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鬼蜘蛛の網の片隅から › 樹木 › ウコンウツギの赤い斑

2007年07月27日

ウコンウツギの赤い斑

ウコンウツギの赤い斑
 先日登った羅臼岳では、ちょうどウコンウツギが満開でした。ウコンウツギは亜高山から高山にかけて生育するスイカズラ科の落葉低木です。

 7月前後に黄色い漏斗状の花を咲かせますが、よく見ると、下側の花弁に橙色や赤の斑点があるものがあります。ウコンウツギの花は、咲き始めの頃は全体が黄色なのですが、次第に花弁の一部が赤く色づいてくるのです。

 これは、花を訪れる虫へのサインと考えられています。受粉し、蜜を出さなくなった花は赤く色づくことで、蜜を吸いにきた虫に、もう蜜を出していないことを知らせているというわけです。これで虫も効率よく蜜にありつくことができますし、花のほうも効率よく受粉してもらえます。

 植物たちは、花の形を工夫するだけではなく、色も利用して虫との関係を築いているのですね。それにしても、受粉すると花弁が赤く色づくというしくみは、どうやって進化しきてきたのでしょうか・・・


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Posted by 松田まゆみ at 20:16│Comments(2)樹木
この記事へのコメント
松田様

 もし、遺伝子構造の複雑さをもって生物の高等、下等を判ずるとしたら、もっとも高等なのは百合の仲間ということになるそうです。
 人間も含めて動物のDNAは植物に比べていたってシンプルなのだとか。
 虫と植物は、ずっと昔から絆を形成してきました。
 後から割り込んだのは獣や人間ですものね。
 花も虫も、先輩として敬愛してゆきたいものです。

冬野
Posted by 冬野由記 at 2007年07月29日 00:19
冬野 様

 考えてみれば、植物と虫の関係は非常に古い歴史があるのですよね。でも、百合の仲間がもっとも遺伝子構造が複雑であるとは知りませんでした。なんだか不思議な気がします。

 それにしても、今の生物相ができあがるまでに、いったいどれくらいの生物が絶滅してきているのでしょうか。恐らく気の遠くなるほどの種の絶滅があって、今の生物たちが生きているのでしょうね。
Posted by 松田まゆみ at 2007年07月29日 05:31
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