鬼蜘蛛の網の片隅から › 2013年04月
2013年04月29日
木村政昭氏が警告する富士山の噴火
先日「木村政昭氏の予測する伊豆・小笠原海溝の巨大地震(追記あり)」という記事を書いたが、木村氏は巨大地震だけではなく火山噴火の予測もしている。そこで、「富士山大噴火! 不気味な5つの兆候」(宝島社)から、富士山噴火について紹介しておきたい。
木村氏は、東北地方太平洋沖地震のあと、本州で少なくとも3つの火山の噴火を予測している。ひとつは富士山で、「噴火の目」理論を使って予測すると2011年±4年。2015年までには噴火するとみている。ほかに浅間山の2012年±4年と御嶽山の2013年±4年である。
いずれもすでに予測された噴火期間に入っているのだが、広大な範囲に被害が及ぶと考えられるのはやはり富士山だろう。そして、富士山噴火の兆候はすでに現れているという。
木村氏が挙げる「富士山噴火の5つの兆候」とは以下である。
1.伊豆諸島の噴火と静岡沖地震
富士山と同じ、フィリピン海プレートにある伊豆諸島の火山活動が活発化してきており、2009年8月には駿河湾でM6.5の静岡沖地震が発生した。また、東北地方太平洋沖地震によって房総沖に強い圧力がかかっており、富士山の噴火に影響を与えていると考えられる。
2.2000年からの低周波地震の活発化
噴火が近くなると、富士山付近の低周波地震が活発になるが、2000年から地震活動が活発化している。低周波地震の震源の近くにはマグマがあると考えられ、マグマだまりが上昇してきていると考えられる。
3.富士山東北東斜面からの噴気
2003年9月に東北東斜面に陥没と噴気孔が確認された。地下のマグマ活動が活発化して地下水を温めているのが原因と思われる。
4.河口湖での発泡現象
1987年および2006年に河口湖で発泡現象が見られた。富士山地下のマグマだまりが圧力を受けて縮まり、マグマが上昇して湖底に亀裂ができ、水中にガス成分が噴き出してきたと考えられる。また、河口湖では水位低下が見られ、湖底の亀裂から水が漏れていると考えられる。
5.静岡県東部地震
東北地方太平洋沖地震直後から、富士山付近で通常の地震活動が活発化している。
ほかにも、青木ヶ原の樹海にある風穴内の氷筍(氷の柱)が縮小しており、地熱が上がっていると考えられるそうだ。
そういえば、河口湖では今年に入ってから著しい水位低下があり、六角堂が陸続きになってしまったというニュースが流れていた。
河口湖で3メートル以上の水位低下 東京直下地震 富士山噴火 前兆現象なのか(ライブドアニュース)
富士山噴火についてはマスコミなどもしばしば取り上げているのだが、噴火した場合は富士山周辺のみならず首都圏にまで影響が及ぶことがもっとも懸念される。具体的には、以下のような被害だ。
・溶岩流による破壊
河口から溶岩が流れ出た場合は溶岩流が通過するところは根こそぎ破壊される。溶岩流は速度が遅いために人的被害は最小限に食い止められると考えられるが、経済的な損失は大きい。
・噴石による被害
高い熱を帯びた噴石の飛散、落下による被害が想定される。噴石による死傷者や建物などの損壊、焼失が考えられる。
・火山灰による被害
噴煙柱が成層圏に達すると偏西風によって流れるため、首都圏にまで火山灰が降り積もる。火山灰は角が尖った細かい粒子のため、吸い込むと健康被害を生じる。また、火山灰によって水道や電気などのライフラインが停止するほか、飛行機や鉄道など交通機関がマヒし、道路も閉鎖される。交通機関のマヒは数週間続くおそれがある。コンピューター、デジカメ、携帯電話などの精密機器が故障する可能性がある。
・火砕流や土石流、山体崩壊などによる被害も考えられる。もちろん農業にも大きな被害がでる。
さまざまな被害が想定されるのだが、溶岩流や噴石による被害などは事前の避難によって回避できるだろう。もっとも深刻なのは火山灰による首都圏の機能のマヒではなかろうか。首都圏での断水や停電は日頃から備えておくしかない。各家庭や職場で飲料水や保存のきく食品を備蓄するだけではなく、マスクやゴーグル、精密機器を保護するポリ袋、携帯ラジオや懐中電灯なども用意しておくべきだろう。また、コンタクトレンズは使えなくなる。
木村氏は、噴火の前には気象庁からの噴火予報が出されるだろうし、ある日突然大噴火が起きるということにはならないだろうとしているが、気象庁の噴火予報が出てから準備をするのでは遅い。マスコミは市民がどのような準備をしておくべきか、火山灰が降ったらどのような対処をしたらよいのかということこそ報道すべきではなかろうか。
富士山は781年から1083年まで302年間活動したあと、1084年から1510年まで426年間休止期に入った。そして1511年に活動を再開して1707年まで196年間活動し、それ以降はまた休止期にはいっており休止期が300年以上続いているという(木村政昭著「『地震の目』で予知する次の大地震」より)。一度噴火すると、200年とか300年もの長期間にわたって活動期に入る火山のようだ。
しかも、富士山の活動期と巨大地震の活動期はほぼ重なっている。地球は今、地震の活動期に入っていると言われているが、そう考えると富士山の噴火はより現実味を帯びてくる。
今のように大都市に人が密集し、高度に発達した通信網に頼った生活をしている時代に地震や噴火の活動期に入るというのは、想像を絶する被害が想定される。私たちは巨大地震と火山噴火の両方に備えていかねばならないようだ。もちろん、原発など廃炉にするしか選択肢はないだろう。
木村氏は、東北地方太平洋沖地震のあと、本州で少なくとも3つの火山の噴火を予測している。ひとつは富士山で、「噴火の目」理論を使って予測すると2011年±4年。2015年までには噴火するとみている。ほかに浅間山の2012年±4年と御嶽山の2013年±4年である。
いずれもすでに予測された噴火期間に入っているのだが、広大な範囲に被害が及ぶと考えられるのはやはり富士山だろう。そして、富士山噴火の兆候はすでに現れているという。
木村氏が挙げる「富士山噴火の5つの兆候」とは以下である。
1.伊豆諸島の噴火と静岡沖地震
富士山と同じ、フィリピン海プレートにある伊豆諸島の火山活動が活発化してきており、2009年8月には駿河湾でM6.5の静岡沖地震が発生した。また、東北地方太平洋沖地震によって房総沖に強い圧力がかかっており、富士山の噴火に影響を与えていると考えられる。
2.2000年からの低周波地震の活発化
噴火が近くなると、富士山付近の低周波地震が活発になるが、2000年から地震活動が活発化している。低周波地震の震源の近くにはマグマがあると考えられ、マグマだまりが上昇してきていると考えられる。
3.富士山東北東斜面からの噴気
2003年9月に東北東斜面に陥没と噴気孔が確認された。地下のマグマ活動が活発化して地下水を温めているのが原因と思われる。
4.河口湖での発泡現象
1987年および2006年に河口湖で発泡現象が見られた。富士山地下のマグマだまりが圧力を受けて縮まり、マグマが上昇して湖底に亀裂ができ、水中にガス成分が噴き出してきたと考えられる。また、河口湖では水位低下が見られ、湖底の亀裂から水が漏れていると考えられる。
5.静岡県東部地震
東北地方太平洋沖地震直後から、富士山付近で通常の地震活動が活発化している。
ほかにも、青木ヶ原の樹海にある風穴内の氷筍(氷の柱)が縮小しており、地熱が上がっていると考えられるそうだ。
そういえば、河口湖では今年に入ってから著しい水位低下があり、六角堂が陸続きになってしまったというニュースが流れていた。
河口湖で3メートル以上の水位低下 東京直下地震 富士山噴火 前兆現象なのか(ライブドアニュース)
富士山噴火についてはマスコミなどもしばしば取り上げているのだが、噴火した場合は富士山周辺のみならず首都圏にまで影響が及ぶことがもっとも懸念される。具体的には、以下のような被害だ。
・溶岩流による破壊
河口から溶岩が流れ出た場合は溶岩流が通過するところは根こそぎ破壊される。溶岩流は速度が遅いために人的被害は最小限に食い止められると考えられるが、経済的な損失は大きい。
・噴石による被害
高い熱を帯びた噴石の飛散、落下による被害が想定される。噴石による死傷者や建物などの損壊、焼失が考えられる。
・火山灰による被害
噴煙柱が成層圏に達すると偏西風によって流れるため、首都圏にまで火山灰が降り積もる。火山灰は角が尖った細かい粒子のため、吸い込むと健康被害を生じる。また、火山灰によって水道や電気などのライフラインが停止するほか、飛行機や鉄道など交通機関がマヒし、道路も閉鎖される。交通機関のマヒは数週間続くおそれがある。コンピューター、デジカメ、携帯電話などの精密機器が故障する可能性がある。
・火砕流や土石流、山体崩壊などによる被害も考えられる。もちろん農業にも大きな被害がでる。
さまざまな被害が想定されるのだが、溶岩流や噴石による被害などは事前の避難によって回避できるだろう。もっとも深刻なのは火山灰による首都圏の機能のマヒではなかろうか。首都圏での断水や停電は日頃から備えておくしかない。各家庭や職場で飲料水や保存のきく食品を備蓄するだけではなく、マスクやゴーグル、精密機器を保護するポリ袋、携帯ラジオや懐中電灯なども用意しておくべきだろう。また、コンタクトレンズは使えなくなる。
木村氏は、噴火の前には気象庁からの噴火予報が出されるだろうし、ある日突然大噴火が起きるということにはならないだろうとしているが、気象庁の噴火予報が出てから準備をするのでは遅い。マスコミは市民がどのような準備をしておくべきか、火山灰が降ったらどのような対処をしたらよいのかということこそ報道すべきではなかろうか。
