートルのところに建てられた。福島第一原発が建てられたときに想定されていた津波の高さは、過去12年での最大記録のチリ津波(小名浜港の3.12メートル)だったというのだ。建設当時にはまだプレートテクトニクス理論が確立されていなかったとはいえ、東北地方といえば古くから大地震による大津波の記録があるところだ。信じがたい想定というほかない。

 電事連が2000年に出した「津波に関するプラント概略影響評価」では、福島第一原発は想定の1.2倍の津波(5.6~6.2メートル)の津波に耐えられないことが分かっていたとのこと。島根原発とともに、日本でもっとも津波に対する余裕が小さい原発だったのだ。

 東電が福島第一原発の1号機の運転を開始したころになって、プレートテクトニクス理論が確立した。当然のことながら地震の専門家などから耐震設計や大津波に対して警告がなされることになる。東電が津波対策を講じることは可能だったが放置された。

 2006年には保安院も津波の対処をするように指示をしていた。しかし、東電はそれらをすべて無視し、うやむやにして対策をたててこなかったのだ。否、無視したというよりむしろ積極的に工作活動をして津波対策を潰してきたといっても過言ではない。土木学会は、東電が対策をとることを逃れるために大きな役割を担った。いったい、日本の電力会社は安全というものをどう考えているのだろうか。これほど杜撰で無責任な会社に危険な原発の運転を任せているということに、背筋が凍る思いがする。

 それでも、東電は2008年3月頃から津波想定見直しを本格化させ、対策を進めるつもりだったらしい。この頃に行われたシミュレーションでは、福島第一原発に高さ15.7メートルの津波が到達する可能性があることが分かったのだ。ところが、これを知らされていながら関係者に根回しを行い津波対策を見送ったのが武藤栄・原子力・立地副本部長と、津波想定担当の吉田昌郎・原子力設備管理部長だった。このときに速やかに対策をとっていたなら、津波被害は免れた可能性が高い。事故当時、福島第一原発の所長だった吉田氏は、あの大津波を目の前にして、いったいどんな気持ちだったのだろう。結局、彼は自分で自分の首を絞めることになってしまった。

 福島第一原発の事故は、もちろん津波対策をしていたら防げたというわけではないと思う。地震によって送電線が倒壊したし、1号機は地震の揺れで配管が破損したという指摘がある。しかし、津波対策をきちんとしていたなら、あそこまで大きな事故になっていなかったのではないか。そう思うと、津波の危険性を知りながら、何十年ものあいだ津波対策から逃げ回っていた東電の無責任さに憤りがこみ上げてくる。

 著者は最後にこう語る。

 しかし規制当局や東電の実態を知るにつれ、彼らに原発の運転をまかせるのは、とても怖いことを実感した。間違えば国土の半分が使い物にならなくなるような技術を、慎重に謙虚に使う能力が無い。しかも経済優先のため再稼働を主張し、科学者の懸念を無視して「リスクは低い」と強弁する電力会社や規制当局の姿は、事故後も変わっていない。防潮堤をかさ上げすれば済む話ではないのだ。

 私もまったく同じように思う。津波の危険性を知りながら対策に取り組まないばかりか、裏工作までして対策を先送りさせる。都合の悪いことは隠蔽し、嘘をへいきでつく。大事故を起こしても誰も責任をとらない。地震も火山活動も活発化しており、いつまた大地震や大津波に襲われるかもしれないのに、火山学者や地震学者の意見を無視して再稼働へと突き進んでいる。狂気の沙汰としかいいようがない。

 ただし、これは電力会社だけの問題では決してない。著者の添田氏も指摘しているが、自分が東電の責任者だったら、はたしてどうしていただろうか? 組織の中で、自分の保身を優先し、都合の悪いことを無視したりもみ消したりしなないと言えるだろうか?

 秘密保護法も安保法制もあっけなく通ってしまった。そして、川内原発は再稼働。この狂気の政権を支えてきたのは誰なのか? 自己保身を優先し、目先の経済のことしか頭にない国民ではないか? この国に横たわる無責任体質は、決して企業や政治家、官僚だけのものではない。私たち一人ひとりが問われている。
  


Posted by 松田まゆみ at 22:43Comments(2)原子力発電

2015年03月11日

東日本大震災、原発事故から4年に思う

 今日で東日本大震災から4年になる。地震と大津波、そして原発事故で多くの方が亡くなられた。亡くなられた方たちのご冥福をお祈りしたい。

 4年の歳月がたった今も不便な避難生活をつづけている方、あるいは原発事故による被ばくで苦しんでいる方たちが大勢いる。地震と津波による被災も、原発事故による被災も現在進行形だ。

 海水が山のようにせり上がって押し寄せ、砂防林も家屋も田畑もまたたくまに飲み込んでいった大津波の映像は今も生々しく脳裏に焼き付いている。その巨大な力には人間のつくった防波堤など玩具に等しく、人々はただただ逃げるしかなす術がなかった。今までの人生で、自然の脅威をこれほどまで感じたことはなかった。私たち日本人は、常に地震や津波と隣り合わせで生きているのだ。いつ誰がこうした災害に巻き込まれてもおかしくない。

