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鬼蜘蛛の網の片隅から › クモ › 生息地破壊が懸念されるキシノウエトタテグモ

2013年11月12日

生息地破壊が懸念されるキシノウエトタテグモ

 数日ほど東京に行っていたのだが、その間に散歩がてらに実家近くのキシノウエトタテグモの生息地を覗いてきた。

 キシノウエトタテグモは森林の雨の当たりにくい斜面や崖地などに穴を掘って生活している原始的なクモの一種だ。巣穴といっても、穴にはちゃんと扉がついているために、注意深く探さないとどこに巣穴があるのか分からない。意識して探さない限り、一般の人が気づくことはほとんどないだろう。

 下の写真の中央に巣がある。

キシノウエトタテグモの巣穴



 こちらは巣穴を開いたところ(上の巣穴とは別の巣)。

扉を開いた巣穴



 このクモが生息している崖地には、よく見ると扉の取れた古巣がある。だから、古巣の存在でもキシノウエトタテグモが生息しているかどうかの見当はつく。

 今回はあまり大きな巣穴は見つからなかったが、小さめのものはいくつかあり、まだ健在であることが確認できた。

 今の季節は見られないが、7月頃に行くと「クモタケ」というクモに寄生するキノコが巣穴から生えていることもある。このクモタケの存在もキシノウエトタテグモが生息していることの目印になる。

 キシノウエトタテグモは環境省のレッドリストで準絶滅危惧に指定されている。

 キシノウエトタテグモは人家周辺などにも生息しており決して珍しいクモではないのだが、このクモがよく見られる崖地は工事などで簡単に壊されてしまいかねない場所も少なくない。しかもこんなところに希少なクモが生息していると気づく人はまずいない。そんなわけで生息地の破壊が懸念されるクモの一つだ。

 キシノウエトタテグモやそれに寄生するクモタケの写真はこちらをどうぞ。

キシノウエトタテグモ(クモ画像集)





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Posted by 松田まゆみ at 22:05│Comments(2)クモ
この記事へのコメント
おはようございます、松田さま。(^^)
崖に巣があるクモ。素人ではまったく解らない住居穴。
扉を開けるとチューブかトンネルのようなツルツルの
空間が。珍しい...となんども見ています。(^^;)
すっかり雪化粧した北国。除雪する程ではありません
でしたが、札幌でも昨日積雪がありました。いよいよ
白い世界に包まれる半年間が始まりましたね・・・。
Posted by 北の旅烏北の旅烏 at 2013年11月13日 07:33
旅烏さん、おはようございます。
ほんとうに、うまくカモフラージュされていて、知らなかったらまず気付かないと思いますよ。北海道には近縁のエゾトタテグモというクモがいるのですが、やはりこれも巣穴を探すのは大変です。

東京を発つときは気温が15度くらいだったのですが、帯広空港に着いたら2度。空気の冷たさが違います。ところで人々の服装は東京と帯広ではあまり変わりません。本州は家の中が寒いので、そうなるのだろうと思います。

札幌も雪が積もったのですか。家に着いたらうっすらと雪が積もっていました。いよいよ冬ですね。
Posted by 松田まゆみ松田まゆみ at 2013年11月13日 10:22
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