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鬼蜘蛛の網の片隅から › 大規模林道 › 環境への配慮って何?

2007年06月27日

環境への配慮って何?

環境への配慮って何?
 先日、大規模林道(緑資源幹線林道)「平取・えりも線」の「様似・えりも区間」の工事現場を視察しました。ここは、今年はまだ工事を開始していないようです。

 そこで見つけたのが、排水溝の構造物に落ちて閉じ込められたエゾアカガエルとエゾサンショウウオ。エゾサンショウウオは北海道のレッドリストに留意種として掲載され、生息地の破壊によって減少している動物です。

 工事中の道路脇にはコンクリートの排水溝がつけられますが、その排水溝からの水を溜める構造物が先に作られているところがありました。その中を覗くと、やせこけたエゾアカガエルが瀕死状態になっています。深くて外に出られないのです。そこで、救出作戦を開始しました。

 水の中にたまった落ち葉をすくい上げていくと、落ち葉とともに出てきたのは、エゾアカガエル18匹、エゾサンショウウオの幼体2匹、エゾサンショウウオの卵塊複数(ただし、卵は死亡している)。

 エゾアカガエルやエゾサンショウウオは、水溜りがあれば産卵します。でも、このように深かったら出られなくなってしまうのです。そして、水が腐れば産卵した卵も死んでしまいます。ですから、このような構造物をつくるときには、小動物が入り込まないように工夫しなければなりません。ところが、工事をする際には、そんなことはまったく考えていなかったようです。

 こんな現場を見ると、「環境への配慮って何?」と、空しい気持ちになってしまいます。もちろん、それ以前に「必要のない道路」だと思うのですが・・・。


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Posted by 松田まゆみ at 14:37│Comments(2)大規模林道
この記事へのコメント
 そうでしたか。
別名、鬼蜘蛛おばさんですか。
何かの集会でおみかけしましています。
 今、エゾサンショウウオの検索をしてまして、このHPを
拝見しました。
 ボクも昨年、道路を横断するエゾサンショウウオを観察していたら
縁石を登れず、移動の果てに雨水升に転落するのを見ました。
豆ガエル(エゾアカ)は登れます。
 環境に配慮した排水溝って必要です。
大規模林道は要らないね。
Posted by パクちゃん at 2008年01月15日 21:10
パク 様

どこかでお会いしているのですか・・・ それはどうも。
エゾアカガエルも、道路に縁石があると登るのにかなり苦労するようですね。縁石の前でうろうろしている間に、車にひかれてしまうこともあるようです。
大規模林道の場合は、このような配慮以前に必要性のない道路です。一日も早く中止にしてほしいです。
Posted by 松田まゆみ at 2008年01月16日 08:40
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