 東日本大震災の被災地は比較的人口密度の低い東北地方だったが、大都市が大地震や大津波に襲われたなら、被害はとてつもなく甚大なものになるだろう。考えただけでも恐ろしいが、そういう時がいつか必ず来ると心していなければならない。

 日本は過去にもあんな大津波に何度も襲われてきたのだが、世代を重ねるたびにそんな記憶はどんどん風化してしまう。そしてほとんど忘れ去ったころにまた災難に襲われるのだ。それがあの東日本大震災だった。

 しかし、それに追い打ちをかけるように恐るべき原発事故のニュースが飛び込んできた。悪夢に悪夢が重なり、その惨事に数日間は呆然とした日々を過ごした。

 自然災害は天災であり、どんなに大きな被害が生じても、そう遠からぬ将来必ず復興が遂げられる。関東大震災の焼け野原も、阪神淡路大震災も復興したように。しかし、東日本大震災の教訓として決して忘れてはならないのが、今も放射性物質ダダ漏れの原発事故だ。あの恐るべきチェルノブイリの原発事故では石棺によって放射性物質の大量放出を止めることができた。しかし、福島の原発事故は今なお収束の目途すらついておらず、放射性物質が拡散されつづけているのだ。

 あの事故以来、多くの子ども達が甲状腺がんを発症して苦しんでいる。もちろん因果関係が証明できないだけで、被ばくがもとで亡くなった人は相当数になるのだろう。そして、今後、健康被害がさらに広がっていくことは想像に難くない。原発事故は紛れもない人災だし、加害者や責任者がいる。それにも関わらず4年たった今でも誰も責任をとっていない。何という国なのだろう。

 農作物が汚染され、海産物も汚染されたが、そんな汚染された食べ物が日本中に流通している。除染によって出た汚染廃棄物も山積みのまま放置され、物によってはリサイクル処理されて全国に拡散されようとしている。放射性物質に限らず、環境を汚染させる物質は封じ込めるのが鉄則であるにも関わらず、まったく逆のことが平然と行われているのだ。

 あのおそるべき災害から4年、マスコミは大地震・大津波の被害やそれからの復興ばかり報じている。もちろん復興や防災を報じることに異論はない。しかし、人災である原発事故も同じくらい目を向けるべきではないか。御用マスコミの報道は恣意的に人災である原発事故から目を逸らすように誘導しているかのようだ。

 日本は必ず大地震・大津波に襲われる。この事実と福島の惨事に目を向ければ、日本では決して原発を建設してはならなかったことは自明である。それなのに、この国の首相は原発再稼働にまっしぐらだ。そして、そんな政権を支持する人が一定程度いる。目の前にぶら下がった利権、自己保身がそうさせているのだろう。

 しかし、思い返してもらいたい。たった4年前、多くの日本人は原発などこりごりだと思ったのではなかったのか? 溜まる一方で処理もできない核廃棄物のことだって知れ渡ったはずだ。あんな大事故を起こし、国民総被ばくという状況に置かれていても、なお経済成長やエネルギーの大量消費を望むことが私には理解しがたい。福島の事故をきっかけにドイツでは脱原発を決めたが、当事国の日本はそんな決断すらできないでいる。この国の劣化は著しい。

被災者はモルモットか? 東北で復興に便乗した社会実験、人体実験が始まっている(LITERA)

  
  


Posted by 松田まゆみ at 17:25Comments(0)原子力発電

2014年11月24日

ホットパーティクルによる健康被害が広がっている

 「龍渓論壇」さんから、ホットパーティクルに関する重要な論文を教えていただいた。渡辺悦司、遠藤順子、山田耕作著の以下の論文だ。ダウンロードできるので、是非ゆっくりと読んでいただきたい。

【福島原発事故による放出された放射性微粒子の危険性-その体内侵入経路と内部被曝にとっての重要性】
https://box.yahoo.co.jp/guest/viewer?sid=box-l-g6vjvc7r6wit4cx2kxaxjggqma-1001&uniqid=8c2cb368-f11e-42c0-8cdf-73e3fe368e76&viewtype=detail

 この論文に書かれている情報の多くは、これまでにも断片的に出されていたことである。すなわち福島の原発事故は単なる水素爆発だけではなく再臨界または核爆発が起きていたと考えられること、放射性セシウムの他にストロンチウムやプルトニウム、ウランといった放射性物質が微粒子(ホットパーティクル)となって広範囲に飛散したこと、それらを呼吸によって体内に取り入れることで健康被害が生じること、東京においても被曝が原因と考えられる健康被害が生じていることなどなど。

 しかし、この論文で重要なのは、エビデンスに基づいて、まずは福島の原発事故で飛散した放射性微粒子について微粒子形態を分析し、放射性微粒子が体内に入る経路や内部被曝が人体に及ぼす危険性を示し、さらには実際に起きている健康被害にまでつなげて論じている点だ。原発事故によって生じるこのような人工放射能の微粒子こそ、内部被曝を語る上で欠かせないものであり、きわめて重要なポイントであることをこの論文は示している。

