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2013年07月02日
然別湖畔でヒグマに遭遇
先日、然別(しかりべつ)湖畔の道を車で走っていたら、目の前をヒグマが横切った。北海道ではエゾシカやキツネが道路に出てくることはしょっちゅうあるが、道路でヒグマに遭遇することはほとんどないので、やっぱりドッキリする。
道路を横切ったヒグマは森の奥へ走り去ったのかと思ったら、少し離れたところでこちらを見ていた。親離れして間もないくらいの子どものヒグマだ。

北海道で山の中をうろついていると、ヒグマの痕跡はしばしば見かける。足跡、フン、爪痕など。でも、実物のヒグマに遭遇することはほとんどない。シカやキツネのように個体数が多くないということもあるが、ヒグマの方が先に人間の気配を察知して逃げてしまうということもある。私は、これまでヒグマを目撃したのは2回しかなかったが、今回で3回目だ。
然別湖周辺はもともとヒグマが少ないところだ。かつて士幌高原道路の反対運動をしていた頃は現地視察や調査で然別湖周辺にしばしば出かけたが、ヒグマの痕跡はまず見なかった。だからヒグマに警戒するようなこともほとんどなく、一人でも気軽に歩けた。ただし、全くいないというわけではない。少ないからこそ、たまに出没情報があると話題になる。
然別湖の岩塊地にクモ調査で通っていた時に、その近くでヒグマが出没したという情報を聞いたことがあった。そのときは、さすがに気になって「熊鈴」をザックに付け熊撃退スプレーも持ち歩いた。また、雪の積もった湖畔の道路にヒグマの足跡が点々とついているのを見たこともある。
然別湖は標高800メートルのところにあり、周辺は針葉樹林に囲まれている。エゾマツ、トドマツ、アカエゾマツなどを主体に、ダケカンバやナナカマド、オガラバナなどが混在する非常に単純な森林だ。つまり、ヒグマの餌になるような植物が乏しいのだ。
ヒグマは肉食獣だと思っている人が多いかもしれないが、動物だけではなく植物もかなり食べる。大雪山ではヒグマが高山帯に生息しているが、草地の広がる高山帯は餌が豊富で、とくにハクサンボウフウなどは好物だ。夏は高山帯で過ごし、冬は標高の低いところに移動して越冬する。
しかし、然別湖周辺の山の大半は標高が1200メートル前後で高山帯を持たない。しかも南東側は十勝平野が広がっていて森林がない。針葉樹林帯だけではヒグマは十分な餌が得られないので、定住が困難なのだろう。ときどき放浪個体が現れても長期間居座ることはほとんどないのだと思う。
ヒグマは歩いているときには絶対に出合いたくない動物だが、車に乗っているときは、恐怖感はあまりない。もっとも、車に体当たりしたヒグマもいると聞くから、車に乗っていても無闇に近づかない方が賢明だ。
道路を横切ったヒグマは森の奥へ走り去ったのかと思ったら、少し離れたところでこちらを見ていた。親離れして間もないくらいの子どものヒグマだ。