富士山は781年から1083年まで302年間活動したあと、1084年から1510年まで426年間休止期に入った。そして1511年に活動を再開して1707年まで196年間活動し、それ以降はまた休止期にはいっており休止期が300年以上続いているという(木村政昭著「『地震の目』で予知する次の大地震」より)。一度噴火すると、200年とか300年もの長期間にわたって活動期に入る火山のようだ。
しかも、富士山の活動期と巨大地震の活動期はほぼ重なっている。地球は今、地震の活動期に入っていると言われているが、そう考えると富士山の噴火はより現実味を帯びてくる。
今のように大都市に人が密集し、高度に発達した通信網に頼った生活をしている時代に地震や噴火の活動期に入るというのは、想像を絶する被害が想定される。私たちは巨大地震と火山噴火の両方に備えていかねばならないようだ。もちろん、原発など廃炉にするしか選択肢はないだろう。
2013年04月26日
レイバーネットTVで報じられた文芸社のパワハラ
昨日はレイバーネットTVに文芸社社員の小川秀朗さんが登場し、文芸社での退職勧奨、パワハラが本人の口から詳細に語られた。先日のフジテレビなどとは比較にならない衝撃的な告発だ。
小川さんのパワハラの経緯については「クンちゃん」のブログで以前から報告があったので、だいたいのことは分かっていた。以下がその関連記事。小川氏ははじめのうちは実名ではなく「西瓜谷南瓜」というハンドルネームで登場している。
カテゴリー:日本文学館=文芸社の労働問題
しかし、やはり本人の口から実態を聞くというのは一番迫力がある。番組では彼がパワハラを受けるようになった経緯について順を追って話をされたわけではないが、ここでは分かりやすいようになるべく順を追って彼の話しの概要を報告しておきたい。
小川氏は自費出版を行っている文芸社の営業職の社員で、営業成績も良いという自負もあった。しかし、退職勧奨に従わなかったところ、関連会社である日本文学館(同じ自費出版の会社)へ出向で行かされ、「追い出し部屋」での単純作業をさせられている。
ことの始めは、2012年2月10日に部長から呼び出され「来月からあなたの活躍する場がなくなる」と言われたこと。「移動ですか?」と聞いても違うという。それで「辞めろということなのか・・・」と察したそうだ。会社側は「社長が特別に計らいをし、派遣の会社を紹介する」と言い、その会社の書類まで用意していた。ただし、それを受け取ってしまうと認めることになると思い、書類は受け取らなかった。
退職勧奨であるが、理由が分からない。会社も理由について答えようとしない。しかし、小川氏は生活もあるので会社の要求を拒否した。通告を受けた2月10日は夜から食べ物が喉を通らなくなり、一日で体重が4.5kgも減り、一週間で7.5kgも減ってしまった。この頃は精神的に非常に追い込まれた。
いろいろな人に相談し、「ユニオン」に行ってみたらと言われた。会社相手に個人で闘っても負けるが、組合(集団)対会社にすることが必要。労組に入って文芸社支部を立ち上げ、ホームページもつくった。文芸社ではこれまで労組がなく、団体交渉などは会社にとってもはじめての体験だった。労組に入ることで、退職勧奨されても嫌だという権利があるということが分かった。これまで団体交渉を7回やっている。また会社前でビラまきもした。
2012年7月に第二子が生まれたが、その日に移動の辞令があった。このタイミングは嫌がらせとしか思えない。8月6日に管理部に異動になった。「原稿管理課」という新設部署で、自分一人だけだった。そこで、廃棄予定の原稿(1カ月数百本)のデータ化の仕事をさせられた。
入力の仕事をしていると、二人の部長から後ろでストップウォッチ片手に監視された。背面監視である。
しかし、一日中原稿入力作業をしていたら指が腫れてしまった。医者に行ったところ関節炎とのことで、診断書を書いてもらった。
会社(日本文学館)に診断書を提出すると地下二階の倉庫に連れていき、原稿(半年保管して廃棄する予定のもの)のリサイクル分別作業に従事させた。地下室は段ボールが積み上げられ、空調もなく、湿度は70%を超えることもある。室温は冬は23度くらい、夏は30度手前までになる。はじめは机もなく、段ボールで机をつくって作業をした。また、廃棄物の入った段ボールを1階まで運び上げるという仕事もしていた。
このような仕事は、それまではリサイクル業者に依頼していた。ある日、リサイクル業者に尋ねると、小川さんがやっているような細かい分別までやる必要がないと言われた。
トイレなどで、社員から「応援している」と言われることもあり、以前にはなかった状況になってきている。自分の働く環境を良くしていきたい。
同じようなパワハラにあっている人たちには、まず相談をしてほしい。また、小川さんは、労働審判の申立を行うとのこと。
以上が小川さんの話し。小川さんはとても骨のあるタフな方に思えたのだが、会社から退職勧奨を受けたときには食べ物が喉を通らずに、体重が激減したという話しには身がつまされた。今はだいぶ元気になられたようだが、応援してくれる人がいるからだろう。
私は文芸社の悪質商法をこれまでずっと批判してきた立場だが、会社が倒産するのが良いとは思っていない。倒産はさまざまな悲劇を生むが、それでメリットがあるのはライバル会社くらいだろう。文芸社や日本文学館は、契約形態、労働問題ともに批判されないような健全なものに変えていってもらいたいと思う。
小川さんのパワハラの経緯については「クンちゃん」のブログで以前から報告があったので、だいたいのことは分かっていた。以下がその関連記事。小川氏ははじめのうちは実名ではなく「西瓜谷南瓜」というハンドルネームで登場している。
カテゴリー:日本文学館=文芸社の労働問題
しかし、やはり本人の口から実態を聞くというのは一番迫力がある。番組では彼がパワハラを受けるようになった経緯について順を追って話をされたわけではないが、ここでは分かりやすいようになるべく順を追って彼の話しの概要を報告しておきたい。
小川氏は自費出版を行っている文芸社の営業職の社員で、営業成績も良いという自負もあった。しかし、退職勧奨に従わなかったところ、関連会社である日本文学館(同じ自費出版の会社)へ出向で行かされ、「追い出し部屋」での単純作業をさせられている。
ことの始めは、2012年2月10日に部長から呼び出され「来月からあなたの活躍する場がなくなる」と言われたこと。「移動ですか?」と聞いても違うという。それで「辞めろということなのか・・・」と察したそうだ。会社側は「社長が特別に計らいをし、派遣の会社を紹介する」と言い、その会社の書類まで用意していた。ただし、それを受け取ってしまうと認めることになると思い、書類は受け取らなかった。
退職勧奨であるが、理由が分からない。会社も理由について答えようとしない。しかし、小川氏は生活もあるので会社の要求を拒否した。通告を受けた2月10日は夜から食べ物が喉を通らなくなり、一日で体重が4.5kgも減り、一週間で7.5kgも減ってしまった。この頃は精神的に非常に追い込まれた。
いろいろな人に相談し、「ユニオン」に行ってみたらと言われた。会社相手に個人で闘っても負けるが、組合(集団)対会社にすることが必要。労組に入って文芸社支部を立ち上げ、ホームページもつくった。文芸社ではこれまで労組がなく、団体交渉などは会社にとってもはじめての体験だった。労組に入ることで、退職勧奨されても嫌だという権利があるということが分かった。これまで団体交渉を7回やっている。また会社前でビラまきもした。
2012年7月に第二子が生まれたが、その日に移動の辞令があった。このタイミングは嫌がらせとしか思えない。8月6日に管理部に異動になった。「原稿管理課」という新設部署で、自分一人だけだった。そこで、廃棄予定の原稿(1カ月数百本)のデータ化の仕事をさせられた。
入力の仕事をしていると、二人の部長から後ろでストップウォッチ片手に監視された。背面監視である。
しかし、一日中原稿入力作業をしていたら指が腫れてしまった。医者に行ったところ関節炎とのことで、診断書を書いてもらった。
会社(日本文学館)に診断書を提出すると地下二階の倉庫に連れていき、原稿(半年保管して廃棄する予定のもの)のリサイクル分別作業に従事させた。地下室は段ボールが積み上げられ、空調もなく、湿度は70%を超えることもある。室温は冬は23度くらい、夏は30度手前までになる。はじめは机もなく、段ボールで机をつくって作業をした。また、廃棄物の入った段ボールを1階まで運び上げるという仕事もしていた。
このような仕事は、それまではリサイクル業者に依頼していた。ある日、リサイクル業者に尋ねると、小川さんがやっているような細かい分別までやる必要がないと言われた。
トイレなどで、社員から「応援している」と言われることもあり、以前にはなかった状況になってきている。自分の働く環境を良くしていきたい。
同じようなパワハラにあっている人たちには、まず相談をしてほしい。また、小川さんは、労働審判の申立を行うとのこと。
以上が小川さんの話し。小川さんはとても骨のあるタフな方に思えたのだが、会社から退職勧奨を受けたときには食べ物が喉を通らずに、体重が激減したという話しには身がつまされた。今はだいぶ元気になられたようだが、応援してくれる人がいるからだろう。
私は文芸社の悪質商法をこれまでずっと批判してきた立場だが、会社が倒産するのが良いとは思っていない。倒産はさまざまな悲劇を生むが、それでメリットがあるのはライバル会社くらいだろう。文芸社や日本文学館は、契約形態、労働問題ともに批判されないような健全なものに変えていってもらいたいと思う。
2013年04月25日
大沼安史さんへの電磁波攻撃は妄想、精神病か?!