 東京を中心とする関東圏での健康被害にも言及しており、2011年以降、放射線との関連性が高いとされる悪性リンパ腫、白血病などが2倍以上に増えているとしている。また、白内障の増加に関しても眼科の患者数のデータを示しており、非常に憂慮すべき状態であると理解できる。

 東京でも健康被害が顕在化してきているのだ。東京とは比べ物にならないような汚染をし、さらに今も福一からの放射性物質が飛散しつづけている福島県やその周辺地域がきわめて深刻な状況に置かれていることは言うまでもない。

 福島の原発事故による放射性物質の放出量やホールボディカウンターによる検査などから、日本では大きな健康被害は生じない、あるいは心配する必要がないと主張している医師や科学者がいる。またそうした主張になびいてしまっている知識人やジャーナリストもいる。そのような方は、ここで論じられているような放射性微粒子による被ばくの問題を意識的に無視しているとしか思えない。

 論文では、福島のような原発事故の確率にも触れ、「原発を維持し続ければ、今後10~30年間に、再度福島のような破局的事故が生じる可能性が高いのである」としている。大きな地震が起きるたびに私たちは「原発は大丈夫だろうか?」と恐怖にさらされる毎日を送っている。大津波や火山噴火も同じだ。まるで爆弾を抱えているような生活だ。

 それにも関わらず、現政権は原発再稼働を目指している。また、福島から出た汚染土を全国で焼却するという改正法を成立させてしまった。放射性物質を含む土壌や廃棄物を焼却したりリサイクルしたなら、放射性微粒子が日本中に拡散されることになる。放射能を閉じ込めるという原則を無視した信じがたい方針をこの国はとろうとしているのだ。

 また秘密保護法によって、これからは原発の情報や被曝による健康被害の情報も統制されるようになるだろう。

 原発事故がおきて3年8カ月が過ぎた今、私たちがすべきことは何か? まずは来る選挙で原発の維持や再稼働を進める政党にノーをつきつけることではなかろうか。彼らに投票してしまえば、国民全体に被曝を強要し、日本国民は集団自殺に追い込まれる可能性すらある。

 また、一人ひとりがこの論文の著者たちのように事実をきちんと国民に知らせることも大事だ。ブログで、ツイッターで、広めてほしい。
  


Posted by 松田まゆみ at 13:54Comments(3)原子力発電

2014年11月12日

片瀬久美子氏の「きのこ」氏告訴は力で言論を封じ込める行為

 科学ライターの片瀬久美子氏が、「きのこ組組長」の「きのこ」氏を刑事告訴したという。以下は片瀬久美子氏の告訴を告知する記事。

名誉毀損で刑事告訴しました(warblerの日記)

 これに対する「きのこ」氏のブログ記事が以下。片瀬久美子氏に対して逆告訴すると言っている。どうも告訴合戦の様相を呈してきた。

片瀬久美子は絶対に、許さない! (建築とかあれこれ のろいもあれこれ)
ずさんなトリック (建築とかあれこれ のろいもあれこれ)

 片瀬久美子氏が告訴の根拠とした「きのこ」氏の記事のひとつは、どうやらこれのようだ。

「美味しんぼ」叩きの3ババトリオご紹介 (建築とかあれこれ のろいもあれこれ)

 「きのこ」氏はこう書いている。

一個3千円の線量バッジ(安物ガラスバッジ)を
2万円で売り、
1万7千円をボロ儲け
その数30万個

 片瀬氏はこの発言を、自分が線量バッジを売って儲けたという嘘を書かれたと解釈したようだ。

 もし自分に関して間違ったことを書かれたなら、相手に間違いを指摘して訂正なり削除を求め、また自身で反論をすればすむことだろう。それこそ、「書く」ことを本業とする者がとる態度だ。また、上記でとりあげた「線量バッチで儲けた」という記述は主語がなく、片瀬氏のことを指しているとは言えない。記事の最後に貼り付けてある線量計配布についての解説を読めば、配布したのは福島県であり片瀬氏らのことを指しているのではないことは明らかだ。どうも、片瀬氏は早とちりしたのではなかろうか。

 片瀬氏は科学ライターとして、とりわけ「ニセ科学批判」の立場から詐欺的商法などを取り上げさまざまな批判活動をしてきた。その内容はともかくとして、悪質商法に騙されないように注意喚起するのは大いに結構だろう。しかし、自分が批判や論評をする以上、それに対する反論や批判があるというのは当たり前のことだ。

 片瀬氏が「ニセ科学批判」の人たちと一緒になって放射能の危険を指摘する人たちを批判していたのは確かであり、私は、その主張には科学的根拠が極めて乏しいと常々感じていた。また、片瀬氏はSTAP細胞問題で小保方晴子氏の捏造説を主張していたが、私は小保方氏が捏造したとは考えていない。お二人の論調のどちらを支持するかと言えば、「きのこ」氏になる。

 一方、「きのこ」氏の片瀬久美子氏批判も過激さを感じざるを得ない。批判や論評をすること自体は大いに結構だと思うのだが、「3ババトリオ」とか「ネットチンピラ」という表現は言いすぎのように思う。批判や論評であれば、事実をわかりやすく書き、問題点を指摘したり自分の意見を具体的に説明すれば事足りる。

