さぽろぐ

日記・一般  |その他北海道

ログインヘルプ


鬼蜘蛛の網の片隅から › 野鳥 › イチイの実と野鳥

2007年11月17日

イチイの実と野鳥

 イチイ(オンコ)は高さが10メートルから15メートルほどになる常緑樹で、9月から10月に枝先に点々と宝石のような赤い実をつけます。

 我が家の庭のイチイも10月ごろまでは赤い実をつけていましたが、早々と小鳥の餌となってしまいました。

 赤い実をつける樹は、野鳥や獣に種子を遠くに運んでもらうために、種子のまわりにおいしい果肉をつけるのです。赤い色は鳥や獣に見つけてもらうための目印です。ところが、イチイの実を食べにくる野鳥を見ていると、不思議なことに、種子の運搬にほとんど役立っていないようです。

 太くがっちりした嘴のシメはイチイの実が大好きなのですが、赤い果肉の中から種子だけを取り出し、砕いて食べてしまいます。おいしそうな果肉はもったいないことに捨ててしまいます。

 コガラやハシブトガラ、ヒガラなどのカラ類も、果肉はほとんど食べずに種子だけを取り出すと、どこかに運んで貯食したり、鋭い嘴でつついて食べたりているようです。種子を割って食べてしまうのでは、イチイにとっては迷惑でしかありませんね。

 スズメも食べにきますが、こちらは赤い果肉だけを食べて種子を捨ててしまいます。これでは種子が遠くに運ばれません。

 我が家のイチイの種はどうやらほとんど遠くに運ばれることがないようです。何のためにわざわざ赤い実をつけて小鳥を招いているのかわかりませんね。でも、実を丸呑みするヒヨドリやツグミが食べてくれたら、たぶん種子を遠くに運んでくれるでしょう。

 ところで、図鑑を見ると、イチイの種子は有毒と書かれていました。人間には有毒な種子も、シメやカラ類にはとっては毒ではないようです。


あなたにおススメの記事

同じカテゴリー(野鳥)の記事画像
ホオジロ
ノビタキ
クマゲラ
オオアカゲラ
春のガンの渡り
クマタカが庭に
同じカテゴリー(野鳥)の記事
 ホオジロ (2023-06-20 15:50)
 ノビタキ (2023-04-24 14:14)
 クマゲラ (2023-04-19 16:12)
 オオアカゲラ (2023-04-12 16:31)
 春のガンの渡り (2021-03-21 22:54)
 クマタカが庭に (2021-01-31 21:29)

Posted by 松田まゆみ at 16:25│Comments(2)野鳥
この記事へのコメント
植食性が強いヒヨドリや、冬に果実を食べるレンジャク類とツグミ類は、サイズ的に種子を飲み込んでよそに運んでくれそうです。
テンやサルも種子ごとイチイの実を食べると思います。クマも食べますが、赤い色はクマへの広告ではないような気がします。
Posted by キノコハンター at 2009年08月05日 03:01
キノコハンター様

ヒヨドリやレンジャク類、ツグミ類なら種子がうまく運ばれるのでしょうね。ただし、レンジャクや冬鳥のツグミ類が来るころには、イチイの実はおおかた他の鳥に食べられてしまっています。そこで、レンジャクやツグミは、冬でも実の残っているナナカマドなどをよく食べているようです。

確かに、哺乳類でも、赤色がちゃんと見えているかどうかは種によって違うのでしょうね。クマは見た目で識別しているのかもしれません。
Posted by 松田まゆみ at 2009年08月05日 10:44
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
イチイの実と野鳥
    コメント(2)