木下黄太氏のブログでは、最近コメント欄を閉じ、コメントをメール投稿制にした。ブログ記事の最後にメールで寄せられたコメントを掲載するとのこと。ところで、以下のブログ記事の最後につけられた小田博子さんのコメントに対し私はどうしても意見が言いたくなったため、コメントをメールで投稿した。
アメリカ政府有名機関「赤坂や六本木に子供を連れての不妊は危険」と指摘⇒転籍中止の現実。
小田さんのコメント部分をあえてここで取り上げさせていただきたい。
私が木下さんにメールで投稿したコメントは以下。
しかし、私のコメントは掲載されず、代わりに木下氏から電話をしてほしいとのメールがあった。電話での木下氏の主張はおおよそ次のようなものだった。
・大沼さんのブログは読んでいるが、妄想、精神病だと断言できる。
・大沼さんの最近の文章はおかしくなってきており、精神疾患としか思えない。
・組織的な電磁波攻撃は莫大な費用がかかり、日本でできる組織などない。
・大沼さんが電磁波攻撃を受ける理由がない。
・電磁波攻撃などということを広めるのは一般の人はもちろんのこと、精神病である本人(大沼さん)にもマイナス。
以下は私の主張と質問。
・私は木下さんに意見をするためにコメントしたのではなく、小田さんのコメントが掲載されたのでそれに対して意見を述べただけ。電磁波攻撃だと断言したコメントを書いたわけでもない。木下さんがこの件に関するコメントを掲載したくないのなら、小田さんのコメントも掲載するべきではなかったのでは。
・木下さんの見解は分かったが、私とは意見が違う(これに対しては、「電磁波攻撃などありえない」のであり、電磁波攻撃は間違いだと強く主張され、見解の相違も認めてもらえなかった)。
・電磁波測定器の異常値は何が原因だと思うのか(木下氏は「わからない」とのこと)。
とにかく最後まで平行線で、木下氏は「妄想、精神病」というご自身の主張を強くされるだけだった。
今回、あえてこの記事を書いたのは、残念ながら私のコメントが掲載されなかったためだ。私も大沼さんとは面識はなく、彼の原発関係の本を一冊読んだことがある程度だ。しかし、私は異常な測定値について説明もできないのにこうも簡単に「妄想、精神病」と言いきってしまうことに疑問を感じずにはいられない。
木下黄太氏のこれまでの活動やブログでの主張に対しては賛同できることの方が多いし、ここで批判するつもりはまったくない。しかし、大沼氏のことに関する断定的な判断については、どうしても納得できない。
なんだか、被ばくによって健康被害が生じているのに、「ストレスが原因」と言っているのに似てはいないか。木下氏が「妄想、精神病」と思うのは自由だが、何が真実なのかは大沼さんのブログを読んだり情報収集するなりして読者が判断することではないか。電磁波攻撃の被害者組織があるが、あの人たちはみんな精神病だとでもいうのだろうか。もっと柔軟性をもってほしい。
アメリカ政府有名機関「赤坂や六本木に子供を連れての不妊は危険」と指摘⇒転籍中止の現実。
小田さんのコメント部分をあえてここで取り上げさせていただきたい。
1.小田博子
2.
電磁波過敏症と線維筋痛症を患っています。木下さんの記事から、コメントを読んで、「電磁波攻撃」という言葉に大笑いしてしまいました。
電磁波過敏症は、化学物質過敏症と類似の疾患(病気)です。さまざまな電磁波によって引き起こされる健康被害については、患者や支援団体から、たくさん資料や本が出ているのですが、マスメディアに取り上げられないため、正しい知識が広まらないのだと思います。
「電磁波攻撃」を言う人も、正確な知識がないために、そのような事実があると信じているのかもしれません。
放射能被曝に限らず、新聞やテレビでは、重要な情報が報道されません。メディアが報道しない、でも重要な知識を得るためには、ネットだけでなく、筆者が明らかで、出典が信頼できる本やサイトを、自分の目で調べる必要があります。
ネットでは、間違った情報も簡単にコピーされ、拡散してしまうので、ネットだけでなく、自分自身で原典や出典を当たる努力が、大変でも必要です。
電磁波の健康被害については、下記の2冊が、電磁波過敏症の患者自身が、生化学的なことも含め、非常によく調べて書いているので、信用がおけます。
『電磁波・化学物質過敏症対策』緑風出版
『電磁波過敏症を治すには』緑風出版
私が木下さんにメールで投稿したコメントは以下。
1.松田まゆみ
2.コメントの内容
小田博子さんのコメントを読み、コメントさせていただきます。小田さんは電磁波攻撃に関して電磁波過敏症と判断され、緑風出版の本を紹介しています。しかし、木下さんのコメントで話題になったジャーナリストの大沼安史さんご夫妻の件は、大沼さん自身が緑風出版に相談して電磁波による影響が考えられるとのアドバイスを受け、高周波測定器と低周波測定器を購入し、電磁波発生源を絶って測定をされたうえで、異常に高い電磁波を確認されています。以下の大沼さんの記事をお読みください。
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2013/04/post-dae6.html
尾行やつきまといなども確認しており、通常の生活空間にある電磁波による過敏症であると一笑に伏すのは軽率ではないでしょうか。緑風出版の本も読まれており、ご夫妻とも電磁波過敏症については十分ご存知です。大沼さんの最近のブログ記事を是非お読みいただいたうえで判断していただきたいと思います。
大沼さんのブログ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/
奥様(羽倉久美子さん)のツイッター https://twitter.com/roze1211
しかし、私のコメントは掲載されず、代わりに木下氏から電話をしてほしいとのメールがあった。電話での木下氏の主張はおおよそ次のようなものだった。
・大沼さんのブログは読んでいるが、妄想、精神病だと断言できる。
・大沼さんの最近の文章はおかしくなってきており、精神疾患としか思えない。
・組織的な電磁波攻撃は莫大な費用がかかり、日本でできる組織などない。
・大沼さんが電磁波攻撃を受ける理由がない。
・電磁波攻撃などということを広めるのは一般の人はもちろんのこと、精神病である本人(大沼さん)にもマイナス。
以下は私の主張と質問。
・私は木下さんに意見をするためにコメントしたのではなく、小田さんのコメントが掲載されたのでそれに対して意見を述べただけ。電磁波攻撃だと断言したコメントを書いたわけでもない。木下さんがこの件に関するコメントを掲載したくないのなら、小田さんのコメントも掲載するべきではなかったのでは。
・木下さんの見解は分かったが、私とは意見が違う(これに対しては、「電磁波攻撃などありえない」のであり、電磁波攻撃は間違いだと強く主張され、見解の相違も認めてもらえなかった)。
・電磁波測定器の異常値は何が原因だと思うのか(木下氏は「わからない」とのこと)。
とにかく最後まで平行線で、木下氏は「妄想、精神病」というご自身の主張を強くされるだけだった。
今回、あえてこの記事を書いたのは、残念ながら私のコメントが掲載されなかったためだ。私も大沼さんとは面識はなく、彼の原発関係の本を一冊読んだことがある程度だ。しかし、私は異常な測定値について説明もできないのにこうも簡単に「妄想、精神病」と言いきってしまうことに疑問を感じずにはいられない。
木下黄太氏のこれまでの活動やブログでの主張に対しては賛同できることの方が多いし、ここで批判するつもりはまったくない。しかし、大沼氏のことに関する断定的な判断については、どうしても納得できない。
なんだか、被ばくによって健康被害が生じているのに、「ストレスが原因」と言っているのに似てはいないか。木下氏が「妄想、精神病」と思うのは自由だが、何が真実なのかは大沼さんのブログを読んだり情報収集するなりして読者が判断することではないか。電磁波攻撃の被害者組織があるが、あの人たちはみんな精神病だとでもいうのだろうか。もっと柔軟性をもってほしい。
2013年04月24日
尋常ならざる福島の甲状腺がん発症率をどう見るか
「ぬまゆ」さんのブログ閉鎖について書いたところ、福島県民を名乗る方などから、配慮がないなどという批判が相次いだ。このような批判をする方たちにとっては、福島の汚染が危険であるということをブログで書くこと自体が悪であるようだ。ならば、たとえ嘘をついてでも「福島はそれほど危険ではない」「普通に住める」と言うべきなのか?