 批判に付随して多少の皮肉や揶揄は許されるとしても、感情的になって罵倒したり人格否定のような書き方をすべきではない。「きのこ」氏に限ったことではないが、例えば「馬鹿」とか「クズ」、「低能」、「低レベル」などといった相手を見下す表現は慎むべきだ。このような書き方は批判を通り越して悪口でしかないし、相手に喧嘩をふっかけているも同然だろう。

 それから、ときどき他者から批判されると「攻撃」とか「妨害」と言う人がいる。しかし具体的に理由を書いて批判的意見を言うことがなぜ攻撃とか妨害になるのだろうか。言論に言論で対抗できないから「攻撃」とか「妨害」などと言って自分があたかも被害者であるかのように思わせるのだろう。

 あるいは、このような人は他者を「敵」とか「味方」に分ける習慣がついているのかもしれない。しかし、他者を敵と味方に分けるというのは私には理解しがたい。私はどんなに意見が合わない人であっても「敵」だとは思わない。世の中には好きになれない人が確かにいるが、だからといって「敵」だとは思わない。また、知人・友人だからといって「味方」という意識もない。自分を批判する人を「敵」だと考える人は競争意識が強く、常に自分が上に立たねばならないと警戒する癖がついているのだろうか。自分自身が攻撃的だからこそ、相手が「敵」で「攻撃的」に見えるのかもしれない。

 しかし、片瀬氏と「きのこ」氏のような言い争いが、刑事事件として扱われてしまうということにこの国の言論の自由の危うさを感じざるを得ない。たしかに名誉毀損は犯罪でもあるし、誰もが訴える権利があることは否定しない。しかし、反論が可能なネット上の言い争いに対し、刑事告訴という手段を使い犯罪者だと主張するのはあまりに大人げない。

 山崎行太郎氏も指摘しているが、言論に対しては言論で対応するのが基本だ。公の場で自分の意見を主張し他者の批判をしているのなら、自分が他者から批判されるのは当たり前だし、それが言論の自由というものだ。ライターと称している者が、力で言論を阻止しようなどと思うこと自体が情けない。

「片瀬久美子・刑事告訴・事件」の黒い霧。「小保方博士バッシング報道事件」と「片瀬久美子【掲示告訴】事件」の裏を読む。(哲学者=山崎行太郎のブログ『毒蛇山荘日記』)

 山崎行太郎氏の以下の言葉を引用しておきたい。

そもそも片瀬久美子は、「エセ医学批判」、民間療法バッシング」や子宮頸癌ワクチン薬害問題(推進派)」放射能=原発問題」「スタップ細胞事件」など、今、日本国民が関心を持ち続けている諸問題で、かなり過激な言論活動を、ネットやTwitterなどで、やって来た人である。論敵が、多数、存在し、反論反撃を受けて当然、の立場にいる人だろう。

批評・批判・罵倒、誹謗中傷・・・などを恐れるならば、言論活動を自粛すればいい。自分からは批評・批判・罵倒を繰り返すが、自分に反論反撃することは、許さない、というのは、問題外である。

片瀬久美子は、学問や思想、論争や言論戦レベルの問題を、そのレベルで対処出来ずに、警察や裁判所に、問題を委ねる時点で、あるいは警察や裁判所に駆け込んだ時点で、言論人失格、ジャーナリスト失格、学者思想家失格である。

  


Posted by 松田まゆみ at 16:19Comments(0)原子力発電メディア

2014年11月07日

北電値上げの暴挙 その2

 先日、「北電再値上げの暴挙」という記事を書いた。この記事で、私は「原発という不良債権は、安全性をないがしろにして原発建設をごり押しし、さらに原発依存を高めるという北電の経営方針から生じた」と書いた。

 今日の北海道新聞の「地域の電力を考える」という連載記事で、元公認会計士の細野祐二さんが、会計士としての視点から北電の電気料金は値上げしなくても解消できると書いていた。以下がその要旨。

・北電の有価証券報告書によると金融機関などに払う「支払利息」が163億円もあるが、財務状況から考えれば債権放棄や債券カットを申し出て当然。
・現在は原油価格の下落で、円安を考慮しても燃料費は下がっている。
・高い給与、退職金を含む福利厚生費を下げ、他の経費も17%ほど削れば赤字は十分解消できる。

 そして、金融のプロであれば電力会社の財務諸表を見て原発のコストが高いことを見抜けるはずだと指摘している。細野氏は以下のようにも言っている。

 「もともと原発の会計はおかしな点だらけだったが、さらに国は昨年、廃炉会計基準を変更し、何でもかんでも原価に算入し、原発で事故が起きても電気料金で回収できるよう道筋をつけた。会計上、こういう手口を粉飾と呼ぶ。原発については国と電力会社ぐるみの粉飾決算がまかり通っているのだ」

