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2008年09月12日

川辺川ダムはいらない

 昨日、熊本県の蒲島郁夫知事が川辺川ダムの反対の意思表示をし、白紙撤回を求めました。

 ダムが計画されたのが1966年。昨年には農民が起こした利水訴訟で国が敗訴し、農水省が利水事業からの撤退を表明しました。さらに電源開発も撤退を表明し、当初の多目的ダムは治水しか目的がなくなっていたのです。

 その治水に対して知事が「ダムによらない治水」を選択したことは、高く評価されます。これまで無駄なダム建設を止めさせようと闘ってきた地元の人々の行動と思いが通じたのでしょう。

 私の手元に「川辺川ダムはいらん!」(川辺川ダム問題ブックレット編集委員会編、花伝社)というブックレットがあります。ここに川辺川ダムの問題点と地域住民の考えた治水対策が紹介されています。

 40年以上も前のダム計画が頓挫している背景には、こうした住民の声をきちんと受け止めることなしに事業を強行しようとしてきた国の姿勢があります。声を上げ続けてきた住民の意見、国民の意見こそ尊重されるべきでしょう。何と言っても国民の税金が使われるのですから。

 総事業費が3千億円を超えるといわれ、無駄な公共事業として批判を浴びてきた川辺川ダムですが、今回の知事の決断によって国は見直しをせざるを得なくなったといえるでしょう。

 もっとも知事が反対を表明したところで、法的な拘束力があるわけではありません。今後の国の判断を注視していかねばなりませんね。

 日本でダム建設を止めさせるのは容易なことではありません。北海道でも当別ダム、サンルダム、平取ダムなどが無駄な公共事業であるとして反対の声が上がっています。ところが高橋はるみ知事は、当別ダムの本体工事の入札で、指名停止業者を参加させるという驚くべき判断をして批判を浴びました。

 高橋知事は、いまだにダム建設に意欲的のようですが、無駄な公共事業を見直さないどころか建設を急ぐようでは、道民の信頼は得られなくなるばかりではないでしょうか。

 川辺川ダムについては、以下に紹介されている記事が大変参考になります。

川辺川ダム問題


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Posted by 松田まゆみ at 15:46│Comments(6)河川・ダム
この記事へのコメント
「白紙撤回」を表明した樺島県知事ですが
それ以上に重要だったのが、道筋を作った塩谷前知事。

県主導で住民討論会を開催して、住民の声を掘り起こし
人吉・相良村等流域住民の反対の流れが出来てきました。

県民投票条例が施行され、県民投票が実施されたなら
100%「建設反対」の結果となったはず。
自民党が樺島氏を県知事候補にした時点でも
「樺島氏はダム建設反対」と知っておきながら候補にした経緯からも
自民党熊本県連は今回の知事の決断を「容認」するでしょう。

その流れが絶対になるよう、私のような「声を上げなかった反対の県民」も
今、「白紙撤回歓迎」の声を上げなければいけません。

熊本県は2代続けて国民の目線にたった知事に恵まれて幸せです。

さあ 次は 我々熊本県民が 「建設反対」の のろしを上げる番です。

私は、微々たる力ではありますが、特技?のカメラを使って
「川辺川の自然」を全国へNET経由でアピールしていきます。
Posted by レンズ at 2008年09月13日 00:00
レンズ様

そうですね。塩谷前知事も大きく評価しなければなりません。

熊本県民の皆さんもしっかりと意志表示してほしいですし、それだけではなく国民全体の問題だと思います。

一人の力は小さくても、皆が声を出せば流れを変えることができるのです。
Posted by 松田まゆみ at 2008年09月13日 14:41
こんにちは。

私はダム建設がこの国の愚かさを象徴しているように思えるので、一番嫌いな部分です。

>40年以上も前のダム計画が頓挫している背景には、こうした住民の声をきちんと受け止めることなしに事業を強行しようとしてきた国の姿勢があります。声を上げ続けてきた住民の意見、国民の意見こそ尊重されるべきでしょう。何と言っても国民の税金が使われるのですから。

本当に、そういう事です!

>高橋知事は、いまだにダム建設に意欲的のようですが、無駄な公共事業を見直さないどころか建設を急ぐようでは、道民の信頼は得られなくなるばかりではないでしょうか。

北海道民の良識ある判断を次の知事選に求めます!

当記事リンクさせて頂きました。
Posted by まっつん at 2008年09月16日 11:18
まっつん様

コメント、そしてリンクありがとうございました。

日本はダム問題ではほんとうに遅れていますよね。欧米ではダムは生態系を破壊するとして反省し、少しずつ撤去しているのに、日本ではいまだに建設しようとしているのですから。

ダムなどではなく環境保全のため、平和のため、国民のために税金を使って欲しいです。
Posted by 松田まゆみ at 2008年09月16日 13:11
こんにちは
9月13日のレンズ様のコメントについて一言
「熊本県は2代続けて国民の目線にたった知事に恵まれて幸せです。」・・・・・・・・・・?
 確かに川辺ダム中止表明は立派な決断だと思います。しかし、川辺川が流れ進む球磨川になると違います。
 現在、球磨川には3基のダムがあります。最上流の市房ダム、瀬戸石ダム、荒瀬ダム、
 この内、発電専用の最下流に位置する荒瀬ダムについてですが前知事の塩谷知事は、全国で初めて既存ダムの撤去を表明されました。しかし、樺島知事は継続を表明されました、理由は撤去費用が更新するより費用がかかるとの事。
 この荒瀬ダムは、八代市に位置し、河口より約15㎞位にあります
夏になると赤潮が発生します。海では聞きますが川でも発生するのです今年も発生していました。ダムには、ヘドロと砂が溜ます。今年の夏水門を少し開けて下流に水を流していましたが、下流でドブ臭い匂いがしていました。また、下流の海に砂が流れません。
 これでは八代海には、山から運ばれる栄養素はダムで腐り、海に砂が流されず貝が育たず水が浄化されない状態です。こんな河口近くのダムは最悪です。 宝の海か、否か、樺島知事の責任です。塩谷前知事が、もう一期知事に留まれておられれば全国で初めてのダムが撤去されたと思います。
 全国で川辺川ダム問題は知られていますが、初めてダム撤去が計画されたことは知られていないと思いコメントさせていただきました。
Posted by ハゼ太郎 at 2009年11月03日 09:13
ハゼ太郎様

コメントありがとうございました。

荒瀬ダムについては、日本で初の撤去になるということで期待していたのですが、撤回されてしまったと知ったときには落胆しました。

ダムの撤去には堆砂の処理や費用の問題などがありますが、いずれ日本でも撤去しなければならない時がくるのではないでしょうか。ダムによって土砂がせき止められ、海岸の浸食が進んでいることについてはイソコモリグモの話題の際に何度も取り上げましたが、非常に深刻な状況です。
Posted by 松田まゆみ at 2009年11月03日 15:39
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