そんなことは、どう考えてもおかしい。私たちは物事を判断する際に、何よりも事実を知ろうとする。事実を知らなければ適切な判断ができないからだ。福島が危険であるかないかを知るためにも、まず事実を把握しなければならない。
山下俊一氏をはじめとした原子力ムラの人たちが本当に事実を踏まえて「福島で生活しても大丈夫」と言っているならまだ分かるが、そうではないことはここで改めて言うまでもない。
事実が厳しい状態であれば、もちろん福島をはじめとした汚染地域の住民に大きな不安を与えるのは事実だ。しかし、不安を与えないために事実を言わないということがまかり通ってしまえばどうなるのか。福島県民は見捨てられてモルモットにされるし、加害者は責任を免れるだけだ。それが福島の人たちのためになるとはとても思えないし、むしろ逆だ。
原発は反対だとしながらも、福島の汚染は心配するほどではないと主張する人たちもいる。反原発の人たちは、反原発運動のためにことさらに危険を訴えて不安を煽っているという人もいる。しかし、本当にそうだろうか? 長年自然保護に関わってきた私の目から見れば、反原発運動のために意図的に不安を煽っているというのはあまりに偏った見方としか思えない。
福島の原発事故が人災である以上、加害者が存在する。人災による被害を減らすためにも、また同じような災害を二度と起こさないためにも、決して事実に目をつむっていてはならない。それがたとえ福島の人たちにとって不安を招くことであっても、「配慮」を理由に沈黙してはならないと私は思う。
もっとも、いくら私がそんなことを言っても、福島が安全であると信じたい人は「嘘ばかり書く」「他人の痛みが分からない」と罵るだけだろう。
福島が安全ではないことは、子どもたちの甲状腺検査ひとつとっても明らかだ。のう胞はともかく、結節はがんに移行する可能性があるし、チェルノブイリでは子どもの甲状腺がん患者のうち6人に1人が肺に転移しているという。チェルノブイリと福島ではすべて同じとは言えないだろうが、転移の可能性は無視できない。しかも、福島では2011年より2012年の検査の方が、二次検査を必要とするB判定が増えている。
「菅谷昭医師×落合恵子さんの対談」と山下俊一氏の発表(中村隆市ブログ「風の便り」)
また、福島の甲状腺がんの発症率は3800人に1人ということになり、通常の発症率(100万人に1人か2人)の約130~260倍にもなる。以下の論考も是非読んでいただきたい。とても楽観視していられる状況ではない。
『長寿命人工放射性物質による長期低線量被曝と非がん疾患~27年目のチェルノブイリは福島の未来の鏡~Part2』 (市民のためのがん治療の会)
また、以下もお読みいただけたらと思う。
奴は知っている 山下俊一発言>小児甲状腺癌『数mmの結節』でみつけても、すでに局所のリンパ節に転移ある(原発問題)
「福島はそれほど危険ではない」などと言っている科学者の責任は極めて大きい。早野龍五氏らのホールボディカウンターによる検査では15歳以下の子どもでは検出限界以上の内部被ばくが確認されなかったという。
福島県内の子どもの内部被ばく検出人数はゼロ 国内から初、食事による内部被ばく影響論文(週刊ダイヤモンド)
これを受けて、「福島は安全」と信じ込んでしまった人が多いように感じられる。しかし、本当にそうなのか? 以下のサイトが早野論文の問題点について分かりやすくまとめているが、決して安心していいような状況ではない。
早野龍五「内部被ばくはなかった」大報道について(安禅不必須山水)
安斎育郎氏なども「自分が福島県民なら避難しない」などと新聞で発言していたが、軽率な発言と言わざるを得ない。今はそう思っても、後になって実際の放出量は当初の発表よりずっと多かったなどという知見が得られたら、認識や判断が変わることだってあるだろう。しかしその時になって発言を取り消しても遅い。科学者の発言は一般の市民に大きな影響を与えるのであり、くれぐれも慎重であってほしい。
そんなことは、どう考えてもおかしい。私たちは物事を判断する際に、何よりも事実を知ろうとする。事実を知らなければ適切な判断ができないからだ。福島が危険であるかないかを知るためにも、まず事実を把握しなければならない。
山下俊一氏をはじめとした原子力ムラの人たちが本当に事実を踏まえて「福島で生活しても大丈夫」と言っているならまだ分かるが、そうではないことはここで改めて言うまでもない。
事実が厳しい状態であれば、もちろん福島をはじめとした汚染地域の住民に大きな不安を与えるのは事実だ。しかし、不安を与えないために事実を言わないということがまかり通ってしまえばどうなるのか。福島県民は見捨てられてモルモットにされるし、加害者は責任を免れるだけだ。それが福島の人たちのためになるとはとても思えないし、むしろ逆だ。
原発は反対だとしながらも、福島の汚染は心配するほどではないと主張する人たちもいる。反原発の人たちは、反原発運動のためにことさらに危険を訴えて不安を煽っているという人もいる。しかし、本当にそうだろうか? 長年自然保護に関わってきた私の目から見れば、反原発運動のために意図的に不安を煽っているというのはあまりに偏った見方としか思えない。
福島の原発事故が人災である以上、加害者が存在する。人災による被害を減らすためにも、また同じような災害を二度と起こさないためにも、決して事実に目をつむっていてはならない。それがたとえ福島の人たちにとって不安を招くことであっても、「配慮」を理由に沈黙してはならないと私は思う。
もっとも、いくら私がそんなことを言っても、福島が安全であると信じたい人は「嘘ばかり書く」「他人の痛みが分からない」と罵るだけだろう。
福島が安全ではないことは、子どもたちの甲状腺検査ひとつとっても明らかだ。のう胞はともかく、結節はがんに移行する可能性があるし、チェルノブイリでは子どもの甲状腺がん患者のうち6人に1人が肺に転移しているという。チェルノブイリと福島ではすべて同じとは言えないだろうが、転移の可能性は無視できない。しかも、福島では2011年より2012年の検査の方が、二次検査を必要とするB判定が増えている。
「菅谷昭医師×落合恵子さんの対談」と山下俊一氏の発表(中村隆市ブログ「風の便り」)
また、福島の甲状腺がんの発症率は3800人に1人ということになり、通常の発症率(100万人に1人か2人)の約130~260倍にもなる。以下の論考も是非読んでいただきたい。とても楽観視していられる状況ではない。
『長寿命人工放射性物質による長期低線量被曝と非がん疾患~27年目のチェルノブイリは福島の未来の鏡~Part2』 (市民のためのがん治療の会)
また、以下もお読みいただけたらと思う。
奴は知っている 山下俊一発言>小児甲状腺癌『数mmの結節』でみつけても、すでに局所のリンパ節に転移ある(原発問題)
「福島はそれほど危険ではない」などと言っている科学者の責任は極めて大きい。早野龍五氏らのホールボディカウンターによる検査では15歳以下の子どもでは検出限界以上の内部被ばくが確認されなかったという。
福島県内の子どもの内部被ばく検出人数はゼロ 国内から初、食事による内部被ばく影響論文(週刊ダイヤモンド)
これを受けて、「福島は安全」と信じ込んでしまった人が多いように感じられる。しかし、本当にそうなのか? 以下のサイトが早野論文の問題点について分かりやすくまとめているが、決して安心していいような状況ではない。
早野龍五「内部被ばくはなかった」大報道について(安禅不必須山水)
安斎育郎氏なども「自分が福島県民なら避難しない」などと新聞で発言していたが、軽率な発言と言わざるを得ない。今はそう思っても、後になって実際の放出量は当初の発表よりずっと多かったなどという知見が得られたら、認識や判断が変わることだってあるだろう。しかしその時になって発言を取り消しても遅い。科学者の発言は一般の市民に大きな影響を与えるのであり、くれぐれも慎重であってほしい。
2013年04月23日
フジテレビの「文芸社追い出し部屋」放送内容報告(追記あり)
昨日お知らせした、フジテレビの「とくダネ!」による「文芸社の追い出し部屋」は、予定通り放映されたので、簡単に報告しておきたい。
番組では解雇の規制緩和に絡んで、3例の不当解雇事例が紹介された。
一人目のAさんは、ある日職場で呼び出され、いきなり懲戒解雇を言い渡された。理由を聞いても書面に書いてあるといって言わない。書面を見ると、就業規則に違反したとなっているが、具体的なことは一切書かれていなかったそうだ。Aさんは、社長に対して意見を言ったことが原因かもしれないと言う。番組では社長(女性で顔はモザイク)にも直撃インタビューをしていたが、社長は何も語らずに逃げるばかりだった。Aさんは労働審判に持ち込むという。
二人目は文芸社の小川秀朗さん。彼はホームページで名前も顔も晒していることもあり、番組でも実名、顔出しで登場。ただし、会社名は「都内の出版社」としていた。小川さんは昨年「あなたの活躍する場がなくなる」と言われ、それからパワハラが始まった。「追い出し部屋」と呼ばれる地下の倉庫で一人で単純作業をさせられているということを、写真を示して報告していた。「追い出し部屋」というのは、やりがいのない仕事を与えることで、退職に追い込む手法。ただし、健康被害を生じたことまでは言及していなかった。会社にもインタビューをしていたが、会社側の理由は「就業規則に基づいて実施した」というもの。退職勧奨は、学歴および経歴の詐称だということだが、小川さんに言わせると、単に一年書き間違えただけとのこと。このような理由が社会的に通用しないのは明らかだ。