 言われてみればその通りだ。国も粉飾決算に関与しているからこそ、電力会社の値上げ申請を許可せざるを得ないということだ。

 北電は泊原発を再稼働すれば電気料金の値下げをすると言っているが、原発はちっとも安くない。大島堅一氏の試算によれば1キロワット/時あたり9.4~11.6円と試算しているが、大事故がおきたらさらに高くなるだろう。つまり他のエネルギーに比べても最も高い。だから北電のこの主張はとてもおかしな話だ。

 なお、河野太郎氏は原発が発電をしていなくても日本原燃に多額の再処理費用を支払っていることを指摘し、日本原燃への基本料金の支払いをやめるべきだと提唱している。

やっぱりあなたの電気代は流用されている。パート2 

 細野氏と河野氏の指摘を実行すれば、値上げなどしなくても済む。
  


Posted by 松田まゆみ at 11:41Comments(0)原子力発電

2014年10月22日

巨大噴火の国に生きる日本人

 先の御嶽山の噴火で、火山の噴火の恐ろしさを実感した人も多いと思うが、御嶽山の噴火は規模の大きなものではない。火山が連なる日本列島では大噴火、巨大噴火が何度も発生している。

 北海道でも過去にはもちろん大きな噴火が何度もあった。大雪山国立公園の層雲峡に行ったことがある人は多いと思うが、石狩川の峡谷にそそり立つ柱状節理は大雪山の噴火で流れ出た火砕流が冷えて固まったものだ。あの景観を見ただけで、ものすごく大量の火山噴出物が堆積したことが分かる。

 新得町屈足の十勝川の河岸には火山灰の堆積した崖がある。これは十勝北部の三股盆地(カルデラ)から噴出したものだ。この噴火でも大量の噴出物が十勝地方を覆った。

 屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖で、支笏湖は2番目に大きなカルデラ湖だ。洞爺湖もカルデラ湖。数万年前とは言え、これらの火山が大噴火を起こした時はどんな状態になったのだろう。樽前山の噴火では十勝地方にも火山灰が堆積している。大気はしばしば噴煙で覆われ、太陽はさえぎられてうす暗くなり、一面灰色の世界に変わるのだろう。考えただけでもぞっとする。

 しかし、もっと規模の大きい巨大噴火は九州の火山だ。たとえば阿蘇山は世界でも有数の大型カルデラを持つし、姶良カルデラも巨大カルデラだ。九州のカルデラが巨大噴火を起こした場合、その火山灰はなんと日本中におよび、北海道を除く地域では10センチ以上の火山灰が降り積もると言われている。以下参照。

御嶽山に続く巨大噴火はロシアンルーレットの可能性!?プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.64  (東京BREAKING NEWS)

 南九州で巨大噴火が起きた場合、「火砕流で全て焼き尽くされる領域には1000万人以上の人口がある」という。仮に大噴火の前兆が捉えられたとしても、数千万人の住民をすみやかに避難させるというのはとても困難なことだろう。もちろん川内原発の管理などはできなくなる。

 神戸大学大学院の研究グループによると、日本で今後100年以内に火砕流が100キロ余り先まで達するような巨大噴火が起きる確率はおよそ1%だそうだ。

巨大噴火”今後100年間で確率約1%” (NHKニュース)

 九州中部で巨大噴火が起きたと仮定すると、火山灰は西日本で50センチ東日本で20センチ、北海道でも場所によって5センチ以上積もると予測されている。日本中に火山灰が降るのだから、九州ではなくても人々の生活は大変なことになる。火山灰によって交通は麻痺し、ライフラインにも支障がでるだろう。農耕地は壊滅的な被害を受けて日本中が飢饉に襲われるに違いない。

 火山灰で太陽光も遮られて寒冷化するだろうから、降灰の少ない北海道でも作物は凶作になる可能性がある。太陽光発電もできなくなる。各地で暴動や略奪が起き、サバイバルゲームのようになるだろう。こうなると国家存亡の危機になるに違いない。さらに原発のコントロールができなくなれば、日本が完全に終わるだけではなく、世界中に放射能をばら撒くことになる。

 そうした大噴火、巨大噴火はごくたまにしか起きないので、今のように人口が増え近代都市が広がってから巨大噴火による被害を受けていないにすぎない。火山噴火に関し平穏な時代に生きている私たちは巨大噴火のことなどすっかり忘れていたに等しい。しかし川内原発の再稼働の審査をめぐって、巨大噴火の危険性が火山の専門家からも指摘されているし、また御嶽山の突然の噴火によって火山噴火に対する危機意識がにわかに高まってきた。

 今は平穏であってもいつかは必ず大噴火、巨大噴火が起きることは間違いない。そして、それがいつなのかは誰にも分からないのだ。「備えあれば憂いなし」と言うが、巨大噴火に関しては多少の備えなど焼け石に水だろう。ということは、私たちは心の片隅で巨大噴火を自覚しつつ、自分の生きている時代にそれが起きないことを願うしかないのだろうか。死傷者を最小限にするために噴火予知の体制づくりをし、いざとなったら命に関わる場所に住んでいる人たちは避難する以外何もできそうにない。