北海道で山の中をうろついていると、ヒグマの痕跡はしばしば見かける。足跡、フン、爪痕など。でも、実物のヒグマに遭遇することはほとんどない。シカやキツネのように個体数が多くないということもあるが、ヒグマの方が先に人間の気配を察知して逃げてしまうということもある。私は、これまでヒグマを目撃したのは2回しかなかったが、今回で3回目だ。
然別湖周辺はもともとヒグマが少ないところだ。かつて士幌高原道路の反対運動をしていた頃は現地視察や調査で然別湖周辺にしばしば出かけたが、ヒグマの痕跡はまず見なかった。だからヒグマに警戒するようなこともほとんどなく、一人でも気軽に歩けた。ただし、全くいないというわけではない。少ないからこそ、たまに出没情報があると話題になる。
然別湖の岩塊地にクモ調査で通っていた時に、その近くでヒグマが出没したという情報を聞いたことがあった。そのときは、さすがに気になって「熊鈴」をザックに付け熊撃退スプレーも持ち歩いた。また、雪の積もった湖畔の道路にヒグマの足跡が点々とついているのを見たこともある。
然別湖は標高800メートルのところにあり、周辺は針葉樹林に囲まれている。エゾマツ、トドマツ、アカエゾマツなどを主体に、ダケカンバやナナカマド、オガラバナなどが混在する非常に単純な森林だ。つまり、ヒグマの餌になるような植物が乏しいのだ。
ヒグマは肉食獣だと思っている人が多いかもしれないが、動物だけではなく植物もかなり食べる。大雪山ではヒグマが高山帯に生息しているが、草地の広がる高山帯は餌が豊富で、とくにハクサンボウフウなどは好物だ。夏は高山帯で過ごし、冬は標高の低いところに移動して越冬する。
しかし、然別湖周辺の山の大半は標高が1200メートル前後で高山帯を持たない。しかも南東側は十勝平野が広がっていて森林がない。針葉樹林帯だけではヒグマは十分な餌が得られないので、定住が困難なのだろう。ときどき放浪個体が現れても長期間居座ることはほとんどないのだと思う。
ヒグマは歩いているときには絶対に出合いたくない動物だが、車に乗っているときは、恐怖感はあまりない。もっとも、車に体当たりしたヒグマもいると聞くから、車に乗っていても無闇に近づかない方が賢明だ。
Posted by 松田まゆみ at 14:55│Comments(6)
│哺乳類
この記事へのコメント
さすがに北海道ですね!
私もいつぞやの夏、信州木島平村のカヤの平に遊んだ際、前方のカヤの原っぱからガサガサ音が近づいてきたかと思ったら、目の前を子供と思われる黒い熊が快足で横切っていきました。一瞬ののち、「近くに親熊がいるはず」と気付き、象ーとしました。
いまいる伊豆の山中でも、イノシシは庭を駆け抜けますし、鹿はちょいちょい見かけます。激しい雨の翌朝は、別荘のベランダ下で雨を避ける鹿が結構いるのです。
私もいつぞやの夏、信州木島平村のカヤの平に遊んだ際、前方のカヤの原っぱからガサガサ音が近づいてきたかと思ったら、目の前を子供と思われる黒い熊が快足で横切っていきました。一瞬ののち、「近くに親熊がいるはず」と気付き、象ーとしました。
いまいる伊豆の山中でも、イノシシは庭を駆け抜けますし、鹿はちょいちょい見かけます。激しい雨の翌朝は、別荘のベランダ下で雨を避ける鹿が結構いるのです。
Posted by クンちゃん at 2013年07月03日 07:08
クンちゃんさん、おはようございます。
今しがた、文芸社関連の記事をアップしたところです。
伊豆の山中も野生動物の天下ですね。我が家の庭の畑も、毎年シカ対策に頭を痛めています。
今しがた、文芸社関連の記事をアップしたところです。
伊豆の山中も野生動物の天下ですね。我が家の庭の畑も、毎年シカ対策に頭を痛めています。
Posted by 松田まゆみ
at 2013年07月03日 07:24

じぇ、じぇ、じぇ、じぇ!
くまさんの話をやってるうちに、とんでも訴訟なんてものがやっぱりあったんですね。
急いで、文芸社のタヌキやキツネについて、あちこち聞いてみます。
くまさんの話をやってるうちに、とんでも訴訟なんてものがやっぱりあったんですね。
急いで、文芸社のタヌキやキツネについて、あちこち聞いてみます。
Posted by クンちゃん at 2013年07月03日 10:18
クンちゃんのブログ見ました。訴えたのは文芸社そのものではなく田熊管理部長だったのですね。「追記」で書いておきました。いやはや、何という会社なのか・・・。
Posted by 松田まゆみ
at 2013年07月03日 12:41

お久し振りです、松田まゆみさん。(^^)
フリーズ→シャットダウンをくり返し、訪問できずにいましたが
先日何気にダメもとでクリック。おおっ!落ちない!!(^^)
お元気でお過ごしのご様子。これから時々お邪魔しようと思って
います。記録的な暑さが続いた7月も終わり、秋風が顔を出して
きそうな8月に入りましたね。私は相変わらず脱走逃避行を楽し
んでいます。今年はどこまで行けるのやら...です。(^^;)
フリーズ→シャットダウンをくり返し、訪問できずにいましたが
先日何気にダメもとでクリック。おおっ!落ちない!!(^^)
お元気でお過ごしのご様子。これから時々お邪魔しようと思って
います。記録的な暑さが続いた7月も終わり、秋風が顔を出して
きそうな8月に入りましたね。私は相変わらず脱走逃避行を楽し
んでいます。今年はどこまで行けるのやら...です。(^^;)
Posted by 北の旅烏 at 2013年08月01日 06:52
旅烏さんこんにちは
フリーズ→シャットダウンにならなくなったのですか?! パソコンの機嫌が直ったのでしょうか?
北海道は「お盆が過ぎれば秋」なんて言われますが、なんだかお盆前から秋の気配ですね。先日東京に行ってきたのですが、家を出るときの気温は17度。東京は30~32度で、帯広空港に降り立ったらまた18度。北海道はやはり避暑地ですね。
フリーズ→シャットダウンにならなくなったのですか?! パソコンの機嫌が直ったのでしょうか?
北海道は「お盆が過ぎれば秋」なんて言われますが、なんだかお盆前から秋の気配ですね。先日東京に行ってきたのですが、家を出るときの気温は17度。東京は30~32度で、帯広空港に降り立ったらまた18度。北海道はやはり避暑地ですね。
Posted by 松田まゆみ
at 2013年08月01日 15:19

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