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2013年11月18日

隠される健康被害

 11月12日に福島県県民健康管理調査の検討委員会が開かれて、子どもの甲状腺がん調査の最新の結果が公表された。この日、私のツイッターのタイムラインにはこれに関する情報が次々と流れてきた。

 ところが私の購読している北海道新聞では、翌13日の朝刊、夕刊、そして14日の朝刊にもこれに関する記事が見当たらなかった。NHKラジオのニュースでも報じていた記憶はない。前回の公表のときは北海道新聞にも小さな記事が載っていたのだが、今回はなぜ載らなかったのだろうかと不可解だった。

 もちろん取り上げた新聞もあるようだが、概して詳しく報じられたように思えない。おそらくテレビではほとんど報じられなかったのだろう。この発表について詳しく取り上げているのはネットメディアばかりだ。

福島県検査で甲状腺がん58人~最年少は8歳(OurPlanet-YV)

福島県:小児甲状腺がん、検査結果の「59人」が意味すること(JANJAN Blog)

福島県の小児甲状腺がんは10万人に42人の割合!(明日に向けて)

事故後2年半で、すでにチェルノブイリ以上の発ガン率という調査結果をどう見るべきか?(BLOGOS)

 ネットユーザーが増えたといっても、ニュースやこのような情報をこまめにチェックしている人が多いとは思えない。ツイッターをやっていても、原発関連情報を意識的に集めている人でなければ甲状腺がんの調査結果も知らないままだろう。

 昨今は新聞を購読していない人も多い。若者の新聞離れはかなり進んでいるようだが、高齢者などでもニュースはテレビに頼っている人が少なくないだろう。とすると、多くの人たちはこのニュースを知らないままということになる。

 今回の発表によると、甲状腺がんやその疑いのある子どもは59人とのことだ。検査結果が公表されるたびに数が増えている。検査体制ができていなかったチェルノブイリの場合と福島を単純に比べることはできないが、現在の数値から推測してチェルノブイリ以上になるのではないかという声が多い。いくら検討委員会のメンバーが「被ばくと関係がない」と言っても、この数字を見たら誰もそんなことは信じないだろう。恐れていたことだが、原発事故による被ばくの影響がいよいよ深刻さを増してきた。

 そして甲状腺がんの増加と反比例するかのように、マスコミによる検査結果の報道が小さくなっているように思えてならない。つまり、マスコミは増え続ける甲状腺がんについて意図的に隠そうとしているのではなかろうか。この検査結果の公表に合わせるように小泉元首相が脱原発の記者会見をぶつけたのは偶然だったのだろうか。

 気になるのは、現在こうやって公表されているのは子どもの甲状腺がんの検査データだけということだ。被ばくによる疾病は甲状腺がんだけではない。白血病、心臓病、循環器系の病気、白内障・・・さまざまな病気が増え、免疫力も低下するといわれている。もちろん子どもだけではなく大人も同じだ。子どもの甲状腺がんの検査だけを公表することで、それ以外の病気や大人の健康被害についてはなるべく表に出ないようにしているかのようにも思える。

 被ばくが疑われる健康被害の実態をどう隠すのか・・・それが原子力業界と日本政府が頭を悩ませていることに違いない。なんとおぞましいことか。


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