 もっとも、いつ起きるか分からないことに怯えていてもストレスになるだけだから、運を天にまかせ、せめて火山の造り出す美しい景色を楽しみたいとも思う。

 ただし、巨大噴火が起きる前に日本中の原発を廃炉にしておく責任が我々の世代にある。否、巨大噴火だけではなく巨大地震や巨大津波がいつ襲うかも分からないのだから、一刻も早く原発を止めて使用済み核燃料の安全な保管を真剣に考えるべきだ。

写真は3万年前に噴火したとされる大雪山のお鉢平カルデラ。




  


Posted by 松田まゆみ at 21:28Comments(0)原子力発電

2014年09月28日

汚染を拡大させる除染土の全国処分

 今日のNHKニュースで以下の報道があった。

除染で出た土「最終処分」法案まとまる(NHKニュース)

福島県内の除染で出た土などを保管する中間貯蔵施設について、政府は、保管を始めてから30年以内に福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を取ることを定めた法案をまとめました。
今後、法案を閣議決定したうえで今月29日に召集される臨時国会に提出する方針です。
政府は、中間貯蔵施設で保管する除染で出た土などについて、保管を始めてから30年以内に福島県外で最終処分を完了する方針で、地元の要望を受けて、こうした内容を定めた法律の改正案をまとめました。
具体的には、有害物質のPCB=ポリ塩化ビフェニルの処理を行う国の特殊会社について定めた法律を改正し、この会社が中間貯蔵施設に関する事業を行うとしています。
そして、国の責務として中間貯蔵施設を整備し安全を確保するとともに、保管を始めてから30年以内に福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を取るとしています。
また、土などに含まれる放射性物質の濃度を低くしたり再生利用したりする技術開発などの状況を踏まえ、最終処分の方法を検討するとしています。
政府は、改正案を閣議決定したうえで今月29日に招集される臨時国会に提出する方針で、今後、最終処分に向けた具体策を早期に示すことができるかが課題となります。

 ツイッターでも、PCBの処理を行う会社が全国で除染土の処理を行うという情報が拡散されていたが、その根拠はこの法案だろう。

 この法案は29日、つまり明日の臨時国会に提出される予定とのこと。この法案が通れば、福島で保管されている大量の汚染土が全国で処理され、再利用した製品が出回ることになると推測される。いくら放射性物質の濃度を低くする処理をするからといっても完全に除去できるわけではないだろうし、セシウム以外にもストロンチウムやプルトニウムなどが含まれているだろう。

 ニュース記事では「30年以内に福島県外で最終処分を完了するために必要な措置をとる」となっている。気をつけねばならないのは、あくまでも「30年以内」ということだ。来年でも再来年でも30年以内だから、法案が成立すればすぐにでも県外での処理が始まる可能性があるのではなかろうか。

 除染土は増える一方だろうし、土を入れている袋も劣化してきている。不法投棄も問題になっている。福島県としては少しでも早く汚染土を処分したいと思っているに違いない。

 しかし、放射性物質を全国に拡散させるというやり方はとても容認できない。放射性物質は閉じ込めるのが原則であり、拡散させるという国の方針は明らかに原則に反している。この法案を通さないように声を上げるべきだと思う。

 そもそも、いくら除染しても放射性物質を取り除くことはできない。チェルノブイリでは穴を掘って汚染された家を埋めてしまったところもある。除染の限界を認識するべきだ。
   
タグ :除染除染土


Posted by 松田まゆみ at 11:28Comments(0)原子力発電

2014年09月12日

原子力推進派に騙されてはならない(その2)

 遠藤順子医師による講演会がYouTuboにアップされている。

遠藤順子20140803家族を放射能から守るために~国際原子力組織の動きと内部被曝



 私は遠藤医師については全く知らなかったのだが、実に重要な問題点を指摘しており、多くの人に広めてもらいたい動画だ。講演自体は1時間ほどなので視聴されることをお勧めするが、重要な点について簡単に紹介しておきたい。

 講演で語られているのは以下について。
1国際原子力組織の福島後の動き
2チェルノブイリで何が起こってきたか
3内部被曝による細胞損傷の機序
4「放射性セシウムは安全」論への反論
5食品の放射線基準の考え方について

 冒頭の「国際原子力組織の福島後の動き」だけでも視聴に値する。特筆すべきは、IAEAについての以下の指摘だろう。

1996年4月IAEAの会議(ウィーン)「チェルノブイリ事故から10年」
「再び事故が起こるのは避けられない」として、そのとき取るべき方策も話し合われた。

「次回の原発事故にあたっては、人々を避難させず、情報をきちんと統制すること」

 福島の事故を顧みれば、事故当初からまさにこの方針が貫かれている。だから、SPEEDIの情報は隠され、関東地方にプルームが襲ったときも屋内退避の指示すらしなかった。そして御用学者に「福島の事故程度では健康被害は起きず、体調不良はストレスによるもの」という発言をさせ、除染することで汚染地に住民を帰還させるというのが政府の方針だ。IAEAが主導し日本政府はそれに従っているということだ。