三人目のBさんは、自主退職を迫られ、PIPという業績改善プログラムを与えられているという。しかしPIPは、業績改善の名の下に、どんどんハードルを高くしていき退職に追い込む手法だという。
どの事例も、日本で実際に行われている不当解雇の実態である。もちろん、解雇の理由が不明あるいは不当であるがゆえ、本人たちは納得がいかない。こんなことを平然とやっている企業は社名を明らかにして然るべきだ。しかし残念ながら、テレビや新聞などのマスコミの場合、このような事例ではまず社名は出さない。企業がスポンサーになっている民放ではなおさらなのだろう。新風舎の商法がテレビで取り上げられたときも、会社名は出なかった。これなら、会社側のダメージが大きいとは思えない。
それに比べ、先のマイニュースジャパンのようなネットメディアは会社名もはっきりと書くし、「追い出し部屋」の実態も詳細だ。しかし、このような記事はそれほど広まらないという側面がある。
「廃棄原稿を入力しろ」現役社員が語る文芸社“追い出し部屋”の手口(マイニュースジャパン)
明後日の25日には午後8時からレイバーネットTV でもこの問題が取り上げられるそうだ。レイバーネットではすでに「特別レポート」として記事になっていることもあり、おそらくこちらの方がフジテレビより詳しく報じられるだろう。
レイバーネットTV
「追い出し部屋」には負けない!~(株)文芸社、地下倉庫で頑張る小川秀朗さん
ここまで書いたところで、東京管理職ユニオン文芸社支部のホームページを見たら、「小川支部長、本日、東京地方裁判所へ」とある。また何か行動を起こすようだ。
【4月24日追記】
元文芸社社員である「クンちゃん」のブログにも、フジテレビの放送について報告と感想がアップされている。
文芸社、言うに事欠いて『学歴詐称』「経歴詐称」だと!・・・今朝の8報道
番組では解雇の規制緩和に絡んで、3例の不当解雇事例が紹介された。
一人目のAさんは、ある日職場で呼び出され、いきなり懲戒解雇を言い渡された。理由を聞いても書面に書いてあるといって言わない。書面を見ると、就業規則に違反したとなっているが、具体的なことは一切書かれていなかったそうだ。Aさんは、社長に対して意見を言ったことが原因かもしれないと言う。番組では社長(女性で顔はモザイク)にも直撃インタビューをしていたが、社長は何も語らずに逃げるばかりだった。Aさんは労働審判に持ち込むという。
二人目は文芸社の小川秀朗さん。彼はホームページで名前も顔も晒していることもあり、番組でも実名、顔出しで登場。ただし、会社名は「都内の出版社」としていた。小川さんは昨年「あなたの活躍する場がなくなる」と言われ、それからパワハラが始まった。「追い出し部屋」と呼ばれる地下の倉庫で一人で単純作業をさせられているということを、写真を示して報告していた。「追い出し部屋」というのは、やりがいのない仕事を与えることで、退職に追い込む手法。ただし、健康被害を生じたことまでは言及していなかった。会社にもインタビューをしていたが、会社側の理由は「就業規則に基づいて実施した」というもの。退職勧奨は、学歴および経歴の詐称だということだが、小川さんに言わせると、単に一年書き間違えただけとのこと。このような理由が社会的に通用しないのは明らかだ。
三人目のBさんは、自主退職を迫られ、PIPという業績改善プログラムを与えられているという。しかしPIPは、業績改善の名の下に、どんどんハードルを高くしていき退職に追い込む手法だという。
どの事例も、日本で実際に行われている不当解雇の実態である。もちろん、解雇の理由が不明あるいは不当であるがゆえ、本人たちは納得がいかない。こんなことを平然とやっている企業は社名を明らかにして然るべきだ。しかし残念ながら、テレビや新聞などのマスコミの場合、このような事例ではまず社名は出さない。企業がスポンサーになっている民放ではなおさらなのだろう。新風舎の商法がテレビで取り上げられたときも、会社名は出なかった。これなら、会社側のダメージが大きいとは思えない。
それに比べ、先のマイニュースジャパンのようなネットメディアは会社名もはっきりと書くし、「追い出し部屋」の実態も詳細だ。しかし、このような記事はそれほど広まらないという側面がある。
「廃棄原稿を入力しろ」現役社員が語る文芸社“追い出し部屋”の手口(マイニュースジャパン)
明後日の25日には午後8時からレイバーネットTV でもこの問題が取り上げられるそうだ。レイバーネットではすでに「特別レポート」として記事になっていることもあり、おそらくこちらの方がフジテレビより詳しく報じられるだろう。
レイバーネットTV
「追い出し部屋」には負けない!~(株)文芸社、地下倉庫で頑張る小川秀朗さん
ここまで書いたところで、東京管理職ユニオン文芸社支部のホームページを見たら、「小川支部長、本日、東京地方裁判所へ」とある。また何か行動を起こすようだ。
【4月24日追記】
元文芸社社員である「クンちゃん」のブログにも、フジテレビの放送について報告と感想がアップされている。
文芸社、言うに事欠いて『学歴詐称』「経歴詐称」だと!・・・今朝の8報道
2013年04月22日
文芸社の「追い出し部屋」をフジテレビが放送予定
お知らせが遅くなってしまったが、文芸社の「追い出し部屋」問題、すなわち労組(東京管理職ユニオン文芸社支部)支部長である小川秀朗さんへのパワハラ問題が、とうとうテレビで放映されるとのこと。
放送日時は、23日の朝8:00から、フジテレビの「とくダネ!」とのこと。
とくダネ!
先日はマイニュースジャパンなどのネットメディアでこの問題が取り上げられたが、テレビ放映の影響は大きいのではなかろうか。
文芸社といえば共同出版・自費出版商法でしばしば悪評が立っていたし、私も詐欺容疑で刑事告発をしたことがあるが、商法がブラックである会社は社員への対応もブラックということなのだろう。
なお、4月25日(木)午後8時からは、レイバーネットTVでもこの問題が取り上げられるらしい。
レイバーネットTV
出版社といえばメディアの一員であるが、それがブラックであるというのは救いようがない。そう言えば、類似した商法を展開している幻冬舎ルネッサンスは、小出裕章さんの本に続き、肥田舜太郎医師の「被爆と被曝」という本をこの2月に出版した。
小出さんの本は自費出版ではないとのことなので、肥田さんの本もおそらく商業出版だと思うが、自費出版を謳う会社がなぜ著名人の本を商業出版するのか。商業出版なら幻冬舎ルネッサンスではなく幻冬舎から出すのが筋だろう。原発問題で著名な方の本を出版することで会社の信頼を高める作戦と思われる。そんなことをする前に、悪質商法を止めるのが先ではなかろうか。
放送日時は、23日の朝8:00から、フジテレビの「とくダネ!」とのこと。
とくダネ!
先日はマイニュースジャパンなどのネットメディアでこの問題が取り上げられたが、テレビ放映の影響は大きいのではなかろうか。
文芸社といえば共同出版・自費出版商法でしばしば悪評が立っていたし、私も詐欺容疑で刑事告発をしたことがあるが、商法がブラックである会社は社員への対応もブラックということなのだろう。
なお、4月25日(木)午後8時からは、レイバーネットTVでもこの問題が取り上げられるらしい。
レイバーネットTV
出版社といえばメディアの一員であるが、それがブラックであるというのは救いようがない。そう言えば、類似した商法を展開している幻冬舎ルネッサンスは、小出裕章さんの本に続き、肥田舜太郎医師の「被爆と被曝」という本をこの2月に出版した。
小出さんの本は自費出版ではないとのことなので、肥田さんの本もおそらく商業出版だと思うが、自費出版を謳う会社がなぜ著名人の本を商業出版するのか。商業出版なら幻冬舎ルネッサンスではなく幻冬舎から出すのが筋だろう。原発問題で著名な方の本を出版することで会社の信頼を高める作戦と思われる。そんなことをする前に、悪質商法を止めるのが先ではなかろうか。
2013年04月21日
興味深いカシワ林更新のしくみ
本州で生まれ育った私は、カシワ林といえば海岸近くに純林をつくっている光景を思い浮かべるのだが、実は十勝地方では海岸だけではなく内陸部にまでカシワ林がある。かつて十勝平野は広くカシワ林に覆われていたといっても過言ではないだろう。しかし、開墾などによってその多くが伐採され、今では十勝のカシワ林は点々と残るだけの貴重な存在となってしまった。
ところが、私たちの多くは十勝の原風景ともいえるカシワ林がどのようにして長年維持されてきたのかよく知らない。そこで、昨日、カシワ林の研究をされてきた植物研究家の若原正博さんに「カシワ林をもっと知ろう!」というタイトルで講演をしていただいた。大変興味深い話しだったので、簡単に紹介したい。
***
十勝平野は内陸にカシワ林が見られる珍しいところだが、なぜ内陸にカシワ林があるのかという理由は解明できていない。古砂丘だったことが関係しているのかもしれない。
若原さんの主な研究フィールドは、帯広農業高校に隣接するカシワ林で、ここで20年ほど前にカシワ林の研究をした。
「親木の下では子どもは育たない」と言われるが、カシワ林の場合もそれが当てはまる。カシワ林を横から見ると、枯死木や幹折れ木によって樹冠が途切れているところがある。そのようなところをギャップと呼ぶが、陽樹であるカシワの子どもが育つのはこのようなギャップである。また、カシワ林には、樹冠を覆う高木層と低木層があるが、その中間の層が空いていてすっきりした構造をしている。
