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2013年10月10日
あらためて実感する嘘つき東電
福島第一原発の事故原因についてはすっかり話題にならなくなってしまったが、最近になって以下の動画があることを知った。フランス・ドイツ共同の国営放送局が制作したものとのこと。
4号機が爆発した本当の原因と東電がそれを隠す理由
この動画では1~3号機の爆発にも触れているが、とくに4号機の爆発に焦点を当てている。東電は、4号機では3号機と繋がっている配管から水素が4号機に流れ込んで爆発したと説明している。しかし、4号機の爆発の原因については多くの人が疑問を呈していた。
アー二―・ガンダーセン氏が4号機では一時的に燃料棒がプールから露出したと指摘していることは以前もブログでも取り上げたが、この動画ではガンダーセン氏がそれについて写真を示して明言している。
以下は上記の動画でのガンダーセン氏の説明である。
プールの水が減って燃料棒が露出したという大変な事態になり、これが建屋をボロボロにするほどの大爆発をもたらしたと考えるのが妥当ではなかろうか。
ところが東電は4月4日の時点では爆発を認めず、4号機の爆発は15日に、単に「壁の損傷」が確認されていると報告しただけで済ませた。とんでもない隠蔽である。しかし、米国の原子力安全委員会は3月17日の時点で燃料棒が露出していたので水蒸気爆発が起きたと考えざるを得ないとして、最大の警告を発していたという。
爆発後、福一では4号機の作業員は50人を残して全員避難させたそうだ。決死隊が組まれたのだ。それだけ現場は線量が高く危険だったのだろう。
4号機の建屋の破壊は凄まじいもので、小出裕章さんはプールの下の階まで破壊されていると言っていた。そのために、プールの耐震補強のための柱が均一に入れられていないそうだ。それほどの破壊をもたらす大爆発を起こしているのに、東電の不可解な説明は未だにそのままにされている。
この動画を見てあらためて感じたのは、東電や政府の爆発当初のあまりに無責任な説明だ。東京電力の説明は以下。
本当だろうか? ならば、なぜ作業員を避難させ決死隊を組まねばならないほどの高線量になったのだろう? なぜ米国は自国民を100キロ圏より遠くに避難させたのだろう? 東電は今でも重要なことを隠しているとしか思えない。
また、原子力安全保安院(当時)の西山氏は、3号機の爆発のあと記者会見で以下のように述べている。
以下は枝野氏の発言。
今なら、1~3号機の爆発によって大量の放射性物質が大気中に放出されたことは誰でも知っている。格納容器は健全ではなかった。東電こそ、爆発当時にそのことを一番よく知っていたはずだ。しかし、国民に嘘をついて隠蔽した。こうして数度にわたる放射能の大量放出は国民に速やかに知らされることはなかった。爆発の事実を知って、被ばくの恐ろしさを知っている人の中にはいち早く避難した人もいる。しかし、多くの人たちは東電や政府の嘘によって、無用な被ばくをしてしまったのだ。
あの時、東電と政府が「爆発によって放射性物質が放出された」と警告していれば、避難するなり、気密性の高い屋内に留まるなどして被ばくを少なくできた人たちが大勢いただろう。汚染地域から避難したとしても、初期被ばくだけはどうにもならない。初期被ばくを余儀なくさせた東電の責任は限りなく重い。
東電の虚言や隠蔽体質は今も続いている。この爆発時の嘘を私たちは決して忘れてはならないと思う。嘘つき東電こそ解体しなければならないだろう。
4号機が爆発した本当の原因と東電がそれを隠す理由
この動画では1~3号機の爆発にも触れているが、とくに4号機の爆発に焦点を当てている。東電は、4号機では3号機と繋がっている配管から水素が4号機に流れ込んで爆発したと説明している。しかし、4号機の爆発の原因については多くの人が疑問を呈していた。
アー二―・ガンダーセン氏が4号機では一時的に燃料棒がプールから露出したと指摘していることは以前もブログでも取り上げたが、この動画ではガンダーセン氏がそれについて写真を示して明言している。
以下は上記の動画でのガンダーセン氏の説明である。
津波に襲われて、4号機では燃料プールの水はかなりこぼれてしまいました。それに加え、電源がなかったので冷却ができませんでした。ここに入れられたまだ原子炉から取り出されたばかりの核燃料はすごく高熱で、水はすぐに蒸発してしまったはずです。
