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2014年10月22日

巨大噴火の国に生きる日本人

 先の御嶽山の噴火で、火山の噴火の恐ろしさを実感した人も多いと思うが、御嶽山の噴火は規模の大きなものではない。火山が連なる日本列島では大噴火、巨大噴火が何度も発生している。

 北海道でも過去にはもちろん大きな噴火が何度もあった。大雪山国立公園の層雲峡に行ったことがある人は多いと思うが、石狩川の峡谷にそそり立つ柱状節理は大雪山の噴火で流れ出た火砕流が冷えて固まったものだ。あの景観を見ただけで、ものすごく大量の火山噴出物が堆積したことが分かる。

 新得町屈足の十勝川の河岸には火山灰の堆積した崖がある。これは十勝北部の三股盆地(カルデラ)から噴出したものだ。この噴火でも大量の噴出物が十勝地方を覆った。

 屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖で、支笏湖は2番目に大きなカルデラ湖だ。洞爺湖もカルデラ湖。数万年前とは言え、これらの火山が大噴火を起こした時はどんな状態になったのだろう。樽前山の噴火では十勝地方にも火山灰が堆積している。大気はしばしば噴煙で覆われ、太陽はさえぎられてうす暗くなり、一面灰色の世界に変わるのだろう。考えただけでもぞっとする。

 しかし、もっと規模の大きい巨大噴火は九州の火山だ。たとえば阿蘇山は世界でも有数の大型カルデラを持つし、姶良カルデラも巨大カルデラだ。九州のカルデラが巨大噴火を起こした場合、その火山灰はなんと日本中におよび、北海道を除く地域では10センチ以上の火山灰が降り積もると言われている。以下参照。

御嶽山に続く巨大噴火はロシアンルーレットの可能性!?プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.64  (東京BREAKING NEWS)

 南九州で巨大噴火が起きた場合、「火砕流で全て焼き尽くされる領域には1000万人以上の人口がある」という。仮に大噴火の前兆が捉えられたとしても、数千万人の住民をすみやかに避難させるというのはとても困難なことだろう。もちろん川内原発の管理などはできなくなる。

 神戸大学大学院の研究グループによると、日本で今後100年以内に火砕流が100キロ余り先まで達するような巨大噴火が起きる確率はおよそ1%だそうだ。

巨大噴火”今後100年間で確率約1%” (NHKニュース)

 九州中部で巨大噴火が起きたと仮定すると、火山灰は西日本で50センチ東日本で20センチ、北海道でも場所によって5センチ以上積もると予測されている。日本中に火山灰が降るのだから、九州ではなくても人々の生活は大変なことになる。火山灰によって交通は麻痺し、ライフラインにも支障がでるだろう。農耕地は壊滅的な被害を受けて日本中が飢饉に襲われるに違いない。

 火山灰で太陽光も遮られて寒冷化するだろうから、降灰の少ない北海道でも作物は凶作になる可能性がある。太陽光発電もできなくなる。各地で暴動や略奪が起き、サバイバルゲームのようになるだろう。こうなると国家存亡の危機になるに違いない。さらに原発のコントロールができなくなれば、日本が完全に終わるだけではなく、世界中に放射能をばら撒くことになる。

 そうした大噴火、巨大噴火はごくたまにしか起きないので、今のように人口が増え近代都市が広がってから巨大噴火による被害を受けていないにすぎない。火山噴火に関し平穏な時代に生きている私たちは巨大噴火のことなどすっかり忘れていたに等しい。しかし川内原発の再稼働の審査をめぐって、巨大噴火の危険性が火山の専門家からも指摘されているし、また御嶽山の突然の噴火によって火山噴火に対する危機意識がにわかに高まってきた。

 今は平穏であってもいつかは必ず大噴火、巨大噴火が起きることは間違いない。そして、それがいつなのかは誰にも分からないのだ。「備えあれば憂いなし」と言うが、巨大噴火に関しては多少の備えなど焼け石に水だろう。ということは、私たちは心の片隅で巨大噴火を自覚しつつ、自分の生きている時代にそれが起きないことを願うしかないのだろうか。死傷者を最小限にするために噴火予知の体制づくりをし、いざとなったら命に関わる場所に住んでいる人たちは避難する以外何もできそうにない。

 もっとも、いつ起きるか分からないことに怯えていてもストレスになるだけだから、運を天にまかせ、せめて火山の造り出す美しい景色を楽しみたいとも思う。

 ただし、巨大噴火が起きる前に日本中の原発を廃炉にしておく責任が我々の世代にある。否、巨大噴火だけではなく巨大地震や巨大津波がいつ襲うかも分からないのだから、一刻も早く原発を止めて使用済み核燃料の安全な保管を真剣に考えるべきだ。

写真は3万年前に噴火したとされる大雪山のお鉢平カルデラ。







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