農高のカシワ林は林床がミヤコザサで、スカッとした林である。自然度が高く、林内には幹折れした木や野火にあった木も見られる。ここでシードトラップなどを利用して、種子の生産量などを調べた。
カシワ林の特徴は萌芽株が沢山あるということで、これはカシワ林が更新するために非常に重要な存在。実生は一年の成長量が小さく、実生による更新は少ない。
浜大樹の海岸のカシワ林は、海に近いところでは樹高が低いが、海岸から1kmくらい内陸になると内陸林と同じような林になる。
カシワ林は以下のようなサイクルで更新されることが研究より分かった。
1haあたりおよそ250本の林冠木(林の上層部を覆う木)がある。
↓
これらの木からドングリが約5万粒生産される。しかし、大半はゾウムシやエゾリス、カケス、ネズミなどの餌となる。また、ドングリは乾燥すると発芽能力を失うので、ネズミなどの動物が地面に埋めたものしか発芽できない。発芽するのは260株くらい。
↓
芽生えた実生のうち1年目で5~7割が死に、2年目で2割が死んでしまう。
↓
林床(ミヤコザサの下)には小さな苗木が1haあたりおよそ10,000株存在する(林内にランダムに分布)。これを萌芽株バンク(実生バンク)と呼ぶ。この萌芽株バンクが多いのがカシワ林の特徴。
↓
ミヤコザサより樹高が高くなった株は、1haあたりおよそ670株ある。これは林内にある程度まとまって(集中して)分布する。
↓
樹高が3~4mほどの株になると1haあたりおよそ400株ある。主に、ギャップ部分に集中して分布する。
このようなサイクルによって、カシワ林は安定的に維持される。直径45cmくらいの太い林冠木の場合、200年以上経っていることが分かっている(ただし、日当たりの良いところに孤立して生えている木は成長が早く、太さと樹齢の関係は条件によって大きく異なる)。また、毎年1haあたり1本ほどの木が枯れる。
最後にエコトーンについて説明があった。たとえばカシワ林が四角い区画として残されている場合、中央部の四角がカシワ林のコア部分になり、ロの字型の周縁部がエコトーンになる。このエコトーン部は外部と接触するところであり、外部からの植物などの侵入もあって生物多様性が高くなるが、カシワ林にとって重要なのはコアの部分である。もし、エコトーンの部分が削られてコア部分が林縁になると、そこは帯状にエコトーンとなる。その結果、コア部分が狭くなってしまう。
つまり、林縁部を伐採すると重要なコア部分が狭くなってしまうことを認識する必要がある。
***
以上が若原さんの話しの概要だ。カシワ林を見て、「それなりに広いのだから、端の方を少しくらい伐ってもたいして問題はないだろう」と思う人も多いかもしれない。しかし、今では自然度の高いカシワ林そのものが貴重な存在だ。それを健全な状態で保全するためには、伐採を避けることが何よりも大事だということではなかろうか。
ところが、私たちの多くは十勝の原風景ともいえるカシワ林がどのようにして長年維持されてきたのかよく知らない。そこで、昨日、カシワ林の研究をされてきた植物研究家の若原正博さんに「カシワ林をもっと知ろう!」というタイトルで講演をしていただいた。大変興味深い話しだったので、簡単に紹介したい。
***
十勝平野は内陸にカシワ林が見られる珍しいところだが、なぜ内陸にカシワ林があるのかという理由は解明できていない。古砂丘だったことが関係しているのかもしれない。
若原さんの主な研究フィールドは、帯広農業高校に隣接するカシワ林で、ここで20年ほど前にカシワ林の研究をした。
「親木の下では子どもは育たない」と言われるが、カシワ林の場合もそれが当てはまる。カシワ林を横から見ると、枯死木や幹折れ木によって樹冠が途切れているところがある。そのようなところをギャップと呼ぶが、陽樹であるカシワの子どもが育つのはこのようなギャップである。また、カシワ林には、樹冠を覆う高木層と低木層があるが、その中間の層が空いていてすっきりした構造をしている。
農高のカシワ林は林床がミヤコザサで、スカッとした林である。自然度が高く、林内には幹折れした木や野火にあった木も見られる。ここでシードトラップなどを利用して、種子の生産量などを調べた。
カシワ林の特徴は萌芽株が沢山あるということで、これはカシワ林が更新するために非常に重要な存在。実生は一年の成長量が小さく、実生による更新は少ない。
浜大樹の海岸のカシワ林は、海に近いところでは樹高が低いが、海岸から1kmくらい内陸になると内陸林と同じような林になる。
カシワ林は以下のようなサイクルで更新されることが研究より分かった。
1haあたりおよそ250本の林冠木(林の上層部を覆う木)がある。
↓
これらの木からドングリが約5万粒生産される。しかし、大半はゾウムシやエゾリス、カケス、ネズミなどの餌となる。また、ドングリは乾燥すると発芽能力を失うので、ネズミなどの動物が地面に埋めたものしか発芽できない。発芽するのは260株くらい。
↓
芽生えた実生のうち1年目で5~7割が死に、2年目で2割が死んでしまう。
↓
林床(ミヤコザサの下)には小さな苗木が1haあたりおよそ10,000株存在する(林内にランダムに分布)。これを萌芽株バンク(実生バンク)と呼ぶ。この萌芽株バンクが多いのがカシワ林の特徴。
↓
ミヤコザサより樹高が高くなった株は、1haあたりおよそ670株ある。これは林内にある程度まとまって(集中して)分布する。
↓
樹高が3~4mほどの株になると1haあたりおよそ400株ある。主に、ギャップ部分に集中して分布する。
このようなサイクルによって、カシワ林は安定的に維持される。直径45cmくらいの太い林冠木の場合、200年以上経っていることが分かっている(ただし、日当たりの良いところに孤立して生えている木は成長が早く、太さと樹齢の関係は条件によって大きく異なる)。また、毎年1haあたり1本ほどの木が枯れる。
最後にエコトーンについて説明があった。たとえばカシワ林が四角い区画として残されている場合、中央部の四角がカシワ林のコア部分になり、ロの字型の周縁部がエコトーンになる。このエコトーン部は外部と接触するところであり、外部からの植物などの侵入もあって生物多様性が高くなるが、カシワ林にとって重要なのはコアの部分である。もし、エコトーンの部分が削られてコア部分が林縁になると、そこは帯状にエコトーンとなる。その結果、コア部分が狭くなってしまう。
つまり、林縁部を伐採すると重要なコア部分が狭くなってしまうことを認識する必要がある。
***
以上が若原さんの話しの概要だ。カシワ林を見て、「それなりに広いのだから、端の方を少しくらい伐ってもたいして問題はないだろう」と思う人も多いかもしれない。しかし、今では自然度の高いカシワ林そのものが貴重な存在だ。それを健全な状態で保全するためには、伐採を避けることが何よりも大事だということではなかろうか。
2013年04月18日
木村政昭氏の予測する伊豆・小笠原海溝の巨大地震(追記あり)
東京に行った際、気になっていた木村政昭氏の本を3冊入手した。木村政昭氏は琉球大名誉教授で海洋地震学者だが、「地震の目」「噴火の目」という独自の理論で数多くの地震や火山噴火を予測し的中させてきた。たとえば1986年の三原山噴火、1991年の普賢岳噴火、1995年の兵庫県南部地震、2004年の新潟県中越地震、2011年の東北地方太平洋沖地震など。
入手した3冊は、「地震の目で予知する次の大地震」(マガジンランド、2012年3月発行)、「富士山大噴火 不気味な5つの兆候」(宝島社、2011年8月発行)、「東海地震も関東大地震も起きない! 地震予知はなぜ外れるのか」(宝島社、2013年3月発行)。「東海地震も関東大地震も起きない!」には、木村氏の最新の地震予測が掲載されている。
私は、木村氏が多くの地震や噴火を予測し当ててきたことを知って以来、「地震の目」「噴火の目」という理論に興味を抱いていたのだが、木村氏の本を読んでその概要が分かってきた。もちろん「地震の目」理論は日本だけではなく、海外の地震にも当てはめることができる。
木村氏の「地震の目」理論はプレートテクトニクスに基づいたもので、大地震の予測法である。かいつまんで説明すると以下のようになる。
・数十年にわたって巨大地震(M6.5以上)が起きていない場所(第1種地震空白域)を探す。
・第1種地震空白域に、ここ数十年間に発生したM6以上の地震の震源地をプロットすると、震源地がドーナツ状に分布していく(地震の輪)。
・「地震の輪」の中に人の黒目のように地震が発生している場所が現れることがある(第2種地震空白域:固着域)。
・第2種地震空白域に、さらに同じ時期に起きた地震の震源を「M5以上」「M3以上」などと条件を変えてプロットすると一定の地域に黒い点が集中してくる。これを「地震の目」と呼び、大地震の震源地となる。
・「地震の目」は時間とともに一定方向に移動していくことがあり、その延長線上が本震の震源地となる。
・「地震の目」の大きさと地震の規模はほぼ比例しており、「地震の目」の長径からマグニチュードを推定することができる。
・「地震の目」では地震発生回数が3つの山をもって段階的に増えていくが、最初に地震が活発化してから30年±3年で大地震が発生すると予測される。
火山噴火もプレートの移動によってマグマに圧力がかかることで生じるのであり、地震と噴火は同根である。興味深いのは、大地震が発生する前には、震央に近い火山から遠い火山へと、波紋のように順に噴火していく現象が見られるというのだ。地震と火山噴火は密接な関係にある。