(中略)
水はどんどん下がっていき、とうとう燃料棒の先端が露出してしまいました。画像で見れるとおりです。それが原因となって、1~3号機ですでに起きたと同じ反応が起こってしまいました。つまり、水素がどんどん発生して4号機の建屋が吹っ飛ぶだけの量に達してしまったのです。原子炉自体は稼働していなかったにも関わらず、です。
プールの水が減って燃料棒が露出したという大変な事態になり、これが建屋をボロボロにするほどの大爆発をもたらしたと考えるのが妥当ではなかろうか。
ところが東電は4月4日の時点では爆発を認めず、4号機の爆発は15日に、単に「壁の損傷」が確認されていると報告しただけで済ませた。とんでもない隠蔽である。しかし、米国の原子力安全委員会は3月17日の時点で燃料棒が露出していたので水蒸気爆発が起きたと考えざるを得ないとして、最大の警告を発していたという。
爆発後、福一では4号機の作業員は50人を残して全員避難させたそうだ。決死隊が組まれたのだ。それだけ現場は線量が高く危険だったのだろう。
4号機の建屋の破壊は凄まじいもので、小出裕章さんはプールの下の階まで破壊されていると言っていた。そのために、プールの耐震補強のための柱が均一に入れられていないそうだ。それほどの破壊をもたらす大爆発を起こしているのに、東電の不可解な説明は未だにそのままにされている。
この動画を見てあらためて感じたのは、東電や政府の爆発当初のあまりに無責任な説明だ。東京電力の説明は以下。
燃料プールにはちゃんと水が入っていて冷却がされていますし、燃料プールが大きく損傷しているということを示す兆候は確認されていません。
本当だろうか? ならば、なぜ作業員を避難させ決死隊を組まねばならないほどの高線量になったのだろう? なぜ米国は自国民を100キロ圏より遠くに避難させたのだろう? 東電は今でも重要なことを隠しているとしか思えない。
また、原子力安全保安院(当時)の西山氏は、3号機の爆発のあと記者会見で以下のように述べている。
本日11時1分に福島第一原発の3号機外壁部で爆発が起こりました。大爆音が聞こえ水蒸気が大量に上昇しました。おそらく水素爆発と考えられます。それでは、東電が伝えてきた内容を、報告します。
計測されたパラメータをもとにしますと、原子炉格納容器の健全性は保たれていると考えております。
以下は枝野氏の発言。
今回の爆発事故の原因は、先日の1号機の爆発と同じだと考えられます。格納容器は健全です。そして、我々も、専門家も含めてこれにより大量の放射能が外に漏れることはないと認識しております。
今なら、1~3号機の爆発によって大量の放射性物質が大気中に放出されたことは誰でも知っている。格納容器は健全ではなかった。東電こそ、爆発当時にそのことを一番よく知っていたはずだ。しかし、国民に嘘をついて隠蔽した。こうして数度にわたる放射能の大量放出は国民に速やかに知らされることはなかった。爆発の事実を知って、被ばくの恐ろしさを知っている人の中にはいち早く避難した人もいる。しかし、多くの人たちは東電や政府の嘘によって、無用な被ばくをしてしまったのだ。
あの時、東電と政府が「爆発によって放射性物質が放出された」と警告していれば、避難するなり、気密性の高い屋内に留まるなどして被ばくを少なくできた人たちが大勢いただろう。汚染地域から避難したとしても、初期被ばくだけはどうにもならない。初期被ばくを余儀なくさせた東電の責任は限りなく重い。
東電の虚言や隠蔽体質は今も続いている。この爆発時の嘘を私たちは決して忘れてはならないと思う。嘘つき東電こそ解体しなければならないだろう。
Posted by 松田まゆみ at 16:54│Comments(2)
│原子力発電
この記事へのコメント
東電のテレビ会議の録画に、3号機でどんな爆発が起きたかについて、
発表用に話を捏造したやりとりが、記録されています( 問題箇所 15:00~ )。
http://ytj.soyade.com/favorite.html?ytuid=ichan128&p=10
http://tepco.webcdn.stream.ne.jp/www11/tepco/download/tv125.zip
(東電HP http://photo.tepco.co.jp/date/2012/201210-j/121005-01j.html の中の 本37-6 )
解説 http://news.digi2.jp/