 また遠藤医師は、最近の国際機関側の人物の以下の発言を紹介している。

「(情報統制のことだが)チェルノブイリは失敗したが、フクシマはうまく行った・・・」

 この発言からも、福島の事故においてはIAEAの方針通りに進められていることが裏付けられる。原子力推進派に不都合な事実は、まず隠蔽されていると思ったほうがいい。

 遠藤医師は元ICRP科学事務局長Jack Valentin博士の以下の告白も紹介している。

「内部被曝による被曝は数百倍も過小評価されている可能性があるため、ICRPモデルを原発事故に使用することはもはやできない。体制側にある放射線防護機関は、チェルノブイリのリスクモデルを見ておらず、誤った評価をしている」(2009)

 内部告発だから信ぴょう性は高い。ICRPも自分たちの理論が正しくなく、著しい過小評価をしていることを分かっているはずだ。しかし、原発を推進するためにはその誤ったモデルを主張し日本国民を騙しつづける必要がある。

 原発事故直後から、福島の事故がチェルノブイリに匹敵する惨事であり被曝による健康被害に警鐘を鳴らす人たちがネット等で発言していた。クリス・バズビー氏然り、アー二―・ガンダーセン氏然り。日本でも矢ヶ崎克馬氏などが被曝の危険性について積極的に発言をしていた。ところが、インターネットが発達して誰もが簡単に情報を手に入れられる時代になったにも関わらず、私たち日本人の多くはこうした警告に耳を傾けることなく、マスコミを通じて政府や原子力関係者、御用学者の垂れ流す情報に洗脳されている。

 さらにネット上では「工作員」と呼ばれるような人たちが跋扈し、原子力推進派に不利な情報の統制に躍起となっている。私自身は、未だに海へ大気へと垂れ流されつづける放射性物質のことを考えると、福島の事故の規模はとっくにチェルノブイリを超えていると思っている。しかも制御不能状態。それを政府は必死に隠しているに違いない。

 故郷に愛着を持つのはごく自然なことであり、誰しもが仕事や故郷を簡単に捨て去る気にはなれない。御用学者達の「大きな健康被害は起きないだろう」という言葉を信じたい気持ちになるのは分からなくもない。しかし、原子力推進派はこうした住民の気持ちを利用し、彼らを欺いているのだ。

 遠藤医師は、内部被曝のしくみについても最新の研究を紹介して詳しく説明している。もちろん原発推進派はこうしたことも知っているだろうが、無視を貫いている。

 すぐに頭に浮かぶだけでも、遠藤医師のほかに菅谷昭医師、小野俊一医師、西尾正道医師、高岡滋医師、三田茂医師、きむらとも医師、松江寛人医師、安藤御史医師などが原発事故による被ばくの危険性に警鐘を鳴らしている(もちろん他にも同様の主張をしている医師は何人もいるだろう)。片や、原子力推進派を擁護するかのような発言を繰り返している医師もいる。ここに医師としての矜持、姿勢がはっきりと表れている。

 原発の過酷事故は福島が最後ではない。IAEAはもちろん今後も原発事故があることを想定しているだろう。それでも原発を推進するのだ。自分たちの利益のために。しかし、原発事故のリスクが最も高い国といえば、間違いなく繰り返し大地震・大津波・火山噴火に見舞われてきた日本だ。こんな危険な国である以上、原発は廃止するしかない。

 原爆を落とされ、福島の原発事故を体験した日本国民が原発反対を貫くことをせずして、誰が原発災害という人災を阻止することができるのだろうか。推進派に騙されていてはならないのだ。

 日本では、チェルノブイリの原発事故で被災した子ども達の保養活動が行われていた。そうしたグループが発行した「私たちの涙で雪だるまがとけた」という本がある。ネットでも公開されているので読んでほしいのだが、これが原発事故による健康被害の実態だ。なんの責任もない子ども達がまっさきに犠牲者になる。

私たちの涙で雪だるまが溶けた 子どもたちのチェルノブイリ

原子力推進派に騙されてはならない(その1)
  


Posted by 松田まゆみ at 09:27Comments(30)原子力発電

2014年09月11日

原子力推進派に騙されてはならない(その1)

 今日で東日本大震災および福島の原発事故から3年半になる。地震のあと、福島第一原発は次々と爆発を起こした。あの爆発の映像を見たときは、ほんとうに気が遠くなるような思いだった。とうとう日本もチェルノブイリと同じ過ちを起こしてしまった!と。

 福島第一原発の爆発は複数回起きているが、とりわけ3月15と20~21日には人口密集地である首都圏まで放射能プルームが到達した。そのことは放射線量の増加ですぐに分かったことだし、小出裕章さんも事故後間もなくこの事実を公表していた。当然、SPEEDIでも予測されたことだった。

 米軍は3月20~21日の放射能プルームについて情報を持っており、横須賀基地に配備されていた米原子力空母ジョージ・ワシントンは21日にさっさと出港し、横須賀基地や厚木基地の将兵や家族にも屋内退避するよう通知していた。

 もちろん日本政府が関東地方の放射線量の上昇を知らないわけはない。ところが、日本政府は「ただちに健康に影響を与えることはない」と言って避難どころか屋内退避の勧告すらしなかった。これは意図的に国民を被曝させたといっても過言ではないだろう。これについては以下の「院長さん」こと小野俊一医師のブログを参照していただきたい。