木村氏は噴火についても地震と同様に、大噴火の前、過去30年以上にわたり火山の地下で発生した地震を解析する手法で「噴火の目」理論を導きだした。噴火においても地震と同様に地震回数に3つのピークがあり、最初に地震が活発化してから35年±4年後で主噴火に至ると考えられるそうだ。
地震予知などできないという地震学者は多いが、木村氏の本を読めばそれは大きな間違いであると理解できるだろう。何しろ、木村氏には予知の実績がある。「地震の目」理論でおおよその発生年を予測し、さらに宏観現象(電磁波や地磁気の異常、ラドン濃度の変化、地震雲、地下水の水位変化など)と言われる様々な地震前兆現象を組み合わせることで、地震発生時期を絞り込むことも決して実現不可能ではない。
政府はかなり前から東海・東南海・南海地震がいつ起きてもおかしくないとして警告を発してきた。しかし、これらの地震は起きずに兵庫県南部地震や東北地方太平洋沖地震という大地震が起きて大きな被害がもたらされた。「東海地震も関東大地震も起きない!」では、なぜ国の予知が当たらないのかということにも言及しているのだが、この国では地震予知の予算の使い方を間違えているとしか思えない。
ところで、もっとも気になるのは最新刊で木村氏の予測している今後の巨大地震だ。それによると日本近海でM8からM9クラスの「地震の目」が複数ある。
このうちM9と予測しているのは伊豆・小笠原海溝に沿った鳥島南方沖を震央とする「地震の目」だ。発生予測年は2012年±3年。ということは、あの悪夢のような超巨大地震がいつ起きてもおかしくないことになる。気になるのはここで地震が起きた場合に破壊される断層の長さだ。M9の東北地方太平洋沖地震では、長さ500km幅200kmにわたって断層が破壊された。これと同じ規模の破壊が生じると仮定するなら、関東地方に近いところにまで達する可能性があり、首都圏もかなり揺れる可能性がある。もちろん大津波も押し寄せるだろう。関東地方は十分な警戒や備えが必要だ。
もう一つ気になるのが、東北地方太平洋沖地震のアウターライズ地震(海溝の外側で起きる地震)の「地震の目」だ。これは2020年±3年、M8.0となっている。
また、九州から南西諸島にかけても「地震の目」がある。ひとつは日向灘南部で、2020年±4年、M7という予測。もう一つは奄美大島東方沖の2019年±3年、M8.8。南西諸島方面も注意が必要だ。
もちろんこれらは予測であり、巨大地震が発生することでプレートにかかる圧力が変化した場合には「地震の目」も変わることがあるだろう。
しかし、これだけ巨大地震の「地震の目」が日本近海に現れている以上、警戒を怠ってはならない。昨日は三宅島の近海と石垣島近海で中規模地震があった。これらの地震も予測されている巨大地震と無関係ではないだろう。とりわけ伊豆・小笠原海溝には歪がたまっていると考えられ、地震だけではなく伊豆諸島や富士山の火山噴火も懸念される。
木村さんのこれだけの実績がありながら、政府は「地震の目」理論に関心を示さないようだ。マスコミは相変わらず、東海・東南海・南海の連動地震や首都直下地震ばかりを取り上げている。しかし、木村氏は東海から南海にかけての大地震や首都直下地震はそれほど逼迫していないと言う。原発問題もそうだが、この国の地震予知や防災の姿勢には溜め息が出るばかりだ。
【4月20日追記】
ロシアの研究者が、独自の地震予知理論により2013年から2014年にかけて日本の太平洋側でM9クラスの巨大地震が起きると予測している。木村さんが巨大地震を予測している伊豆・小笠原海溝付近に近く、超巨大地震の再来が懸念される。
ロシア人学者「一年半以内にM9が日本で発生する可能性あり」関東東部から南海トラフのエリアで前兆! (正しい情報を探すブログ)
もし数日前に巨大地震の予知ができ、被害が想定される地域の住民を事前に避難させることができれば、人的被害を限りなくゼロに近づけることができるだろう。国はこういう研究にこそ力を入れてほしい。
入手した3冊は、「地震の目で予知する次の大地震」(マガジンランド、2012年3月発行)、「富士山大噴火 不気味な5つの兆候」(宝島社、2011年8月発行)、「東海地震も関東大地震も起きない! 地震予知はなぜ外れるのか」(宝島社、2013年3月発行)。「東海地震も関東大地震も起きない!」には、木村氏の最新の地震予測が掲載されている。
私は、木村氏が多くの地震や噴火を予測し当ててきたことを知って以来、「地震の目」「噴火の目」という理論に興味を抱いていたのだが、木村氏の本を読んでその概要が分かってきた。もちろん「地震の目」理論は日本だけではなく、海外の地震にも当てはめることができる。
木村氏の「地震の目」理論はプレートテクトニクスに基づいたもので、大地震の予測法である。かいつまんで説明すると以下のようになる。
・数十年にわたって巨大地震(M6.5以上)が起きていない場所(第1種地震空白域)を探す。
・第1種地震空白域に、ここ数十年間に発生したM6以上の地震の震源地をプロットすると、震源地がドーナツ状に分布していく(地震の輪)。
・「地震の輪」の中に人の黒目のように地震が発生している場所が現れることがある(第2種地震空白域:固着域)。
・第2種地震空白域に、さらに同じ時期に起きた地震の震源を「M5以上」「M3以上」などと条件を変えてプロットすると一定の地域に黒い点が集中してくる。これを「地震の目」と呼び、大地震の震源地となる。
・「地震の目」は時間とともに一定方向に移動していくことがあり、その延長線上が本震の震源地となる。
・「地震の目」の大きさと地震の規模はほぼ比例しており、「地震の目」の長径からマグニチュードを推定することができる。
・「地震の目」では地震発生回数が3つの山をもって段階的に増えていくが、最初に地震が活発化してから30年±3年で大地震が発生すると予測される。
火山噴火もプレートの移動によってマグマに圧力がかかることで生じるのであり、地震と噴火は同根である。興味深いのは、大地震が発生する前には、震央に近い火山から遠い火山へと、波紋のように順に噴火していく現象が見られるというのだ。地震と火山噴火は密接な関係にある。
木村氏は噴火についても地震と同様に、大噴火の前、過去30年以上にわたり火山の地下で発生した地震を解析する手法で「噴火の目」理論を導きだした。噴火においても地震と同様に地震回数に3つのピークがあり、最初に地震が活発化してから35年±4年後で主噴火に至ると考えられるそうだ。
地震予知などできないという地震学者は多いが、木村氏の本を読めばそれは大きな間違いであると理解できるだろう。何しろ、木村氏には予知の実績がある。「地震の目」理論でおおよその発生年を予測し、さらに宏観現象(電磁波や地磁気の異常、ラドン濃度の変化、地震雲、地下水の水位変化など)と言われる様々な地震前兆現象を組み合わせることで、地震発生時期を絞り込むことも決して実現不可能ではない。
政府はかなり前から東海・東南海・南海地震がいつ起きてもおかしくないとして警告を発してきた。しかし、これらの地震は起きずに兵庫県南部地震や東北地方太平洋沖地震という大地震が起きて大きな被害がもたらされた。「東海地震も関東大地震も起きない!」では、なぜ国の予知が当たらないのかということにも言及しているのだが、この国では地震予知の予算の使い方を間違えているとしか思えない。
ところで、もっとも気になるのは最新刊で木村氏の予測している今後の巨大地震だ。それによると日本近海でM8からM9クラスの「地震の目」が複数ある。
このうちM9と予測しているのは伊豆・小笠原海溝に沿った鳥島南方沖を震央とする「地震の目」だ。発生予測年は2012年±3年。ということは、あの悪夢のような超巨大地震がいつ起きてもおかしくないことになる。気になるのはここで地震が起きた場合に破壊される断層の長さだ。M9の東北地方太平洋沖地震では、長さ500km幅200kmにわたって断層が破壊された。これと同じ規模の破壊が生じると仮定するなら、関東地方に近いところにまで達する可能性があり、首都圏もかなり揺れる可能性がある。もちろん大津波も押し寄せるだろう。関東地方は十分な警戒や備えが必要だ。
もう一つ気になるのが、東北地方太平洋沖地震のアウターライズ地震(海溝の外側で起きる地震)の「地震の目」だ。これは2020年±3年、M8.0となっている。
また、九州から南西諸島にかけても「地震の目」がある。ひとつは日向灘南部で、2020年±4年、M7という予測。もう一つは奄美大島東方沖の2019年±3年、M8.8。南西諸島方面も注意が必要だ。
もちろんこれらは予測であり、巨大地震が発生することでプレートにかかる圧力が変化した場合には「地震の目」も変わることがあるだろう。
しかし、これだけ巨大地震の「地震の目」が日本近海に現れている以上、警戒を怠ってはならない。昨日は三宅島の近海と石垣島近海で中規模地震があった。これらの地震も予測されている巨大地震と無関係ではないだろう。とりわけ伊豆・小笠原海溝には歪がたまっていると考えられ、地震だけではなく伊豆諸島や富士山の火山噴火も懸念される。
木村さんのこれだけの実績がありながら、政府は「地震の目」理論に関心を示さないようだ。マスコミは相変わらず、東海・東南海・南海の連動地震や首都直下地震ばかりを取り上げている。しかし、木村氏は東海から南海にかけての大地震や首都直下地震はそれほど逼迫していないと言う。原発問題もそうだが、この国の地震予知や防災の姿勢には溜め息が出るばかりだ。
【4月20日追記】
