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鬼蜘蛛おばさんの疑問箱 › えりもの森裁判 › 現地裁判報告(2)

2008年11月02日

現地裁判報告(2)

シカを誘引した皆伐地

 私たち自然保護団体がえりもの皆伐地を発見したのは2005年の秋です。そのときは伐根もなまなましく、地表は伐採や地ごしらえのためにブルドーザーで撹乱されていました。

 それから3年、久しぶりに現地を目の当たりにして驚いたのは、皆伐地がすっかり草原化していたことです。皆伐地の大半がスゲと思われる植物に覆われていて、それが草刈をしたようにシカに食べられています。エゾシカの格好のお食事場になっているのでしょう。そして、植栽されたトドマツや自然に芽生えたカンバの苗がことごとくシカの食害にあっていたのです。




 光があまり当たらない林床であれば、こんなにスゲが繁茂してしまうことはありません。皆伐によって直射日光がさんさんと降り注ぐようになり、スゲがどんどん広がってしまいました。それを食べにきたエゾシカが苗木まで食べてしまったのです。

 私が裁判長にこのことを指摘すると、被告側の道職員は「今の発言に間違いがある」と口を挟み、「苗がこのようになっているのはシカの食害ではなく、寒さによる霜害だ」と反論しました。唖然です。




 苗を良く見ればシカが噛み切った痕がはっきりとあるのです。ほとんどの苗がシカに食べられており、刈り込まれたようになっています。それを霜害とは… たしかに霜害も一部に見られましたが、大半の苗は食害にあったために正常に伸びることができず、盆栽のようになっているのです。

 たとえ春先に強い冷え込みがあっても、上部に樹木があれば霜も降りにくくなります。皆伐によって霜害を受けやすくなったといえるでしょう。事実、林道脇に自然に芽生えた稚樹はシカの食害にも霜害にもあっていませんでした。

 皆伐して植林したのは失敗であり、不適切な更新方法だったといえます。

 霜害と食害の区別もつかない職員が「森づくり」をしているのであれば、お粗末としかいえませんね。はからずも職員のレベルの低さが露呈される結果となりました。


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