発表された「起きたのは水素爆発だけです」が作り話だと示す証拠が、そこにあります。
これは、
発表された
「使用済燃料棒は全部プールに残っています。
使用済燃料棒は爆発していません。プルトニウムは飛散していません。」
も作り話という意味になります。
発表用に作った創作がハズレてたときの犠牲の規模(将来の肺癌者数)を考えたら
その創作が的中してるかの確認が緊急課題で、
今すぐ燃料棒のある筈の所の瓦礫を剥がして行って
燃料棒が本当に566体全部そこに留まってるのか見せるべきです。
■関連
http://9123.teacup.com/uekusajiken/bbs/11786
http://9001.teacup.com/kosakaeiji/bbs/2131
発表用に話を捏造したやりとりが、記録されています( 問題箇所 15:00~ )。
http://ytj.soyade.com/favorite.html?ytuid=ichan128&p=10
http://tepco.webcdn.stream.ne.jp/www11/tepco/download/tv125.zip
(東電HP http://photo.tepco.co.jp/date/2012/201210-j/121005-01j.html の中の 本37-6 )
解説 http://news.digi2.jp/
発表された「起きたのは水素爆発だけです」が作り話だと示す証拠が、そこにあります。
これは、
発表された
「使用済燃料棒は全部プールに残っています。
使用済燃料棒は爆発していません。プルトニウムは飛散していません。」
も作り話という意味になります。
発表用に作った創作がハズレてたときの犠牲の規模(将来の肺癌者数)を考えたら
その創作が的中してるかの確認が緊急課題で、
今すぐ燃料棒のある筈の所の瓦礫を剥がして行って
燃料棒が本当に566体全部そこに留まってるのか見せるべきです。
■関連
http://9123.teacup.com/uekusajiken/bbs/11786
http://9001.teacup.com/kosakaeiji/bbs/2131
Posted by point_out_radiation_leak at 2013年10月11日 02:23
テレビ会議の録画では「官邸(保安院)が水素爆発と言っているからそれに合わせた方がいい」といった会話がありますね。吉田所長の声が聞こえますが、吉田所長は「水素爆発」には納得していない様子が感じ取れます。彼はたしか水蒸気爆発ということも口走ったと記憶しています。
3号機に関しては水蒸気爆発説+水素爆発説を提唱しており、説得力があります。
http://ameblo.jp/farpost/entry-11083525743.html
ガンダーセン氏の水素爆発+燃料プールでの即発臨界による爆発説もありますが、私は原子炉で水蒸気爆発があったのではないかと強く疑っています。どちらにしても核燃料が吹き出したことになります。何が本当なのかは分かりませんが、水素爆発だけにしてしまったのは明らかに隠蔽があります。
1号機は地震そのもので配管破断が起きたのでしょうし、3号機も単なる水蒸気爆発ではなく核燃料が飛び散るような大爆発があり、4号機も3号機から流れてきた水素による爆発ではない、ということでしょう。としたなら、東電の説明は嘘だらけです。
3号機に関しては水蒸気爆発説+水素爆発説を提唱しており、説得力があります。
http://ameblo.jp/farpost/entry-11083525743.html
ガンダーセン氏の水素爆発+燃料プールでの即発臨界による爆発説もありますが、私は原子炉で水蒸気爆発があったのではないかと強く疑っています。どちらにしても核燃料が吹き出したことになります。何が本当なのかは分かりませんが、水素爆発だけにしてしまったのは明らかに隠蔽があります。
1号機は地震そのもので配管破断が起きたのでしょうし、3号機も単なる水蒸気爆発ではなく核燃料が飛び散るような大爆発があり、4号機も3号機から流れてきた水素による爆発ではない、ということでしょう。としたなら、東電の説明は嘘だらけです。
Posted by 松田まゆみ
at 2013年10月11日 10:39

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