ロシアの研究者が、独自の地震予知理論により2013年から2014年にかけて日本の太平洋側でM9クラスの巨大地震が起きると予測している。木村さんが巨大地震を予測している伊豆・小笠原海溝付近に近く、超巨大地震の再来が懸念される。
ロシア人学者「一年半以内にM9が日本で発生する可能性あり」関東東部から南海トラフのエリアで前兆! (正しい情報を探すブログ)
もし数日前に巨大地震の予知ができ、被害が想定される地域の住民を事前に避難させることができれば、人的被害を限りなくゼロに近づけることができるだろう。国はこういう研究にこそ力を入れてほしい。
2013年04月16日
変貌を遂げた西新宿
4日ほど東京に行ってきたのだが、ふと思いたって子どものころ住んでいたところを歩いてみた。私は長野県の上諏訪生まれだが、親の仕事の関係で幼児期に東京に引っ越した。その引っ越し先が新宿の十二社(じゅうにそう)というところで、10歳くらいまで3階建ての社宅のアパートに住んでいた。
あの頃、そのアパートに行くには新宿駅からバスに乗っていった。だから、新宿駅からはそれなりの距離があるとばかり思っていたのだが、地図を見たら直線距離で1キロちょっとしかない。かつて西新宿の高層ビル群から中央公園にかけては淀橋浄水場があって通り抜けできなかったのだが、今は新宿駅西口から中央公園を抜けると十二社は目と鼻の先だ。ただし今は十二社という地名はなく、西新宿という平凡な地名になっている。古くからの地名をどうして簡単に変えてしまうのだろう。そういえば、十二社の隣には角筈(つのはず)という風変わりな地名もあった。
新宿中央公園を通り抜けると、懐かしい熊野神社だ。縁日にはびっしりと露店が並んで大勢の人でにぎわった。ただし、あの頃から見るとかなり整備されており、だいぶ変わってしまった感は否めない。

熊野神社から以前住んでいたアパートに行くのは楽勝だと思っていた。ところが、住宅地内の路地に入ったら、どこを歩いているのか分からなくなってしまった。うろうろしていたら、かつて通っていた淀橋第六小学校(現在の西新宿小学校)にたどり着いた。体育館の位置は昔と変わっていない。

小学校からなら、かつての通学路をたどれば住んでいたところに行けるはずだ。校門前の細い路地は昔と変わっていない。ほどなくしてかつて住んでいたところにたどり着いた。
子どもの頃の記憶では、アパートの敷地はそれなりに広く、南側の敷地の真中に防火用の貯水槽があったのだが、その面影はまったくない。アパートのあった場所は、今は養護学校になっていた。そういえば、入口に面した道はさっき通りすぎていた。あまりに変わりすぎて、気づかなかったのだ。

引っ越してから50年近くがたつが、住宅街の大半の建物は建て替えられたのだろう。昔の面影は車一台がようやく通れるような狭い道くらいしかなかった。養護学校の前の道から新宿駅方面を見たら、住宅の屋根の上ににょっきりと東京都庁のビルがそびえたっている。

当たり前といえば当たり前なのだが、この変貌に半世紀の時の流れを感じずにはいられない。しかし、西新宿の高層ビル群を見るたびに、地震大国にこんなビルを建ててしまったことは間違いだったと思えてならない。近い将来ということではなくても、いつかは関東大震災のような大地震に襲われるだろう。いくら耐震性を強化したところで、無傷ということにはならない。私の目には、この高層ビル群は異様な光景としか映らない。

あの頃、そのアパートに行くには新宿駅からバスに乗っていった。だから、新宿駅からはそれなりの距離があるとばかり思っていたのだが、地図を見たら直線距離で1キロちょっとしかない。かつて西新宿の高層ビル群から中央公園にかけては淀橋浄水場があって通り抜けできなかったのだが、今は新宿駅西口から中央公園を抜けると十二社は目と鼻の先だ。ただし今は十二社という地名はなく、西新宿という平凡な地名になっている。古くからの地名をどうして簡単に変えてしまうのだろう。そういえば、十二社の隣には角筈(つのはず)という風変わりな地名もあった。
新宿中央公園を通り抜けると、懐かしい熊野神社だ。縁日にはびっしりと露店が並んで大勢の人でにぎわった。ただし、あの頃から見るとかなり整備されており、だいぶ変わってしまった感は否めない。

熊野神社から以前住んでいたアパートに行くのは楽勝だと思っていた。ところが、住宅地内の路地に入ったら、どこを歩いているのか分からなくなってしまった。うろうろしていたら、かつて通っていた淀橋第六小学校(現在の西新宿小学校)にたどり着いた。体育館の位置は昔と変わっていない。

小学校からなら、かつての通学路をたどれば住んでいたところに行けるはずだ。校門前の細い路地は昔と変わっていない。ほどなくしてかつて住んでいたところにたどり着いた。
子どもの頃の記憶では、アパートの敷地はそれなりに広く、南側の敷地の真中に防火用の貯水槽があったのだが、その面影はまったくない。アパートのあった場所は、今は養護学校になっていた。そういえば、入口に面した道はさっき通りすぎていた。あまりに変わりすぎて、気づかなかったのだ。

引っ越してから50年近くがたつが、住宅街の大半の建物は建て替えられたのだろう。昔の面影は車一台がようやく通れるような狭い道くらいしかなかった。養護学校の前の道から新宿駅方面を見たら、住宅の屋根の上ににょっきりと東京都庁のビルがそびえたっている。

当たり前といえば当たり前なのだが、この変貌に半世紀の時の流れを感じずにはいられない。しかし、西新宿の高層ビル群を見るたびに、地震大国にこんなビルを建ててしまったことは間違いだったと思えてならない。近い将来ということではなくても、いつかは関東大震災のような大地震に襲われるだろう。いくら耐震性を強化したところで、無傷ということにはならない。私の目には、この高層ビル群は異様な光景としか映らない。

2013年04月11日
全額返金問題を認めた文芸社
今日、「クンちゃん」のブログを見たら、以下の記事がアップされていた。
全額返金問題を初めて認知・文芸社
一般の人には「全額返金問題」と言っても何の事だかわからないだろう。詳しくはクンちゃんのブログの過去記事をお読みいただきたい。
カテゴリー:特定商取引法違反全額返金問題
簡単に言ってしまうと、特定商取引法の改正に絡んで、著者が文芸社に支払った費用の全額返金を請求できるケースがある、ということだ。
かつて特定商取引法の対象とされる商品・役務に自費出版は明記されていなかったのだが、特定商取引法の改正によってすべての商品・役務が対象になった。ところが、文芸社は2010年5月初めまで、この法改正に対する対処をしていなかったのだ。
このために、この期間に契約をした著者の中に、特定商取引法違反で全額返金を請求できる人たちがいる、ということになった。その対象者への返金額は文芸社と日本文学館を合わせ総額で10億円超になるという。
そして、今回、文芸社社員で東京管理職ユニオン文芸社支部小川秀朗支部長の申立に対する回答で、文芸社自身がその返金対象事例があるということを認めたのだ。もっとも、文芸社は自ら関係著者にそのことを通知する義務はない、としている。まあ、知らせちゃったら10億円も返金しなきゃならなくなるので、文芸社自ら著者に通知するなんてことはしないでしょう。
以下が文芸社からの回答
文芸社「出版費用全額返金問題」の存在を認める。 (東京管理職ユニオン文芸社支部)
なお、この返金対象になり得る契約は、平成21年(2009年)12月1日以降で平成22年5月初旬までとのこと。この期間に文芸社や日本文学館と契約を交わした方は、特定商取引法をよーく読んで、違反がなかったかどうか確認してみるとよいだろう。「電話勧誘」がキーポイントのようだ。以下の記事の最後の解説が参考になる。
全額返金可能額は文芸社=日本文学館だけで10億円超か?②
全額返金問題を初めて認知・文芸社
一般の人には「全額返金問題」と言っても何の事だかわからないだろう。詳しくはクンちゃんのブログの過去記事をお読みいただきたい。
カテゴリー:特定商取引法違反全額返金問題
簡単に言ってしまうと、特定商取引法の改正に絡んで、著者が文芸社に支払った費用の全額返金を請求できるケースがある、ということだ。
かつて特定商取引法の対象とされる商品・役務に自費出版は明記されていなかったのだが、特定商取引法の改正によってすべての商品・役務が対象になった。ところが、文芸社は2010年5月初めまで、この法改正に対する対処をしていなかったのだ。
このために、この期間に契約をした著者の中に、特定商取引法違反で全額返金を請求できる人たちがいる、ということになった。その対象者への返金額は文芸社と日本文学館を合わせ総額で10億円超になるという。
そして、今回、文芸社社員で東京管理職ユニオン文芸社支部小川秀朗支部長の申立に対する回答で、文芸社自身がその返金対象事例があるということを認めたのだ。もっとも、文芸社は自ら関係著者にそのことを通知する義務はない、としている。まあ、知らせちゃったら10億円も返金しなきゃならなくなるので、文芸社自ら著者に通知するなんてことはしないでしょう。
以下が文芸社からの回答
文芸社「出版費用全額返金問題」の存在を認める。 (東京管理職ユニオン文芸社支部)
なお、この返金対象になり得る契約は、平成21年(2009年)12月1日以降で平成22年5月初旬までとのこと。この期間に文芸社や日本文学館と契約を交わした方は、特定商取引法をよーく読んで、違反がなかったかどうか確認してみるとよいだろう。「電話勧誘」がキーポイントのようだ。以下の記事の最後の解説が参考になる。
全額返金可能額は文芸社=日本文学館だけで10億円超か?②