1153.2011年3月下旬に首都圏をおそった放射能プルーム(院長の独り言)

 2014年9月6日の毎日新聞記事に「東京電力福島第1原発事故後、上空に巻き上げられた放射性物質の雲状の塊「放射性プルーム(放射性雲)」が、これまで知られていた2011年3月15~16日に加え、約1週間後の20~21日にも、東北・関東地方に拡散していく状況が、原子力規制庁と環境省による大気汚染監視装置のデータ分析から裏付けられた」と書かれている。

 院長さんによると、この時は柏では1時間で150Bqものセシウムを吸入したことになるという。これほど重要なデータが、3年半もたった今ごろになって公表されるとはどういうことなのだろう。国民を馬鹿にしているとしか思えない。

 このこと一つをとっても、国民には重要な情報が隠されていることが分かる。つまり、我々は事故直後から騙され続けているのだ。

 ところで、原子力規制委員会は9月10日に川内原発について「新規制基準に適合している」と結論づけた審査書を決定して設計変更を許可した。

川内原発「新基準に適合」審査書を決定 規制委(とある原発の溶融貫通)

 国民からの意見を聴取するパブリックコメントには1万7819通の意見が寄せられたそうだ。その締切はたしか先月の15日だった。多くの反対意見があったに違いない。ところが締切から1カ月もたたずに、再稼働にお墨付きを与えてしまったのだ。国民の意見を精査したとは到底思えない。しかも火山学者の意見も無視。

 ここから見えるのは、規制委がとにかく原子力発電を続けたいという国の意向を受けて突っ走っている姿だ。「無理が通れば道理引っ込む」というが、「無理をごり押しして道理を無視」しているのが日本政府と電力会社の実態だ。

 今、日本国民が騙され続けたり、あるいは騙されていなくても黙っていたなら、道理など簡単に踏みにじられてしまう。

原子力推進派に騙されてはならない(その2)
  


Posted by 松田まゆみ at 14:34Comments(0)原子力発電

2014年06月12日

甲状腺がんから見る日本の現実

 6月10日に、福島県民健康調査の検討委員会で甲状腺がんに関する専門部会が開催されたのだが、その中で甲状腺がんの手術を受けた子ども達にはリンパ節転移をしている深刻な事例が多数あることが明らかになってきた。これまでに甲状腺がんとして手術を受けた50人の子どもの大半が放置できるような状態ではなかったというのだ。以下を参照いただきたい。

リンパ節転移が多数~福島県の甲状腺がん(OurPlanet-TV)

 これまでいわゆる「安全派」と言われる人たちは、福島の場合はチェルノブイリの時より検査制度が高くなったために多く発見されるだけだと言っていたが、そんなことは決してない。以下の高松勇医師はそのような主張が誤りであることについて分かりやすく説明している。

高松勇医師「エコー検査の精度が高くなったからだ」と言われますけれども、そういうものではないという事をこれは示しています。6/6小児甲状腺がん89人は異常多発(内容書き出し) (みんな楽しくHappyがいい)

 原発事故から3年が経過した時点で、疑いも含めた甲状腺がんの子どもが89名も出ており、転移している事例が多数あるということは、まさに今回の福島の原発事故による被ばくがきわめて深刻なものであることを物語っている。

 チェルノブイリの事例では事故のあと4、5年してから甲状腺がんなどが急増しているのだから、日本でもこれからさらに増えていくと推測される。とすると、とんでもない数字になるのではなかろうか。

 高松医師も指摘しているが、福島の調査は18歳以下の甲状腺がんしか対象にしていない。甲状腺がんは放射線による健康被害のごく一部でしかない。白血病、心臓疾患や循環器の病気、白内障などもあるし免疫力低下による病気もあるだろう。

 また、福島県以外の周辺の汚染地でも当然健康被害が生じているだろう。しかも日本の場合は人口密度が極めて高く、汚染は近隣の宮城県、栃木県、群馬県、茨城県などのほか人口密集地の首都圏にまで及んでいる。そういったことを考えるなら、日本の場合チェルノブイリ以上の健康被害が生じる可能性が高い。若者の心筋梗塞による突然死など、恐らく被ばくが関係している可能性が高い。

 チェルノブイリの事故の教訓を活かすどころか、事故の責任回避に必死になり汚染地域から人々を避難させるどころか留まらせて被害を拡大させようというのがこの国のやり方だ。否、チェルノブイリの事例があるからこそ、必死に都合の悪いことを隠蔽して国民を騙しているのだろう。

 しかも、いつ巨大地震や巨大津波に襲われてもおかしくないというのに、安倍自民党政権は原発の再稼働を目指している。狂気が支配しているとしかいいようがない。

 これほどにまで無責任で国民を愚弄する政府は世界的にみても稀ではなかろうか。日本はやがて世界の笑いものになり、どこからも信用されなくなるだろう。

  

  


Posted by 松田まゆみ at 11:37Comments(0)原子力発電